有価証券報告書-第44期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。
(1)経営方針
当社グループは、研究開発型企業として、『医療及び産業機器の分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現すると共に、広く社会に貢献していくこと』を企業理念としております。また特に、当社グループの医療機器分野事業は、主に、傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えており、今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会からも市場からも評価される企業として、さらなる成長を遂げたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
① 長期経営ビジョン
当社は、「低侵襲治療製品の普及を日本から世界へ積極的に発信し、全世界の患者様のQOL(Quality of Life)を高めると同時に、全世界での『ASAHIブランド』の確立を図る」という経営ビジョンを定め、長期的な目標として連結売上高1,000億円を掲げております。
② 中期経営計画
当社は、長期的な目標の連結売上高1,000億円に繋げるため、「新中期経営計画『ASAHI Road to 1000』~Only One技術で強固なグローバルニッチNo.1を目指す~」を策定し、以下の4つの基本方針を定めました。
本計画では、連結売上高1,000億円達成に向けた事業ポートフォリオの構築として、「グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大」を引続き推進することで、これまでの基本戦略の集大成を図り、既存事業の収益基盤を強化いたします。また、将来に向けた成長への投資を継続することにより「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を実現し、グローバルニッチ市場における当社のプレゼンスの強化と企業価値の一層の向上を目指します。その成長戦略を支えるためのビジネス基盤として、「グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築」を進めるとともに「持続的成長に向けた経営基盤の確立」を図ってまいりたいと考えております。
本計画では、連結売上高1,000億円に至るマイルストーンとして、2023年6月期に連結売上高800億円を達成することを目標とし、当該時点での営業利益率は25%を目途としております。
なお、当社製品の限界利益率を踏まえると、売上の伸長に伴い、利益や資本効率性も向上する構造にあると考え、経営の主要パフォーマンス指標(KPI)として売上高を据えております。また、当社は製品の競争優位性の向上や競争優位の持続期間の長期化といった定性的な観点を重視した経営を行っており、経営方針や事業戦略について、ホームページ等で極力詳細な開示に努めております。
今般の、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、血管内カテーテル治療件数がグローバル規模にて減少傾向にあり、2021年6月期の売上高においても、マイナス影響を受けることが想定されます。なお、この症例数の減少の背景には、血管内カテーテル治療のうち、緊急性が高い症例のみ治療を行い、待機が可能な症例については治療が延期されることから、一時的に症例数が減少している事情があります。よって、新型コロナウイルスの影響が収まれば、この延期された待機症例の大半が治療されることが予想され、当社の中長期的な成長性に大きな影響は無いものと推測しております。つきましては、このような状況下においても、当社グループは、中期経営計画における下記の基本方針については変更せず、継続して事業運営を進めてまいります。
(a)グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大
当社グループは現在、世界110の国と地域へ製品を供給しております。当社グループの製品が使用される血管内疾患の症例数は、今後も新興国を中心にグローバル規模で拡大すると予測されております。こうした中、それぞれの地域において販売・マーケティングの機能をより一層充実させることにより、グローバル規模での収益基盤の強化を図る所存であります。
(日本)
日本市場では、2012年7月より、連結子会社である朝日インテックJセールス株式会社が、病院などに自社ブランド製品の直接販売を行っております。この販売体制を活かして更なる市場シェアの獲得に努めるとともに、同社の商社機能を活用して、国内外の他社製品とのシナジー効果による販売拡大を図り、収益構造の強化にも努めてまいります。また、日本市場においては、世界に先駆けて新製品の投入を行っております。第二第三の主力製品の確立を目指しながら、収益拡大に努めてまいります。
(米国)
米国市場では、主力製品PTCAガイドワイヤーの販売につきまして、従来は代理店を通じて販売を行っておりましたが、2018年7月より当社子会社ASAHI INTECC USA, INC.を通じて病院などに直接販売を行っております。既存の直接販売体制を活かしながら、さらなる販売促進のために、最終顧客である医師に密着して市場動向をより早く把握できる体制を構築し、拡販に努めます。また、PTCAガイドワイヤーのみならず、他の製品群についても、引続きマーケティングや販売機能の強化を進め、収益拡大に努めてまいります。
(欧州・中近東)
欧州・中近東市場では、現場に密着した複数の代理店を通じて、主力製品のPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルなどを販売し、高いシェアを獲得しております。今後におきましても、既存製品のシェア拡大を図るとともに、日本で高い評価を得ている新製品などを積極的に市場投入するなどし、総合的な製品供給を進めてまいります。また、欧州・中近東市場の一部の地域におきましては、段階的に、直接販売化を進める予定であり、その一環として、2019年7月よりフランスにおいて段階的に直接販売を実施しており、また、2021年1月よりドイツにおいても直接販売化に移行する予定です。今後も、これらの活動を通じて、さらなる収益拡大を図ってまいる所存です。
(中国)
中国市場では、現地代理店を通じた販売を行っております。グローバル市場の中でも中国は特に成長が著しく、さらなる発展が見込まれております。2016年6月期より、循環器系領域の製品を中心に複数代理店制への移行を進めており、市場シェアをさらに拡大しつつあります。今後におきましても、マーケットの状況を鑑みながら、代理店数の増加推進や、連結子会社である朝日英達科貿(北京)有限公司を通じたマーケティングや販売活動の充実、現地代理店に密着したバックアップ体制の強化などにより、さらなる収益拡大に努めてまいります。
(その他地域)
中国以外のアジア地域や南米地域を中心に、潜在成長力のある新興国市場における営業体制を強化し、さらなる収益拡大を目指してまいります。今後も、現地に密着した支店・子会社の開設などを予定しており、これらの活動を通じて、さらなる販売強化を図ってまいります。
(Number One製品戦略)
循環器系領域の主力製品PTCAガイドワイヤーにつきましては、当社が強みを持つ治療難度の高いCTO(慢性完全閉塞)用の製品開発に注力するとともに、一般的な通常病変用の製品の拡充にも努めることにより、総合的なナンバーワンのポジションを盤石化してまいります。
また、PTCAガイドワイヤーに次ぐ第二第三の主力製品の確立に向け、当社グループが有するステンレス加工技術と樹脂加工技術を融合することにより、PTCAバルーンカテーテルやPTCAガイディングカテーテル、貫通カテーテルなどの循環器系領域におけるカテーテル分野の製品群を一層強化・拡大してまいります。
さらに、循環器系領域から末梢・腹部・脳血管系などの非循環器系領域への製品展開を継続して進めてまいります。非循環器系領域については、循環器系で培った技術を応用した横展開を行うと同時に、積極的な海外展開を図り、グローバル規模での市場シェアの獲得に努めてまいります。
(Only One製品戦略)
現在、治療が困難とされているCTOに対するPTCA治療は、PTCA治療の先進国である日本においても完全というわけではなく、海外市場を中心にバイパス手術で対応するケースが残っております。このような中、当社グループは、他社にはない高い製品優位性を持ち、CTO治療も可能なPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルなどの低侵襲治療に必要な製品群を開発・販売し、CTO領域におけるPTCA治療選択率の拡大に寄与してまいりました。今後も、研究開発型企業として、競争力の高い独創的な製品や、機能の進化した新製品を開発・製品化し続けることにより、低侵襲治療の普及や発展に寄与してまいります。
(b)グローバルニッチ市場における新規事業の創出
研究開発型企業である当社グループは、4つのコアテクノロジー(伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、樹脂コーティング技術、トルク技術)を主体とした、高度で独自性の高い素材加工技術を備えております。また、これらの技術に加え、原材料から製品までの一貫生産体制を構築することにより、当社独自の素材及び機能を有した製品の開発・製造が可能となっております。これは、医療機器分野以外に、産業機器分野を有する当社グループならではの強みであり、医療機器分野での競合先とのコスト面・技術面における差別化を図る大きな要因となっております。
今後もグローバル競争に勝ち、連結売上高1,000億円を超えて永続的に成長発展する企業であり続けるために、その礎となる施策に今から着手していくことが必要であると認識し、当社の高い技術力の強化により消化器分野・ロボティクス分野・脳血管系分野などの新領域への進出を目指します。また、新テクノロジーとの融合が必要な場合には、より積極的に技術提携、M&A、少数株主投資などを駆使し、外部からの新技術導入を含め、有力パートナーとの戦略的提携についても推進していく予定です。
グローバルニッチ市場における新規事業の創出により、事業ポートフォリオの強化に努め、グローバルで持続的に成長する企業を目指してまいります。
(C)グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築
研究開発体制のグローバル化として、米国の直接販売の拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA,INC.において、最終顧客である医師からのニーズや評価をダイレクトに反映できる、試作レベルまでの対応を可能とした研究開発体制を構築しております。また、連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.の研究開発拠点をさらに拡充させ、製品仕様の検討を含めた既存製品の改良などをより積極的に進めてまいります。
国内においては、当社グループの研究開発拠点の中心である瀬戸工場の敷地内に新社屋を建設し、臨床現場に近い研究開発環境整備を実現いたしました。さらに、当社グループの精密加工技術の開発の中心拠点として東北R&Dセンターの稼働を開始するなどし、国内の研究開発体制についても、より充実させております。
当社グループでは、現在、日本においては研究開発・試作に特化し、量産品については原則として海外の連結子会社に生産移管しており、素材から完成品までの一貫生産が海外工場(ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.(タイ工場)、ASAHI INTECC HANOI CO., LTD.(ハノイ工場) 、及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場))で実現できる体制が整っております。その中で、リスク管理や事業継続計画(BCP)の観点から、グループ全体での生産拠点の最適化を図っており、現地事情などにより、一部の工場が操業不能に陥った場合においても、別の工場にて代替生産の大部分を担えるよう、3工場で同じ製品が製造できる体制の構築を進めております。また、現在は量産機能を有していない当社においても、今後代替生産が可能な量産設備の保有に努めてまいります。
今後も、グローバル展開に最適な研究開発拠点や生産体制の構築・拡充により、当社の成長戦略を下支えしていく所存であります。
(d)持続的成長に向けた経営基盤の確立
サステナビリティへの取組みを推進する体制を構築しており、各サステナビリティの重要課題につき基本方針をとりまとめ、戦略的に推進するための仕組みづくり、取組みに関する情報整理を実施しております。
サステナビリティに関わる当社の考え方や、取組みにつきましては、ウェブサイトにて随時開示してまいります。
[注釈説明]
注:CTO/(慢性完全閉塞)
長期間完全に閉塞した状態の病変のことをいいます。従来は、このような病変は外科手術(バイパス手術)の領域でしたが、当社がCTOにも使用可能なPTCAガイドワイヤーの開発に成功したことから、現在では、国内においてはPTCA治療(循環器系領域における低侵襲治療)が主流となっております。
(1)経営方針
当社グループは、研究開発型企業として、『医療及び産業機器の分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現すると共に、広く社会に貢献していくこと』を企業理念としております。また特に、当社グループの医療機器分野事業は、主に、傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えており、今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会からも市場からも評価される企業として、さらなる成長を遂げたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
① 長期経営ビジョン
当社は、「低侵襲治療製品の普及を日本から世界へ積極的に発信し、全世界の患者様のQOL(Quality of Life)を高めると同時に、全世界での『ASAHIブランド』の確立を図る」という経営ビジョンを定め、長期的な目標として連結売上高1,000億円を掲げております。
② 中期経営計画
当社は、長期的な目標の連結売上高1,000億円に繋げるため、「新中期経営計画『ASAHI Road to 1000』~Only One技術で強固なグローバルニッチNo.1を目指す~」を策定し、以下の4つの基本方針を定めました。
本計画では、連結売上高1,000億円達成に向けた事業ポートフォリオの構築として、「グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大」を引続き推進することで、これまでの基本戦略の集大成を図り、既存事業の収益基盤を強化いたします。また、将来に向けた成長への投資を継続することにより「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を実現し、グローバルニッチ市場における当社のプレゼンスの強化と企業価値の一層の向上を目指します。その成長戦略を支えるためのビジネス基盤として、「グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築」を進めるとともに「持続的成長に向けた経営基盤の確立」を図ってまいりたいと考えております。
本計画では、連結売上高1,000億円に至るマイルストーンとして、2023年6月期に連結売上高800億円を達成することを目標とし、当該時点での営業利益率は25%を目途としております。
なお、当社製品の限界利益率を踏まえると、売上の伸長に伴い、利益や資本効率性も向上する構造にあると考え、経営の主要パフォーマンス指標(KPI)として売上高を据えております。また、当社は製品の競争優位性の向上や競争優位の持続期間の長期化といった定性的な観点を重視した経営を行っており、経営方針や事業戦略について、ホームページ等で極力詳細な開示に努めております。
今般の、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、血管内カテーテル治療件数がグローバル規模にて減少傾向にあり、2021年6月期の売上高においても、マイナス影響を受けることが想定されます。なお、この症例数の減少の背景には、血管内カテーテル治療のうち、緊急性が高い症例のみ治療を行い、待機が可能な症例については治療が延期されることから、一時的に症例数が減少している事情があります。よって、新型コロナウイルスの影響が収まれば、この延期された待機症例の大半が治療されることが予想され、当社の中長期的な成長性に大きな影響は無いものと推測しております。つきましては、このような状況下においても、当社グループは、中期経営計画における下記の基本方針については変更せず、継続して事業運営を進めてまいります。
(a)グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大
当社グループは現在、世界110の国と地域へ製品を供給しております。当社グループの製品が使用される血管内疾患の症例数は、今後も新興国を中心にグローバル規模で拡大すると予測されております。こうした中、それぞれの地域において販売・マーケティングの機能をより一層充実させることにより、グローバル規模での収益基盤の強化を図る所存であります。
(日本)
日本市場では、2012年7月より、連結子会社である朝日インテックJセールス株式会社が、病院などに自社ブランド製品の直接販売を行っております。この販売体制を活かして更なる市場シェアの獲得に努めるとともに、同社の商社機能を活用して、国内外の他社製品とのシナジー効果による販売拡大を図り、収益構造の強化にも努めてまいります。また、日本市場においては、世界に先駆けて新製品の投入を行っております。第二第三の主力製品の確立を目指しながら、収益拡大に努めてまいります。
(米国)
米国市場では、主力製品PTCAガイドワイヤーの販売につきまして、従来は代理店を通じて販売を行っておりましたが、2018年7月より当社子会社ASAHI INTECC USA, INC.を通じて病院などに直接販売を行っております。既存の直接販売体制を活かしながら、さらなる販売促進のために、最終顧客である医師に密着して市場動向をより早く把握できる体制を構築し、拡販に努めます。また、PTCAガイドワイヤーのみならず、他の製品群についても、引続きマーケティングや販売機能の強化を進め、収益拡大に努めてまいります。
(欧州・中近東)
欧州・中近東市場では、現場に密着した複数の代理店を通じて、主力製品のPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルなどを販売し、高いシェアを獲得しております。今後におきましても、既存製品のシェア拡大を図るとともに、日本で高い評価を得ている新製品などを積極的に市場投入するなどし、総合的な製品供給を進めてまいります。また、欧州・中近東市場の一部の地域におきましては、段階的に、直接販売化を進める予定であり、その一環として、2019年7月よりフランスにおいて段階的に直接販売を実施しており、また、2021年1月よりドイツにおいても直接販売化に移行する予定です。今後も、これらの活動を通じて、さらなる収益拡大を図ってまいる所存です。
(中国)
中国市場では、現地代理店を通じた販売を行っております。グローバル市場の中でも中国は特に成長が著しく、さらなる発展が見込まれております。2016年6月期より、循環器系領域の製品を中心に複数代理店制への移行を進めており、市場シェアをさらに拡大しつつあります。今後におきましても、マーケットの状況を鑑みながら、代理店数の増加推進や、連結子会社である朝日英達科貿(北京)有限公司を通じたマーケティングや販売活動の充実、現地代理店に密着したバックアップ体制の強化などにより、さらなる収益拡大に努めてまいります。
(その他地域)
中国以外のアジア地域や南米地域を中心に、潜在成長力のある新興国市場における営業体制を強化し、さらなる収益拡大を目指してまいります。今後も、現地に密着した支店・子会社の開設などを予定しており、これらの活動を通じて、さらなる販売強化を図ってまいります。
(Number One製品戦略)
循環器系領域の主力製品PTCAガイドワイヤーにつきましては、当社が強みを持つ治療難度の高いCTO(慢性完全閉塞)用の製品開発に注力するとともに、一般的な通常病変用の製品の拡充にも努めることにより、総合的なナンバーワンのポジションを盤石化してまいります。
また、PTCAガイドワイヤーに次ぐ第二第三の主力製品の確立に向け、当社グループが有するステンレス加工技術と樹脂加工技術を融合することにより、PTCAバルーンカテーテルやPTCAガイディングカテーテル、貫通カテーテルなどの循環器系領域におけるカテーテル分野の製品群を一層強化・拡大してまいります。
さらに、循環器系領域から末梢・腹部・脳血管系などの非循環器系領域への製品展開を継続して進めてまいります。非循環器系領域については、循環器系で培った技術を応用した横展開を行うと同時に、積極的な海外展開を図り、グローバル規模での市場シェアの獲得に努めてまいります。
(Only One製品戦略)
現在、治療が困難とされているCTOに対するPTCA治療は、PTCA治療の先進国である日本においても完全というわけではなく、海外市場を中心にバイパス手術で対応するケースが残っております。このような中、当社グループは、他社にはない高い製品優位性を持ち、CTO治療も可能なPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルなどの低侵襲治療に必要な製品群を開発・販売し、CTO領域におけるPTCA治療選択率の拡大に寄与してまいりました。今後も、研究開発型企業として、競争力の高い独創的な製品や、機能の進化した新製品を開発・製品化し続けることにより、低侵襲治療の普及や発展に寄与してまいります。
(b)グローバルニッチ市場における新規事業の創出
研究開発型企業である当社グループは、4つのコアテクノロジー(伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、樹脂コーティング技術、トルク技術)を主体とした、高度で独自性の高い素材加工技術を備えております。また、これらの技術に加え、原材料から製品までの一貫生産体制を構築することにより、当社独自の素材及び機能を有した製品の開発・製造が可能となっております。これは、医療機器分野以外に、産業機器分野を有する当社グループならではの強みであり、医療機器分野での競合先とのコスト面・技術面における差別化を図る大きな要因となっております。
今後もグローバル競争に勝ち、連結売上高1,000億円を超えて永続的に成長発展する企業であり続けるために、その礎となる施策に今から着手していくことが必要であると認識し、当社の高い技術力の強化により消化器分野・ロボティクス分野・脳血管系分野などの新領域への進出を目指します。また、新テクノロジーとの融合が必要な場合には、より積極的に技術提携、M&A、少数株主投資などを駆使し、外部からの新技術導入を含め、有力パートナーとの戦略的提携についても推進していく予定です。
グローバルニッチ市場における新規事業の創出により、事業ポートフォリオの強化に努め、グローバルで持続的に成長する企業を目指してまいります。
(C)グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築
研究開発体制のグローバル化として、米国の直接販売の拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA,INC.において、最終顧客である医師からのニーズや評価をダイレクトに反映できる、試作レベルまでの対応を可能とした研究開発体制を構築しております。また、連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.の研究開発拠点をさらに拡充させ、製品仕様の検討を含めた既存製品の改良などをより積極的に進めてまいります。
国内においては、当社グループの研究開発拠点の中心である瀬戸工場の敷地内に新社屋を建設し、臨床現場に近い研究開発環境整備を実現いたしました。さらに、当社グループの精密加工技術の開発の中心拠点として東北R&Dセンターの稼働を開始するなどし、国内の研究開発体制についても、より充実させております。
当社グループでは、現在、日本においては研究開発・試作に特化し、量産品については原則として海外の連結子会社に生産移管しており、素材から完成品までの一貫生産が海外工場(ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.(タイ工場)、ASAHI INTECC HANOI CO., LTD.(ハノイ工場) 、及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場))で実現できる体制が整っております。その中で、リスク管理や事業継続計画(BCP)の観点から、グループ全体での生産拠点の最適化を図っており、現地事情などにより、一部の工場が操業不能に陥った場合においても、別の工場にて代替生産の大部分を担えるよう、3工場で同じ製品が製造できる体制の構築を進めております。また、現在は量産機能を有していない当社においても、今後代替生産が可能な量産設備の保有に努めてまいります。
今後も、グローバル展開に最適な研究開発拠点や生産体制の構築・拡充により、当社の成長戦略を下支えしていく所存であります。
(d)持続的成長に向けた経営基盤の確立
サステナビリティへの取組みを推進する体制を構築しており、各サステナビリティの重要課題につき基本方針をとりまとめ、戦略的に推進するための仕組みづくり、取組みに関する情報整理を実施しております。
サステナビリティに関わる当社の考え方や、取組みにつきましては、ウェブサイトにて随時開示してまいります。
[注釈説明]
注:CTO/(慢性完全閉塞)
長期間完全に閉塞した状態の病変のことをいいます。従来は、このような病変は外科手術(バイパス手術)の領域でしたが、当社がCTOにも使用可能なPTCAガイドワイヤーの開発に成功したことから、現在では、国内においてはPTCA治療(循環器系領域における低侵襲治療)が主流となっております。