有価証券報告書-第30期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)

【提出】
2020/10/29 15:20
【資料】
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【項目】
138項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来、『次世代通信インフラを実現するエキスパート集団』として、通信事業者、通信機器メーカー及びネットワーク・インテグレータ等が行う通信インフラ構築を側面から支援することで、通信サービスの品質向上に貢献してまいりました。
「全社員の成長と幸福を追求すると同時に、お客様、社会の進歩発展に貢献する」を経営理念として掲げ、技術志向型企業として、ユニークな研究開発、タイムリーな製品・サービスの提供を行い、「品質・技術力・創造性でお客様の満足を獲得する」ことを事業の目標としていく所存です。
(2)目標とする経営指標
安定的な成長・発展の継続を目指す企業であるとの前提に立ち、①中長期的な売上・利益成長、②一定水準以上の
利益率の確保、③キャッシュ・フロー重視、以上の3点を目標とすべき経営指標として掲げ、企業価値の最大化を目指しております。
(3)経営環境及び対処すべき課題
通信サービス及び通信機器関連市場は、中長期的には拡大していくことが見込まれておりますが、短期的には国内外の政治経済の情勢や新型コロナウイルスの感染拡大の影響による景気の動向に左右されることに加え、通信業界の競争の激化に伴う設備投資、研究開発投資の選別的な姿勢が継続することが予想されます。
上記の事業環境を前提に、更なる成長を目指していくため、以下の経営課題に取り組んでまいります。
① 第5世代移動体通信技術への対応
当社グループの中心事業である通信テストソリューション分野では、通信規格の世代交代が行われる際に、競争状況に大きな変化が見られることが一般的であると思われます。国内及び海外の移動体通信業界では、第4世代の移動体通信規格でのサービスから、第5世代の移動体通信への移行が始まり、研究開発も本格化しております。当社グループでは、この第5世代への対応を極めて重要な経営課題と認識し、製品開発及び商材開拓並びにテストサービスによる販路拡大に関して積極的に取り組んでまいります。
② 海外事業の展開
海外事業の成否は、当社グループの中期的な成長において、重要な経営課題と考えております。特に開発及びサポート体制の整備・拡充への対応は、海外事業において新規顧客を獲得し販路を拡大していく上で非常に重要であり、海外開発拠点の設立及び人財の獲得・育成に注力してまいります。5Gは世界標準の規格として採用され、先行的な5Gサービスも一部で開始されております。国内市場において実績のある当社グループの製品及びテストサービスを、今後も成長の続くアジア市場や欧州市場を中心に積極的に展開してまいります。
③ 次世代ネットワーク分野のソリューション提案力の向上
収益の大半を移動体通信分野に依存している当社グループにとって、移動体通信分野以外の市場での競争力向上は、収益源の安定化とともに、中期的な事業基盤の強化を図る上で、欠かせない経営課題と考えられます。従前から取り組んでいるIPネットワークソリューション製品の販売及び保守サービスに加え、ネットワークセキュリティにおける製品開発及び商材開拓並びに販売を積極的に展開し、ソリューション提案力の更なる向上に取り組んでまいります。
④ 通信分野における新事業の展開
当社グループは、移動体、固定等の通信分野におけるテスト機器を主要な事業領域としてまいりました。当社グループの中期的な成長を継続、促進していくためには、当社グループの中核的な能力(コア・コンピタンス)を強く意識した上での新規事業への取り組みが重要な経営課題であると考えております。今後とも、積極的に新規事業の開発に取り組んでまいります。