有価証券報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 15:12
【資料】
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【項目】
128項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
コロナ禍において、ニュー・ノーマルを前提とした生活様式、消費行動へと社会全体が変化していく中、出版業界の抱える課題もいっそう顕在化し、変化が加速しております。高い環境適応力が問われ、各社生き残りをかけた業界再編がこれまで以上に進行することが予測されます。併せて物流経費や人件費などの高騰は依然として出版流通ネットワークを維持し続ける上で課題であり、全体最適の視点による制度の再設計も同時に進めていく必要があります。
出版流通、ひいては多様性に富んだ日本の豊かな読書環境を守り続けるため、当社グループは事業拡大に邁進すると共に、リーダーシップを持って出版業界改革を実行して参ります。
当社グループは、事業会社の再編、連結経営の強化をさらに進めます。適切な経営指標の設定と情報開示によって経営の透明性を確保し、グループ全体の企業価値の適正評価に資するよう努めて参ります。
1.本業の復活
グループの中核的事業である出版流通事業は、海外の先駆的事業者の取り組みを参考に、リアル・デジタル双方の分野で幅広い出版流通事業を手掛ける新しい取次像を確立するために、デジタル領域への本格的参入を含めて、以下の4つの柱をテーマとして推し進めていきます。
①出版流通ネットワークの安定化
取次事業者の自助努力として、これまでに得られた知見をさらに洗練させ、返品率改善、効率販売の徹底に継続して取り組みます。併せて、雑誌返品以外の事業分野での競業他社との物流協業につきましても検討を重ねて参ります。
②マーケットイン型出版流通の具現化
前期より開発中の新たな仕入・配本プラットフォームにつきましては開発を三段階に分割し、進めております。当期では第一段階として、雑誌配本システムに新機能を実装し、高止まりする雑誌返品率の改善、仕入の適正化を図ります。さらに第二段階を見据え、マーケットイン型の商品供給モデル実現の一部をなす近刊予約プラットフォームの開発にも既に着手しております。また、仕入配本へのAI導入については第三段階に位置付け、現在社内での研究開発に取り組んでおります。
また、「マーケットイン型販売契約」施策につきましては、当社グループ書店での実証実験を開始し、ノウハウの蓄積、実績検証に努めて参ります。
③本業を支える新規事業の開発
パートナー企業との連携を強め、具体的なプロダクトの開発に着手いたします。出版社IPとのコラボレーションも視野に入れつつ、書店店頭を活用したイベントやポップアップショップの企画・運営、当社専売のオリジナルグッズの開発・流通を通じ、出版流通の付加価値最大化に取り組んで参ります。
④デジタル領域への参入
デジタルシフトが加速度的に進行する中、図書館や教科書・教材など、従来は取次や書店が流通を担ってきた市場の大部分が、将来的にはデジタルへ移行するリスクが高まってきております。そのような状況に備えるためにも、デジタル分野における出版流通ビジネスに取次や書店を参画可能とするインフラ整備とスキーム構築が強く求められております。当社では電子書籍取次最大手の株式会社メディアドゥと資本業務提携を行い、当社単独では実現の難しかったデジタル領域への参入によって、既存の取次事業の質的進化を図って参ります。
NFT(非代替性トークン)を活用した電子付録、リアル店舗での電子書籍販売ビジネスの開発、電子図書館事業での販売促進連携等を通じ、両社提携によるシナジーを最大限追求し、デジタル領域における当社の存在感を高めて参ります。
2.事業領域の拡大
本業を下支えする安定的な収益獲得とともに、成長性の高い事業を当社グループに取り入れるため、引き続き「事業領域の拡大」を図ってまいります。
不動産事業では、企業の収益基盤の強化として引き続き保有不動産の活用を進めます。最大資産である旧本社跡地の開発プランについて、パートナー企業と共に具体化を進めて参ります。
フィットネスジム事業、コワーキングスペース事業につきましては、アフターコロナを見据えた戦略を策定し、店舗拡大、サービスの進化を図って参ります。
また、今後もM&Aや資本業務提携にも積極的に取り組んで参ります。互いの成長に寄与できる、互恵的な事業パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上と収益構造強化に努めて参ります。
当社では、社員参加型経営の実践として、新規事業・新業態開発プロジェクトを発足し、従業員発のビジネスアイデアの具現化に取り組んでおります。引き続き、ビジネスチャンスの早期獲得と、経営感覚養成等の人材育成にも繋げて参ります。
3.経営基盤の強化
2021年5月10日より新本社オフィスでの業務が本格稼働いたしました。従来から課題であった自然災害対策や安全性の確保を目的に、高い事業継続性を実現しております。加えて、執務環境の大幅な改善と共に、ICTツールを最大限に活用することで、作業能率とコミュニケーション効率の高いオフィス空間を実現いたします。それに伴い、旧来の業務プロセスを抜本的に見直し、速やかに再構築して参ります。
当社では引き続き、従業員が誇りとやりがいを持ち、心身ともに健やかに働けるよう、「働き方改革」に注力して参ります。コロナ禍において、働き方が多様化していくからこそ、会社として求心力を高めることが重要と考え、役職員間コミュニケーションの充実を図り、従業員のエンゲージメント向上にも取り組んで参ります。

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