有価証券報告書-第139期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 11:13
【資料】
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【項目】
162項目
(2) 戦略
当社グループではサステナブル経営を推進することで、持続的に価値を生み出せる企業を目指しており、当社グループの環境施策の根幹となる「シチズングループ環境方針」に基づき、今後想定される様々な将来の環境変化を踏まえた上で、「グループ長期ビジョン2050」を策定しています。
また、SDGs達成に向けた5つの目標「シチズングループ環境目標2030」も策定しており、2050年までの長期的視点と2030年の中期的な視点から、当社グループのありたい姿を描き、そこからバックキャストすることでマテリアリティを設定し、想定される将来の環境変化を見据えて、ありたい姿の実現に向け取り組んでいます。
具体的には、ESG(環境・社会・ガバナンス)をサステナブル経営のトップアジェンダと捉えています。サステナブル経営においてESGは経営の優先事項と位置付けており、気候変動やサーキュラーエコノミーへの対応や、グローバルでの人権の尊重に加え、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、ガバナンス面については、リスクマネジメントの強化も含め企業としての社会的責任を遂行することにも注力しています。
こうした取り組みを更に推進するための当社グループのマテリアリティは、「気候変動への対応と循環型社会への貢献」、「質の高い生活への貢献」、「産業分野におけるソリューションの提供」、「働きがいの向上と人財の育成」、「社会的責任の遂行」の5つを、事業ごとに関連性を整理したうえで事業と事業基盤の視点から特定されています。中でも、気候変動への対応は企業にとって最重要課題の1つと捉えています。当社グループでは2020年度にTCFD提言への賛同を表明しています。また、2022年度にはSBT認定を取得しており、サプライチェーン全体で温室効果ガスの排出量削減をコミットしました。
気候変動に関するシナリオ分析
当社グループでは、気候変動に伴うリスクと機会は、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、以下のプロセスを通じて気候変動に伴うリスクと機会を特定し、サステナビリティ委員会事務局が中心となり、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオを用いて分析し、重要性を評価しました。
①気候変動に伴うリスクと機会の特定プロセス
プロセス1
気候変動に伴うリスクと機会を網羅的に抽出しました。
プロセス2
抽出したリスクと機会について、「時計事業」「工作機械事業」「デバイス事業」「電子機器他事業」の4つの事業との関連性および短・中・長期の3つの時間軸で整理しました。
プロセス3
整理したリスクと機会について、「自社にとっての影響度」および「発生可能性」について、5段階評価を行いました。総合評価として、「自社にとっての影響度」と「発生可能性」が共に高い項目を抽出し、重要なリスクと機会を特定しました。
②気候関連リスクおよび機会
脱炭素社会に向かう1.5℃シナリオと温暖化が進む4℃シナリオを用いて、分析、評価を行いました。
1.5℃シナリオにおいては、炭素税の導入を含む規制強化によるコスト増や、原材料等の価格上昇リスクが想定されます。当社グループは、「シチズングループ環境目標2030」や「シチズングループ環境ビジョン2050」の達成に向け、脱炭素化の取り組みを推進するほか、GHG排出削減投資促進のためのインターナルカーボンプライス制度の導入を検討しています。
4℃シナリオにおいては、原材料の安定的な確保のため、多角的な調達先の確保や適切な部材調達管理を推進していきます。また、気象災害を含むBCP対策や災害対策関連投資の促進などを行っています。
区分重要リスク /機会自社への影響対策
1.5℃4℃
移行リスク政策・法規制✓新たな法規制(カーボンプライス制度)の導入・強化によるコスト増加✓脱炭素化取り組みの推進(シチズングループ環境目標2030の達成)
✓GHG排出削減投資促進のためのインターナルカーボンプライス制度の導入
技術及び市場✓原材料等のコスト増加、供給不足・供給停止✓多角的な調達先の確保確保✓備蓄機能の強化
レピュテーション✓気候変動への対応遅れなどによる評価・評判の下落、それによる株価・売上の低下✓ESGの推進による企業価値の向上
物理的リスク急性リスク✓自然災害による被災の激甚化・頻度の増加✓災害時の具体的な行動指針の策定
慢性リスク✓異常気象の影響や対策に事業支出が増加✓サプライチェーン全体のリスク評価✓気象災害を含むBCP対策(生産拠点での災害対策、
調達/物流系統のBCPプランの策定等)
✓災害対策関連投資の促進
✓サプライチェーン寸断による生産活動の停滞✓サプライチェーン全体のリスク評価✓気象災害を含むBCP対策(生産拠点での災害対策、調達/物流系統のBCPプランの策定等)
✓備蓄機能の強化
機会エネルギー・資源効率✓省エネルギー化の推進によるコスト削減✓省エネルギー設備への転換、AI、IoT活用による電力使用の効率化
✓省資源化、3R、廃棄物ゼロエミッション、水資源の保全によるコスト削減✓循環型経済ビジネス拡大による事業機会獲得✓リサイクル資源の活用
✓代替素材での製品開発による差別化・競争力の向上
✓物資代替・軽量化によるライフサイクルでの脱炭素の実現
✓代替素材による製品開発✓原材料の軽量化・多様化
製品、サービス・市場✓環境配慮型製品/サービスの需要増による収益増✓気候変動に適応した製品・サービスを提供(エコドライブ、照明用LED)
レジリエンス✓自然災害対策を進めることで顧客からの信頼向上✓サプライチェーン全体のリスク評価✓気象災害を含むBCP対策(生産拠点での災害対策、
調達/物流系統のBCPプランの策定等)
✓備蓄機能の強化
✓計画的な対策の実施により物理リスク被害を最小限化✓サプライチェーン全体のリスク評価✓気象災害を含むBCP対策(生産拠点での災害対策、調達/物流系統のBCPプランの策定等)
✓備蓄機能の強化


人財育成方針
当社グループでは、従業員を人的資本と捉え、その価値を引き出していくことが、企業の永続的な成長につながり、社会への提供価値を最大化すると考えています。「社員一人一人が長期ビジョンの実現に貢献しシチズンで働くことへ誇りを感じていること」をグループ人財ビジョンとして掲げ、 グループ各社が主体となり、各社の経営戦略と事業環境に沿って、各社の成長を牽引できる人財を育成しています。
加えて、2022年度からは育成におけるグループ連携を強化し、グループ変革推進研修、経営基礎研修をスタートしました。グループの将来を担う次世代リーダーの育成にも注力し、グループ会社間で個社の枠を超えた人財ローテーションを行っています。対象となる社員は出向先の業務やワークショップ型研修を通じて、各事業環境への理解を深め、ネットワークをグループへと広げ、将来的には個社のみならずグループ全体の成長を牽引することを期待されています。
人財が活躍できる環境の整備
-自律的なキャリア開発と多様なキャリアパス
当社では、一人一人のキャリアの自律を基に、会社主導と両軸で育成し、社員の成長と共に会社の成長を図ることを目指しています。2021年度より若手中堅の希望者に向けたキャリアデザインセミナーを開催し合計100名に近い希望者が参加、外部のキャリア・コンサルティングサービスも導入し、自律的なキャリア開発を推奨しています。「社内副業」として、全就業時間の2割程度を社内の他部門の業務に就くことがきる制度を設け、先に導入されている社外副業と合わせて、社員が多様な経験を自発的に選択しうる機会として活用されています。さらに2023年度は「社内公募制異動」を導入し、社員の要望により即した異動が実現しています。社員から保有資格や異動希望等の定期的な自己申告を受けるほか、研修についても、各自の学びや目標に合わせた研修メニューを設けるなど、個人のキャリア形成を支援し、人財力を全社で向上・最適化する仕組みを構築しています。
-従業員エンゲージメントの向上にむけて
当社グループでは、シチズン時計㈱・シチズンファインデバイス㈱・シチズンマシナリー㈱の3社においてエンゲージメント調査を実施しています。当社では調査結果を経営層へ報告し、全社施策として「キャリア機会の提供」や「上司との関係性」「評価への納得感」の向上に向けて、キャリア自律の支援施策や管理職リスキリングメニューの拡充、考課者研修を実施しました。当社は目標管理制度を導入しており、期初に上司と設定した目標に対して、年に2回の業績評価を実施、上司からの業績フィードバックやキャリア面談を年に3回以上実施してキャリア開発につなげています。調査結果に基づく対応を含めてグループへ情報共有を図ることで、グループ全体の従業員エンゲージメント向上を図っていきます。
-ダイバーシティ&インクルージョン
当社グループは社員一人一人を尊重し、多様性を認め、活かせる環境をつくることが経営の責務と考えています。「ダイバーシティ経営」の実践にも力を入れており、ジェンダーダイバーシティを始めとして、組織競争力の源泉である多様な従業員一人一人が、能力を発揮して長く働ける組織を作り、企業価値の向上を目指しています。グループ人事委員会を運営し、事業活動上の人権の尊重やリスク対応についてグループガバナンスを推進しています。
当社では、働き方の多様化への対応やワークライフバランスの充実を目的としたテレワークを制度化、フレックスタイム制の拡大とあわせて、場所や時間に縛られない働き方をいち早く実現しています。女性の活躍推進では、当社は2025年度までに女性管理職比率10%以上を掲げ、女性管理職の計画的な育成・登用を進めています。男性の育児休暇取得についても育児参加の意義や必要性を伝える説明会を開催し、育休取得者の体験談を社内サイトで紹介するなど、育児参加を促す育休取得を積極的に推奨しています。

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