有価証券報告書-第110期(2022/01/01-2022/12/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社のグループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
『経営理念』
社是
進歩的で高品質なセーラー商品により会社を興隆し社会・文化の発展に貢献すること
社訓
責任に生きよ
行動理念
お客様の満足度を最大化します
活気ある職場をつくります
革新的な技術開発を行います
永続性のある企業経営を目指します
独創性に富む商品を提供します
信頼される企業集団になります
コーポレートアイデンティティ
セーラー万年筆のコーポレート・アイデンティティを構成する三つの言葉

真・技・美の三位一体
真( “本物” だけを愚直に追い続ける。逆に本物でないものを捨てる勇気を持つ。)、技(何度向き合っても「完成」はない。それが「技」と「作業」の違いである。伝統に裏打ちされながらも常に高みへの挑戦を続ける姿勢。)、美(日本の美意識をすべての製品と企業活動に昇華させる。使う人、持つ人の心を震わす美を求め続ける。)の三位一体をもって、唯一無二の万年筆メーカーを目指します。
新たなビジュアル・アイデンティティ

信頼と希望の象徴である「錨」。「Anchor」の語源となる古代ギリシャ語は「曲がった腕」を意味し、船を力強く繋ぎ止める錨に、 古代の人々は目に見えない神秘的なエネルギーや神の加護を感じてきました。 これまでも、これからも、セーラー万年筆の象徴として。希望・信頼の象徴である「錨」モチーフはそのままに、技術力の力強さと繊細で日本的な美意識をロゴマークに込めることで創業初期の精神を伴ったまま現代に昇華させ、そして未来へつなげていきます。
ロゴタイプはセーラー万年筆の創業当時の魂が宿る初期の美しいグラフィックの元に、簡素化することで美を見出す日本の美意識を込めました。
また、新CIカラーとして、「SAILOR BLUE – 黎明」を設定しました。長く大陸文化を受け入れてきた港町・呉において、創業者・阪田久五郎の見た景色―。「黎明」は夜明けの意味と共に、新しいことが始まる時を指します。夜明け前の瀬戸内の海に見たであろう、これから来る今日への希望。その目に映った希望の姿を我々も見続けること。原点へ思いを馳せながら日本の手仕事による確かな技術と美意識を以ってその海の先に広がる世界へ向けて出航します。
ものづくり思想
あまたある筆記具の中から、セーラー万年筆を選んでくださるお客さまがいます。
“お客さまに喜んでいただきたい”という私たちの思いは、ときに型破りな発想や、遊び心を引き出し、さらなる機能の追求へと駆り立ててきました。
“手書き文化を支える先駆者であり続けながら、自らも厳しい目を持つ書き手であれ”
創業以来、私たちの中に息づくこだわりは、精緻をきわめた細部の技術にまで至り、本物の美しさを浮かび上がらせます。セーラーの筆記具を手にしたお客さまは、機能に裏打ちされた美しさを感じ、表現する喜びにあふれることでしょう。
人びとの感性をゆさぶる道具を、つくり続けていくこと。私たちのものづくりへの思いと挑戦する魂は続きます。果敢に進む力こそ、未来を切りひらくと信じて。
(2) 経営戦略
2022年度、当社は当社経営の歴史において大きな二つの転換を図りました。
ひとつ目は、2022年5月23日付で、転換型社債の株式への転換により新株を発行し、プラス株式会社が当社発行株式の58%を保有する支配株主となり、同時に当社は、同社の連結子会社となりました。
ふたつ目は、2022年10月4日に当社文具事業の中核工場である広島工場に新棟を竣工し、稼働を開始いたしました。
プラス株式会社のグループ入りした事は、プラス株式会社をはじめとして、同グループに所属するぺんてる株式会社、日本ノート株式会社などの文具メーカー各社と開発・製造・販売の各分野における協業を加速させ相乗効果や新たな付加価値の創造を可能としました。
また、広島工場の新棟建設においては、2022年度は、その竣工と稼働開始にあたり多額の費用を計上いたしましたが、2023年度からは中核製品である万年筆の製造能力が本格的に増強され、課題であった万年筆の供給面での不安を解消し、積極的な販売攻勢を行える体制が出来上がりました。
1.収益に関する方針
2023年度は、昨年実行したふたつの大きな転換を基礎とし、新たな飛躍を遂げるため以下に掲げる施策を実行してまいります。
(文具事業)
◆ブランド戦略
高付加価値製品の開発を強化し、プレミアムブランド・ラグジュアリーブランドとしての「SAILOR」を構築してまいります。
国内・海外共に拡大している万年筆のエントリークラス・スタンダードクラスの価格帯の製品群を新たに投入し、この価格帯の需要に応えてまいります。
◆営業戦略
未だ当社ブランドの認知度が低い海外市場において、大きな市場潜在力を持つアジア市場を中心とした新規市場の開拓を行ってまいります。また、エントリークラス・スタンダードクラスの需要を捉えることの出来る新規流通チャネルの拡大にも努めてまいります。
事業の実証実験を続けておりますD2Cビジネス(ancora, Sailor Bespoke, Sailor Shop)も多様な消費者の需要を発掘するツールとして、引き続き強化を行ってまいります。
◆製造戦略
広島工場新棟における万年筆製造能力の増強により、より付加価値の高い製品の増産に努めてまいります。同時に製造機械設備、自動化設備を積極的に導入し、製造の効率化を実現してまいります。
万年筆以外の筆記具は、グループ会社との製造協業を進め、製造資源の選択的な集中に取り組んでまいります。
(ロボット機器事業)
2022年度、業績が低迷したロボット機器事業においては、以下の新たな施策を講じ、2023年度は営業黒字への転換を図ってまいります。
◆営業体制においては、新型コロナウィルス感染症の影響を受け停滞していた海外における営業活動を活発化させ、新規受注の獲得に努めてまいります。
◆開発面では、事業の中心である射出成型機用取出ロボットのIOT化を進め、当社取出ロボットの新たな付加価値を創出してまいります。
新たな事業の柱となる製造業向け標準ロボット機器の開発を進め、市場に提案を行ってまいります。
◆グループ会社となった、プラス株式会社、ぺんてる株式会社との業務提携を推し進め、相乗効果を具現化してまいります。
2.「働きがい」と社内の意識改革に関する方針
◆2022年7月より、新人事制度を導入し、職務内容や業績に連動した報酬が得られる制度といたしました。また、人事評価制度が新たに取り入れられ、職務による成果や業務に対する行動が評価基準となり、その評価が昇給や昇格、賞与の金額に反映される仕組みといたしました。
◆事業計画を全社員で共有し、一度決めた目標を不屈の精神と創意工夫を持って最後まで粘り強くやり遂げる「執着心」を醸成します。
◆社員ひとりひとりが自らに枠を設けず、勇気をもって新たなことに挑戦し続けるチャレンジ精神を大切にします。
◆プラスグループの一員となり、社内に新しい感覚や風土を取り入れ、セーラー万年筆社員の内なる意識変革を促します。
3.サステナビリティに関する方針
◆当社がサステナビリティへの具現化として取り組むべきSDGs課題
Ⅰ.SDGs7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
広島工場の第二期工事として、クリーンエネルギーを積極活用する方策を具体的に検討し、地球環境にやさしい工場を実現していきます。
Ⅱ.SDGs12:つくる責任つかう責任
万年筆のサステナブル性を世の中にアピールすると共に修理やメンテナンスを充実させ、永く愛用してもらえる企業活動を推進します。
Ⅲ.SDGs14:海の豊かさを守ろう
広島県が進める「瀬戸内海の海洋プラごみをゼロに」の活動に協力し、海と共に生き続けるセーラー万年筆の姿勢を具体的な行動として表します。
Ⅳ.SDGs15:陸の豊かさも守ろう
従来から取り組んできているフォレステーショナリー活動を拡大します。ロボット機器事業においても森林保全活動への協力を行います。
(3) 経営数値目標
2023年度売上高5,800百万円、営業利益20百万円(営業利益率0.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益0百万円と予想しています。早急に経営計画を見直し、後日、中期経営計画として発表いたします。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
新型コロナウイルス感染症の流行は収束に向かいつつあり、人々の活動が活発となりインバウンド需要が回復するなど、国内経済活動は徐々に活性化して行くことが期待されます。一方で、エネルギー価格、電力価格、部品価格の上昇や米国経済のインフレリスク、中国リスクなどが懸念され、今後の経済状況に関しては、先行きに対する警戒感が拭えない状態で推移するものと思われます。このような状況のもと、企業活動は、景気変動リスクに備えながら社会や人々のライフスタイルの変化を見通し、先取りする施策が求められております。
当社は、これら社会状況の変化に適応し、新製品開発や生産性向上のための投資、販売方法・販売ルートの見直し、働き方の改善などを実施して、業績向上と社会貢献を目指してまいります。
(文具事業)
文具事業の中核を担う万年筆及び万年筆インクは、国内・海外共に新型コロナウイルス感染症発生後も継続的に大きく販売を伸長させております。特に海外市場は、未だ市場の拡大余地は大きく、経済力を増すアジア地域を中心として今後も販売の拡大を行ってまいります。
これまで課題を抱えていた万年筆の製造面では、広島工場の新棟完成に伴い、製造能力が大幅に増強され、海外市場での販売の拡大や新製品の投入に寄与するものと考えております。
また、利益面では、原材料費の高騰が続く中、低粗利率の商品群の販売を中止するなどの施策を講じると共に、販売価格の引上げを通し、利益率の改善を図りつつあります。
更に、海外で弱かった当社のブランド認知度を、新たなブランド戦略の実施により向上をはかり、ブランドの高付加価値化を推進してまいります。同時に新製品の開発では、これまで評価の高かった企画面に加え、研究開発力を強化し、筆記具全般における製品開発力を高め、売上伸長、利益の改善に繋げてまいります。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業につきましては、より競争力のある新製品の開発に着手するとともに、引き続き医療機器業界へのアプローチを強化するなど、世の中の変化に合わせて様々な業界への販路拡大を目指してまいります。また、ぺんてる株式会社との協業による生産自動化装置への取り組み、プラス株式会社との協業による生産設備のスマートファクトリー化に必要なIOTへの取り組みなどにより、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。更に、海外事業の強化に取り組み、北米・中国に新体制を構築してまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
『経営理念』
社是
進歩的で高品質なセーラー商品により会社を興隆し社会・文化の発展に貢献すること
社訓
責任に生きよ
行動理念
お客様の満足度を最大化します
活気ある職場をつくります
革新的な技術開発を行います
永続性のある企業経営を目指します
独創性に富む商品を提供します
信頼される企業集団になります
コーポレートアイデンティティ
セーラー万年筆のコーポレート・アイデンティティを構成する三つの言葉

真・技・美の三位一体
真( “本物” だけを愚直に追い続ける。逆に本物でないものを捨てる勇気を持つ。)、技(何度向き合っても「完成」はない。それが「技」と「作業」の違いである。伝統に裏打ちされながらも常に高みへの挑戦を続ける姿勢。)、美(日本の美意識をすべての製品と企業活動に昇華させる。使う人、持つ人の心を震わす美を求め続ける。)の三位一体をもって、唯一無二の万年筆メーカーを目指します。
新たなビジュアル・アイデンティティ

信頼と希望の象徴である「錨」。「Anchor」の語源となる古代ギリシャ語は「曲がった腕」を意味し、船を力強く繋ぎ止める錨に、 古代の人々は目に見えない神秘的なエネルギーや神の加護を感じてきました。 これまでも、これからも、セーラー万年筆の象徴として。希望・信頼の象徴である「錨」モチーフはそのままに、技術力の力強さと繊細で日本的な美意識をロゴマークに込めることで創業初期の精神を伴ったまま現代に昇華させ、そして未来へつなげていきます。
ロゴタイプはセーラー万年筆の創業当時の魂が宿る初期の美しいグラフィックの元に、簡素化することで美を見出す日本の美意識を込めました。
また、新CIカラーとして、「SAILOR BLUE – 黎明」を設定しました。長く大陸文化を受け入れてきた港町・呉において、創業者・阪田久五郎の見た景色―。「黎明」は夜明けの意味と共に、新しいことが始まる時を指します。夜明け前の瀬戸内の海に見たであろう、これから来る今日への希望。その目に映った希望の姿を我々も見続けること。原点へ思いを馳せながら日本の手仕事による確かな技術と美意識を以ってその海の先に広がる世界へ向けて出航します。
ものづくり思想
あまたある筆記具の中から、セーラー万年筆を選んでくださるお客さまがいます。
“お客さまに喜んでいただきたい”という私たちの思いは、ときに型破りな発想や、遊び心を引き出し、さらなる機能の追求へと駆り立ててきました。
“手書き文化を支える先駆者であり続けながら、自らも厳しい目を持つ書き手であれ”
創業以来、私たちの中に息づくこだわりは、精緻をきわめた細部の技術にまで至り、本物の美しさを浮かび上がらせます。セーラーの筆記具を手にしたお客さまは、機能に裏打ちされた美しさを感じ、表現する喜びにあふれることでしょう。
人びとの感性をゆさぶる道具を、つくり続けていくこと。私たちのものづくりへの思いと挑戦する魂は続きます。果敢に進む力こそ、未来を切りひらくと信じて。
(2) 経営戦略
2022年度、当社は当社経営の歴史において大きな二つの転換を図りました。
ひとつ目は、2022年5月23日付で、転換型社債の株式への転換により新株を発行し、プラス株式会社が当社発行株式の58%を保有する支配株主となり、同時に当社は、同社の連結子会社となりました。
ふたつ目は、2022年10月4日に当社文具事業の中核工場である広島工場に新棟を竣工し、稼働を開始いたしました。
プラス株式会社のグループ入りした事は、プラス株式会社をはじめとして、同グループに所属するぺんてる株式会社、日本ノート株式会社などの文具メーカー各社と開発・製造・販売の各分野における協業を加速させ相乗効果や新たな付加価値の創造を可能としました。
また、広島工場の新棟建設においては、2022年度は、その竣工と稼働開始にあたり多額の費用を計上いたしましたが、2023年度からは中核製品である万年筆の製造能力が本格的に増強され、課題であった万年筆の供給面での不安を解消し、積極的な販売攻勢を行える体制が出来上がりました。
1.収益に関する方針
2023年度は、昨年実行したふたつの大きな転換を基礎とし、新たな飛躍を遂げるため以下に掲げる施策を実行してまいります。
(文具事業)
◆ブランド戦略
高付加価値製品の開発を強化し、プレミアムブランド・ラグジュアリーブランドとしての「SAILOR」を構築してまいります。
国内・海外共に拡大している万年筆のエントリークラス・スタンダードクラスの価格帯の製品群を新たに投入し、この価格帯の需要に応えてまいります。
◆営業戦略
未だ当社ブランドの認知度が低い海外市場において、大きな市場潜在力を持つアジア市場を中心とした新規市場の開拓を行ってまいります。また、エントリークラス・スタンダードクラスの需要を捉えることの出来る新規流通チャネルの拡大にも努めてまいります。
事業の実証実験を続けておりますD2Cビジネス(ancora, Sailor Bespoke, Sailor Shop)も多様な消費者の需要を発掘するツールとして、引き続き強化を行ってまいります。
◆製造戦略
広島工場新棟における万年筆製造能力の増強により、より付加価値の高い製品の増産に努めてまいります。同時に製造機械設備、自動化設備を積極的に導入し、製造の効率化を実現してまいります。
万年筆以外の筆記具は、グループ会社との製造協業を進め、製造資源の選択的な集中に取り組んでまいります。
(ロボット機器事業)
2022年度、業績が低迷したロボット機器事業においては、以下の新たな施策を講じ、2023年度は営業黒字への転換を図ってまいります。
◆営業体制においては、新型コロナウィルス感染症の影響を受け停滞していた海外における営業活動を活発化させ、新規受注の獲得に努めてまいります。
◆開発面では、事業の中心である射出成型機用取出ロボットのIOT化を進め、当社取出ロボットの新たな付加価値を創出してまいります。
新たな事業の柱となる製造業向け標準ロボット機器の開発を進め、市場に提案を行ってまいります。
◆グループ会社となった、プラス株式会社、ぺんてる株式会社との業務提携を推し進め、相乗効果を具現化してまいります。
2.「働きがい」と社内の意識改革に関する方針
◆2022年7月より、新人事制度を導入し、職務内容や業績に連動した報酬が得られる制度といたしました。また、人事評価制度が新たに取り入れられ、職務による成果や業務に対する行動が評価基準となり、その評価が昇給や昇格、賞与の金額に反映される仕組みといたしました。
◆事業計画を全社員で共有し、一度決めた目標を不屈の精神と創意工夫を持って最後まで粘り強くやり遂げる「執着心」を醸成します。
◆社員ひとりひとりが自らに枠を設けず、勇気をもって新たなことに挑戦し続けるチャレンジ精神を大切にします。
◆プラスグループの一員となり、社内に新しい感覚や風土を取り入れ、セーラー万年筆社員の内なる意識変革を促します。
3.サステナビリティに関する方針
◆当社がサステナビリティへの具現化として取り組むべきSDGs課題
Ⅰ.SDGs7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
広島工場の第二期工事として、クリーンエネルギーを積極活用する方策を具体的に検討し、地球環境にやさしい工場を実現していきます。
Ⅱ.SDGs12:つくる責任つかう責任
万年筆のサステナブル性を世の中にアピールすると共に修理やメンテナンスを充実させ、永く愛用してもらえる企業活動を推進します。
Ⅲ.SDGs14:海の豊かさを守ろう
広島県が進める「瀬戸内海の海洋プラごみをゼロに」の活動に協力し、海と共に生き続けるセーラー万年筆の姿勢を具体的な行動として表します。
Ⅳ.SDGs15:陸の豊かさも守ろう
従来から取り組んできているフォレステーショナリー活動を拡大します。ロボット機器事業においても森林保全活動への協力を行います。
(3) 経営数値目標
2023年度売上高5,800百万円、営業利益20百万円(営業利益率0.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益0百万円と予想しています。早急に経営計画を見直し、後日、中期経営計画として発表いたします。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
新型コロナウイルス感染症の流行は収束に向かいつつあり、人々の活動が活発となりインバウンド需要が回復するなど、国内経済活動は徐々に活性化して行くことが期待されます。一方で、エネルギー価格、電力価格、部品価格の上昇や米国経済のインフレリスク、中国リスクなどが懸念され、今後の経済状況に関しては、先行きに対する警戒感が拭えない状態で推移するものと思われます。このような状況のもと、企業活動は、景気変動リスクに備えながら社会や人々のライフスタイルの変化を見通し、先取りする施策が求められております。
当社は、これら社会状況の変化に適応し、新製品開発や生産性向上のための投資、販売方法・販売ルートの見直し、働き方の改善などを実施して、業績向上と社会貢献を目指してまいります。
(文具事業)
文具事業の中核を担う万年筆及び万年筆インクは、国内・海外共に新型コロナウイルス感染症発生後も継続的に大きく販売を伸長させております。特に海外市場は、未だ市場の拡大余地は大きく、経済力を増すアジア地域を中心として今後も販売の拡大を行ってまいります。
これまで課題を抱えていた万年筆の製造面では、広島工場の新棟完成に伴い、製造能力が大幅に増強され、海外市場での販売の拡大や新製品の投入に寄与するものと考えております。
また、利益面では、原材料費の高騰が続く中、低粗利率の商品群の販売を中止するなどの施策を講じると共に、販売価格の引上げを通し、利益率の改善を図りつつあります。
更に、海外で弱かった当社のブランド認知度を、新たなブランド戦略の実施により向上をはかり、ブランドの高付加価値化を推進してまいります。同時に新製品の開発では、これまで評価の高かった企画面に加え、研究開発力を強化し、筆記具全般における製品開発力を高め、売上伸長、利益の改善に繋げてまいります。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業につきましては、より競争力のある新製品の開発に着手するとともに、引き続き医療機器業界へのアプローチを強化するなど、世の中の変化に合わせて様々な業界への販路拡大を目指してまいります。また、ぺんてる株式会社との協業による生産自動化装置への取り組み、プラス株式会社との協業による生産設備のスマートファクトリー化に必要なIOTへの取り組みなどにより、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。更に、海外事業の強化に取り組み、北米・中国に新体制を構築してまいります。