有価証券報告書-第22期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。ただし、新型コロナウイルスの影響に基づく記載については、当事業年度末以降、現在までに当社が判断した最新のものを記載しています。
(1)経営方針
当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、企業理念である「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする。」に基づいて、再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を展開しています。
(2)経営戦略
基本方針:再生医療のさらなる普及に向けた、新製品の開発ならびに生産技術革新・販売力強化を推進する
①新規再生医療等製品の開発
1.皮膚・軟骨・角膜・がん領域における市場規模の大きい疾患を対象とし、普及型医療を実現するとともに売上を飛躍的に向上させる。
2.当社の手がける3番目の製品である自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売体制を確実に立ち上げ、今後の新規製品の展開に向けた試金石とする。
②より多くの需要に備えた生産革新と販売力強化
1.自家細胞製品の大量受注・安定供給のため、これまで蓄積してきた培養技術と富士フイルムのエンジニアリング技術を融合し、革新的な生産技術・生産体制を確立する。
2.販売数量の増加に効率的に対応できる、再生医療の営業戦略・営業手法を確立するとともに、当該製品がより適切に使用されるよう情報の収集・提供の仕組みを再整備する。
③既存事業の伸長による事業基盤の強化
1.上記の販売力強化に加え、自家培養表皮ジェイスでは使用枚数制限、自家培養軟骨ジャックでは施設基準の緩和を目指し、売上を伸ばす。
2.受託事業はこれまで獲得した案件を成功に導くとともに、これら実績を梃子にさらなる良質な新規案件を獲得する。加えて、当該事業モデルの一般化・標準化を目指す。
3.ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」や3D解析ソフト「SYNAPSE VINCENT」等で実現した富士フイルムとの協業を一層加速する。
(3)経営環境
2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、我が国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。再生医療への期待が急速に高まる中で、再生医療の普及を迅速に進めるための法整備が進められ、2014年11月に薬事法は医薬品医療機器等法として改正され、新たに再生医療等製品が定義されると同時に、再生医療等製品に条件・期限付承認制度が導入されました。また、再生医療を安全かつ迅速に実施するための再生医療等安全性確保法が施行されました。
このような状況の下、同種細胞を用いた再生医療製品の開発や、国内外技術導入による製薬企業の参入、iPS細胞による再生医療が臨床応用ステージに入る等の動きが加速しており、承認を取得した再生医療等製品も増えてきています。その一方で、国民医療費は、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療の高度化、高額な製品の登場などによって年々増大しており、医療保険制度の持続可能性の確保が喫緊の課題となっています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、再生医療の産業化を推進するために、会社が対処すべき課題を以下のとおり認識し、その解決に向けた取り組みを展開しています。
①再生医療製品事業
(a) 自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症の治療のための再生医療等製品です。先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症への使用については、現在、使用成績調査が課せられています。調査には人員や費用の負担がありますが、当社は調査で得られた情報を適切に医療機関に提供することで、有効性及び安全性の確保・向上に努め、医療機関や医師、患者の信頼を獲得していきます。
また、保険収載における留意事項において、重症熱傷では50枚、先天性巨大色素性母斑では30枚、表皮水疱症では50枚が保険算定できる最大使用枚数として制限されていますが、当社は、引き続き使用実績を踏まえて更なる算定限度の緩和を追求し、ジェイス治療の質向上を目指します。
(b) 自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の治療のための再生医療等製品です。当社は、本品移植時の患者や医師の負担を少しでも軽減させるため、患者自身の骨膜に代えて人工のコラーゲン膜を使用するなど、低侵襲化や移植手技の簡便化を行ってまいりました。今後もこれら活動を通じて、製品価値の向上に取り組んでまいります。
本品は、全例を対象に7年間の使用成績調査が課せられていましたが、当事業年度におきまして調査登録期間は終了いたしました。当社は、調査で得られた情報を適切に医療機関に提供することで、有効性及び安全性の確保・向上に努め、医師、患者の信頼を獲得していきます。
本品の適用には欠損面積が4cm2以上という留意事項が付与されています。現在、軟骨欠損の状態を磁気共鳴画像(MRI)などで診断していますが、欠損を正確に把握することは困難であり、本品の適用判断が医師の負担になっています。当社は、富士フイルムグループ会社が確立した軟骨欠損の診断支援技術を医療機関に利用していただき、医師の負担軽減を通じて本品の更なる普及につなげたいと考えています。
さらに、変形性膝関節症の患者に対して本品を適応していただくために、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする適応拡大のための治験を実施しています。当社は、少しでも多くの患者治療に貢献できるよう、引き続き本品の開発を進めていきます。
(c) 自家培養角膜上皮ネピック
自家培養角膜上皮ネピックは、角膜上皮幹細胞疲弊症の治療のための再生医療等製品です。当社が株式会社ニデックから委託を受けて開発を進めてきた製品であり、2020年3月に製造販売承認を取得し、同年6月1日より保険適用となりました。本品の販売を担う株式会社ニデックとともに、眼科領域という新しい分野において早期に医師や患者に対する認知度を向上させ、本品の普及に努めます。
②再生医療受託事業
当社は、自社製品の開発・製造・販売を通じて蓄積したノウハウ等を活用し、再生医療等製品に関する直接的な開発及び製造受託サービス、開発研究に必要な薬事コンサルテーションなど、各種支援サービスを展開しています。受託案件は多種多様であるばかりでなく、それぞれが異なる開発ステージに属するとともに、委託元のニーズも異なります。各々の課題を的確にとらえ、委託元と密に連携して着実に業務を進めていきます。当社は、これらの活動を丁寧に推し進めることで委託元の信頼を得るとともに、これを梃子にさらなる良質な案件を獲得し、本事業を当社の中核事業に育てます。
③研究開発支援事業
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、表皮細胞のエピ・モデルと角膜上皮細胞の角膜モデルをラインナップしており、動物実験を代替する試薬として使用されています。
本シリーズでは、これまでに使用方法の国際標準化に向けた対応を進めてきた結果、エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法及び皮膚腐食性試験法ならびに角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法がOECDテストガイドラインに収載されています。当社は、本シリーズの安定した売上げを確保するため、当該ガイドライン収載について顧客に訴求し、アジア諸国を中心に国内景気に影響されにくい海外への販売にも取り組んでいます。
当事業年度では、富士フイルムが開発したヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞F-hiSIECの製造販売を開始しました。本品はヒトiPS細胞を小腸の腸管上皮細胞に分化誘導した創薬支援用細胞であり、経口剤開発の効率化に大きく貢献することを期待しています。富士フイルムとのグループシナジーを十分に発揮して、売上増加に努めます。
④新規再生医療等製品の開発
当社は、既存の皮膚・軟骨領域に加え、角膜・がん領域への展開を目指し、新製品の開発を進めています。新領域への挑戦は様々な課題が予測されますが、これまでの再生医療等製品の開発・適応拡大で培ってきた経験・ノウハウを生かしてこれらを解決していきます。また、富士フイルム及びグループ会社の保有する技術と当社技術を融合させることで、これら新製品の開発を加速します。
⑤生産技術の開発・販売力の強化
当社の取り扱う自家再生医療等製品や開発受託サービスは生産の計画性や汎用性が低く、受注等のタイミングに応じて繁閑が大きくなります。顧客に高品質な製品を安定して供給するために、このような変動の多い作業を効率化・平準化するよう生産体制の改善を進めてきました。今後の製品ラインナップの追加は売上増加に大きく寄与しますが、一方で繁閑拡大や量産化等の課題が予測されます。当社は、これまで着手してきた独自の生産体制を完成させるとともに、富士フイルムが得意とするエンジニアリング技術により、革新的な細胞培養技術構築を目指します。
販売体制については、製品ラインナップの追加により新たな領域・分野での営業戦略・営業手法を確立する必要があります。当社は、これまで培ってきた営業ノウハウや顧客との信頼関係をもとに、適切な医療情報の収集・提供の仕組みを再整備し、当社の製品がより適切に使用されるよう万全を尽くすとともに、その販売力強化を図ります。
⑥働きがいのある企業風土の醸成
当社は、再生医療の産業化という新しい領域への挑戦を日々続けており、今後も想定を超えた課題に直面する可能性があります。これに際し、自ら考え行動して解決策を見出せる人材の獲得と育成がきわめて重要であり、社員のチャレンジ精神を阻害しない制度や企業風土を醸成すべく取り組んでいます。また、今日では働き方の多様化も求められており、公平かつ一層働きがいのある職場環境をつくりあげていきます。
⑦新型コロナウイルスの影響
本年初頭から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響により、現時点での当社事業計画の立案が困難になっております。今後、速やかに新型コロナウイルスの終息時期やその規模などを見定め、当社事業への影響を分析するとともに、2021年3月期及び中期的な経営計画を立案していきます。計画に基づいた適切な経営を早急に取り戻していきます。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、対前期成長率、営業利益、営業利益率、経常利益、純利益となります。
ただし、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、国内外の事業環境に大きな影響を及ぼしております。感染拡大による当社事業に与える不確定要素が多いため、2021年3月期の業績予想及び2022年3月期~2023年3月期の経営目標(数値計画)の合理的な算定が困難であり、公表を延期しております。今後、新型コロナウイルス感染拡大による当社事業活動への影響度合いの状況把握が進み、適正かつ合理的な算出が可能になり次第、すみやかに公表いたします。
(1)経営方針
当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、企業理念である「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする。」に基づいて、再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を展開しています。
(2)経営戦略
基本方針:再生医療のさらなる普及に向けた、新製品の開発ならびに生産技術革新・販売力強化を推進する
①新規再生医療等製品の開発
1.皮膚・軟骨・角膜・がん領域における市場規模の大きい疾患を対象とし、普及型医療を実現するとともに売上を飛躍的に向上させる。
2.当社の手がける3番目の製品である自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売体制を確実に立ち上げ、今後の新規製品の展開に向けた試金石とする。
②より多くの需要に備えた生産革新と販売力強化
1.自家細胞製品の大量受注・安定供給のため、これまで蓄積してきた培養技術と富士フイルムのエンジニアリング技術を融合し、革新的な生産技術・生産体制を確立する。
2.販売数量の増加に効率的に対応できる、再生医療の営業戦略・営業手法を確立するとともに、当該製品がより適切に使用されるよう情報の収集・提供の仕組みを再整備する。
③既存事業の伸長による事業基盤の強化
1.上記の販売力強化に加え、自家培養表皮ジェイスでは使用枚数制限、自家培養軟骨ジャックでは施設基準の緩和を目指し、売上を伸ばす。
2.受託事業はこれまで獲得した案件を成功に導くとともに、これら実績を梃子にさらなる良質な新規案件を獲得する。加えて、当該事業モデルの一般化・標準化を目指す。
3.ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」や3D解析ソフト「SYNAPSE VINCENT」等で実現した富士フイルムとの協業を一層加速する。
(3)経営環境
2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、我が国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。再生医療への期待が急速に高まる中で、再生医療の普及を迅速に進めるための法整備が進められ、2014年11月に薬事法は医薬品医療機器等法として改正され、新たに再生医療等製品が定義されると同時に、再生医療等製品に条件・期限付承認制度が導入されました。また、再生医療を安全かつ迅速に実施するための再生医療等安全性確保法が施行されました。
このような状況の下、同種細胞を用いた再生医療製品の開発や、国内外技術導入による製薬企業の参入、iPS細胞による再生医療が臨床応用ステージに入る等の動きが加速しており、承認を取得した再生医療等製品も増えてきています。その一方で、国民医療費は、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療の高度化、高額な製品の登場などによって年々増大しており、医療保険制度の持続可能性の確保が喫緊の課題となっています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、再生医療の産業化を推進するために、会社が対処すべき課題を以下のとおり認識し、その解決に向けた取り組みを展開しています。
①再生医療製品事業
(a) 自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症の治療のための再生医療等製品です。先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症への使用については、現在、使用成績調査が課せられています。調査には人員や費用の負担がありますが、当社は調査で得られた情報を適切に医療機関に提供することで、有効性及び安全性の確保・向上に努め、医療機関や医師、患者の信頼を獲得していきます。
また、保険収載における留意事項において、重症熱傷では50枚、先天性巨大色素性母斑では30枚、表皮水疱症では50枚が保険算定できる最大使用枚数として制限されていますが、当社は、引き続き使用実績を踏まえて更なる算定限度の緩和を追求し、ジェイス治療の質向上を目指します。
(b) 自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の治療のための再生医療等製品です。当社は、本品移植時の患者や医師の負担を少しでも軽減させるため、患者自身の骨膜に代えて人工のコラーゲン膜を使用するなど、低侵襲化や移植手技の簡便化を行ってまいりました。今後もこれら活動を通じて、製品価値の向上に取り組んでまいります。
本品は、全例を対象に7年間の使用成績調査が課せられていましたが、当事業年度におきまして調査登録期間は終了いたしました。当社は、調査で得られた情報を適切に医療機関に提供することで、有効性及び安全性の確保・向上に努め、医師、患者の信頼を獲得していきます。
本品の適用には欠損面積が4cm2以上という留意事項が付与されています。現在、軟骨欠損の状態を磁気共鳴画像(MRI)などで診断していますが、欠損を正確に把握することは困難であり、本品の適用判断が医師の負担になっています。当社は、富士フイルムグループ会社が確立した軟骨欠損の診断支援技術を医療機関に利用していただき、医師の負担軽減を通じて本品の更なる普及につなげたいと考えています。
さらに、変形性膝関節症の患者に対して本品を適応していただくために、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする適応拡大のための治験を実施しています。当社は、少しでも多くの患者治療に貢献できるよう、引き続き本品の開発を進めていきます。
(c) 自家培養角膜上皮ネピック
自家培養角膜上皮ネピックは、角膜上皮幹細胞疲弊症の治療のための再生医療等製品です。当社が株式会社ニデックから委託を受けて開発を進めてきた製品であり、2020年3月に製造販売承認を取得し、同年6月1日より保険適用となりました。本品の販売を担う株式会社ニデックとともに、眼科領域という新しい分野において早期に医師や患者に対する認知度を向上させ、本品の普及に努めます。
②再生医療受託事業
当社は、自社製品の開発・製造・販売を通じて蓄積したノウハウ等を活用し、再生医療等製品に関する直接的な開発及び製造受託サービス、開発研究に必要な薬事コンサルテーションなど、各種支援サービスを展開しています。受託案件は多種多様であるばかりでなく、それぞれが異なる開発ステージに属するとともに、委託元のニーズも異なります。各々の課題を的確にとらえ、委託元と密に連携して着実に業務を進めていきます。当社は、これらの活動を丁寧に推し進めることで委託元の信頼を得るとともに、これを梃子にさらなる良質な案件を獲得し、本事業を当社の中核事業に育てます。
③研究開発支援事業
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、表皮細胞のエピ・モデルと角膜上皮細胞の角膜モデルをラインナップしており、動物実験を代替する試薬として使用されています。
本シリーズでは、これまでに使用方法の国際標準化に向けた対応を進めてきた結果、エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法及び皮膚腐食性試験法ならびに角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法がOECDテストガイドラインに収載されています。当社は、本シリーズの安定した売上げを確保するため、当該ガイドライン収載について顧客に訴求し、アジア諸国を中心に国内景気に影響されにくい海外への販売にも取り組んでいます。
当事業年度では、富士フイルムが開発したヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞F-hiSIECの製造販売を開始しました。本品はヒトiPS細胞を小腸の腸管上皮細胞に分化誘導した創薬支援用細胞であり、経口剤開発の効率化に大きく貢献することを期待しています。富士フイルムとのグループシナジーを十分に発揮して、売上増加に努めます。
④新規再生医療等製品の開発
当社は、既存の皮膚・軟骨領域に加え、角膜・がん領域への展開を目指し、新製品の開発を進めています。新領域への挑戦は様々な課題が予測されますが、これまでの再生医療等製品の開発・適応拡大で培ってきた経験・ノウハウを生かしてこれらを解決していきます。また、富士フイルム及びグループ会社の保有する技術と当社技術を融合させることで、これら新製品の開発を加速します。
⑤生産技術の開発・販売力の強化
当社の取り扱う自家再生医療等製品や開発受託サービスは生産の計画性や汎用性が低く、受注等のタイミングに応じて繁閑が大きくなります。顧客に高品質な製品を安定して供給するために、このような変動の多い作業を効率化・平準化するよう生産体制の改善を進めてきました。今後の製品ラインナップの追加は売上増加に大きく寄与しますが、一方で繁閑拡大や量産化等の課題が予測されます。当社は、これまで着手してきた独自の生産体制を完成させるとともに、富士フイルムが得意とするエンジニアリング技術により、革新的な細胞培養技術構築を目指します。
販売体制については、製品ラインナップの追加により新たな領域・分野での営業戦略・営業手法を確立する必要があります。当社は、これまで培ってきた営業ノウハウや顧客との信頼関係をもとに、適切な医療情報の収集・提供の仕組みを再整備し、当社の製品がより適切に使用されるよう万全を尽くすとともに、その販売力強化を図ります。
⑥働きがいのある企業風土の醸成
当社は、再生医療の産業化という新しい領域への挑戦を日々続けており、今後も想定を超えた課題に直面する可能性があります。これに際し、自ら考え行動して解決策を見出せる人材の獲得と育成がきわめて重要であり、社員のチャレンジ精神を阻害しない制度や企業風土を醸成すべく取り組んでいます。また、今日では働き方の多様化も求められており、公平かつ一層働きがいのある職場環境をつくりあげていきます。
⑦新型コロナウイルスの影響
本年初頭から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響により、現時点での当社事業計画の立案が困難になっております。今後、速やかに新型コロナウイルスの終息時期やその規模などを見定め、当社事業への影響を分析するとともに、2021年3月期及び中期的な経営計画を立案していきます。計画に基づいた適切な経営を早急に取り戻していきます。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、対前期成長率、営業利益、営業利益率、経常利益、純利益となります。
ただし、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、国内外の事業環境に大きな影響を及ぼしております。感染拡大による当社事業に与える不確定要素が多いため、2021年3月期の業績予想及び2022年3月期~2023年3月期の経営目標(数値計画)の合理的な算定が困難であり、公表を延期しております。今後、新型コロナウイルス感染拡大による当社事業活動への影響度合いの状況把握が進み、適正かつ合理的な算出が可能になり次第、すみやかに公表いたします。