有価証券報告書-第69期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/19 11:35
【資料】
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【項目】
155項目
②戦略
当社グループは、赤ちゃんにやさしい未来をつくるため、事業活動を行うすべての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決するとともに、事業競争力の弛まぬ強化に努めることで、社会になくてはならない存在として持続的な成長を目指しております。
(a)Pigeon ESG/SDGs基本方針
当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon Group DNA」は「経営理念」「社是」で構成されており、ピジョンの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は「存在意義」「Spirit」で構成されており、私たちが社会において存在する意味と全ての活動における“心”と“行動”の拠り所です。
「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を体現し、持続可能な社会の発展に貢献する方針として「Pigeon ESG/SDGs基本方針」を設定しております。当社グループが解決しなければならない重要課題(マテリアリティ)や環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求するとともに、商品やサービスの提供による新たな価値の創造により、SDGsに代表される社会課題の解決に貢献すべく事業活動を展開します。事業活動を通してステークホルダーとの信頼関係の構築に努め、総じて企業価値を向上させることで、持続可能な社会の発展に貢献していくことを目指しております。
「Pigeon ESG/SDGs基本方針」に基づく持続可能な社会の実現ストーリー
0102010_002.pnghttps://www.pigeon.co.jp/sustainability/policy/
(b)事業環境と当社グループの重要課題(マテリアリティ)
当社グループにおいて大きな売上を占める日本や中国では、出生数の減少が続いており、昨今そのスピードが加速しました。その一方で、出生数の増加傾向がみられるアフリカ地域をはじめ、当社グループが進出していない市場は依然として多く、事業成長の余地があります。
また、地球温暖化が進行する中で、各国政府が脱炭素社会の実現に向けてカーボンニュートラルを表明し、企業も脱炭素に向けた取組を進めることが要求されております。プラスチックの使用に関しても、各国で使い捨てに対する規制が強化され、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた動きが加速しております。
こうした地球環境課題への対応に加え、企業が持続的成長を果たしていく上では、人的資本に対する取組も不可欠な要素となっております。さらに、リスクマネジメントの観点からも、自社の社員のみならず、サプライチェーン全体に関わる全ての人々の人権に配慮した取組が期待されております。
このような事業環境の中で、持続可能な社会の発展に貢献し、企業価値の向上を実現するために、当社が解決しなければならない重要課題として、「事業競争力とビジネス強靭化」、「環境負荷軽減」、「社会課題への貢献」、「存在意義実現のための人材・組織風土」、「強固な経営基盤の構築」を特定しております。これら重要課題ごとに目指すべき姿を明確にするとともに、その姿を実現するための課題を個別課題として具体化しております。そして、各事業ユニット及びグローバルヘッドオフィス(GHO)の各部門は、個別課題への取組計画を中期経営計画に組み込み、実行しております。
第8次中期経営計画(FY2023-FY2025)における重要課題と個別課題
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(c)環境負荷軽減に向けた長期目標「Pigeon Green Action Plan」
温室効果ガスの累積、森林減少、土壌劣化、生物多様性の損失、水害・渇水、プラスチック汚染、地球の復元・浄化能力の劣化等、地球環境の悪化は進行しております。地球環境の悪化は社会と経済の不安定さを増大させるリスクがあります。
当社グループは、明日生まれる赤ちゃんの未来にも豊かな地球を残すために長期的に環境問題に取り組むべく、「Pigeon Green Action Plan」を策定(2022年)し、事業活動に相対的に関連性が高い気候変動問題、プラスチック問題、生物多様性毀損にフォーカスし、「脱炭素社会」「循環型社会」そして「自然共生社会」の実現を目指した中長期の環境目標を設定しております。2024年には、脱炭素社会実現に向けさらに取組を進行すべくScope1~3GHG排出量の2030年目標を上方修正し、2025年4月、ピジョングループ温室効果ガス(GHG)排出量削減目標のうち、2030年のGHG排出量削減目標が科学的な根拠に基づいたSBT(science-based targets)目標としてSBTi※に認定されました。
※SBTi(Science Based Targets initiative)は、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4つの機関が共同で運営し、パリ協定目標達成に向け、企業に対して科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を設定することを推進しております。
0102010_004.png※B&C(ブックアンドクレーム)方式:RSPOにより認証された生産者が認証パーム(核)油の生産量に基づいて発行した認証クレジットを、最終利用者が購入することで、認証された持続可能なパーム(核)油の生産を支持する仕組み
(d)気候変動関連のリスク及び機会
昨今、気候変動の影響が世界中で顕在化し、様々な自然災害によって人的被害や物理的損害をもたらしており、今後も自然災害の頻発化や激甚化が継続すると予想されております。こうした気候問題に対処するため、将来において、世界各国で政策変更や新規規制の導入、市場シフト・消費者の意識変化などの社会的変化が生じることが予想されます。このような変化の中でも当社グループが「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」という存在意義を実現し、社会になくてはならない存在として将来にわたって存続するためには、気候変動に関する問題を経営戦略や財務計画に影響を与える可能性があるリスクや機会として捉え、対応していくことが必要であると認識しております。このため、当社グループの主力商品である哺乳器・乳首、スキンケアビジネスを対象として気候関連リスク及び機会の財務影響分析を行いました。
Ⅰ 気候シナリオ分析
当社グループは、様々な商品・サービスを世界90か国以上のお客様にお届けしております。気候シナリオを用いたリスク及び機会の分析を行うに当たり、まずは、中核ビジネスである日本事業及び中国事業における哺乳器・乳首、スキンケアの製造・販売ビジネスを分析対象としました。
分析に用いたシナリオは、世界平均気温の上昇を工業化前と比べて1.5℃に抑えるため脱炭素化へ向けて進む世界(1.5℃シナリオ)と、炭素排出量が多く世界平均気温が工業化前よりも4℃上昇する世界(4℃シナリオ)の2つとし、2030年時点(物理的影響は2050年)の世界を以下のように想定しました。
1.5℃シナリオで想定した世界4℃シナリオで想定した世界
●環境配慮に対する消費者の意識が高まる。
●温室効果ガスの排出、化石燃料及び化石燃料由来の原料に対する規制が大幅に強化される。
●持続可能な生産のために、パームプランテーションに対する規制が厳格化される。
●水害、渇水の自然災害の発生頻度と深刻度が現在よりも増加する。
●環境配慮に対する消費者の意識は1.5度シナリオほどには高まらない。
●低炭素化へ向けた強い規制は導入されない。
●水害、渇水の自然災害の発生頻度と深刻度が現在よりも著しく増加する。
●赤ちゃんの未来に対する不安感が出生数の減少要因の一つとなる可能性がある。

Ⅱ 哺乳器・乳首、スキンケアビジネスにとってのリスク及び機会
[消費者市場の変化]
当社の基幹商品である哺乳器・乳首は、これらを必要とする赤ちゃんにとっては気候状況や政策にかかわらず必須の育児用品ですが、4℃シナリオでは、気候環境の大きな変化(自然災害の頻発化と激甚化等)が予測されるため、赤ちゃんの未来に対する不安感などが出生数の減少要因の一つとなり、哺乳器・乳首の売上に影響する可能性があると考えております。
1.5℃シナリオでは、消費者の倫理的選択嗜好が高くなることから、バリューチェーン全体で環境に配慮された商品、消費者への訴求といった商品戦略が重要になると考えております。
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオのいずれにおいても、気候が変化し、自然災害が現状よりも多発化することが予想されます。このため、高温化、多湿化、乾燥化に対応するための商品や、渇水時や水害による断水時に、従来商品よりも節水型であるもしくは水を使用せずに使用できる商品の需要が高まることが予想されます。
当社グループは、未進出地域の開拓並びに既進出市場における高収益商品の哺乳器(広口哺乳器)・乳首の販売拡大等の戦略を実行することにより、哺乳器・乳首の売上高・利益の伸長を目指しております。スキンケア商品に関しては、スキンケアカテゴリの更なる成長に注力し、様々な商品機能に対する消費者のニーズを取り込んでおります。そして、商品の環境配慮については、Pigeon Green Action Planの実行を通じて、当社グループの拠点とサプライチェーンを含むバリューチェーン全体での低炭素化、商品パッケージにおける植物由来素材や再生素材の使用率向上に取り組んでおります。今後も消費者の環境配慮意識の高まりに応えて取り組んでまいります。
[政策・規制の変化]
1.5℃シナリオでは脱炭素化へ向けた強い政策・規制が導入され、当社にとっては温室効果ガス排出量に炭素税が課されるもしくは排出量取引制度が適用されることにより、炭素税の支払いもしくは排出枠の購入コストが発生するリスクがあります。
また、脱炭素政策の世界的強化が、購入電力、輸送運賃、パーム由来成分含有原材料、化石燃料由来プラスチック原料のそれぞれの価格の上昇、化石燃料由来プラスチックの使用を制限する規制をもたらすことが予想されます。これらは製造コストや開発コスト・設備投資の増加要因となる可能性があります。
Pigeon Green Action Planに沿って温室効果ガス排出量を削減することは、カーボンプライシング制度が導入された場合の炭素税の支払額もしくは排出枠の購入費用の軽減につながります。プラスチックの使用に関連するリスクについては、Pigeon Green Action Planの中で掲げている「2030年までにパッケージ材の50%(重量比)を植物由来又は再生素材にする」という目標及び「2030年までに全てのパッケージをリユース、リサイクル又はコンポスト可能な設計にする」という目標へ向けた取組を進めることによって、化石燃料由来バージンプラスチックへの課税や使用の禁止、プラスチック製パッケージの回収・リサイクル義務による財務影響を軽減してまいります。
他方、移行リスクがもたらす潜在的な財務影響の全てをPigeon Green Action Planの達成によって回避・軽減できるわけではないため、気候関連に起因した事業コストの増加に備える必要があると認識しております。他のコスト削減や高収益商品の比率拡大によって、増加したコストを事業全体で吸収することが第一であると考えておりますが、一部のコストは商品価格への転嫁によって消費者にも負担していただく可能性もあると考えております。そのためには、消費者とのコミュニケーションの中で、脱炭素の取組の意義と価値を消費者に伝え、脱炭素のためのコストを消費者が受容しやすくなる土壌づくりを能動的に行っていくことが必要だと考えております。
[自然災害の多発化]
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオのいずれにおいても、世界平均気温が現在よりも更に上昇することから、異常気象の発生頻度が高まり、水害、渇水、感染症拡大によるサプライチェーンや物流網の混乱と操業中断が予想されます。また、タイのバンコク近郊にある生産拠点は土地の海抜が低いため、将来的に海面上昇により慢性的に浸水する可能性があります。
生産を安定的に行えるよう、原材料と生産品の在庫確保のほか、当社グループ内での生産拠点の一時的切り替えや主要原材料の2社購買などの対策をとっております。
なお、気候関連リスク及び機会に関するガバナンス、潜在的な財務影響額、リスクマネジメント並びに指標・目標の詳細を「ピジョングループ TCFD Report 2025」において開示しておりますので、ご参照ください。https://www.pigeon.co.jp/sustainability/files/pdf/TCFDReport202512.pdf

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