有価証券報告書-第97期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/21 11:42
【資料】
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【項目】
111項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費は依然として低迷しているものの、企業収益や雇用情勢が堅調に推移し、輸出も緩やかながら拡大傾向を続け、景気は回復傾向が持続しております。また、世界経済においても、米国が消費中心に堅調な景気動向を継続し、欧州および中国においても回復基調となっておりますが、北朝鮮における地政学的リスクが大きな懸念材料であり、先行きは決して予断を許さぬ状況になっております。
このような環境の下、当グループは中期経営計画「KBK 2016」に基づく重点戦略を着実に推し進め、計画初年度である当連結会計年度ではその目標をクリアし、計画達成に向けての事業基盤を強化いたしました。
この結果、当グループの当連結会計年度の業績につきましては、火力発電所向け計装システム事業が前年度に引き続き高水準に推移したことに併せ、複合材料事業とグループ会社であるヱトー株式会社を主とする機械部品関連事業の業績が底上げしたことで、収益は前年度水準を確保し、中期経営計画を上回ることとなりました。しかしながら、重電設備事業および航空電子事業の大口案件が一部翌期に遅延したことで、当グループの当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べ66億10百万円減少し、596億26百万円となりました。売上総利益につきましては、前年同期に比べ1億51百万円減少し、84億80百万円となり、営業利益につきましても前年同期に比べ13百万円減少し、11億90百万円となりました。
経常利益につきましては持分法による投資利益が増加したことなどにより、前年同期に比べ2億9百万円増加し、16億40百万円となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、負ののれん発生益の特別利益を計上した前年同期に比べ11億45百万円減少し、10億55百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
基幹産業関連部門
前年同期には大口案件に恵まれた資源開発機器事業の減速に加え、重電設備事業において大口案件が翌期に遅延することなどもあり減収減益となりました。この結果、売上高は前年同期に比べ42億86百万円減少の185億79百万円となり、セグメント利益も3億63百万円減少の83百万円となりました。
電子・制御システム関連部門
火力発電所向け計装システム事業においては、前年同期に比べて下振れしたものの収益としては高水準を維持し、電子機器事業においても電子部品は好調に推移いたしましたが、太陽光発電関連事業の大口案件が翌期に遅延したことなどもあり減収となりました。この結果、売上高は前年同期に比べ21億76百万円減少の103億3百万円となりましたが、セグメント利益は55百万円増加の2億76百万円となりました。
産業素材関連部門
複合材料事業が関連副資材の設備や繊維機械などの底上げで伸張いたしました。しかし樹脂・塗料関連事業は米国及び中国での事業は堅調に推移したものの、通期を通してみた場合には円高の影響を受けて減収となりました。この結果、売上高は前年同期に比べ12億11百万円減少の164億39百万円となりましたが、セグメント利益は46百万円増加の2億51百万円となりました。
機械部品関連部門
当グループのヱトー株式会社のねじ関連事業が国内外で底上げし、ばね事業についても収益を伸ばすなど好調に推移いたしました。この結果、売上高は前年同期と比べ10億62百万円増加の143億4百万円となり、セグメント利益も、前年同期に比べ2億54百万円増加の5億82百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、69億75百万円(前連結会計年度末比4億20百万円の増加)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、20億33百万円の収入(前連結会計年度比2億97百万円の増加)となりました。これは仕入債務の増減額の減少の一方で、前受金の増減額の増加があったことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億44百万円の収入(前連結会計年度比7億85百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入及び投資有価証券の売却による収入によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、16億94百万円の支出(前連結会計年度比17億28百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出及び短期借入金の純増減額の減少によるものであります。