四半期報告書-第106期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/14 14:18
【資料】
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【項目】
27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成30年1月1日~平成30年9月30日)におけるわが国経済は、米国と中国との間の貿易戦争に対する経済先行きへの懸念などの不安定な国際情勢の影響を受け、先行き不透明な状況で推移しました。
また、当社天応工場(広島県呉市)では、平成30年7月豪雨により浸水被害が発生し、3週間の稼働停止となり、生産量の低下を余儀なくされております。
このような状況のもと、当社グループでは、積極的な販売活動を実施するとともに、生産性の向上に努めましたが、当第3四半期連結累計期間につきましては、売上高40億3百万円(前年同期比5.3%減)、営業損失3千3百万円(前年同期営業損失8百万円)、経常損失3千7百万円(前年同期経常利益1千3百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失7千5百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益9千1百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(文具事業)
文具事業につきましては、天応工場被災による万年筆減産の影響や仕入商品である輸入筆記具がふるわず、売上高は26億6千4百万円(前年同期比10.9%減)と大幅に減少しました。その結果、セグメント損失7千2百万円(前年同期セグメント損失1千7百万円)となりました。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業につきましては、国内企業の設備投資により堅調に推移し、主力製品の射出成形機用取出ロボット及び付帯装置の売上が堅調に推移し、売上高13億3千9百万円(前年同期比8.4%増)となりました。その結果、セグメント利益3千8百万円(前年同期比350.0%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の状況)
資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億4千3百万円増加し、51億4千4百万円となりました。このうち流動資産は、現金及び預金の増加3億7千4百万円、仕掛品の増加8千6百万円、原材料及び貯蔵品の増加6千1百万円、受取手形及び売掛金の減少1億6千6百万円等により、3億9千2百万円増加して38億7千5百万円となりました。固定資産につきましては、前連結会計年度から4千8百万円減少して、12億6千9百万円となりました。
(負債の状況)
負債合計は、前連結会計年度に比べて1億6千6百万円減少し、28億4百万円となりました。このうち、流動負債は、前連結会計年度末より1億5千9百万円減少し、18億2千8百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末より6百万円減少し、9億7千6百万円となっております。
(純資産の状況)
純資産は、前連結会計年度末から5億9百万円増加して、23億3千9百万円となりました。これは、平成30年5月22日のプラス株式会社に対する第三者割当増資により、資本金・資本剰余金がそれぞれ2億9千5百万円増加したことなどによるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当社は、その製品において『最高の品質』を追求することにより、『顧客満足度の最大化』を目的に研鑽を重ね、その継続的な努力により『SAILOR』ブランドの価値向上をはかるとの経営理念に基づき、開発型メーカーとして常に新しく開発した製品を世に送り出し、世の中に貢献していくことを目的に、積極的な研究開発活動を行っております。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は6千1百万円となっております。なお、各セグメントの研究開発活動は以下の通りであります。
(文具事業)
文具事業につきましては、『顧客満足度の最大化』を達成するため、高機能・高品質かつ安全性に配慮した製品の開発を行ってまいります。万年筆につきましては、ペン先の増産に取り組むとともに、昨年より受注を休止しておりました長刀研ぎを含む特殊ペン先万年筆のリニューアル品を発売しました。また、万年筆用多色インクをもっと楽しめるよう低価格帯の万年筆の開発にも取り組んでおります。ボールペンにつきましても、主力製品の中高価格帯の製品拡充を図ってまいります。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業の研究開発活動としましては、当社製品の特長である高精度、高耐久性を強化していくとともに、より「操作性・高速化」を追求した射出成形機用取出ロボットの開発を進めてまいります。
取出ロボットのユーザーインターフェイスであるコントローラーにつきましては、今春より改良タイプを販売開始しております。また、取出チャックの回転を制御するチャック回転サーボの標準化及び小型化、精度と耐久性向上のため、可動部の機構改良をすすめるとともに、更なる軽量化にも取り組んでおります。
更に、射出成形付帯装置に関して、射出成形業界以外への拡販を検討しております。