四半期報告書-第45期第3四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/05/14 15:36
【資料】
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【項目】
35項目
(追加情報)
(新型コロナウイルス感染症の影響について)
新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響に関しましては、前連結会計年度の有価証券報告書の追加情報に記載した内容から、重要な変更はありません。
(株式の取得による株式会社A-Tractionの子会社化)
(1)目的
株式会社A-Traction(以下、A-Traction社)は、国立研究開発法人国立がん研究センターの認定ベンチャーで、臨床現場で生まれたニーズを基に腹腔鏡手術支援ロボットの開発に取り組んでいます。これまでも、A-Traction社と当社グループは、2020年2月14日開示の「株式会社A-Tractionとの腹腔鏡手術支援ロボットに関する基本合意書の締結について」のとおり、薬事申請及び交換部品の受託製造に関する基本合意を締結するなど、開発から製造に関して協力関係にありました。当社グループのコアコンピタンスであるワイヤーは、当ロボットのロボットハンドの駆動用ワイヤーとして適用され、重要な機能を担っております。
A-Traction社が手掛ける腹腔鏡手術支援ロボットは、独自のコンセプトで、術者の視野確保や臓器の牽引・テンション維持など、術者をサポートする助手の機能に特化したロボットです。また執刀医師自らが、通常の腹腔鏡手術をしながら当ロボットを操作できることが最大の特徴です。当ロボットは、主に直腸のTaTME(注)を中心として、結腸などの消化器系や婦人科系などの幅広い分野において適用することができ、当ロボットを用いて手術が行われることにより、腹腔鏡手術がより安全に行えることや、手術に携わる助手の数が大幅に削減できる効果が期待されており、医療機関においてコストやスペースを抑えた中でのロボティクスの導入が進み、外科医師不足の解消や、医療費抑制への効果があるものと考えております。
昨今、消化器腫瘍の外科手術は、手術器具や技術の進歩に伴い、開腹手術に比べて手術創が小さくなることにより、患者様の負担が軽く、入院期間の短縮化も図られる腹腔鏡による手術が普及しております。また、近年では、人間の手の動きを正確に再現し、より精緻な手術を可能とする腹腔鏡手術支援ロボットによる執刀例が増加しており、米国Intuitive Surgical社の“daVinci”(ダヴィンチ)システムが腹腔鏡手術支援ロボットとして世界的にシェアを獲得している中、特許期限の観点から国内外のロボットメーカー各社による新たな開発競争が進んでいる状況です。A-Traction社が手掛ける腹腔鏡手術支援ロボットは、これらの他のメーカー各社とは全く異なる独自のコンセプトで、術者をサポートする助手の機能に特化したロボットです。
なお、当面は、当ロボットの開発・製造・販売についてはA-Traction社が行い、当ロボットの使用時に必要となる鉗子などのディスポーザブルな消耗品については当社グループが医療機関に直接供給することを想定しています。
また今後、A-Traction社のロボティクスに関する技術と当社グループの保有する技術や医療機器分野のノウハウが融合することで、当ロボットの普及が拡大することに加え、将来的には消化器領域のみならず、他の診療領域なども含めて、新たな画期的な医療ロボットを実現化できる可能性が高まり、これらの実現によって患者様や医療機関などの負担を軽減する低侵襲治療の普及や医療費抑制などへの貢献に繋がると考え、このたびの株式取得を決議いたしました。
当社グループは「患部・治療領域の拡大」「新規事業の創出」を中長期戦略に掲げておりますが、A-Traction社の子会社化を通じて、幅広い分野での低侵襲治療製品の普及と患者様のQOL(Quality of Life)向上の一助となる様、今後とも努めて参ります。
(注)TaTME(transanal total mesorectal excision:経肛門直腸間膜全切除術)とは、腹部側、肛門側の双方からのアプローチにより直腸の腫瘍を切除する術式です。腹部側からのみでは難しい肛門周囲の病変の切除を肛門側から行うことにより、腫瘍の位置や浸潤の度合いによってはがんの根治性向上や肛門温存が可能となり、患者様のQOL向上に貢献します。
(2)株式取得の相手先名称
MPI-1号投資事業有限責任組合
上記の他、会社など1社及び個人7名から株式及び新株予約権を取得
(3)買収する会社の名称、事業内容、規模
会社名称:株式会社A-Traction
事業内容:腹腔鏡手術支援ロボットの開発
資本金:976百万円(資本剰余金を含む)
(4)株式取得の時期
2021年7月1日
(5)取得する株式の数、取得価額及び取得後の持分比率
取得する株式の数:20,330株及び新株予約権1,030個(議決権の数:20,330 個)
取得価額:一時金2,680百万円
今後一定の条件達成に応じたマイルストーンとして、2023年12月までに最大860百万円の支払いが発生する可能性があります 。
取得後の持分比率:100.00%
異動後の所有株式数:23,830株
(議決権の数: 23,830個)(議決権所有割合:100.00%)
(6)支払資金の調達及び支払方法
買収資金は2021年4月12日開催の取締役会において発行を決議した第三者割当による第4回新株予約権(以下、本新株予約権)の払込み及び行使により調達する資金による充当を予定しております。なお、本新株予約権の行使状況又は行使時における株価推移により想定どおりの資金調達ができなかった場合には、別途金融機関からの借入などにより調達する資金による充当を予定しております。