有価証券報告書-第81期(2024/04/01-2025/03/31)
3.重要性がある会計方針
以下に記載されている会計方針は、特段の記載がない限り、本連結財務諸表に記載されているすべての期間に適用しております。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいい、以下の要素をすべて有している場合は、当該企業を支配していると判断しております。
・投資先に対するパワー
・投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利
・投資者のリターンの額に影響を及ぼすように投資先に対するパワーを用いる能力
具体的には、議決権の状況のほか、実質的に行使可能な潜在的議決権の存在、あるいは取締役の過半数が当社グループから派遣された者により占められているか等、支配の可能性を示す諸要素を総合的に勘案して決定しております。
子会社の財務諸表については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を当社グループの連結財務諸表に含めております。子会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。グループ内の債権債務残高、取引及びグループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成に際して消去しております。
子会社の包括利益は、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配を有していない企業をいい、当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を所有する場合には、関連会社に含めております。当社グループが保有する議決権が20%未満の場合であっても、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めております。
関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から喪失する日まで、持分法により処理しております。関連会社に対する投資には取得に際して認識されたのれんが含まれております。なお、当該のれんについては、償却を行っておりません。
関連会社が適用する会計方針が当社グループにおいて適用する会計方針と異なる場合は、必要に応じて当該関連会社の財務諸表の調整を行っております。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とする企業をいいます。
当社グループが有する共同支配企業については、持分法により会計処理しております。
共同支配企業が適用する会計方針が当社グループにおいて適用する会計方針と異なる場合は、必要に応じて当該共同支配企業の財務諸表の調整を行っております。
④ 報告日
連結財務諸表には、他の株主との関係等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるために決算日が異なる子会社の財務諸表及び持分法適用会社に対する投資が含まれております。子会社であるAXXIS CONSULTING (S) PTE. LTD.等12社及び一部の持分法適用会社の決算日は12月31日であり、子会社及び持分法適用会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
(2)企業結合
企業結合は、支配獲得日に取得法によって会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に移転した資産、引き受けた負債及び支配獲得日における当社が発行した持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、当該差額をのれんとして認識し、超過しない場合は、即時に純損益として認識しております。
取得関連費用は発生時に費用処理しております。
段階的に達成する企業結合の場合、当社グループが以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益で認識しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。公正価値で測定する外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については、期末日の為替レート、収益、費用及びキャッシュ・フローについては対応する期間の平均為替レートを用いて表示通貨に換算しております。在外営業活動体の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当初認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて測定するものに分類された場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、取引価格により測定しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
当社グループは、保有する金融資産を、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、(c)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
当社グループでは、以下の条件をともに満たす金融商品を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を当該金融資産の保有目的としている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定する金融資産は実効金利法を用いて帳簿価額を算定し、利息相当額は連結損益計算書の金融収益に含まれております。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化を目的として保有する株式等の資本性金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として取消不能な指定を行っております。
当該金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動はその他の包括利益に含めて認識しております。認識を中止した場合には、その他の包括利益で認識された利得又は損失の累計額を利益剰余金に振替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの配当金は、金融収益として純損益に認識しております。
(c)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。当該金融資産は、当初認識後は公正価値により測定し、変動額を金融収益又は金融費用として純損益に認識しております。
(ⅲ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において金融資産の認識を中止しております。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産の減損については、個別又は集合的に予想信用損失を認識し、貸倒引当金を計上しております。
当社グループでは、期末日ごとに金融商品に係る信用リスクが当初認識以降著しく増大したかどうかを評価しております。その結果、信用リスクが著しく増大していると評価された金融商品は、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として計上しております。それ以外のものは、12ヵ月の予想信用損失を貸倒引当金として計上しております。
なお、重要な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権、契約資産については、回収期間が短期のため、常に全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として計上しております。
予想信用損失の認識にあたっては、以下の点を考慮しております。
・取引先の経営状態
・取引先の破産又は財政的再編の可能性
・過去の貸倒損失計上実績
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合には、貸倒引当金を戻入れ、純損益として認識しております。
なお、当社グループでは、信用リスクにより金融資産が減損している場合、直接償却は行わず、貸倒引当金勘定により処理しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債を償却原価で測定する金融負債又は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
当社グループは、金融負債を当該金融商品の契約の当事者となる取引日に当初認識しております。
当初認識時において、すべての金融負債は、純損益を通じて測定するものに分類された場合を除き、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。なお、デリバティブを除く金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に指定したものはありません。
(b)償却原価で測定する金融負債
当初認識後は、実効金利法に基づく償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、当社グループが残高を相殺する強制可能な法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
④ デリバティブ
当社グループは、認識されている金融負債及び将来の取引に関する為替変動リスク等の回避又は低減を目的として、為替予約等のデリバティブを利用しております。
デリバティブは、デリバティブ取引契約が締結された日の公正価値で当初認識し、当初認識後は、期末日の公正価値で再測定しております。
なお、当社グループでは、ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引はありません。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金、随時引出し可能な預金及び容易に換金可能でかつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から満期日までの期間が3ヵ月以内の短期投資で構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の原価のすべてを含めております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した金額としております。取得原価は、商品及び製品は主として移動平均法、仕掛品、原材料及び貯蔵品は個別法、保守サービス用部品は利用可能期間(5年)に基づく定額法により算定しております。
(7)有形固定資産
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産除去及び原状回復費用の当初見積額が含まれております。
減価償却費は、土地等の償却を行わない資産を除き、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 4年~50年
・機械装置及び運搬具 5年
・工具、器具及び備品 2年~5年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、期末日において見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
のれんの当初認識時点における測定は、「(2)企業結合」に記載のとおりであります。当初認識後ののれんは、減損損失累計額を控除した取得原価で測定しております。のれんの償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
のれんの減損損失は、純損益において認識され、その後の戻入れは行っておりません。
② 無形資産
無形資産については、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
償却費は、耐用年数を確定できない無形資産を除き、見積耐用年数にわたって、定額法で計上しております。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア 3年~10年
・その他 5年
見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、期末日において見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ 研究開発費
研究開発活動に係る支出は、発生時に費用処理しております。ただし、開発活動に係る支出については、信頼性をもって測定可能であり、開発の結果により将来経済的便益を得られる可能性が高く、かつ当社グループが当該開発を完了させ、成果物を使用又は販売する意図及び十分な資源を有している場合に限り、無形資産として計上しております。
無形資産として計上した開発費は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
(9)リース
① 借手としてのリース
契約がリースか否かについては、契約の形式によらず、取引実態に応じ、以下の観点から判定しております。
・使用する資産の特定
・特定された資産を使用する権利の移転の有無
リースと判定された契約については、リース開始日に使用権資産とリース負債を計上しております。
使用権資産は、リース負債の当初測定額に当初直接コストやリース契約に基づき要求される原状回復費等を加算した額を取得原価とし、原資産の見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって定額法により減価償却しております。
リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値により当初測定を行っております。リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるよう、金融費用とリース負債元本の返済部分に配分し、金融費用は、連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費とは区分して表示しております。
なお、リース期間が12ヵ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料をリース期間にわたって定額法により費用処理しております。
② 貸手としてのリース
当社グループは、資産の所有に伴うリスクと経済的価値が実質的にすべて借手に移転するリースをファイナンス・リースとし、それ以外をオペレーティング・リースに分類しております。
オペレーティング・リースについては、対象となる資産を連結財政状態計算書に計上し、受取リース料は、連結損益計算書においてリース期間にわたって定額法により売上収益として認識しております。
(10)資産の減損
① 非金融資産の減損
当社グループは、毎期末において棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産について減損の兆候の有無を判定しており、減損の兆候があると判断された場合には、減損テストを実施しております。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、毎年同じ時期に減損テストを実施しております。
減損テストは、資産又は資金生成単位ごとに行っており、回収可能価額は、使用価値により算定しております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割引いております。
なお、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスのものについては、回収可能価額を零として算定しております。
減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。
企業結合により取得したのれんは、統合シナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しております。
全社資産は独立したキャッシュ・フローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過している場合に純損益で認識しております。資金生成単位に関連して認識された減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
過年度に認識した減損損失は、損失の減少又は消滅を示す兆候が認められ、回収可能価額が帳簿価額を上回った場合に戻入れを行っております。戻入れの限度額は減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を上限としております。ただし、のれんについては、減損損失の戻入れを行っておりません。
② 持分法で会計処理されている投資の減損
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額に含まれるのれんは、区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資に減損の兆候が認められる場合は、投資全体の帳簿価額を回収可能価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。
(11)従業員給付
① 退職後給付
当社及びユニアデックス㈱は、退職後給付制度として、確定給付企業年金制度(キャッシュ・バランス・プラン)、確定拠出年金制度及び退職金前払制度(確定拠出年金制度との選択制)を設けております。
その他の子会社は、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度及び退職一時金制度を設けております。
(ⅰ)確定給付型退職後給付
確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用は、原則として予測単位積増方式を用いて算定しております。
割引率は、期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。確定給付制度に係る負債(資産)は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しております。
確定給付制度の再測定額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。
(ⅱ)確定拠出型退職後給付
確定拠出型の退職後給付に係る拠出額は、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識しております。
(ⅲ)複数事業主制度
一部の子会社では、確定給付制度である複数事業主制度による総合型の企業年金基金に加入しておりますが、確定給付制度としての会計処理を行うために十分な情報を入手できないため、複数事業主制度への拠出額を、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識し、確定拠出制度と同様の処理を行っております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連する勤務が提供された時点で費用として認識しております。
当社グループが、従業員が過去に提供したサービスの対価として支払うべき現在の法的もしくは推定的債務を負っており、かつ、その金額が信頼性をもって見積り可能な場合に、各制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
(12)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストック・オプション制度、譲渡制限付株式報酬制度及び株式交付信託を用いたインセンティブ・プランを採用しております。
ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
譲渡制限付株式報酬制度に基づく報酬額は、付与日における公正価値に基づいて測定しており、同額を資本の増加として認識し、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識しております。
株式交付信託を用いたインセンティブ・プランに基づく報酬額は、付与日における公正価値により算定しており、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しております。
① 資産除去債務
資産除去債務は、主に事務所関連の不動産賃貸借契約等に伴う原状回復義務に備えるため、過去の実績に基づき、将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの費用は、事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
② 請負開発損失引当金
請負開発損失引当金は、ソフトウェアの請負開発契約等に係る将来の損失に備えるため、将来発生が見込まれる損失見込相当額を計上しております。損失見込相当額は、作業工程に係る総原価の見積りの影響を受けるため、追加工数の発生等による総原価の見直しが、計上額に重要な影響を与える可能性があります。なお、経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末日より1年以内になることが見込まれております。
(14)売上収益
当社グループでは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の範囲に含まれる取引について、他の基準で定められている場合を除き、以下のステップに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で売上収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
また、顧客との契約を履行するためのコストのうち、回収が見込まれるものについては資産として認識し、当該資産に関連する財又はサービスの顧客への移転と整合的で規則的な方法により償却しております。
履行義務の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素を含んでおりません。
① システムサービス
ソフトウェアの請負開発契約については、開発中のシステムを他に転用できず、かつ完了した作業に対する支払いを受ける強制可能な権利を有するため、完成までに要する総原価及び履行義務の充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合には、進捗度の測定に基づき売上収益を認識しております。進捗度の測定は、あらかじめ契約上の成果物を作業工程単位に分割するとともに各作業工程の価値を決定し、完了した作業工程の価値が全作業工程に占める割合をもって進捗度とするアーンド・バリュー法等を用いております。完成までに要する総原価及び履行義務の充足に向けた進捗度を合理的に測定できない場合は、発生した原価のうち回収されることが見込まれる原価と同額を売上収益として認識しております(原価回収基準)。
主にソフトウェア請負開発契約について、報告日時点において完了しているものの、顧客に請求する日より先に認識された売上収益に対応する金額は、契約資産として認識しております。
SEサービスについては、成果物の定めのない技術支援サービスであり、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスが提供される期間に対する経過期間の割合、又はサービス提供に要する作業の完了の割合によるアウトプット法を用いております。
コンサルティングについては、新たなビジネスモデルの検討や業務改善、ITソリューション導入等のサービスを提供しており、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービス提供に要する作業の完了の割合によるアウトプット法を用いております。
② サポートサービス
ソフトウェア・ハードウェアの保守サービスについては、顧客の希望に応じて1日24時間・1年365日の、システムの高可用性を支援するサービスであり、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスが提供される期間に対する経過期間の割合によるアウトプット法を用いております。
導入支援については、機器の据付調整・作業確認、システム構築に必要な当社提供プログラムの導入等を行っており、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスの提供に係る作業工程に基づき、完了した作業工程が全作業工程に占める割合をもって進捗度とするアウトプット法を用いております。
③ アウトソーシング
アウトソーシングサービスについては、当社が資産を保有した上で顧客の希望に応じて保守運用等を行うサービスであり、主に当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスが提供される期間に対する経過期間の割合又はサービス提供に要する作業の完了の割合によるアウトプット法を用いております。なお、サービスの提供単位に応じて請求する一部のサービスについては、サービス提供を完了し請求可能となった時点、他社が提供するSaaS利用権の販売については、顧客への利用権引渡し、サービス開始日等支配が顧客へ移転した時点で売上収益を認識しております。
④ ソフトウェア
ソフトウェアに区分される取引は、ソフトウェアの使用許諾契約によるソフトウェアの提供等です。
ソフトウェアの提供は、ライセンスが供与される時点で存在する企業の知的財産を使用する権利の供与に該当するため、一時点で充足される履行義務であり、顧客への製品引渡し、検収の受領等支配が顧客へ移転した時点で売上収益を認識しております。
⑤ ハードウェア
機器の売買契約等を行っております。
サーバー等のハードウェアを顧客への製品引渡し、検収の受領、契約上の受け渡し条件を充足した時点で売上収益を認識しております。
ハードウェア販売とサポートサービスなど、複数の財又はサービスを提供する複数要素取引に係る売上収益については、契約に含まれる履行義務を識別し、契約の対価を配分する必要がある場合には、取引価格を主に予想コストにマージンを加算するアプローチにより見積もった独立販売価格に基づき配分しております。
(15)金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、デリバティブの公正価値の変動に係る利得等から構成されております。受取利息は実効金利法により発生時に認識しております。受取配当金は配当を受取る権利が確定した時点で認識しております。
金融費用は、支払利息、リース負債に係る利息費用、デリバティブの公正価値の変動に係る損失等から構成されております。支払利息は実効金利法により発生時に認識しております。
(16)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本に直接認識される項目から生じる場合や企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日までに制定又は実質的に制定されているものであります。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消する時期をコントロールすることができ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得される可能性が高くない部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定又は実質的に制定されている税率又は税法に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債と当期税金資産とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
当社及び国内の100%出資子会社は、それぞれの法人が個別に法人税額の計算及び申告を行い、その中で、損益通算等の調整を行うグループ通算制度を適用しております。
なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
(17)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、各連結会計年度中における発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(18)事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしております。
(19)自己株式
自己株式は、取得原価で評価し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却及び消却に関しては、利得又は損失を認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の受取対価の差額は、資本に直接認識しております。
以下に記載されている会計方針は、特段の記載がない限り、本連結財務諸表に記載されているすべての期間に適用しております。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいい、以下の要素をすべて有している場合は、当該企業を支配していると判断しております。
・投資先に対するパワー
・投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利
・投資者のリターンの額に影響を及ぼすように投資先に対するパワーを用いる能力
具体的には、議決権の状況のほか、実質的に行使可能な潜在的議決権の存在、あるいは取締役の過半数が当社グループから派遣された者により占められているか等、支配の可能性を示す諸要素を総合的に勘案して決定しております。
子会社の財務諸表については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を当社グループの連結財務諸表に含めております。子会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。グループ内の債権債務残高、取引及びグループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成に際して消去しております。
子会社の包括利益は、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配を有していない企業をいい、当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を所有する場合には、関連会社に含めております。当社グループが保有する議決権が20%未満の場合であっても、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めております。
関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から喪失する日まで、持分法により処理しております。関連会社に対する投資には取得に際して認識されたのれんが含まれております。なお、当該のれんについては、償却を行っておりません。
関連会社が適用する会計方針が当社グループにおいて適用する会計方針と異なる場合は、必要に応じて当該関連会社の財務諸表の調整を行っております。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とする企業をいいます。
当社グループが有する共同支配企業については、持分法により会計処理しております。
共同支配企業が適用する会計方針が当社グループにおいて適用する会計方針と異なる場合は、必要に応じて当該共同支配企業の財務諸表の調整を行っております。
④ 報告日
連結財務諸表には、他の株主との関係等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるために決算日が異なる子会社の財務諸表及び持分法適用会社に対する投資が含まれております。子会社であるAXXIS CONSULTING (S) PTE. LTD.等12社及び一部の持分法適用会社の決算日は12月31日であり、子会社及び持分法適用会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
(2)企業結合
企業結合は、支配獲得日に取得法によって会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に移転した資産、引き受けた負債及び支配獲得日における当社が発行した持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、当該差額をのれんとして認識し、超過しない場合は、即時に純損益として認識しております。
取得関連費用は発生時に費用処理しております。
段階的に達成する企業結合の場合、当社グループが以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益で認識しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。公正価値で測定する外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については、期末日の為替レート、収益、費用及びキャッシュ・フローについては対応する期間の平均為替レートを用いて表示通貨に換算しております。在外営業活動体の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当初認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて測定するものに分類された場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、取引価格により測定しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
当社グループは、保有する金融資産を、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、(c)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
当社グループでは、以下の条件をともに満たす金融商品を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を当該金融資産の保有目的としている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定する金融資産は実効金利法を用いて帳簿価額を算定し、利息相当額は連結損益計算書の金融収益に含まれております。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化を目的として保有する株式等の資本性金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として取消不能な指定を行っております。
当該金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動はその他の包括利益に含めて認識しております。認識を中止した場合には、その他の包括利益で認識された利得又は損失の累計額を利益剰余金に振替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの配当金は、金融収益として純損益に認識しております。
(c)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。当該金融資産は、当初認識後は公正価値により測定し、変動額を金融収益又は金融費用として純損益に認識しております。
(ⅲ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において金融資産の認識を中止しております。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産の減損については、個別又は集合的に予想信用損失を認識し、貸倒引当金を計上しております。
当社グループでは、期末日ごとに金融商品に係る信用リスクが当初認識以降著しく増大したかどうかを評価しております。その結果、信用リスクが著しく増大していると評価された金融商品は、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として計上しております。それ以外のものは、12ヵ月の予想信用損失を貸倒引当金として計上しております。
なお、重要な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権、契約資産については、回収期間が短期のため、常に全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として計上しております。
予想信用損失の認識にあたっては、以下の点を考慮しております。
・取引先の経営状態
・取引先の破産又は財政的再編の可能性
・過去の貸倒損失計上実績
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合には、貸倒引当金を戻入れ、純損益として認識しております。
なお、当社グループでは、信用リスクにより金融資産が減損している場合、直接償却は行わず、貸倒引当金勘定により処理しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債を償却原価で測定する金融負債又は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
当社グループは、金融負債を当該金融商品の契約の当事者となる取引日に当初認識しております。
当初認識時において、すべての金融負債は、純損益を通じて測定するものに分類された場合を除き、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。なお、デリバティブを除く金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に指定したものはありません。
(b)償却原価で測定する金融負債
当初認識後は、実効金利法に基づく償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、当社グループが残高を相殺する強制可能な法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
④ デリバティブ
当社グループは、認識されている金融負債及び将来の取引に関する為替変動リスク等の回避又は低減を目的として、為替予約等のデリバティブを利用しております。
デリバティブは、デリバティブ取引契約が締結された日の公正価値で当初認識し、当初認識後は、期末日の公正価値で再測定しております。
なお、当社グループでは、ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引はありません。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金、随時引出し可能な預金及び容易に換金可能でかつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から満期日までの期間が3ヵ月以内の短期投資で構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の原価のすべてを含めております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した金額としております。取得原価は、商品及び製品は主として移動平均法、仕掛品、原材料及び貯蔵品は個別法、保守サービス用部品は利用可能期間(5年)に基づく定額法により算定しております。
(7)有形固定資産
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産除去及び原状回復費用の当初見積額が含まれております。
減価償却費は、土地等の償却を行わない資産を除き、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 4年~50年
・機械装置及び運搬具 5年
・工具、器具及び備品 2年~5年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、期末日において見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
のれんの当初認識時点における測定は、「(2)企業結合」に記載のとおりであります。当初認識後ののれんは、減損損失累計額を控除した取得原価で測定しております。のれんの償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
のれんの減損損失は、純損益において認識され、その後の戻入れは行っておりません。
② 無形資産
無形資産については、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
償却費は、耐用年数を確定できない無形資産を除き、見積耐用年数にわたって、定額法で計上しております。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア 3年~10年
・その他 5年
見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、期末日において見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ 研究開発費
研究開発活動に係る支出は、発生時に費用処理しております。ただし、開発活動に係る支出については、信頼性をもって測定可能であり、開発の結果により将来経済的便益を得られる可能性が高く、かつ当社グループが当該開発を完了させ、成果物を使用又は販売する意図及び十分な資源を有している場合に限り、無形資産として計上しております。
無形資産として計上した開発費は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
(9)リース
① 借手としてのリース
契約がリースか否かについては、契約の形式によらず、取引実態に応じ、以下の観点から判定しております。
・使用する資産の特定
・特定された資産を使用する権利の移転の有無
リースと判定された契約については、リース開始日に使用権資産とリース負債を計上しております。
使用権資産は、リース負債の当初測定額に当初直接コストやリース契約に基づき要求される原状回復費等を加算した額を取得原価とし、原資産の見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって定額法により減価償却しております。
リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値により当初測定を行っております。リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるよう、金融費用とリース負債元本の返済部分に配分し、金融費用は、連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費とは区分して表示しております。
なお、リース期間が12ヵ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料をリース期間にわたって定額法により費用処理しております。
② 貸手としてのリース
当社グループは、資産の所有に伴うリスクと経済的価値が実質的にすべて借手に移転するリースをファイナンス・リースとし、それ以外をオペレーティング・リースに分類しております。
オペレーティング・リースについては、対象となる資産を連結財政状態計算書に計上し、受取リース料は、連結損益計算書においてリース期間にわたって定額法により売上収益として認識しております。
(10)資産の減損
① 非金融資産の減損
当社グループは、毎期末において棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産について減損の兆候の有無を判定しており、減損の兆候があると判断された場合には、減損テストを実施しております。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、毎年同じ時期に減損テストを実施しております。
減損テストは、資産又は資金生成単位ごとに行っており、回収可能価額は、使用価値により算定しております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割引いております。
なお、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスのものについては、回収可能価額を零として算定しております。
減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。
企業結合により取得したのれんは、統合シナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しております。
全社資産は独立したキャッシュ・フローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過している場合に純損益で認識しております。資金生成単位に関連して認識された減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
過年度に認識した減損損失は、損失の減少又は消滅を示す兆候が認められ、回収可能価額が帳簿価額を上回った場合に戻入れを行っております。戻入れの限度額は減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を上限としております。ただし、のれんについては、減損損失の戻入れを行っておりません。
② 持分法で会計処理されている投資の減損
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額に含まれるのれんは、区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資に減損の兆候が認められる場合は、投資全体の帳簿価額を回収可能価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。
(11)従業員給付
① 退職後給付
当社及びユニアデックス㈱は、退職後給付制度として、確定給付企業年金制度(キャッシュ・バランス・プラン)、確定拠出年金制度及び退職金前払制度(確定拠出年金制度との選択制)を設けております。
その他の子会社は、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度及び退職一時金制度を設けております。
(ⅰ)確定給付型退職後給付
確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用は、原則として予測単位積増方式を用いて算定しております。
割引率は、期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。確定給付制度に係る負債(資産)は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しております。
確定給付制度の再測定額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。
(ⅱ)確定拠出型退職後給付
確定拠出型の退職後給付に係る拠出額は、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識しております。
(ⅲ)複数事業主制度
一部の子会社では、確定給付制度である複数事業主制度による総合型の企業年金基金に加入しておりますが、確定給付制度としての会計処理を行うために十分な情報を入手できないため、複数事業主制度への拠出額を、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識し、確定拠出制度と同様の処理を行っております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連する勤務が提供された時点で費用として認識しております。
当社グループが、従業員が過去に提供したサービスの対価として支払うべき現在の法的もしくは推定的債務を負っており、かつ、その金額が信頼性をもって見積り可能な場合に、各制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
(12)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストック・オプション制度、譲渡制限付株式報酬制度及び株式交付信託を用いたインセンティブ・プランを採用しております。
ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
譲渡制限付株式報酬制度に基づく報酬額は、付与日における公正価値に基づいて測定しており、同額を資本の増加として認識し、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識しております。
株式交付信託を用いたインセンティブ・プランに基づく報酬額は、付与日における公正価値により算定しており、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しております。
① 資産除去債務
資産除去債務は、主に事務所関連の不動産賃貸借契約等に伴う原状回復義務に備えるため、過去の実績に基づき、将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの費用は、事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
② 請負開発損失引当金
請負開発損失引当金は、ソフトウェアの請負開発契約等に係る将来の損失に備えるため、将来発生が見込まれる損失見込相当額を計上しております。損失見込相当額は、作業工程に係る総原価の見積りの影響を受けるため、追加工数の発生等による総原価の見直しが、計上額に重要な影響を与える可能性があります。なお、経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末日より1年以内になることが見込まれております。
(14)売上収益
当社グループでは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の範囲に含まれる取引について、他の基準で定められている場合を除き、以下のステップに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で売上収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
また、顧客との契約を履行するためのコストのうち、回収が見込まれるものについては資産として認識し、当該資産に関連する財又はサービスの顧客への移転と整合的で規則的な方法により償却しております。
履行義務の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素を含んでおりません。
① システムサービス
ソフトウェアの請負開発契約については、開発中のシステムを他に転用できず、かつ完了した作業に対する支払いを受ける強制可能な権利を有するため、完成までに要する総原価及び履行義務の充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合には、進捗度の測定に基づき売上収益を認識しております。進捗度の測定は、あらかじめ契約上の成果物を作業工程単位に分割するとともに各作業工程の価値を決定し、完了した作業工程の価値が全作業工程に占める割合をもって進捗度とするアーンド・バリュー法等を用いております。完成までに要する総原価及び履行義務の充足に向けた進捗度を合理的に測定できない場合は、発生した原価のうち回収されることが見込まれる原価と同額を売上収益として認識しております(原価回収基準)。
主にソフトウェア請負開発契約について、報告日時点において完了しているものの、顧客に請求する日より先に認識された売上収益に対応する金額は、契約資産として認識しております。
SEサービスについては、成果物の定めのない技術支援サービスであり、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスが提供される期間に対する経過期間の割合、又はサービス提供に要する作業の完了の割合によるアウトプット法を用いております。
コンサルティングについては、新たなビジネスモデルの検討や業務改善、ITソリューション導入等のサービスを提供しており、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービス提供に要する作業の完了の割合によるアウトプット法を用いております。
② サポートサービス
ソフトウェア・ハードウェアの保守サービスについては、顧客の希望に応じて1日24時間・1年365日の、システムの高可用性を支援するサービスであり、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスが提供される期間に対する経過期間の割合によるアウトプット法を用いております。
導入支援については、機器の据付調整・作業確認、システム構築に必要な当社提供プログラムの導入等を行っており、当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスの提供に係る作業工程に基づき、完了した作業工程が全作業工程に占める割合をもって進捗度とするアウトプット法を用いております。
③ アウトソーシング
アウトソーシングサービスについては、当社が資産を保有した上で顧客の希望に応じて保守運用等を行うサービスであり、主に当社の履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費するため、一定期間にわたり充足される履行義務であります。進捗度の測定は、サービスが提供される期間に対する経過期間の割合又はサービス提供に要する作業の完了の割合によるアウトプット法を用いております。なお、サービスの提供単位に応じて請求する一部のサービスについては、サービス提供を完了し請求可能となった時点、他社が提供するSaaS利用権の販売については、顧客への利用権引渡し、サービス開始日等支配が顧客へ移転した時点で売上収益を認識しております。
④ ソフトウェア
ソフトウェアに区分される取引は、ソフトウェアの使用許諾契約によるソフトウェアの提供等です。
ソフトウェアの提供は、ライセンスが供与される時点で存在する企業の知的財産を使用する権利の供与に該当するため、一時点で充足される履行義務であり、顧客への製品引渡し、検収の受領等支配が顧客へ移転した時点で売上収益を認識しております。
⑤ ハードウェア
機器の売買契約等を行っております。
サーバー等のハードウェアを顧客への製品引渡し、検収の受領、契約上の受け渡し条件を充足した時点で売上収益を認識しております。
ハードウェア販売とサポートサービスなど、複数の財又はサービスを提供する複数要素取引に係る売上収益については、契約に含まれる履行義務を識別し、契約の対価を配分する必要がある場合には、取引価格を主に予想コストにマージンを加算するアプローチにより見積もった独立販売価格に基づき配分しております。
(15)金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、デリバティブの公正価値の変動に係る利得等から構成されております。受取利息は実効金利法により発生時に認識しております。受取配当金は配当を受取る権利が確定した時点で認識しております。
金融費用は、支払利息、リース負債に係る利息費用、デリバティブの公正価値の変動に係る損失等から構成されております。支払利息は実効金利法により発生時に認識しております。
(16)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本に直接認識される項目から生じる場合や企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日までに制定又は実質的に制定されているものであります。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消する時期をコントロールすることができ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得される可能性が高くない部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定又は実質的に制定されている税率又は税法に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債と当期税金資産とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
当社及び国内の100%出資子会社は、それぞれの法人が個別に法人税額の計算及び申告を行い、その中で、損益通算等の調整を行うグループ通算制度を適用しております。
なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
(17)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、各連結会計年度中における発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(18)事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしております。
(19)自己株式
自己株式は、取得原価で評価し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却及び消却に関しては、利得又は損失を認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の受取対価の差額は、資本に直接認識しております。