有価証券報告書-第46期(令和2年6月1日-令和3年5月31日)

【提出】
2021/08/26 10:59
【資料】
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【項目】
135項目

研究開発活動

当社グループのレーザ関連製品を用いた光学技術の研究開発は、大学、大学付属研究所、国公立研究所(各省庁研究所)、民間企業の研究所や開発部門で盛んに行われております。当社グループは、光学技術研究開発分野からの先端ニーズを反映した、研究開発には不可欠な光学基本機器製品、自動応用製品、光学素子・薄膜製品等のカタログ規格品及びその特注製品を要素部品として提供しております。
又、それらの研究開発分野で蓄積した総合技術力を駆使し、光学周辺機器の総合メーカとしてフラットパネルディスプレイ(FPD)・半導体等の産業分野に向けた計測、観察、加工用途向け製品や、医療・ライフサイエンス・メディカルフォトニクス分野向け製品など幅広い種類の光学システム製品を提供しております。
当社グループの研究開発は、主に技術本部が担当しておりますが、より付加価値の高い製品を創出するために、営業部門や生産部門、更には協力会社との連携強化を進めております。
当連結会計期間における当社グループの事業セグメント別の研究開発費は、要素部品事業181百万円、システム製品事業153百万円となっており、主な研究開発の活動状況は、次のとおりであります。
(1) 要素部品事業
光学基本機器製品では、超高安定ステンレスミラーマウントシリーズの拡充を行いました。競合他社を含む従来の製品を大きく上回る温度ドリフト性能、温度シフト性能を達成した製品のシリーズ拡充により、研究開発分野だけでなく、産業用途向け光学装置や、より高度な安定性が求められるレーザ発振器内部への組み込み用途など、より多くのお客様が利用可能となり、使用用途は拡大していくものと予想しています。又、新しい光学実験のプラットホームであるオプティカルケージシステムの自動シリーズを開発しました。お客様のニーズに対応したコンパクト且つ自立型の光学系を自動化することにより、遠隔制御ができるようになり、研究開発分野だけではなく、産業応用まで幅広い用途に使用できるため、バイオ・医療関連やフラットパネルディスプレイ関連分野、航空・宇宙関連分野等への販売拡大が見込まれます。加えて、真空用ピエゾアシストドライブも開発しました。真空用ピエゾアシストドライブを使用することで、従来では真空チャンバー内にある位置決めステージ、ミラーマウントの高精度位置決めが困難でしたが、遠隔制御できるようになり、高精度な位置決めが可能となります。真空装置やFA装置全般への組み込み用途などで販売促進してまいります。
自動応用製品では、研究開発や産業用途向けの4軸ジョグダイヤルコンソールの開発を行いました。顕微鏡ステージ、マニピュレータなどの操作に適したデザインのため、お客様のストレスを軽減することが出来ます。今後の医療・バイオテクノロジー向けに販売拡大が見込まれます。
光学素子・薄膜製品では、継続して低散乱及び結晶等の研磨技術と、超高耐力・超高反射率など高度な薄膜技術の開発を行いました。又、研究機関と共同で、赤外線用光学素子の開発を継続して推進しました。技術力の高度化により、国内外の大学・官公庁及び企業の最新研究部門への拡販を進め、売上増に貢献いたしました。
(2) システム製品事業
最新の研究開発分野で培った技術を基に、システム系ユニット製品・パーツの開発を継続して実施いたしました。レーザ加工装置で利用される加工観察ユニット、対物レンズ、fθレンズなどの複合レンズ製品はラインナップの拡充を行い、FA分野を中心に売上に寄与いたしました。又、複合レンズ製品の展開として、再生医療・ライフサイエンス・メディカルフォトニクス分野に向けたナノオーダーの分解能を有する新しい顕微鏡システム「オプトナノ」高分解能タイプの開発を行いました。バイオ医療関連のみならず、半導体・フラットパネルディスプレイ分野向けの応用に展開してまいります。ユニット製品においては新しいコンセプトの生物顕微鏡であるコアユニットシステムの拡充とユニット化を加速させ、バイオテクノロジー研究分野への拡販を進めております。又、システム・装置関連においては、通信業界向け次世代通信モジュールの調芯装置やモーションコントロールシステムの深化、OEM化を行い、売上に貢献いたしました。