訂正有価証券報告書-第17期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/11/14 10:36
【資料】
PDFをみる
【項目】
155項目
⑪会社の支配に関する基本方針
a.基本方針の内容
当社グループの企業価値
当社グループは、最上位概念である「パーパス」のもと、バンダイナムコと世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と常に向き合い、深く、広く、複雑につながる姿を目指します。
一方、変化の速いエンターテインメント業界でグローバル規模の競争を勝ち抜くためには、強固な経営基盤を築くだけでなく、常に時代や環境、顧客のライフスタイルや嗜好等の変化を先取りしたエンターテインメントを創造することが不可欠であり、ひいてはこれが当社の企業価値の向上に繋がるものと考えております。
したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方を巡っても、当社の企業価値の向上に繋がるものであるか否かが考慮されなければなりません。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、以上のような「パーパス」に基づく目指すべき姿や戦略及びその遂行を支える人材、IPやコンテンツ等の経営資源、さらには当社に関わる様々なステークホルダーの重要性を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に最大化させる者でなければならないと考えます。したがって、当社の株式の大量取得を行おうとしている者が、おおむね次のような者として当社の企業価値を害する者である場合には、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えます。
・企業価値を毀損することが明白な者
・買収提案に応じなければ不利益な状況を作り出し、株主に売り急がせる者
・会社側に判断のための情報や、判断するための時間を与えない者
b.取組みの具体的内容
当社取締役会は、株主の皆様から経営を負託された者として、基本方針を実現するため、次のとおり取り組んでおります。
企業価値向上策
・中期計画の推進
当社グループは、2018年4月にスタートした中期計画のもと、IP軸戦略をさらに進化させグローバル市場での浸透・拡大を目指すとともに、今後成長の可能性が高い地域や事業での展開を強化するための様々な戦略を推進しました。2021年4月からの1年間については、急激な環境変化を受け中期計画のスタートを1年延期したことから、新たな中期計画の戦略を推進するための事業基盤や組織体制を整備する期間と位置づけ、戦略の検討、組織再編や事業間の連携強化のための様々な取組みを推進しました。
2022年4月からは「パーパス」のもと、バンダイナムコと世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と常に向き合い、深く、広く、複雑につながる姿を目指し、新たな3ヵ年の中期計画をスタートしました。中期計画においては、中期ビジョン「Connect with Fans」のもと、重点戦略である「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」に取り組むことにより、エンターテインメント企業グループとして新たなステージを目指すとともに企業価値の向上をはかってまいります。
・コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社は、ユニットの事業統括会社代表取締役社長が当社の取締役等を兼任することにより、持株会社と事業会社、さらには事業会社間の連携を強化するとともに、グループとして迅速な意思決定を行っております。また、コーポレート・ガバナンス体制の強化をはかるとともに、スピーディな意思決定と業務執行を行うことで、企業価値のさらなる向上に取り組むことを目的に、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。監査等委員会設置会社への移行後は、取締役の14名のうち5名が社外取締役となり、いずれの社外取締役も独立社外取締役とすることで経営監督機能の強化をはかっております。これに加え、取締役会が適切に機能しているかを、客観的な視点から評価することを目的に、独立役員会を組成しております。独立役員会は、独立役員のみで構成され、事務局機能も第三者専門機関に設置しております。これにより、取締役会における、より実効性の高い監督機能の保持を行っております。
・経営効率化の推進
当社グループにおける事業再建基準を整備し、より迅速に事業動向を見極めるため、継続的なモニタリングの仕組みを強化するとともに、社内で定めた指標に基づき、事業の再生・撤退を迅速に判断しております。このほか、グループ全体の業務プロセスの標準化によりコスト削減をはかり、経営の効率化を推進しております。
・人材戦略の強化
当社グループは、「パーパス」のもと、様々な才能、個性、価値観を持つ多様な企業や人材が生き生きと活躍することができる「同魂異才」の集団でありたいと考えます。従来より新卒・キャリア、性別、国籍にこだわらない人材の確保・登用を行うとともに、多様な人材が活躍することができ、心身ともに健康に働くことができる制度や環境整備に注力してまいりました。これらに加えて、社員のチャレンジを支援する取組み、グローバルでIP軸戦略を推進する人材を育成する取組み等を推進するとともに、多様な働き方や新たな働き方への対応を推進しております。
・サステナブル活動の強化
当社グループは、「パーパス」のもと、ファンとともに持続可能な社会の実現に向けたサステナブルな活動を推進します。2021年4月には、IP軸戦略のもと、ファンとともに、グループが向きあうべき社会的課題に対応したサステナブル活動を推進すべく「バンダイナムコグループのサステナビリティ方針」を策定しました。中期計画においては、重点戦略に「サステナビリティ」を設定し、グループが向き合うべき課題と社会における新たなテーマを軸にマテリアリティを特定(重要項目を再選定)しました。今後、マテリアリティに沿った具体的なアクションプランを推進していくほか、エネルギー由来の二酸化炭素排出量削減目標の設定を行い、取組みを行ってまいります。
<特定したマテリアリティ>- 地球環境との共生 - 適正な商品・サービスの提供 - 知的財産の適切な活用と保護
- 尊重しあえる職場環境の実現 - コミュニティとの共生
・積極的なIR活動
当社は、金融商品取引法及び東京証券取引所の定める適時開示規則に沿って、情報開示を適時・的確に行っております。そして、株主をはじめとするステークホルダーの皆様に対し経営戦略や事業方針について、明確に伝える透明性の高い企業でありたいと考えております。そのため、会社説明会や決算説明会等、代表取締役社長をはじめとした経営者自身が、個人投資家や国内外の機関投資家及び証券アナリスト等に対し直接説明し、グループへの理解を深める努力をしております。
・積極的な株主還元策
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要施策と位置付けており、当社グループの競争力を一層強化し、財務面での健全性を維持しながら、継続した配当の実施と企業価値の向上を実現していくことを目指しております。具体的には、長期的に安定した配当を維持するとともに、より資本コストを意識し、安定的な配当額としてDOE(純資産配当率)2%をベースに、総還元性向50%以上を目標に株主還元を実施することを基本方針としております。
買収防衛策
当社は、現在のところ具体的な買収防衛策を導入しておりません。企業価値向上策に従って、経営戦略・事業戦略を遂行し、グループ企業価値を向上させることが、不適切な買収への本質的な対抗策であると考えるからです。もっとも、株主の皆様から経営を負託された者として、今後、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切な者が出現する場合に備え、法令や社会の動向を注視しつつ買収防衛の体制整備にも努めてまいります。具体的には、万一不適切な買収者が現れた場合に、当該買収者による提案に対し、経営陣が保身をはかることなく、企業価値の向上を最優先した判断を下すため、独立役員会において客観的な視点での検討を諮った後、取締役会における十分な審議を行います。さらには、株主の皆様の適切なご判断に資するために、十分な情報収集と必要な時間の確保に努めてまいります。