有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 11:23
【資料】
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【項目】
198項目
②戦略
当社は、第11次中期経営戦略における人的資本戦略の柱として、「全力で活躍できる企業風土の醸成」と「戦略推進人材・組織の創出」の二軸を定め、中長期的な企業価値向上に向けた人材・組織への投資を推進しています。
「全力で活躍できる企業風土の醸成」においては、理念及び経営戦略への共感を基盤に、従業員一人ひとりの自己成長の実感や心身の健康を重視したエンゲージメント向上に取り組み、各人の能力を最大限に発揮できる社内環境整備を進めます。あわせて、DE&Iの推進を通じて、当社グループにおける多様な価値観や視点を融合し、非連続な価値創造につなげる企業風土の醸成を図っています。さらに、風通しの良い組織風土の維持・向上、次世代リーダー育成及び計画的なサクセッションの推進、事業変革を支えるDX人材基盤の充実にも取り組んでいます。「戦略推進人材・組織の創出」においては、グローバル人材、エンジニアリング/加工ソリューション領域人材、事業投資高度化人材、次世代経営人材、コーポレートプロフェッショナル人材といった重点人材の計画的な育成・確保を進めています。あわせて、戦略軸に基づく組織体制の構築や、DXを活用した経営基盤及び収益力の強化を図っています。
これらの計画的かつ継続的な人的資本への投資を通じて、成長牽引事業への取り組みを加速すると共に、既存市場における収益基盤の更なる強化を目指しています。
〇HKBS
当社は2022年度に企業内大学 Hanwa Business School(HKBS)を開校しました。HKBSでは、当社がこれまでの事業活動を通じて蓄積してきた実務の現場で培われた「汗」を伴った「知」や、当社ならではの価値観・行動様式である阪和DNAを基盤とし、これらを体系化した教育プログラムを整備しており、社員が日々の業務と結びつけながら学べる環境を構築することで、実践に根差した人材育成を進めています。講義内容については、現場の課題意識や事業環境の変化、社会の潮流を踏まえ、継続的な見直しと拡充を行っています。特定の分野に偏ることなく、多様なテーマを取り入れることで、社員一人ひとりが自らの業務やキャリアに応じて学びを深められる仕組みとしています。2024年度からは新人事制度とHKBSの研修コンテンツを連動させ、制度運用と教育体系を一体的に整備しました。これにより、知識やスキルの習得にとどまらず、現場での実践力やリーダーシップの発揮につながる人材の育成を図っています。これらの取り組みを通じ、社員が主体的に学び続ける風土を醸成すると共に、当社の持続的な成長を支える人材基盤の強化に取り組んでいます。
〇グローバル人材基盤
当社は、海外事業の拡大及びグループ全体の競争力強化を見据え、早期からのグローバル人材育成に取り組んでいます。具体的には、海外トレーニー派遣や海外語学留学を通じて、異文化理解や語学力の向上を図ると共に、若手社員を中心とした海外駐在派遣を積極的に行い、現地での実務経験を通じた事業運営力の強化を進めています。加えて、海外グループ会社に勤務するナショナルスタッフを対象に、本社に集う研修を年1回実施しており、2025年度は10か国から28名が参加しました。将来の各拠点における中核・リーダー人材の育成を目的に、当社グループの経営方針や事業理解の深化、グループ内ネットワークの構築を図っています。これらの施策を通じ、国や地域ごとの市場特性を理解し、多様な関係者と協働しながら事業を推進できる人材の育成を図ると共に、新たな中期経営計画においては、育成機会の拡充と計画的な配置を通じて、グローバル人材基盤の強化を進めていきます。
〇国内MBA派遣
当社では、次世代の経営人材の育成を目的として、企業内大学であるHKBSのプログラムの一環にて、2022年度より日本国内の経営大学院(MBA)への派遣を実施しています。本施策を通じ、経営理論や戦略的思考を体系的に習得すると共に、日常業務では得がたい経営視点の醸成を図っています。
2025年度末時点における派遣者数は延べ16名となっており、新たな中期経営計画においては更に拡充し、3年間で延べ45名の派遣を予定しております。業務ローテーション等と組み合わせた人材育成を進めることで、経営人材候補層の裾野拡大と質の向上を図っていきます。
○従業員エンゲージメント向上
2024年度より当社では従業員エンゲージメントサーベイを定期的に実施し、会社風土や組織における課題を定量的に認識し、課題に対する施策の検討と実行に活用しております。特に、部門や組織に縛られない社員の挑戦こそが企業の成長のエンジンと捉え、諸施策の効果を挑戦に関するエンゲージメントスコアにてモニタリングし、エンゲージメント向上を推進していきます。
○新卒採用社員の育成
当社では、将来にわたる持続的な企業価値の向上を見据え、新卒採用を通じた人材の計画的な育成を継続して取り組んでおります。新卒採用社員については、性別・国籍を問わず、当社の事業全体を俯瞰的に理解できる基礎力や柔軟性を備えた人材として積極的に採用しており、長期的な成長を前提とした配置及び育成を行っております。入社後は、指導員制度やメンター制度をはじめとするOJTに加え、階層別研修等を通じて、専門性及び実務経験の段階的な向上を図ると共に、国内外を含む多様な業務経験を通じ、将来の中核人材・経営人材としての成長を期待しております。新卒採用社員の入社実績は、2025年度98名、2026年度77名です。
○キャリア採用社員の活躍
当社では、多様な専門性や視点を経営・事業に取り込むことを目的に、キャリア採用を積極的に実施しており、採用者に占めるキャリア採用の割合は、2021年度以降、30%以上で推移しています。2025年4月には、キャリア採用社員から執行役員に1名が就任するなど、管理職に占めるキャリア採用社員の割合も年々増加しています。今後も、年間採用者の30~50%程度をキャリア採用社員とする方針としており、これら多様な人材の知見や経験を活かすことで、事業環境の変化への対応力を高め、経営戦略の着実な実行につなげてまいります。
○障がい者の活躍施策
障がい者の就労環境の整備及び雇用の一層の推進を目的として、2024年に阪和ビジネスパートナーズ㈱を設立し、2025年2月に「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社の認定を受けました。同社は、東京及び大阪に拠点を設けると共に、個々の障がい特性や就労条件に配慮した働き方を実現するため、北海道、四国、九州等の遠隔地からの完全テレワークによる勤務制度を整備しています。居住地や通勤制約に左右されることのない就労機会を提供し、障がいのある人材が継続的に就業・活躍できる体制の構築を進めており、2026年3月末時点で37名の障がい者(内、完全テレワーク勤務の社員26名)が就業しております。
○女性活躍に関する施策
当社は、「女性活躍推進法」に基づき、3年ごとに行動計画を策定し、女性の活躍推進に向けた各種施策を継続的に実施しています。2023年度より開始した第4期行動計画では、女性の積極的な採用の推進、組織の意思決定に関与する女性社員の増加、並びに仕事とライフイベントの両立支援を重点施策として取り組んできました。その結果、2025年度の新卒採用における女性総合職の割合は36.2%となり、また、2025年度末時点における管理職に占める女性の割合は3.9%となっています。今後は、新卒採用における女性総合職比率を30%以上で維持すると共に、管理職に占める女性の割合について、2028年度末までに4.9%、2030年度末には6.0%以上とすることを目標としています。これらの目標達成に向け、2025年度には管理職から若手社員までを対象とした女性総合職座談会を実施し、ワークライフバランスやキャリア形成、ライフイベントに関する課題等について意見交換を行いました。また、女性管理職を対象に外部リーダー育成プログラムへの派遣を行い、経営視点やリーダーシップの強化を図っています。今後は、女性活躍研修の継続的な実施、一般職から総合職への転換促進、アンコンシャス・バイアスに関する研修の実施などを通じ、女性社員が主体的にキャリアを形成し、能力を十分に発揮できる環境整備を進めていきます。
○両立支援に関する施策
当社では、社員が育児・介護・傷病治療等と仕事を無理なく両立し、安心してキャリアを継続できるよう、制度面・運用面・風土面の観点から両立支援に取り組んでいます。育児分野では、男女問わず育児に参画できる支援体制の整備に取り組んでおり、近年は特に男性の育児休業取得促進にも注力し、男性育休取得率は2023年度の37.1%から2025年度には77.3%まで向上しました。介護分野では、2025年10月施行の育児・介護休業法改正を契機に、社内の介護制度認知向上を目的としたガイドブックを2025年に作成・配布し、利用促進を図っています。また、がん等に罹患し治療中の社員が傷病治療と仕事を両立できるよう、短時間勤務・時差出勤・治療休暇等を活用できる制度を2025年3月に整備しています。
○健康経営に関する施策
社員一人ひとりが能力を十分に発揮するためには、心身の健康の維持・増進が重要であるとの考えのもと、当社では「阪和興業健康経営宣言」を定め、代表取締役社長を健康経営推進責任者(CHO)として、健康経営の推進に取り組んでいます。従前より、阪和興業健康保険組合と密に連携し、定期健康診断の受診項目の拡充や生活習慣の改善に向けた各種施策を推進しています。2025年度は、社員が自身の体質や健康状態を適切に理解し、社員一人ひとりが健康リテラシーを高め、主体的に健康管理に取り組む状態を目指すことを目的とし、国内各拠点への血圧計の設置、個々に適した飲酒方法の参考になるアルコール感受性遺伝子検査、大阪本社・名古屋支社での足腰の状態や認知症及び各種疾病と関連が示唆されている握力の測定、血管年齢測定などを組込んだ健康イベントを実施しました。今後も、社員の健康保持・増進を重要な経営課題の一つと位置付け、持続的な企業価値の向上につながる健康経営を継続していきます。
○報酬に関する施策
採用力の強化並びに物価上昇など社会状況への対応を目的に、初任給引上げ及び賃上げを実施しております。
[初任給 大卒総合職の場合]
2022年度2023年度2024年度2025年度2026年度
当社(円)265,000270,000300,000320,000335,000
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