有価証券報告書-第82期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
■BIPROGYグループの人財戦略
BIPROGYグループでは、Purpose・Vision2030の実現に向けた人と組織のあり方として「人財Vision2030」を掲げ、その実現に向けた3ヵ年の人財戦略を策定・推進しています。
本戦略は、人財Vision2030および経営方針(2024–2026)と連動する4つの重点戦略を軸とし、それぞれの実現に向けたキードライバーで構成されています。また、マテリアリティであるビジネスプロデュース人財をはじめ、経営方針の実現に不可欠な人財の獲得・育成を進めるとともに、重点戦略領域への積極的な投資を行っていきます。
人財戦略の推進を通じて当社グループが目指すのは、従業員エンゲージメントのさらなる向上です。エンゲージメント・サーベイの結果からは、社員が自身のキャリア目標の実現を実感できる環境の整備が、エンゲージメント向上において極めて重要であることが明らかになっています。この結果を踏まえ、自らの「志」に基づき主体的にキャリアを築く人財像を「志追求型人財(ココツイ人財)」と定義し、全社員に期待する姿として掲げています。
今後は、社員一人ひとりの成長を後押しし、ココツイ人財の裾野を広げることで、エンゲージメント向上と企業価値向上の好循環を実現していきます。
BIPROGYグループのエンゲージメントスコア(2025年度実績)

■人財戦略の進捗状況
人財戦略のKPIは以下の通り定義しており、2026年度目標達成に向け、着実に推移しています。
※1:2026年4月1日時点
※2:2027年度からの目標値を設定・公表予定
■重点戦略1:持続的成長の基盤となる人財づくり
当社グループは、「Purpose」の実現と持続的な企業成長に向けて、「志追求型人財(ココツイ人財)」と「次世代経営人財」の育成を人財戦略の柱としています。これらは、社員の主体性と変革力を引き出し、組織の活力を高めるための重要な人財タイプです。
志追求型人財(ココツイ人財)
志追求型人財(ココツイ人財)とは、自分が実現したいこととグループの「Purpose」との重なりを見出し、自ら成長の機会を求め、主体的にキャリアを構築していく人財です。社員一人ひとりが自分自身の志を言語化する取り組みを進めるとともに、「Purpose」との重なりを組織の仲間との対話によって見つけ、ワクワク感を持てる環境づくりを進めています。2025年度は、志言語化ワークショップ「ココカフェ」を開催。その後のキャリア面談を通じて、社員一人ひとりが自らの志を軸としたキャリア目標の設定に取り組みました。こうした取り組みを通じてキャリア・ウェルビーイングの向上を図り、個人の成長が組織の活力へとつながる好循環を生み出していきます。

次世代経営人財
当社グループの「Vision2030」の実現には、より多様性のある経営チームと、経営陣幹部の後継者候補を階層別に備えた人財プールの形成が必須です。従前の公募制プログラムを通じた育成では、体系的な運用に至らず、人財パイプラインの強化や登用に十分に結びつかないことが課題でした。そこで、2024年度より2階層での選抜型育成プログラムを開始し、多面診断や経営知識診断によるアセスメント、部門横断で経営陣幹部が伴走するコーチング、タフアサインメントなどを体系的に展開しています。最高経営責任者に求められる資質を基盤に育成重点領域を定め、サクセッション・プランの強化を通じて、企業の持続的な変革力を支える体制を構築していきます。
■重点戦略2:事業戦略をリードする人財の強化
「経営方針(2024-2026)」では、事業戦略と結びついた注力投資領域と、人財に対して積極的に投資をしていきます。事業戦略と人財戦略との連動性は下図のように整理しており、この枠組みを軸に人財施策を設計しています。コア事業領域では、「顧客ビジネスアーキテクト」と「高度プロジェクトマネージャー」を、成長事業領域では、「ビジネスプロデュース人財」と「グローバル人財」を、強化する人財タイプとして設定しました。2021~2023年度に整備した、ROLESを軸とする人的資本マネジメントのための基盤を最大限に活用して、各種施策を推進しています。
■重点戦略3:DE&I推進
当社グループでは、一人ひとりが「個」の多様性を高め、互いの個性を尊重し合い、自らの個性や能力を最大限発揮できる風土の醸成を目指しています。
意思決定層におけるジェンダーダイバーシティ
持続的な成長を実現するためには、多様な価値観や視点を意思決定に反映させることが不可欠であると考え、役員・マネジメント層におけるダイバーシティの推進に取り組んでいます。具体的には、マテリアリティに基づき、2026年4月1日時点で女性管理職比率(当社グループ)18%以上の達成をKPIとして設定しています。また、当社単体では、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において、2029年度までに女性役員比率26%を目標とし、着実な取り組みを進めています。これらの目標達成に向けて、女性管理職の計画的な育成と人財パイプラインの形成を推進するとともに、当社およびグループ各社が策定した管理職登用計画に基づき、サステナビリティ委員会および取締役会において進捗状況のモニタリングと報告を行う体制を整備しています。さらに、女性社員が主体的にキャリアを形成し、管理職としての意識を醸成できるよう、階層別の育成プログラムを実施し、意識改革と能力開発の両面から支援を行っています。対外的には、WEPs(Women’s Empowerment Principles)への賛同、日本経済団体連合会の「2030年30%へのチャレンジ」への賛同など、社外イニシアチブに積極的に参加しています。
これらの取組の結果、2026年4月1日時点における女性管理職比率(当社グループ)は12.6%、女性役員比率(当社単体)は18.4%となりました。女性管理職比率については、管理職候補のパイプライン形成が十分ではなかったことが要因となり、KPIの達成には至らなかったものの、2021年度の数値目標設定以降、着実な改善が見られました。
2026年度は、更なるジェンダーダイバーシティの推進に向け、女性管理職比率に関する数値目標の見直しおよび戦略策定の期間と位置づけ、重点課題の再整理と必要な構造改革を伴う取組の検討を進めます。また、2027年度以降の数値目標を設けて、公表する予定です。今後も、意思決定層におけるジェンダーダイバーシティを重要な経営課題の一つと位置づけ、女性役員および女性管理職の登用を継続的に推進していきます。
男性育児休業取得促進
男性社員の育児休業取得において、本質的な意義を達成するためには、単なる取得率の向上にとどまらず、多様な価値観の尊重と、社員一人ひとりが望む育児スタイルの実現が重要であると考えています。こうした認識のもと、当社グループは2024年度より2種類のKPIを設定し、育児休業取得の質的向上に向けた取り組みを開始しました。同年度には、配偶者の妊娠届の導入により、上司を含む関係者への情報提供を強化するとともに、「育休ハンドブック」の配布や取得事例の紹介などを通じて、制度の理解促進と取得の後押しを図りました。これらの取り組みの結果、2025年度における男性の育児休業取得者の平均取得日数は109日となり、長期取得を可能とする環境整備が着実に進展しています。
男性育児休業促進におけるKPI達成状況(2025年度実績)
※1 配偶者が出産した男性社員の内、育児のための休業・休暇を取得できた社員の割合
※2 男性育児休業取得検討・意思決定において、自身の意向を踏まえて、家族や組織とすり合わせできた社員の割合
男女賃金差異
男女間の賃金差異を解消するため、定期的な調査による是正を図っています。同一職層の基本給に差異は無いものの、上位職層に男性が多いことに加え、女性の採用比率が近年増加したことで、賃金の低い職層に女性が多くなり、結果として差異が生じています。差異は年々減少しておりますが、今後も女性管理職比率の向上や人財パイプラインの強化により、職層構成の偏りを是正することで、男女賃金差異の中長期的な解消を図っていきます。
労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(2025年度実績)
キャリア入社者の活躍
多様な経験やスキルを持つ人財が当社グループに魅力を感じて集い、組織の一員として早期に活躍し、組織の成長につながる状態を目指しています。異業種からの採用も積極的に行い、定着と活躍を支援するため、研修・サーベイ・上司向け研修などのオンボーディング施策を充実させ、継続的なフォローアップを実施しています。
■重点戦略4:働きがい向上
多様な人財が能力を最大限発揮できる働きがいのある組織・職場づくりは、成長と競争力の源泉であると考え、働きがいの向上に取り組んでいます。
理念・戦略の浸透
社員一人ひとりが自身の業務を通じて会社・組織のPurposeおよび経営戦略とのつながりを実感し、働きがいを持って主体的に行動できる状態を目指し、理念・戦略の浸透に取り組んでいます。
2025年度は、会社・組織Purposeをテーマに対話する施策「Purposeダイアローグ」を継続して実施しています。
2025年度に実施したPurpose浸透度調査では、「理解」「自分ごと化」「実践」の割合が総計で前年度比4ポイントの上昇となりました。
今後も、対話を中心とした浸透施策を継続するとともに、個人の志や業務との重なりを感じられるようにすることで、社員が会社の理念・戦略に共感し、誇りを持って自発的に業務へ取り組む組織風土の醸成を図っていきます。
シニア人財の活躍
少子高齢化による労働人口の減少や「人生100年時代」の価値観の浸透など、社会環境の変化を踏まえ、 当社グループでは、貴重な経験値を持つシニア人財が、自分の役割において能力やスキルを十分に発揮し、今後のキャリアや人生に向けて成長しながらいきいきと働いている状態を目指し、各種施策を推進しています。
2025年度は、シニア層に対するセカンドキャリア構築研修、マネジメント層に対するシニア人財のキャリア理解を促すセミナー等を開催しました。今後はこれらの施策に加え、シニア層の更なる成長に繋がる施策の拡充を図るほか、人事制度改革に取り組み、シニア人財が一層活躍できる環境を整備していきます。
健康経営
役職員のウェルビーイングの向上は、生産性や創造力の向上を促し、ひいては企業価値の向上にもつながると考え、当社グループでは健康経営の推進に取り組んでいます。「役職員の心身の健康を維持・増進すること」をマテリアリティの重点課題の一つと位置づけ、多岐にわたる施策の中でも特に、「生活習慣病への対応」「メンタルヘルスの支援」「がんの早期発見・予防」「女性特有の健康課題への対応」「睡眠の質の向上」の取り組みを強化しています。メンタル面の支援では、勤続年数の浅い社員に対してカウンセリングを実施するとともに、上司との1on1ミーティング「ユアタイム」を導入しています。さらに、必要に応じて産業医との面談や業務・職場環境の調整を行うことで、キャリア初期からの支援体制を整備し、メンタル不調の予防に努めています。フィジカル面の支援では、がんや婦人科検査を含む統合型の定期健康診断を導入し、年齢や健康リスクに応じた早期発見を促進しています。また、健診後の精密検査にかかる費用の補助を行うことで、重症化の予防に向けたフォロー体制を強化しています。加えて、健康ポータルを通じて健康に関する情報を発信し、女性向けのオンラインコミュニティを提供するほか、健康保険組合との連携によるコラボヘルスの推進を通じて、ヘルスリテラシーの向上と自律的な健康管理を支援しています。今後も、保健指導の充実や高リスク者への継続的なフォロー、健康データの活用による多面的な支援を通じて、社員の健康障害の防止と健康の保持・増進に積極的に取り組んでいきます。
ファシリティ変革
価値創造の実践に向けて、社員が集いたくなる魅力的なオフィスづくりのため、ファシリティ変革を進めています。ファシリティ変革では「業務の内容や目的に応じて時間と場所に限られず執務場所を選択できる」「オフィス全体で粗密のバランスをとることができ、快適な執務環境を得られる」「新しい出会いが生まれコミュニケーションが活性化する」ことを実現していきます。さらに、社員同士だけではなく、パートナー企業とのコミュニケーションも促進し、人財戦略で描いた「多様な個がPurposeを軸に共創するワイワイ組織」を目指して、一人ひとりが自由にクリエイティブに働ける場所を創造していきます。2025年度には、その一環として、エリアのネーミング募集や壁面アート制作など、社員参画型の施策を実施しました。今後も、価値創造の実践に向けて、魅力的なオフィスづくりを推進していきます。
■ROLESをベースとした人的資本マネジメントの実現
当社グループでは、業務遂行上の役割を「ROLES」と称しています。ROLESとは、経営戦略・事業戦略で必要な人的資本のタイプ・質・量の可視化における中核概念です。現在、グループ全体で約200のROLESがあり、各々の業務内容や業務遂行上必要なスキルを定義しています。「経営方針(2024-2026)」は、ROLESの整備から活用拡大に移行するステージであり、業務の可視化を通じて、採用・配置・育成の精度を向上させます。加えて、キャリア形成の促進に活用し、実践から得られるフィードバックにより、ROLESをさらに有用なタレントマネジメントの基盤として運用を強化していきます。社員はROLESを基盤にキャリアを主体的に描き、業務領域を拡充したり、専門性を高めていきます。また、「志追求型人財(ココツイ人財)」が自らの志を業務に反映できるようAIを取り入れ、ROLESを活用したキャリア形成と各種人財施策による支援体制や環境の整備を進めています。
ROLESを用いた人的資本計画
当社グループの人的資本計画とは、各組織に必要な人員数とROLES数のAs-Is(現状)とTo-Be(計画)を可視化した計画です。どの事業でどのようなROLESが必要か事業部・本部と人的資本マネジメント部が将来必要な人財について共に検討を行い、事業戦略に紐づく人財施策(採用・育成・配置等)を策定・実行していきます。

■戦略的採用による人財の確保
少子高齢化の加速に伴う労働人口の減少に対し、企業としての人財リテンション(採用→活躍支援→人財還流の好循環サイクル)の仕組みを整備し、発揮能力・年齢・性別など多様で個性豊かな人財のポートフォリオを構築していくことが、今後一層重要になります。「Vision2030」の実現と持続的な企業価値向上に向けて労働市場、競合企業の動向、社内状況を踏まえた人財採用の考え方を定義し、その上で採用施策の検討・選択・実行・効果測定のPDCAを展開していきます。
ターゲット・施策の設定
採用課題と活動方針を踏まえ、現経営方針の最終年度である2026年度にかけて、下表に記載の重点施策を展開していきます。これらの施策の推進にあたっては、採用部門に加え、事業部門のマネジメントや社員一人ひとりの協力が不可欠であることから、必要に応じて連携を図りながら推進していきます。

■従業員の給与等の額及び内容の決定に関する方針
当社は、経営方針の実現および持続的な企業価値向上に向けて、多様な人財がそれぞれの能力を最大限発揮できることが重要であるとの考えのもと、人財戦略を定めております。当該人財戦略の実現にあたっては、従業員一人ひとりの能力発揮と成長を促す人事制度を構築・運用することが重要であると考えており、従業員の給与等は、この人事制度に基づく評価結果を適切に反映する形で決定しております。具体的には、職務・役割および職責の大きさ、個人の成果や能力の発揮状況に加え、会社および部門の業績を総合的に勘案しております。賃金、諸手当、賞与および退職金等については、社内規程に基づき、適切なプロセスを通じて決定・運用しており、必要に応じて経営としての判断を反映しております。また、当社は労働基準法をはじめとする関係法令および労働協約を遵守するとともに、国籍、信条、社会的身分、性別等による不合理な差別を行わないことを前提として、公正かつ透明性のある処遇の実現に努めております。
■BIPROGYグループの人財戦略
BIPROGYグループでは、Purpose・Vision2030の実現に向けた人と組織のあり方として「人財Vision2030」を掲げ、その実現に向けた3ヵ年の人財戦略を策定・推進しています。
本戦略は、人財Vision2030および経営方針(2024–2026)と連動する4つの重点戦略を軸とし、それぞれの実現に向けたキードライバーで構成されています。また、マテリアリティであるビジネスプロデュース人財をはじめ、経営方針の実現に不可欠な人財の獲得・育成を進めるとともに、重点戦略領域への積極的な投資を行っていきます。
人財戦略の推進を通じて当社グループが目指すのは、従業員エンゲージメントのさらなる向上です。エンゲージメント・サーベイの結果からは、社員が自身のキャリア目標の実現を実感できる環境の整備が、エンゲージメント向上において極めて重要であることが明らかになっています。この結果を踏まえ、自らの「志」に基づき主体的にキャリアを築く人財像を「志追求型人財(ココツイ人財)」と定義し、全社員に期待する姿として掲げています。
今後は、社員一人ひとりの成長を後押しし、ココツイ人財の裾野を広げることで、エンゲージメント向上と企業価値向上の好循環を実現していきます。
BIPROGYグループのエンゲージメントスコア(2025年度実績)
| 回答人数(回答率) | スコア | 目標 |
| 8,027名(97%) | 56% | 61% |

■人財戦略の進捗状況
人財戦略のKPIは以下の通り定義しており、2026年度目標達成に向け、着実に推移しています。
| 重点戦略 | 戦略のキードライバー | KPI | 2025年度 実績 | 2026年度 目標 (2024年度に設定) |
| 重点戦略1: 持続的成長の基盤となる人財づくり | 志追求型人財 | ①エンゲージメント・サーベイ「キャリア上の目標達成」における肯定的回答率 ②中長期キャリアを設定し、上司と合意した社員の割合 ③キャリア・ウェルビーイングを推進する仕組みの整備と改善率(実施数/計画数) | ①55% ②100% ③100% | ①55% ②100% ③100% |
| 次世代経営人財 | 後継者候補準備率 | 100% | 100% | |
| 重点戦略2: 事業戦略をリードする人財の強化 | 顧客ビジネスアーキテクト | ROLESをベースとした基準を満たす人財数 | 198人 | 300人 |
| 高度プロジェクトマネージャー | ROLESをベースとした基準を満たす人財数 | 329人 | 300人 | |
| ビジネスプロデュース人財 | 新規事業開発を推進する人財数 | 63人 | 100人 | |
| グローバル人財 | ROLESをベースとした基準を満たす人財数 | 46人 | 70人 | |
| 重点戦略3: DE&I推進 | 意思決定層におけるジェンダーダイバーシティ | 女性管理職比率 | 12.6%※1 | -※2 |
| キャリア入社者の活躍 | エンゲージメント・サーベイ「業務における自己効力感」の肯定的回答率 (キャリア入社3年目以内の社員) | 55% | 65% | |
| 重点戦略4: 働きがい向上 | 理念・戦略の浸透 | エンゲージメント・サーベイ「働きがい」と「働きやすさ」に関する7つの設問の肯定的回答率の平均値(2024年度比) | 55% | 61% |
| シニア人財の活躍 | エンゲージメント・サーベイ「成長機会」に関する2つの設問の肯定的回答率の平均値(50歳以上の社員) | 55% | 50% |
※1:2026年4月1日時点
※2:2027年度からの目標値を設定・公表予定
■重点戦略1:持続的成長の基盤となる人財づくり
当社グループは、「Purpose」の実現と持続的な企業成長に向けて、「志追求型人財(ココツイ人財)」と「次世代経営人財」の育成を人財戦略の柱としています。これらは、社員の主体性と変革力を引き出し、組織の活力を高めるための重要な人財タイプです。
志追求型人財(ココツイ人財)
志追求型人財(ココツイ人財)とは、自分が実現したいこととグループの「Purpose」との重なりを見出し、自ら成長の機会を求め、主体的にキャリアを構築していく人財です。社員一人ひとりが自分自身の志を言語化する取り組みを進めるとともに、「Purpose」との重なりを組織の仲間との対話によって見つけ、ワクワク感を持てる環境づくりを進めています。2025年度は、志言語化ワークショップ「ココカフェ」を開催。その後のキャリア面談を通じて、社員一人ひとりが自らの志を軸としたキャリア目標の設定に取り組みました。こうした取り組みを通じてキャリア・ウェルビーイングの向上を図り、個人の成長が組織の活力へとつながる好循環を生み出していきます。

次世代経営人財
当社グループの「Vision2030」の実現には、より多様性のある経営チームと、経営陣幹部の後継者候補を階層別に備えた人財プールの形成が必須です。従前の公募制プログラムを通じた育成では、体系的な運用に至らず、人財パイプラインの強化や登用に十分に結びつかないことが課題でした。そこで、2024年度より2階層での選抜型育成プログラムを開始し、多面診断や経営知識診断によるアセスメント、部門横断で経営陣幹部が伴走するコーチング、タフアサインメントなどを体系的に展開しています。最高経営責任者に求められる資質を基盤に育成重点領域を定め、サクセッション・プランの強化を通じて、企業の持続的な変革力を支える体制を構築していきます。
■重点戦略2:事業戦略をリードする人財の強化
「経営方針(2024-2026)」では、事業戦略と結びついた注力投資領域と、人財に対して積極的に投資をしていきます。事業戦略と人財戦略との連動性は下図のように整理しており、この枠組みを軸に人財施策を設計しています。コア事業領域では、「顧客ビジネスアーキテクト」と「高度プロジェクトマネージャー」を、成長事業領域では、「ビジネスプロデュース人財」と「グローバル人財」を、強化する人財タイプとして設定しました。2021~2023年度に整備した、ROLESを軸とする人的資本マネジメントのための基盤を最大限に活用して、各種施策を推進しています。
| 事業戦略 | 人財戦略 |
| コア事業 | 顧客ビジネスアーキテクト 深い業務理解と強い信頼関係によりお客様の課題を先んじて捉え、DXによる課題解決方法やビジネス拡大の道筋を提示することができる人財 |
| 高度プロジェクトマネージャー 豊富なプロジェクトマネジメント経験に加え、最新の開発・運用手法に精通し、常に先手を打ちながら品質の高いプロジェクトを推進できる人財 | |
| 成長事業 | ビジネスプロデュース人財 先見性と洞察力で社会課題を捉え、自らビジネスをデザインし、多様なステークホルダーを巻き込み共創ができる人財 |
| グローバル人財 タフさと洞察力により海外事業開拓に挑戦し、当社グループのグローバルビジネス拡大に貢献できる人財 |
■重点戦略3:DE&I推進
当社グループでは、一人ひとりが「個」の多様性を高め、互いの個性を尊重し合い、自らの個性や能力を最大限発揮できる風土の醸成を目指しています。
意思決定層におけるジェンダーダイバーシティ
持続的な成長を実現するためには、多様な価値観や視点を意思決定に反映させることが不可欠であると考え、役員・マネジメント層におけるダイバーシティの推進に取り組んでいます。具体的には、マテリアリティに基づき、2026年4月1日時点で女性管理職比率(当社グループ)18%以上の達成をKPIとして設定しています。また、当社単体では、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において、2029年度までに女性役員比率26%を目標とし、着実な取り組みを進めています。これらの目標達成に向けて、女性管理職の計画的な育成と人財パイプラインの形成を推進するとともに、当社およびグループ各社が策定した管理職登用計画に基づき、サステナビリティ委員会および取締役会において進捗状況のモニタリングと報告を行う体制を整備しています。さらに、女性社員が主体的にキャリアを形成し、管理職としての意識を醸成できるよう、階層別の育成プログラムを実施し、意識改革と能力開発の両面から支援を行っています。対外的には、WEPs(Women’s Empowerment Principles)への賛同、日本経済団体連合会の「2030年30%へのチャレンジ」への賛同など、社外イニシアチブに積極的に参加しています。
これらの取組の結果、2026年4月1日時点における女性管理職比率(当社グループ)は12.6%、女性役員比率(当社単体)は18.4%となりました。女性管理職比率については、管理職候補のパイプライン形成が十分ではなかったことが要因となり、KPIの達成には至らなかったものの、2021年度の数値目標設定以降、着実な改善が見られました。
2026年度は、更なるジェンダーダイバーシティの推進に向け、女性管理職比率に関する数値目標の見直しおよび戦略策定の期間と位置づけ、重点課題の再整理と必要な構造改革を伴う取組の検討を進めます。また、2027年度以降の数値目標を設けて、公表する予定です。今後も、意思決定層におけるジェンダーダイバーシティを重要な経営課題の一つと位置づけ、女性役員および女性管理職の登用を継続的に推進していきます。
男性育児休業取得促進
男性社員の育児休業取得において、本質的な意義を達成するためには、単なる取得率の向上にとどまらず、多様な価値観の尊重と、社員一人ひとりが望む育児スタイルの実現が重要であると考えています。こうした認識のもと、当社グループは2024年度より2種類のKPIを設定し、育児休業取得の質的向上に向けた取り組みを開始しました。同年度には、配偶者の妊娠届の導入により、上司を含む関係者への情報提供を強化するとともに、「育休ハンドブック」の配布や取得事例の紹介などを通じて、制度の理解促進と取得の後押しを図りました。これらの取り組みの結果、2025年度における男性の育児休業取得者の平均取得日数は109日となり、長期取得を可能とする環境整備が着実に進展しています。
男性育児休業促進におけるKPI達成状況(2025年度実績)
| KPI①※1 | KPI②※2 |
| 97.1% | 96.5% |
※1 配偶者が出産した男性社員の内、育児のための休業・休暇を取得できた社員の割合
※2 男性育児休業取得検討・意思決定において、自身の意向を踏まえて、家族や組織とすり合わせできた社員の割合
男女賃金差異
男女間の賃金差異を解消するため、定期的な調査による是正を図っています。同一職層の基本給に差異は無いものの、上位職層に男性が多いことに加え、女性の採用比率が近年増加したことで、賃金の低い職層に女性が多くなり、結果として差異が生じています。差異は年々減少しておりますが、今後も女性管理職比率の向上や人財パイプラインの強化により、職層構成の偏りを是正することで、男女賃金差異の中長期的な解消を図っていきます。
労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(2025年度実績)
| BIPROGYグループ | BIPROGY単体 |
| 79.5% | 79.3% |
キャリア入社者の活躍
多様な経験やスキルを持つ人財が当社グループに魅力を感じて集い、組織の一員として早期に活躍し、組織の成長につながる状態を目指しています。異業種からの採用も積極的に行い、定着と活躍を支援するため、研修・サーベイ・上司向け研修などのオンボーディング施策を充実させ、継続的なフォローアップを実施しています。
■重点戦略4:働きがい向上
多様な人財が能力を最大限発揮できる働きがいのある組織・職場づくりは、成長と競争力の源泉であると考え、働きがいの向上に取り組んでいます。
理念・戦略の浸透
社員一人ひとりが自身の業務を通じて会社・組織のPurposeおよび経営戦略とのつながりを実感し、働きがいを持って主体的に行動できる状態を目指し、理念・戦略の浸透に取り組んでいます。
2025年度は、会社・組織Purposeをテーマに対話する施策「Purposeダイアローグ」を継続して実施しています。
2025年度に実施したPurpose浸透度調査では、「理解」「自分ごと化」「実践」の割合が総計で前年度比4ポイントの上昇となりました。
今後も、対話を中心とした浸透施策を継続するとともに、個人の志や業務との重なりを感じられるようにすることで、社員が会社の理念・戦略に共感し、誇りを持って自発的に業務へ取り組む組織風土の醸成を図っていきます。
シニア人財の活躍
少子高齢化による労働人口の減少や「人生100年時代」の価値観の浸透など、社会環境の変化を踏まえ、 当社グループでは、貴重な経験値を持つシニア人財が、自分の役割において能力やスキルを十分に発揮し、今後のキャリアや人生に向けて成長しながらいきいきと働いている状態を目指し、各種施策を推進しています。
2025年度は、シニア層に対するセカンドキャリア構築研修、マネジメント層に対するシニア人財のキャリア理解を促すセミナー等を開催しました。今後はこれらの施策に加え、シニア層の更なる成長に繋がる施策の拡充を図るほか、人事制度改革に取り組み、シニア人財が一層活躍できる環境を整備していきます。
健康経営
役職員のウェルビーイングの向上は、生産性や創造力の向上を促し、ひいては企業価値の向上にもつながると考え、当社グループでは健康経営の推進に取り組んでいます。「役職員の心身の健康を維持・増進すること」をマテリアリティの重点課題の一つと位置づけ、多岐にわたる施策の中でも特に、「生活習慣病への対応」「メンタルヘルスの支援」「がんの早期発見・予防」「女性特有の健康課題への対応」「睡眠の質の向上」の取り組みを強化しています。メンタル面の支援では、勤続年数の浅い社員に対してカウンセリングを実施するとともに、上司との1on1ミーティング「ユアタイム」を導入しています。さらに、必要に応じて産業医との面談や業務・職場環境の調整を行うことで、キャリア初期からの支援体制を整備し、メンタル不調の予防に努めています。フィジカル面の支援では、がんや婦人科検査を含む統合型の定期健康診断を導入し、年齢や健康リスクに応じた早期発見を促進しています。また、健診後の精密検査にかかる費用の補助を行うことで、重症化の予防に向けたフォロー体制を強化しています。加えて、健康ポータルを通じて健康に関する情報を発信し、女性向けのオンラインコミュニティを提供するほか、健康保険組合との連携によるコラボヘルスの推進を通じて、ヘルスリテラシーの向上と自律的な健康管理を支援しています。今後も、保健指導の充実や高リスク者への継続的なフォロー、健康データの活用による多面的な支援を通じて、社員の健康障害の防止と健康の保持・増進に積極的に取り組んでいきます。
ファシリティ変革
価値創造の実践に向けて、社員が集いたくなる魅力的なオフィスづくりのため、ファシリティ変革を進めています。ファシリティ変革では「業務の内容や目的に応じて時間と場所に限られず執務場所を選択できる」「オフィス全体で粗密のバランスをとることができ、快適な執務環境を得られる」「新しい出会いが生まれコミュニケーションが活性化する」ことを実現していきます。さらに、社員同士だけではなく、パートナー企業とのコミュニケーションも促進し、人財戦略で描いた「多様な個がPurposeを軸に共創するワイワイ組織」を目指して、一人ひとりが自由にクリエイティブに働ける場所を創造していきます。2025年度には、その一環として、エリアのネーミング募集や壁面アート制作など、社員参画型の施策を実施しました。今後も、価値創造の実践に向けて、魅力的なオフィスづくりを推進していきます。
■ROLESをベースとした人的資本マネジメントの実現
当社グループでは、業務遂行上の役割を「ROLES」と称しています。ROLESとは、経営戦略・事業戦略で必要な人的資本のタイプ・質・量の可視化における中核概念です。現在、グループ全体で約200のROLESがあり、各々の業務内容や業務遂行上必要なスキルを定義しています。「経営方針(2024-2026)」は、ROLESの整備から活用拡大に移行するステージであり、業務の可視化を通じて、採用・配置・育成の精度を向上させます。加えて、キャリア形成の促進に活用し、実践から得られるフィードバックにより、ROLESをさらに有用なタレントマネジメントの基盤として運用を強化していきます。社員はROLESを基盤にキャリアを主体的に描き、業務領域を拡充したり、専門性を高めていきます。また、「志追求型人財(ココツイ人財)」が自らの志を業務に反映できるようAIを取り入れ、ROLESを活用したキャリア形成と各種人財施策による支援体制や環境の整備を進めています。
ROLESを用いた人的資本計画
当社グループの人的資本計画とは、各組織に必要な人員数とROLES数のAs-Is(現状)とTo-Be(計画)を可視化した計画です。どの事業でどのようなROLESが必要か事業部・本部と人的資本マネジメント部が将来必要な人財について共に検討を行い、事業戦略に紐づく人財施策(採用・育成・配置等)を策定・実行していきます。

■戦略的採用による人財の確保
少子高齢化の加速に伴う労働人口の減少に対し、企業としての人財リテンション(採用→活躍支援→人財還流の好循環サイクル)の仕組みを整備し、発揮能力・年齢・性別など多様で個性豊かな人財のポートフォリオを構築していくことが、今後一層重要になります。「Vision2030」の実現と持続的な企業価値向上に向けて労働市場、競合企業の動向、社内状況を踏まえた人財採用の考え方を定義し、その上で採用施策の検討・選択・実行・効果測定のPDCAを展開していきます。
ターゲット・施策の設定
採用課題と活動方針を踏まえ、現経営方針の最終年度である2026年度にかけて、下表に記載の重点施策を展開していきます。これらの施策の推進にあたっては、採用部門に加え、事業部門のマネジメントや社員一人ひとりの協力が不可欠であることから、必要に応じて連携を図りながら推進していきます。

■従業員の給与等の額及び内容の決定に関する方針
当社は、経営方針の実現および持続的な企業価値向上に向けて、多様な人財がそれぞれの能力を最大限発揮できることが重要であるとの考えのもと、人財戦略を定めております。当該人財戦略の実現にあたっては、従業員一人ひとりの能力発揮と成長を促す人事制度を構築・運用することが重要であると考えており、従業員の給与等は、この人事制度に基づく評価結果を適切に反映する形で決定しております。具体的には、職務・役割および職責の大きさ、個人の成果や能力の発揮状況に加え、会社および部門の業績を総合的に勘案しております。賃金、諸手当、賞与および退職金等については、社内規程に基づき、適切なプロセスを通じて決定・運用しており、必要に応じて経営としての判断を反映しております。また、当社は労働基準法をはじめとする関係法令および労働協約を遵守するとともに、国籍、信条、社会的身分、性別等による不合理な差別を行わないことを前提として、公正かつ透明性のある処遇の実現に努めております。