有価証券報告書-第102期(2024/04/01-2025/03/31)
③ 戦略
当社国内事業所を対象にScope1とScope2の分析を行っています。国内および海外子会社グループ企業のGHG排出量については、今後モニタリングを進めながら順次対応していく予定です。Scope3については、排出量が大きいと予測されるカテゴリ1とカテゴリ11の把握を進めてきました。2025年より他のカテゴリの把握を進めています。
シナリオ分析は将来予測の不確実性を考慮し、複数のシナリオを参照して検討を行いました。2℃未満シナリオのもとでの対応では不十分との国際的な世論が形成されつつあり、1.5℃シナリオを視野に入れて分析を行いました。一方、1.5℃シナリオへの対応では、物理的リスクへの意識が希薄化することから、現状の経済活動を継続した場合に気温が上昇する4℃シナリオでの事業環境を想定しました。
また、環境リスク・機会の再分析を行い、中期・長期で取り組むアクションを以下のように見直しました。
・気候変動に対する全体像の整理と取組方針
・新規事業領域模索
・気候変動対応を起点としたBCPの強化
・LCA・Scope3(顧客・サプライヤとの連携含む)
※参照したシナリオ
1.5℃シナリオ:(IEA ) NZE 、 1.5℃ 特別報告書 (IPCC ) SSP1-1.9
4℃シナリオ:(IEA ) STEPS (IPCC ) SSP2-4.5 、 SSP3‐7.0
(リスク機会と事業インパクトの分析)
凡例 財務インパクト:▲▲▲ 大、▲▲ 中、▲ 小 発現時期:短期2022~2024、中期2025~2029、長期2030~
④ グループ企業(国内および海外子会社)のGHG排出量のモニタリング
当社グループ企業のうち生産拠点におけるScope1とScope2のGHG排出量の調査を開始しました。
⑤ Scope3の開示に向けた取り組み
当社のほとんどの製品は、部品・部材を調達し、自社で製造・販売、お客さまの現場で稼働しています。そのため、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量を把握することが重要であると考えています。
2024年度より新たにScope3対応プロジェクトを発足し、カテゴリ1~カテゴリ15の把握を進めています。
⑥ リスクに対する戦略
(BCP・BCMS強化)
気候変動による自然災害などのリスクの高まりに加え、経済安全保障などの観点からも、有事の事業継続ニーズが高まっています。そうした背景を受け、当社では事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメントシステム(BCMS)の強化に取り組んでいます。
また、気候変動に伴う災害激甚化に備え、自社工場の操業停止、サプライヤーや協力会社の被災を想定し、以下の計画・マネジメントを実施しています。
自社工場の被災想定 :当社工場(八王子、土浦、飯能、古殿)の浸水リスクを自治体のハザードマップなどを基に評価し、浸水リスクが十分に小さいことを確認しています。
サプライヤー・協力会社:取引金額や代替不可能性など、当社事業への影響の大きさを考慮のうえ、自治体のハザードマップや世界資源研究所(WRI)「Aqueduct Floods」などの評価ツールを用いて浸水リスクを評価し、リスクが高いと判断したサプライヤーに対しては、対策の検討を順次進めています。
⑦ Scope3(カテゴリー11)に対する戦略
LCAを元にしたScope3カテゴリー1, 11を算出した結果、半導体製造装置のカテゴリー11のインパクトが最も大きく、削減取り組みの重要度が高いことが分かりました。
半導体製造工程では、当社製品自体の電力消費に加えて、クリーンルームの維持や温度制御、半導体の洗浄に必要な超純水の製造でもエネルギーが消費されます。
また当社のLCA結果に基づくと、ダイシングマシンにおいては、間接排出量に関連するCO2排出量が、製品使用時の電力消費に関連するCO2と同程度か数倍となる場合もあり、その削減も重要となっています。当社としても、製品のフットプリント(専有面積)を削減することで、製品あたりに必要な空調のエネルギー削減や、半導体の切削・加工をより少量の水(超純水)で行える製品開発などに取り組んでいます。
当社の新製品開発における設計原則には、「コンパクト化」「ライフサイクルでの省エネ設計」「省資源設計」が含まれ、製品開発時に間接排出量に関するCO2排出も含めたLCAの評価と目標値の設定を行っています。
当社国内事業所を対象にScope1とScope2の分析を行っています。国内および海外子会社グループ企業のGHG排出量については、今後モニタリングを進めながら順次対応していく予定です。Scope3については、排出量が大きいと予測されるカテゴリ1とカテゴリ11の把握を進めてきました。2025年より他のカテゴリの把握を進めています。
シナリオ分析は将来予測の不確実性を考慮し、複数のシナリオを参照して検討を行いました。2℃未満シナリオのもとでの対応では不十分との国際的な世論が形成されつつあり、1.5℃シナリオを視野に入れて分析を行いました。一方、1.5℃シナリオへの対応では、物理的リスクへの意識が希薄化することから、現状の経済活動を継続した場合に気温が上昇する4℃シナリオでの事業環境を想定しました。
また、環境リスク・機会の再分析を行い、中期・長期で取り組むアクションを以下のように見直しました。
・気候変動に対する全体像の整理と取組方針
・新規事業領域模索
・気候変動対応を起点としたBCPの強化
・LCA・Scope3(顧客・サプライヤとの連携含む)
※参照したシナリオ
1.5℃シナリオ:(IEA ) NZE 、 1.5℃ 特別報告書 (IPCC ) SSP1-1.9
4℃シナリオ:(IEA ) STEPS (IPCC ) SSP2-4.5 、 SSP3‐7.0
(リスク機会と事業インパクトの分析)
| シナリオ | リスク機会 | イベント | 内容 | 財務インパクト | 発生時期 | |
| 1.5℃ | リスク | 規制 | カーボンプライシング | ・炭素税導入による原材料・資機材・エネルギー・輸送費用等の上昇 ・国境炭素税の導入により製品輸出への制約 | ▲▲ | 中期 |
| 市場 | EV化 | ・従来の事業・製品(内燃機関関連部品向け計測器)の需要縮小 | ▲▲▲ | 短期 | ||
| 脱炭素化プレミアム | ・脱炭素化に伴う材料価格の高騰、調達難、代替品確保に伴うコスト発生 ・非化石エネルギーの調達難や調達コストの上昇 | ▲▲ | 中期 | |||
| 評判 | 脱炭素化対応の遅れ | ・気候変動対応をはじめとするESG対応の遅れは資金調達や取引関係に悪影響 | ▲▲ | 中期 | ||
| 機会 | 市場 | EV化、電化・デジタル化 | ・EVの新たな素材・部品への計測需要が拡大・半導体利用が増加し、生産能力が拡張 | ▲▲▲ | 中期 | |
| 再生可能エネルギー市場拡大 | ・再生可能エネルギー市場拡大に伴う計測機器需要の拡大 | ▲ | 長期 | |||
| 資源効率エネルギー | 生産設備 | ・工場内の省エネ対策(設備やプロセス)や資源の再利用により生産性向上と顧客の脱炭素化要望に対応 | ▲ | 短期 | ||
| 製品サービス | 低炭素製品・ サービス | ・LCA観点による環境負荷の低減により市場での製品評価や優位性が向上 ・顧客の軽量化ニーズを実現捕捉(計測製品需要拡大) | ▲▲ | 短期 | ||
| 4℃ | リスク | 物理(急性) | 激甚化災害の発現 | ・リスク対策費用(BCP対応)の増加 ・被災による物的損害と復旧費用の発生 ・被災による操業停止(自社・サプライヤー要因) | ▲▲▲ | 中期 |
| 機会 | レジリエンス | 災害対応 | ・災害時における製品・サービスの安定供給により顧客生産体制の維持に貢献 | ▲▲ | 中期 |
凡例 財務インパクト:▲▲▲ 大、▲▲ 中、▲ 小 発現時期:短期2022~2024、中期2025~2029、長期2030~
④ グループ企業(国内および海外子会社)のGHG排出量のモニタリング
当社グループ企業のうち生産拠点におけるScope1とScope2のGHG排出量の調査を開始しました。
⑤ Scope3の開示に向けた取り組み
当社のほとんどの製品は、部品・部材を調達し、自社で製造・販売、お客さまの現場で稼働しています。そのため、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量を把握することが重要であると考えています。
2024年度より新たにScope3対応プロジェクトを発足し、カテゴリ1~カテゴリ15の把握を進めています。
⑥ リスクに対する戦略
(BCP・BCMS強化)
気候変動による自然災害などのリスクの高まりに加え、経済安全保障などの観点からも、有事の事業継続ニーズが高まっています。そうした背景を受け、当社では事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメントシステム(BCMS)の強化に取り組んでいます。
また、気候変動に伴う災害激甚化に備え、自社工場の操業停止、サプライヤーや協力会社の被災を想定し、以下の計画・マネジメントを実施しています。
自社工場の被災想定 :当社工場(八王子、土浦、飯能、古殿)の浸水リスクを自治体のハザードマップなどを基に評価し、浸水リスクが十分に小さいことを確認しています。
サプライヤー・協力会社:取引金額や代替不可能性など、当社事業への影響の大きさを考慮のうえ、自治体のハザードマップや世界資源研究所(WRI)「Aqueduct Floods」などの評価ツールを用いて浸水リスクを評価し、リスクが高いと判断したサプライヤーに対しては、対策の検討を順次進めています。
⑦ Scope3(カテゴリー11)に対する戦略
LCAを元にしたScope3カテゴリー1, 11を算出した結果、半導体製造装置のカテゴリー11のインパクトが最も大きく、削減取り組みの重要度が高いことが分かりました。
半導体製造工程では、当社製品自体の電力消費に加えて、クリーンルームの維持や温度制御、半導体の洗浄に必要な超純水の製造でもエネルギーが消費されます。
また当社のLCA結果に基づくと、ダイシングマシンにおいては、間接排出量に関連するCO2排出量が、製品使用時の電力消費に関連するCO2と同程度か数倍となる場合もあり、その削減も重要となっています。当社としても、製品のフットプリント(専有面積)を削減することで、製品あたりに必要な空調のエネルギー削減や、半導体の切削・加工をより少量の水(超純水)で行える製品開発などに取り組んでいます。
当社の新製品開発における設計原則には、「コンパクト化」「ライフサイクルでの省エネ設計」「省資源設計」が含まれ、製品開発時に間接排出量に関するCO2排出も含めたLCAの評価と目標値の設定を行っています。