半期報告書-第27期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日)におけるわが国経済は、インバウンド需要の増加等により景気は緩やかに回復しているものの、中東情勢等の不安定な国際情勢や、物価の上昇による国内景気低迷への懸念等、経済の先行きは不透明な状況が続いています。
再生医療・細胞治療分野では、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって再生医療の産業促進が進むなか、条件・期限付き承認制度のもとで承認されていた2製品(「ハートシート」と「コラテジェン」)がそれぞれ不承認、申請取り下げになったことを受け、条件・期限付き承認制度の在り方が議論されています。一方で、2024年7月には新たに脳損傷治療薬「アクーゴ脳内移植用注」(製造販売元:サンバイオ)が承認され、2024年9月末日現在、当社5製品を含む19品目が再生医療等製品として製造販売承認を得ており、本分野の拡大成長への社会的期待は継続している状況にあります。
このような状況の下、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当中間会計期間末における総資産は、現金及び預金ならびに売上債権の減少等により前事業年度末と比べ501,563千円減の6,487,210千円となりました。負債は、流動負債「その他」に含まれる未払金が減少したこと等により前事業年度末と比べ276,248千円減の632,183千円となりました。純資産は、利益剰余金の減少により前事業年度末と比べ225,315千円減の5,855,027千円となり、自己資本比率は90.3%となりました。
b. 経営成績
当中間会計期間における売上高は、再生医療製品事業の売上が伸長した一方、再生医療受託事業の売上が減少した結果、1,161,856千円(前年同期比6.8%減)となりました。営業損失は207,326千円(前年同期は10,852千円の営業損失)、経常損失は206,402千円(前年同期は9,731千円の経常損失)、中間純損失は225,312千円(前年同期は11,633千円の中間純損失)となりました。
再生医療製品事業の売上高は、743,177千円(前年同期比12.4%増)となり、セグメント利益は109,972千円(前年同期比122.1%増)となりました。
再生医療受託事業の売上高は、309,510千円(前年同期比34.1%減)となり、セグメント利益は135,271千円(前年同期比59.8%減)となりました。
研究開発支援事業の売上高は、109,169千円(前年同期比5.6%減)となり、セグメント利益は29,939千円(前年同期比13.8%減)となりました。
各セグメントにおける概況及び新規パイプライン開発に関する特記事項は、以下のとおりです(□内は当中間会計期間における主な成果です)。
[再生医療製品事業]
当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピック及び自家培養口腔粘膜上皮オキュラルの製造販売を行っています。
・自家培養表皮ジェイス(皮膚領域)
自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に重症熱傷を適応として保険収載された国内初の再生医療等製品であり、先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)にも適応を拡大しています。ジェイスの保険適用に関しては、患者さんの一連の製造につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度となっています。
・自家培養軟骨ジャック(軟骨領域)
自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された国内第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応としています。2019年1月には、ジャックの移植時に用いていた患者さん自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更承認を取得して、手術侵襲の低減と簡便化を実現しました。2022年6月には、承認後の使用成績調査について再審査が終了し、承認時の有効性及び安全性が改めて確認されました。2024年6月には、変形性膝関節症への適応拡大に向けた一部変更承認申請書を厚生労働省へ提出しました。
・自家培養角膜上皮ネピック(角膜領域)
自家培養角膜上皮ネピックは、2020年6月に保険収載された眼科領域では国内初となる再生医療等製品であり、角膜上皮幹細胞疲弊症(スティーヴンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡・移植片対宿主病・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患・再発翼状片・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症の患者さんを除く)を適応としています。
・自家培養口腔粘膜上皮オキュラル(角膜領域)
自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、角膜上皮幹細胞疲弊症を適応としており、2021年12月に保険収載されました。口腔粘膜上皮細胞を用いて両眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症を治療することが可能な、世界初の再生医療等製品です。
[再生医療受託事業]
当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発ならびにコンサルティング及び特定細胞加工物製造受託を行っています。
・再生医療等製品の受託開発
当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富な実績及びノウハウを生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。
・コンサルティング及び特定細胞加工物製造受託
当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティング及び特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞培養加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。
<当社の強み>①5つの承認品目を開発・上市
自家培養表皮、自家培養軟骨、自家培養角膜上皮、自家培養口腔粘膜上皮、メラノサイト含有自家培養表皮の5つの再生医療等製品を開発・上市し、安定的に患者へ提供してきた実績を有しています。
②全てのバリューチェーンを保有
研究開発、臨床開発、薬事、製造、信頼性保証、営業など再生医療等製品の開発・製造・販売に必要なすべての機能・人材・経験を有しています。
③臨床現場の声を製品開発に還元(リバーストランスレーショナルリサーチ)
製品を使用する医師とともに再生医療等製品を普及させてきた経験から、臨床現場の声を製品設計や開発プロセスに還元し、最適化する仕組みを構築しています。
[研究開発支援事業]
当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を行っています。
・ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品及び化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに販売しています。製品ラインアップとして、ヒト3次元培養表皮エピ・モデル/EPI-KITとヒト3次元培養角膜上皮角膜モデルを保有しています。エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法及び皮膚腐食性試験法ならびに、角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法は、標準法の一つとして経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインに収載されており、日本国内においてはトップシェアを占めるモデルとなっています。
[新規パイプラインの開発]
当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。当中間会計期間における特記事項は以下のとおりです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ229,589千円減少し、1,836,755千円となりました。当中間会計期間のキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、186,732千円(前年同期は159,964千円の獲得)となりました。これは主に、税引前中間純損失(206,402千円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、42,853千円(前年同期は191,529千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(41,633千円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3千円(前年同期は133千円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得(3千円)によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間会計期間における研究開発活動の金額は、264,245千円であります。
当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日)におけるわが国経済は、インバウンド需要の増加等により景気は緩やかに回復しているものの、中東情勢等の不安定な国際情勢や、物価の上昇による国内景気低迷への懸念等、経済の先行きは不透明な状況が続いています。
再生医療・細胞治療分野では、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって再生医療の産業促進が進むなか、条件・期限付き承認制度のもとで承認されていた2製品(「ハートシート」と「コラテジェン」)がそれぞれ不承認、申請取り下げになったことを受け、条件・期限付き承認制度の在り方が議論されています。一方で、2024年7月には新たに脳損傷治療薬「アクーゴ脳内移植用注」(製造販売元:サンバイオ)が承認され、2024年9月末日現在、当社5製品を含む19品目が再生医療等製品として製造販売承認を得ており、本分野の拡大成長への社会的期待は継続している状況にあります。
このような状況の下、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当中間会計期間末における総資産は、現金及び預金ならびに売上債権の減少等により前事業年度末と比べ501,563千円減の6,487,210千円となりました。負債は、流動負債「その他」に含まれる未払金が減少したこと等により前事業年度末と比べ276,248千円減の632,183千円となりました。純資産は、利益剰余金の減少により前事業年度末と比べ225,315千円減の5,855,027千円となり、自己資本比率は90.3%となりました。
b. 経営成績
当中間会計期間における売上高は、再生医療製品事業の売上が伸長した一方、再生医療受託事業の売上が減少した結果、1,161,856千円(前年同期比6.8%減)となりました。営業損失は207,326千円(前年同期は10,852千円の営業損失)、経常損失は206,402千円(前年同期は9,731千円の経常損失)、中間純損失は225,312千円(前年同期は11,633千円の中間純損失)となりました。
再生医療製品事業の売上高は、743,177千円(前年同期比12.4%増)となり、セグメント利益は109,972千円(前年同期比122.1%増)となりました。
再生医療受託事業の売上高は、309,510千円(前年同期比34.1%減)となり、セグメント利益は135,271千円(前年同期比59.8%減)となりました。
研究開発支援事業の売上高は、109,169千円(前年同期比5.6%減)となり、セグメント利益は29,939千円(前年同期比13.8%減)となりました。
各セグメントにおける概況及び新規パイプライン開発に関する特記事項は、以下のとおりです(□内は当中間会計期間における主な成果です)。
[再生医療製品事業]
当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピック及び自家培養口腔粘膜上皮オキュラルの製造販売を行っています。
・自家培養表皮ジェイス(皮膚領域)
自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に重症熱傷を適応として保険収載された国内初の再生医療等製品であり、先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)にも適応を拡大しています。ジェイスの保険適用に関しては、患者さんの一連の製造につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度となっています。
・自家培養軟骨ジャック(軟骨領域)
自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された国内第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応としています。2019年1月には、ジャックの移植時に用いていた患者さん自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更承認を取得して、手術侵襲の低減と簡便化を実現しました。2022年6月には、承認後の使用成績調査について再審査が終了し、承認時の有効性及び安全性が改めて確認されました。2024年6月には、変形性膝関節症への適応拡大に向けた一部変更承認申請書を厚生労働省へ提出しました。
・自家培養角膜上皮ネピック(角膜領域)
自家培養角膜上皮ネピックは、2020年6月に保険収載された眼科領域では国内初となる再生医療等製品であり、角膜上皮幹細胞疲弊症(スティーヴンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡・移植片対宿主病・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患・再発翼状片・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症の患者さんを除く)を適応としています。
・自家培養口腔粘膜上皮オキュラル(角膜領域)
自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、角膜上皮幹細胞疲弊症を適応としており、2021年12月に保険収載されました。口腔粘膜上皮細胞を用いて両眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症を治療することが可能な、世界初の再生医療等製品です。
| 当中間会計期間における再生医療製品事業の売上は、743,177千円(前年同期比12.4%増)となりました。売上の主な内訳は以下のとおりです。 当中間会計期間における皮膚領域(自家培養表皮ジェイス)の売上は、477,483千円(前年同期比19.9%増)となりました。熱傷領域では、最新情報の提供などこれまで進めていた重点施策が奏功し、受注が回復した結果、第1四半期の下振れを挽回する着地となりました。今後も、熱傷治療の最新情報をお届けする医局説明会や地方研究会でのセミナーを推進してまいります。先天性巨大色素性母斑では、ジェイスを併用する新たな治療法を進める施設での受注が続いており、順調に売上を伸ばしています。 なお、2023年3月に非外科的治療が無効又は適応とならない白斑を対象として承認されたメラノサイト含有自家培養表皮(販売名:ジャスミン)が、2024年10月1日付で保険収載されました(組織運搬セット:4,460千円、培養表皮パッケージ:154千円/枚、高額療養費制度対象)。今後、普及に向けて医療機関と連携し、スムーズな立ち上げを図るとともに、売上拡大を図ります。 当中間会計期間における軟骨領域(自家培養軟骨ジャック)の売上は、202,544千円(前年同期比24.7%増)となりました。コロナ禍で落ち込みのあった医療機関からの需要が高まり、売上が拡大しました。ジャックの有効性を訴求する営業活動を着実に行った結果、膝関節専門医への認知も着実に広がっています。併せて、令和6年度診療報酬改定により6月から保険償還価格が引き上げられたことも、売上増加に寄与しています。 また、6月には変形性膝関節症への適応拡大に向けて一部変更承認申請を行いました。2026年3月期の上市を目指します。 当中間会計期間における角膜領域(自家培養角膜上皮ネピック・自家培養口腔粘膜上皮オキュラル)の売上は、62,950千円(前年同期比37.3%減)となりました。候補となる待機患者への移植が一巡して売上が鈍化していますが、片眼にオキュラルを移植した両眼性疾患の患者さんに対する対側眼への受注が入り始めました。また、当社の強みである医師への治療啓発及び潜在患者の発掘を推進するため、販売を担う株式会社ニデックの営業活動に加え、当社のリソースを積極投入する新たな施策を開始しました。 |
[再生医療受託事業]
当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発ならびにコンサルティング及び特定細胞加工物製造受託を行っています。
・再生医療等製品の受託開発
当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富な実績及びノウハウを生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。
・コンサルティング及び特定細胞加工物製造受託
当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティング及び特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞培養加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。
<当社の強み>①5つの承認品目を開発・上市
自家培養表皮、自家培養軟骨、自家培養角膜上皮、自家培養口腔粘膜上皮、メラノサイト含有自家培養表皮の5つの再生医療等製品を開発・上市し、安定的に患者へ提供してきた実績を有しています。
②全てのバリューチェーンを保有
研究開発、臨床開発、薬事、製造、信頼性保証、営業など再生医療等製品の開発・製造・販売に必要なすべての機能・人材・経験を有しています。
③臨床現場の声を製品開発に還元(リバーストランスレーショナルリサーチ)
製品を使用する医師とともに再生医療等製品を普及させてきた経験から、臨床現場の声を製品設計や開発プロセスに還元し、最適化する仕組みを構築しています。
| 当中間会計期間における再生医療受託事業の売上は、309,510千円(前年同期比34.1%減)となりました。一般顧客受託(親会社以外からの受託)においては、受託案件の開発ステージの進展等に伴い売上を拡大したものの、帝人からのマイルストン*及び受託収入の減少が大きく、売上全体は前年同期比で減少しました。 また、受託先の再生医療用細胞製品について、国内第Ⅱ相臨床試験の第1例目の移植が実施される等、開発製造受託(CDMO)・開発業務受託(CRO)に係るサービスをタイムリーかつシームレスに提供することができました。 帝人株式会社との共創の取り組みとして、帝人リジェネット株式会社と共同で展示会出展をするなど、さらなるビジネスチャンスを創出するための活動を強化していきます。 * 帝人からのマイルストン収入 前中間会計期間(2024年3月期):170,000千円、当中間会計期間(2025年3月期):50,000千円 |
[研究開発支援事業]
当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を行っています。
・ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品及び化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに販売しています。製品ラインアップとして、ヒト3次元培養表皮エピ・モデル/EPI-KITとヒト3次元培養角膜上皮角膜モデルを保有しています。エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法及び皮膚腐食性試験法ならびに、角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法は、標準法の一つとして経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインに収載されており、日本国内においてはトップシェアを占めるモデルとなっています。
| 当中間会計期間における研究開発支援事業の売上は、109,169千円(前年同期比5.6%減)となりました。 海外からの引き合いは増加しているものの、国内大口顧客における研究がひと段落するタイミングと重なったことから、前年同期と比較し売上が減少しました。 2024年6月末、当社の主力製品であるエピ・モデル24を用いた新たな標準法として、花王株式会社により開発された皮膚感作性試験法「EpiSensA(エピセンサ)」が、OECDテストガイドライン442Dへ収載されました。ヒト3次元培養表皮モデルを用いた皮膚感作性試験としては、世界初のテストガイドライン収載となりました。 本収載を足掛かりに、国内外での拡販に向け、活動を開始しており、エピ・モデル24に対する高い関心が示されるなど順調に認知獲得を進めています。国内においても既存顧客へのきめ細やかなフォローや新規顧客獲得のためのプロモーション活動を強化しています。 |
[新規パイプラインの開発]
当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。当中間会計期間における特記事項は以下のとおりです。
| <皮膚領域>- メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミン*1は、これまでの保険収載に向けた活動の結果、2024年10月1日付で保険収載されました。 - 他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)*2は、皮膚欠損の代表的疾患である深達性Ⅱ度熱傷の患者を対象とした臨床試験を完了しました。主要評価項目である初回貼付後7日目におけるAllo-JaCE03貼付部位の上皮化率は、既存の治療法による上皮化率の推定値に比べて統計学的に有意に上回ることが示されました。また、安全性については、問題となる有害事象は認められませんでした。現在、2026年3月期の上市を目指し、製造販売承認申請の準備を進めています。本製品が他家製品・乾燥品である特長を生かし、国内だけでなく海外市場への展開も加速させていきます。 <軟骨領域>- 自家培養軟骨ジャックは、2024年6月17日付で変形性膝関節症への適応拡大に向けた一部変更承認申請書を厚生労働省へ提出しました。2026年3月期の上市を目指し、また販売増加に備えた製造体制の強化についても準備を進めています。 - 他にも、膝領域の治療を目的とした新製品の開発を、帝人株式会社と共同で取り組んでいます。 <がん領域>- 自家CAR-T細胞製剤*3は、名古屋大学で悪性リンパ腫に対する日本での医師主導治験を開始しており、当社は治験に使用するCAR-T細胞製造を行っています。また、柏の葉「再生医療プラットフォーム」における開発受託拠点の稼働を開始し、帝人株式会社、国立研究開発法人国立がん研究センター、三井不動産株式会社と協働した、がん領域における本格的な事業展開に取り組んでいます。 *1 非外科的治療が無効又は適応とならない白斑の治療を目的とするメラノサイト(色素細胞)含有製品 *2 わが国で初となる他人の皮膚組織を原材料としたオフザシェルフ(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品 *3 名古屋大学・信州大学と特許ライセンス契約を締結した、CD19陽性の急性リンパ性白血病の治療を目的とした、低コストで製造できる自家CAR-T細胞由来治療薬開発 |
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ229,589千円減少し、1,836,755千円となりました。当中間会計期間のキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、186,732千円(前年同期は159,964千円の獲得)となりました。これは主に、税引前中間純損失(206,402千円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、42,853千円(前年同期は191,529千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(41,633千円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3千円(前年同期は133千円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得(3千円)によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間会計期間における研究開発活動の金額は、264,245千円であります。
当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。