臨時報告書

【提出】
2018/12/04 9:49
【資料】
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提出理由

当社は、平成30年11月30日開催の当社取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)目的とする、平成31年1月23日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

1.本株式併合の目的
(1) 株式併合の概要
当社の親会社である株式会社光商は、不動産賃貸業等を主たる目的として平成11年2月に設立創業され、本日現在、同社の取締役であり、かつ当社の代表取締役社長である安岡定二氏がその発行済株式の全部を保有しております。株式会社光商は、本日現在、JASDAQ市場に上場している当社株式2,242,920株(自己株式を除く発行済株式総数に対する所有株式数の割合(以下、所有割合といいます。):63.4%)を所有する当社の筆頭株主であります。
株式会社久光は、不動産賃貸業等を主たる目的として平成10年8月に設立創業され、本日現在、同社の代表取締役社長であり、かつ当社の常務取締役である安岡利光氏がその発行済株式の全部を保有しております。本日現在、JASDAQ市場に上場している当社株式431,280株(所有割合:12.2%)を所有する当社の主要株主であります。
株式会社久伸は、不動産賃貸業等を主たる目的として平成10年8月に設立創業され、本日現在、同社の取締役であり、かつ当社の常務取締役である安岡誠氏がその発行済株式数の60%を保有しております。本日現在、JASDAQ市場に上場している当社株式429,000株(所有割合:12.1%)を所有する当社の主要株主であります。
株式会社松栄は、不動産賃貸業等を主たる目的として平成10年8月に設立創業され、同社の代表取締役である安岡紀代美氏がその発行済株式数の30%を保有しております。本日現在、JASDAQ市場に上場している当社株式200,200株(所有割合:5.7%)を所有する当社の株主であります。
今般、当社は、当社の株主を株式会社光商、株式会社久光、株式会社久伸、株式会社松栄(以下、当該4社を総称して、「親会社等」といいます。)のみとし、当社を非公開化するための手続として本株式併合を実施するものです。なお、当社の代表取締役社長である安岡定二氏は、本株式併合後も継続して当社の経営にあたることを予定しております。
本株式併合により、当社の株主は親会社等のみとなり、親会社等以外の株主の皆様の保有する株式の数は、1株に満たない端数となります。当社は、当該1株に満たない端数に相当する数の株式を、関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を端数が生じた株主の皆様に対して交付する予定です。この場合の売却価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である平成31年2月14日の最終の当社の株主名簿において株主の皆様が保有する当社株式の数に6,750円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。詳しくは、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」をご参照ください。
なお、本株式併合に関連して、親会社等は、平成30年11月30日付で株主間契約を締結しており、本株式併合に係る当社の株主総会において、本株式併合に係る議案に賛成の議決権行使を行うこと、及び、本株式併合の効力発生までの間、当社の株式の売買を行わないこと、その他一定の事項を合意しているとのことです。
以下、親会社等に関する記載については、親会社等から受けた説明に基づいております。
(2) 本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針
① 本株式併合の背景等
当社は、昭和30年8月に東京都荒川区にて有限会社安岡製作所を創業後、昭和34年4月に株式会社に改組、商号変更を行い、株式会社光製作所として設立されました。昭和56年9月に東京店頭登録銘柄として店頭市場へ株式を公開し、平成16年12月に株式会社ジャスダック証券取引所に株式を上場いたしました。その後、各証券取引所の統合に伴い、平成25年7月からJASDAQ市場に株式を上場しております。
当社の企業集団は、当社、親会社、関係会社14社で構成され、創業以来、家具を通じて「快適な住空間の創造」をテーマとし、市場における多種多様なニーズに応ずるべく商品の開発に努め、安定的に供給することをもって社会に貢献することを基本方針とし、家具商品の販売及び不動産の賃貸を主な業務内容として、事業を展開しております。
当社は、更なる発展を続けるべく、家具・インテリア業界において、時代と共に変化する市場のニーズを的確に捉える魅力的で競争力のあるオリジナル商品を供給できる開発力と営業力を一層強化し、販売の拡大に努め、また不動産賃貸部門は、安定収益確保のため、堅実性と効率を重視した展開を目指してまいりました。
一方で、当社を取り巻く経済情勢は、経済対策による効果、企業収益の改善から景気回復傾向が見込まれるものの、景気の先行きが不透明であり、予断を許さない状況で推移しております。家具・インテリア業界におきましても、設備投資、個人消費ともに急激な回復は望めず消費低迷から脱却できずに、弱含みで推移することが予想され、さらに企業間競争が激化し、依然として厳しい状況が続くものと思われます。
かかる状況下、当社の平成30年3月期の連結業績は、全事業の売上高は95億18百万円(前事業年度比:102.3%)となったものの、セグメントごとの経営成績としては、家具商品部門の売上高が42億86百万円(前事業年度比:96.9%)、セグメント利益(営業利益)は71百万円(前事業年度はセグメント損失(営業損失)88百万円)であり、平成元年3月期の家具商品部門の売上高273億58百万円と比較し、約6分の1まで減少し、同様に販売先となる家具小売店数も平成元年3月期の約5分の1にまで減少するなど、縮小傾向となっております。また不動産賃貸部門も、平成30年3月期の売上高は50億35百万円(前事業年度比:107.1%)、セグメント利益(営業利益)は、30億66百万円(前事業年度比:105.3%)などと、近年こそ継続的に増収となっているものの、当社の保有する賃貸不動産のうち、不動産賃貸収入の約60%を占めている遊技施設においては特有の規制による経営環境悪化、小売店や飲食店においては労働力不足による店舗閉店などによる減収により業績が左右される可能性は大きく、それにより当社の業績に与える影響も計り知れないものであることから、今後も堅調に推移するとは断言できない状況であります。
② 親会社等による本株式併合の提案の経緯・目的
親会社等は、上記のような当社の状況に鑑みて、当社は、今後の家具事業の繁栄、不動産賃貸事業の安定成長を確固たるものにすべく、創業家一族が役員、株主である親会社等の各社が一体となって、より一層の営業活動を強化して経営効率化を図り、業績の回復、収益の向上を図ることを目指すべきであると考えているとのことです。すなわち、家具商品部門及び不動産賃貸部門においてはそれぞれ固有のリスクを適切にコントロールしながら収益基盤の抜本的な改善を図る必要があり、具体的には次のような施策を実施することを考えているとのことです。
(ⅰ) 家具商品部門事業における新規分野への投資
親会社等は、企業の設備投資、個人消費が低迷している環境下では、当社の主要なマーケットである家具・インテリア市場は今後大きな伸びは期待できないものの、家具が使われるスペースのトータルプロデュースが可能になれば、当社の業績の拡大を図ることができるという点で、いまだ成長の余地があるものと考えているとのことです。
まず、当社の家具事業は、家庭用家具と業務用家具を幅広く製作しております。親会社等としては、当社のみで生活スペースに必要なすべての家具を揃えることができるといったトータルプロデュースを実現すべく、家庭用、業務用それぞれにおいて次のような施策を実施したいと考えております。
家庭用家具では、いまだ取扱いのないインテリアファブリックやインテリア雑貨といった新規分野に対して、企業買収等を含めて積極的な投資を行い、当社の取扱商品の裾野を広げていくことで、当社取扱商品の家具小売店における売場占有率の上昇を図り、業績の拡大を見込めるとのことです。
さらに業務用家具では従前より顧客からの要望のあった飲食店を中心とした店舗向の据付家具の分野に着手し、その設置まで一貫して当社が請け負う事業体制の構築を図るため、店舗器材の施工・設置事業への進出も想定しており、これらにより業績の拡大を図ることが可能になるとのことです。
このように多分野へ投資するにあたり、当該分野を扱う企業との提携の交渉や、買収先との経営統合も場合によっては検討する必要があると親会社等は考えているとのことです。また、店舗器材の施工・設置事業においては技術ある人材の大量採用によって当該事業のみで各種施策実施前の人件費の5~6倍、新たな営業拠点を十数拠点併設することによる不動産取得費用等、多額の資金を要し、また当該投資の効果が顕在化するには約10年の中長期的な時間が必要となるため、一時的には業績が停滞する可能性も想定されますが、当社の長年の家具販売ノウハウをもってすれば、既存販売先へのアプローチの点などにおいて、新規分野へのスピード感ある事業展開が可能であると考えているとのことです。
(ⅱ) 家具事業の営業拠点増設のための中長期的な投資
当社の営業拠点は、現状、東京に2拠点、大阪に1拠点のみであり、得意先の販売代理店を合わせても20ヶ所であるところ、活動地域が重複している拠点が複数ある一方で、未開拓の地域もあるため、親会社等は、このようなグループ販売体制の再構築が今後の課題であると認識し、国内各地への営業拠点の増設を中心として、当社の事業規模を底上げしていきたいと考えているとのことです。営業拠点の増設により、既存取引先との接点頻度の向上を図っていく一方で、当社がまだ踏み込めていない地域へのアプローチも可能となり、新たな販路の拡大が見込めるとのことです。
親会社等としては、当社は、上場会社として短期的な業績や利益を重視し、倉庫の新設等といった既存の営業拠点への設備投資が先行し、新たな拠点増設において必要となる好立地な物件の確保、人材の採用・配置・育成に対して、大胆な経営資源の投入ができていなかったと認識しているとのことですが、上記のような営業拠点の増設に伴い、人件費や減価償却費等の費用が一時的には利益圧迫の要因となることが想定されるものの、当社の中長期的な企業価値を向上させることができると考えているとのことです。
(ⅲ) 家具事業のブランディング投資
親会社等は、従前より当社の家具商品における企画、開発力は優れているが、それを活かすための販売力の向上が課題であると考えているとのことです。今後、中長期的にも業績を改善させるべく、国内における当社の家具ブランドとしてのブランドイメージを確立させることは急務であると考えているとのことです。
親会社等は、上記の新規分野への投資、営業拠点の増設といった施策に加え、当社の広告宣伝活動においても多額の投資を行い、当社ブランドをより広く浸透させていきたいと考えているとのことです。ブランドの浸透においては、当社のカタログの出版の頻度を従前までの隔年から毎年に変更し、さらにはクオリティの向上を検討しているとのことです。
また、当社の一部の商品は海外からの輸入によるものであり、当社が契約している海外製造工場に品質チェック体制を構築しております。上記の各施策により、取扱商品のラインナップや販売数が格段に増加することとなれば、品質チェックに係る人材も増員を要すると想定しているとのことです。これに伴い、広告宣伝費においてはカタログ出版を実施した年度から2~3倍程度、品質チェックに係る人材一人当たりの人件費は海外駐在であることから福利厚生費等を含め営業拠点人員の3倍程度と多額の費用を初期段階で要するため、上記の家具商品部門事業における新規分野への投資や、営業拠点増設のための中長期的な投資により短期的に生じると想定される利益圧迫やキャッシュ・フローの悪化のみならず、ブランディング投資による一時的なキャッシュ・フローの悪化も想定されているとのことです。
(ⅳ) 不動産賃貸部門の人材確保と更なる投資
親会社等は、当社の不動産賃貸部門は近年こそ継続的に増収となっているものの、当社の保有する賃貸不動産のうち、不動産賃貸収入の約60%を占めている遊技施設においては特有の規制による経営環境悪化、小売店や飲食店においては労働力不足による店舗閉店などによる減収により業績が左右される可能性は大きく、それにより当社の業績に与える影響も計り知れないものであることから、今後も堅調に推移するとは断言できない状況であると考えているとのことです。
加えて、当社の不動産賃貸事業の現在のビジネスモデルは、所有不動産のポートフォリオ構築といった組織的な体系を整備するよりも、当社の一部の不動産担当者の知見・先見性を最大限に発揮することによって、当社の事業規模では多くの人材を不動産賃貸事業に充てることができない状況下においても安定収益を確保するものであるところ、収益基盤を永続的、かつより強固なものにするためには、上記のような属人的な体制を改善する必要があると考えているとのことです。このような体制下のため、今後の堅調な業績推移は約束されたものではないという認識であり、現在の業績が堅調な間に、収益基盤を確固たるものにするべきと考えているとのことです。
そこで、親会社等としては、将来にわたって、当事業の次世代を担う人材を採用し、新体制を構築することが必要と考えているとのことです。さらに、今後は様々な分野のテナントを誘致するなど、分散投資を図り、適切な不動産ポートフォリオを形成することで、長期的かつ安定的な収益基盤を確立し、本業である家具事業を支えることができると考えているとのことです。
また、親会社等は、当施策を実行するに際しては、新たな収益物件の取得を従前の数倍規模で行うことが想定され、それに伴う資本支出は莫大なものと見込んでいるとのことです。加えて、人材採用により、不動産賃貸事業のみで、従前の人件費の半分程度を追加で要する点においても、短期的にはキャッシュ・フローの悪化、利益圧迫の要因となり得るとのことです。
親会社等は、上記施策は、中長期的に見れば大きな成長及び収益の安定化が見込まれるものの、直ちに当社の利益に貢献できるものではなく、相当の時間と人材の確保・育成、各種先行投資が必要となるものと考えているとのことです。特に効率的な立地を確保した上での営業拠点の増設に関する投資など、短期的には当社の利益水準やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあり、当社の事業も楽観視できない先行き不透明な状態が続くことから、親会社等は上場を維持したままこれらの施策を実施すれば一時的な業績悪化を回避することができず、当社株価に悪影響を及ぼす等の不利益を当社の株主の皆様に与える可能性があると考えるに至ったとのことです。
親会社等は、安定的かつ継続的に当社の企業価値を向上させるためには、上記の環境変化に伴う短期的な業績変動に過度に捉われることなく、中長期的な視点に立った上で機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制を構築し、当社が一丸となって事業の拡大と経営基盤の強化を推進することが必要であると考えるに至ったとのことであり、親会社等は当社株式を非公開化することについて具体的な検討を開始したとのことです。
一方、当社における株式の上場を維持するために必要なコスト(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する人的負担、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する金銭的負担)においても、当社の経営上の負担であると考えているとのことです。当社は昭和56年9月に東京店頭登録銘柄として店頭市場へ株式を公開して以来、知名度の向上による優れた人材の確保、社会的な信用力の向上等、上場企業として様々なメリットを享受してきたものの、現在の財務状況等から、当面は借入による資金調達によって必要資金を賄い、エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込んでいないことから、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあると考えているとのことです。
以上のような検討を経て、親会社等は当社が上記施策を実施するにあたっては、当社を非公開化することが、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記悪影響を回避し、かつ中長期的な視点から抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践するために最も有効な手段であるという結論に至ったとのことであり、平成30年8月10日、当社に本株式併合の実施に向けた協議・交渉の申し入れを行いました。その後、親会社等は、本株式併合に係る端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額(以下、「本件端数処理交付見込額」といいます。)を含む本株式併合の諸条件等の検討を進め、平成30年10月26日に本件端数処理交付見込額を1株当たり6,130円とする当社の株式併合を正式に提案致しました。
③ 当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由
当社は、上記「② 親会社等による本株式併合の提案の経緯・目的」に記載のとおり、平成30年8月10日に親会社等から本株式併合の実施に向けた上記協議・交渉の申し入れを受け、下記「3.(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本件端数処理交付見込額の公正性その他本株式併合の公正性を担保すべく、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任するとともに、本株式併合の提案を検討するための第三者委員会(当該第三者委員会の委員の構成及び具体的な活動内容等については、下記「3.(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における第三者委員会の設置」をご参照ください。)を設置し、また、本件端数処理交付見込額の公正性を担保すべく、第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下、「みずほ証券」といいます。)を選任し、本株式併合に関する提案を検討するための体制を整備いたしました。また、第三者委員会は、当社及び親会社等から独立した第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下、「プルータス」といいます。)を選任しております。
その上で、当社は、平成30年10月26日に、親会社等から本件端数処理交付見込額を1株当たり6,130円とする旨の提案を受け、みずほ証券からの当社の株式価値算定に係る中間報告及び森・濱田松本法律事務所からの法的助言を得た上で、当該提案に記載された本株式併合の目的を含む本株式併合の概要、本株式併合が当社に与える影響、本株式併合後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、親会社等との間で複数回に亘る協議・検討を重ねてまいりました。また、第三者委員会も、プルータスからの当社の株式価値算定に係る中間報告を受けた上で、当該提案に記載された本株式併合の目的を含む本株式併合の概要、本株式併合が当社に与える影響、本株式併合後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、親会社等との間で複数回に亘る協議・検討を行いました。
その結果、親会社等は、複数回に亘り本件端数処理交付見込額の見直しを行い、平成30年11月9日付で、当社に対し、本件端数処理交付見込額を6,730円とする旨の再度の提案を行いました。
当社は、かかる提案を受けた1株当たり6,730円の本件端数処理交付見込額を踏まえ、当社は、当社の平成31年3月期第2四半期決算短信の公表予定日であった平成30年11月13日に本株式併合に係る意思決定及び本株式併合の公表を目指して検討を行いましたが、平成30年11月13日時点においても、少数株主等に対する説明責任を果たすべく、当社と親会社等の間で非公開化の目的や妥当性及び本件に関する公表の内容について慎重な協議を継続する必要性があったことから、当社としての最終的な判断は一旦見送られました。
その後、上記のような事情と経緯を踏まえてみずほ証券及びプルータスから当社株式価値算定結果について算定基準日の変更に伴う一定の更新があり、第三者委員会はプルータスから平成30年11月29日付で株式価値算定書の再提出を受けるなど、諮問事項の検討を継続しました。第三者委員会は、平成30年11月29日付で提出を受けたプルータスの株式価値算定書によれば、収益還元法による算定結果の範囲が、若干ではあるものの株式価値を増加させる方向に変動していたことを踏まえ、親会社等との再交渉を実施しました。その結果、親会社等より本件端数処理交付見込額を1株あたり6,750円とする旨の最終的な提案を受けることとなり、当社に対して、平成30年11月29日付で最終的な答申書(以下、「本答申書」といいます。)を提出しました(本答申書の概要及び第三者委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における第三者委員会の設置」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、第三者算定機関であるみずほ証券から取得した株式価値算定書、及び第三者委員会が独自に選任した第三者算定機関であるプルータスから第三者委員会に提出された株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、第三者委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本株式併合により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本件端数処理交付見込額その他の条件は妥当なものか等の観点から慎重に最終的な協議・検討を行い、以下の結論に達しました。
当社の主要マーケットである家具・インテリア業界の経済情勢は、景気の先行きが不透明であり、設備投資、個人消費ともに急激な回復は望めず消費低迷から脱却できずに、弱含みで推移することが予想され、更に企業間競争が激化し、依然として厳しい状況が続くものと思われます。また、不動産業界においても、当社の保有する賃貸不動産のうち、不動産賃貸収入の約60%を占めている遊技施設においては特有の規制による経営環境悪化、小売店や飲食店においては労働力不足による店舗閉店などによる減収により業績が左右される可能性は大きく、それにより当社の業績に与える影響も計り知れないものであることから、今後も堅調に推移することは断言できない状況であると思われます。
当社では、このような環境認識を踏まえ、様々な施策に取り組んでまいりましたが、上記の環境下では、今後、市場規模の大きな伸びは期待できず、当社といたしましても、現状の延長線上では一段の飛躍は難しいと考えており、安定的かつ継続的に当社の企業価値を向上させるためには、上場企業である当社において求められる短期的な利益確保を重視する既存の戦略を推進するのではなく、中長期的な成長を阻害するあらゆる要因を検証し直し、新たな戦略を採用・推進することが必要であると考えております。そして、親会社等は、当社の業績の回復、収益の向上を図ることとして、家具事業の新規分野への投資、営業拠点増設、ブランディング投資や不動産賃貸部門の人材確保と更なる投資を挙げておりますが、当社といたしましても、当該施策は、現状を打破するために、積極的に推進していくべき施策であり、かかる施策の実施には機動的かつ柔軟な経営体制の構築が望ましいと認識しております。
しかしながら、当該施策に当たっては、多額の先行投資が必要となり、短期的には利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあり、また必ずしも成功が保証されたものではないため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実行した場合には、当社の株主の皆様に対して多大なる悪影響を与えてしまう可能性は否定できません。また、当社が上場を維持した状態では、当社株式の株価への悪影響を回避するために、これまでと同様、短期的な業績や利益確保を重視する戦略を取らざるを得ない状況に置かれ、中長期的な企業価値の向上を十分に追求できないおそれもあると考えております。
このような状況下で、当社としては、短期的には利益水準の低下を招くリスクを認識しながらも、中長期的な視点から当該施策を推進するためには、株主と経営者が一体となって、迅速かつ果敢に意思決定できる経営体制を構築することが必要であると考えています。加えて、株式の非公開化を行った場合には、上場維持コストも削減することができ、経営資源のさらなる有効活用を図ることも可能になると考えております。
なお、当社が株式の非公開化を行った場合には、株式市場からの資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた知名度や信用力に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、現在の財務状況等からは、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあります。加えて、当社は、創業以来の事業活動の中で、家具卸売業としての知名度や信用力を十分に獲得してきたものと考えておりますので、非公開化により当社の知名度や信用力が下落することは考えにくいと判断しております。したがって、当社取締役会は、株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本株式併合により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
なお、本件端数処理交付見込額である6,750円は、平成31年3月期の第2四半期末時点の1株当たり純資産(13,125円)を下回っておりますが、これにつきましては(a)本件端数処理交付見込額(6,750円)が、下記「3.(2) (ⅱ) 算定に関する事項」に記載されているみずほ証券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価基準法に基づく算定の結果を上回るものであり、かつ、DCF法による算定結果の中央値を上回る値であること、また、下記「3.(2) (ⅱ) 算定に関する事項」に記載されているプルータスによる当社株式価値の算定結果のうち、三友システムアプレイザルの不動産意見書を踏まえ、当社の保有資産内容も加味した手法である収益還元法による算定結果のレンジの範囲内であり、中央値を著しく下回るものではないこと、(b)株式併合の公表日の前営業日である平成30年11月29日のJASDAQ市場における当社株式の終値4,940円に対して36.64%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、平成30年10月30日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,039円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して33.95%、過去3ヶ月間の終値単純平均値5,081円に対して32.84%、過去6ヶ月間の終値単純平均値5,105円に対して32.22%のプレミアムが加算されており、相当なプレミアムが付されていると考えられること、(c)下記「3.(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社及び第三者委員会と親会社等の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること等を踏まえ、当社取締役会は、本株式併合について、(ⅰ)本株式併合を含む本株式併合により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断いたしました。
以上より、当社は平成30年11月30日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の代表取締役社長の安岡定二氏をはじめとする創業家一族6名を除いた大久保直樹取締役1名)の賛同により、本株式併合を当社株主総会に付議することを決議いたしました。
また、上記当社取締役会では、当社の社外監査役2名を含む全ての監査役が審議に参加しその全ての監査役が、当社取締役会が上記決議をすることに異議がない旨の意見を述べました。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役社長である安岡定二氏は当社の親会社である株式会社光商の発行済株式全てを保有しており、かつ、株式会社光商の取締役を、また、取締役副社長である安岡久五郎氏は当社の主要株主である株式会社久光の取締役を、当社の専務取締役である安岡松雄氏は株式会社松栄の取締役を、当社の常務取締役である安岡誠氏は当社の主要株主である株式会社久伸の取締役を、当社の常務取締役である安岡利光氏は、当社の主要株主である株式会社久光の代表取締役を、当社の取締役相談役である安岡久男氏は当社の主要株主である株式会社久伸の代表取締役を兼任しており、本株式併合に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において親会社等との協議及び交渉にも一切参加しておりません。但し、当該創業家一族である取締役6名は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上の特別利害関係人に該当しない可能性があり、当該審議及び決議に参加した取締役1名のみによる決議は、会社法上の定足数を充足していないおそれもあることから、上記大久保直樹取締役による決議ののち、代表取締役社長である安岡定二氏以外の創業家一族の取締役5名も参加した上で、再度本株式併合を当社株主総会に付議する旨の決議を行っております。
④ 本株式併合後の経営方針
安岡定二氏は、本株式併合終了後も継続して、当社の代表取締役社長として経営にあたることを予定しており、上記「③ 当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載の家具事業の新規分野への投資、営業拠点増設、ブランディング投資や不動産賃貸部門の人材確保と更なる投資といった施策を推進する予定とのことです。なお、親会社等と当社のその他の取締役及び監査役との間では、本株式併合後の役員就任について何らの合意も行っておりませんが、本株式併合実施後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本株式併合の成立後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。また本株式併合後の当社の従業員については、原則として現在の処遇を維持することを予定しているとのことです。
本株式併合により、親会社等以外の株主の皆様の保有する株式数は、1株に見たない端数となる予定です。
2.本株式併合の割合
当社株式について、49,842株を1株に併合いたします。
3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
前記「1.(1) 株式併合の概要」に記載のとおり、本株式併合により、親会社等以外の株主の皆様の保有する株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の処理の方法につきましては、その合計数(会社法第235条第1項の規定により、その合計数に1に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。かかる売却手続に関し、当社は、会社法第235条第2項が準用する会社法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当該端数の合計数に相当する当社株式を親会社等に売却すること、又は会社法第235条第2項が準用する会社法第234条第2項及び同条第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しております。
この場合の売却価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である平成31年2月14日の最終の当社の株主名簿において株主の皆様が保有する当社株式の数(以下、「基準株式数」といいます。)に6,750円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあり得ます。
(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等
(ⅰ) 端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額の根拠及び理由
① 親会社等がある場合における当該親会社等以外の当社の株主の利益を害さないように留意した事項
本株式併合が支配株主等との取引にあたる取引であり、構造的な利益相反の問題が存し得ることから、当社は、1株未満の端数が生じる場合の処理の方法並びに当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額の公正性の担保、本株式併合の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除、及び利益相反の回避の観点から、本株式併合の公正性を担保し、親会社等以外の株主の皆様の利益を害さないよう、後記「(4) 本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」記載の措置を講じております。
② 1株未満の端数が生じる場合の処理の方法並びに当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項
前記「(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、本件端数処理交付見込額は、各株主の皆様の基準株式数に6,750円を乗じた金額となる予定です。
本件端数処理交付見込額については、(ⅰ)本件端数処理交付見込額が、当社がみずほ証券から平成30年11月29日に取得した株式価値算定書における市場株価基準法による算定結果(4,940円から5,105円)の範囲を上回っており、かつ、DCF法の算定結果(5,690円から7,152円)の範囲内であること、また、第三者委員会がプルータスから平成30年11月29日に取得した株式価値算定書における収益還元法による算定結果(6,551円から7,120円)の範囲内であること、(ⅱ)本件端数処理交付見込額が、JASDAQ市場における、本株式併合の公表日の前営業日である平成30年11月29日の当社株式の終値4,940円に対して36.64%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値5,039円に対して33.95%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値5,081円に対して32.84%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値5,105円に対して32.22%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であること、等を踏まえ、当社取締役会は、本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断いたしました。
以上のことから、当社は、本件端数処理交付見込額について、相当と判断しております。
③ 当社において最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象
該当事項はありません。
(ⅱ) 算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに上場会社及び親会社等との関係
当社取締役会は、本株式併合に伴う本件端数処理交付見込額の決定に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社及び親会社等から独立した第三者算定機関であるみずほ証券に対して、当社の普通株式の株式価値の算定を依頼し、平成30年11月29日付で、みずほ証券より当該算定結果に関する株式価値算定書を取得いたしました。なお、当社は、本件端数処理交付見込額の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
また、第三者委員会は本株式併合における本件端数処理交付見込額の評価を行うにあたり、その公正性を担保すべく、親会社等及び当社から独立した第三者算定機関であり、かつ関連当事者に該当しないプルータスに当社の株式価値の算定を依頼し、平成30年11月29日付で、プルータスより当該算定結果に関する株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得いたしました。
② 算定の概要
みずほ証券は、上場株式である当社の株式価値を客観的に評価する観点から市場株価基準法、また将来の事業活動の状況を算定に反映する目的からDCF法の各手法を用いて当社株式の価値算定を行っております。上記各手法を用いて算定された当社の普通株式1株当たりの価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価基準法: 4,940円から5,105円
DCF法: 5,690円から7,152円
市場株価基準法では、基準日を株式価値算定書作成日である平成30年11月29日として、JASDAQ市場における当社の普通株式の基準日終値4,940円、直近1ヶ月間の終値単純平均値5,039円、直近3ヶ月間の終値単純平均値5,081円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値5,105円を基に、当社の普通株式の1株当たりの価値の範囲を4,940円から5,105円までと算定しております。
DCF法では、平成30年9月末を基準日として、平成31年3月期から平成34年3月期までの4期分の当社の将来の収益予想に基づき、当社の家具事業及び不動産賃貸事業にて各事業が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を算定し、当社の普通株式の1株当たりの価値の範囲を5,690円から7,152円までと算定しております。なお、割引率は4.5%から5.5%を採用しており、また、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長率は-0.5%から0.5%として算定しております。
みずほ証券がDCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく連結財務予測は以下のとおりです。なお、前提とした事業計画においては、大幅な増減益は見込んでおりません。また、本株式併合の実行により実現することが期待される本株主併合後の諸施策により実現が期待される効果は、現時点において具体的に見積もることが困難であったため、以下の連結財務予測には加味しておりません。
平成31年3月期平成32年3月期平成33年3月期平成34年3月期
売上高9,5009,3509,3509,320
営業利益2,7513,0283,0103,039
EBITDA3,7474,0244,0064,035
フリー・キャッシュ・フロー89986940945

(単位:百万円)
みずほ証券は、当社への株式価値算定書の提出に際して、当社から提供を受けた情報、一般に公開された情報等を使用し、それらの資料、情報等が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測については、当社の経営陣により当該時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。
また、プルータスは、当社の取締役から事業の現状及び将来の事業計画等の資料を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、上場株式である当社の株式価値を客観的に評価する観点から市場株価法を、家具商品事業については事業計画には反映されていない損益改善策の効果を、不動産賃貸事業については保有する物件の立地や使用方法の相違が及ぼす影響を、いずれも株式価値に反映させる観点から収益還元法を用いて、当社の普通株式の株式価値分析を行いました。第三者委員会は、プルータスから平成30年11月29日に、当社の株式価値の算定結果について下記のとおり報告を受けました。
上記各方法において算定された当社の普通株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法: 4,940円~5,109円
収益還元法: 6,551円~7,120円
市場株価法では、評価基準日を平成30年11月29日として、当社株式の東京証券取引所における算定基準日終値(4,940円)、直近1ヶ月終値単純平均値5,060円、直近3ヶ月終値単純平均値5,082円、直近6ヶ月終値単純平均値5,109円を基準に、当社の普通株式の1株当たりの価値の範囲を4,940円から5,109円までと分析しております。
収益還元法では、一定の収益水準が継続することを前提に一定の還元率を用いて算定した事業価値(19,167百万円~21,181百万円)に対して、余剰資金(4,013百万円)を加算して株式価値を算定し、当社の普通株式の1株当たりの価値の範囲を6,551円から7,120円までと分析しております。事業価値の算定においては、当社の事業を家具商品事業と不動産賃貸事業に区分の上、それぞれ次のように評価しております。
・家具商品事業
プルータスは、当社が提供した事業計画の予備的な検討を通じ、粗利益の段階では黒字が見込まれているものの、販売費及び一般管理費の大部分が当事業に関連して発生する実態を踏まえると、セグメント利益の段階では損失が計上される見通しとなっていることから、計画を所与としてDCF法を適用することには合理性がないと判断しました。しかしながら、事業計画に反映された施策の効果のみでは損失が見込まれるものの、当社としては実際に家具商品事業から永続的に損失が計上されるとの認識を必ずしも有しておらず、売却・清算も予定しておりません。プルータスは、かかる当社の見解を踏まえ、いまだ具体化していない増収策の効果をも考慮すると、販売費及び一般管理費に等しい水準の粗利益が計上されうるとの想定が妥当との判断に基づき、毎期の営業損益を0と想定の上、割引率の水準にかかわらず、事業価値はないものと評価しております。
・不動産賃貸事業
現状実質1名の担当者によって管理されている現状を踏まえると、家具商品事業の減収を補い業績の安定化に貢献するという点で、過去に蓄積された資金の運用としての性格が認められることから、包括的に算定した事業のキャッシュ・フローを割り引くよりも、物件毎に賃料収入を還元した収益価格を積算する方が実態に合致するとの判断に基づき、当社及び親会社等から独立した第三者機関である株式会社三友システムアプレイザルの不動産意見書をもとに評価しております。
不動産意見書に記載された価格は、積算された収益価格から売却市場性減価として40%相当を減じた額となっております。これは、多数の物件の総体として存在する不動産賃貸事業の価値を評価するにあたっては個々の物件の収益価格を単純に積算するだけではいわゆる合成の誤謬が生じ、必ずしも適正な評価にならないとの前提に基づいております。その理由としては、賃料収入の過半を占める遊技施設の還元率の査定が一般の物件に比べて難しいこと、単独では市場での処分可能性が劣る物件も混在していることなどが挙げられております。
なお、プルータスは、株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報、一般に公開された情報等を使用し、それらの資料、情報等がすべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産又は負債(偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、財務デュー・ディリジェンス、鑑定又は査定を行っておらず、第三者委員会が取得した不動産意見書を除き、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。
プルータスは、当社からの依頼に基づき、本件端数処理交付見込額が、以下の前提条件その他一定の条件のもとに、当社の株主にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を、第三者委員会に対して提供しております。
なお、プルータスがフェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた当社の財務予測その他の資料は、当社の経営陣により現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析又は予測の合理性について、何ら意見を表明しておりません。
フェアネス・オピニオンは、本株式併合が当社の少数株主にとって財務的見地から公正であるか否かについて、その作成日現在の市場環境及び経済情勢を前提に、前日までにプルータスが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものです。その後の状況の変化が意見の内容に影響を及ぼすに至ったとしても、プルータスは意見を修正又は補足する義務を負いません。また、フェアネス・オピニオンは、明示的な記載のない事項又はその提出日以降の事象に関して、何ら意見を推論させ、示唆するものではありません。
フェアネス・オピニオンは、第三者委員会が本株式併合の公正性を検証するにあたっての基礎資料として作成されております。したがって、当社が実行可能な事業戦略上の代替案と比較した本株式併合の是非について意見を述べるものではありません。また、フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、如何なる意見を述べるものではなく、何らかの行動を推奨するものでもありません。
(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合においては、公開買付けを前置していないこと、当社には社外取締役が存在しないこと、また、当社の取締役のうち、代表取締役社長である安岡定二氏は当社の親会社等である株式会社光商の筆頭株主であり、かつ、株式会社光商の取締役を兼任していること、またその他取締役である創業家一族5名(安岡久五郎氏、安岡松雄氏、安岡誠氏、安岡利光氏及び安岡久雄氏)は親会社等の株主であり、本株式併合に関して当社と構造的な利益相反状態にあること等の要素を踏まえ、以下の措置を講じております。
① 独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
前記「(2) (ⅱ) 算定に関する事項」に記載のとおり、当社は、本株式併合決定に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社及び親会社等から独立したフィナンシャルアドバイザーであるみずほ証券から、株式価値算定書を取得しています。また、第三者委員会は、当社及び親会社等から独立した第三者算定機関として独自に起用したプルータスから株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しています。
みずほ証券は、当社及び親会社等の関連当事者には該当せず、本株式併合に関して記載すべき重要な利害関係を有していません。
また、プルータスは、当社及び親会社等の関連当事者には該当せず、本株式併合に関して記載すべき重要な利害関係を有していません。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本株式併合に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社及び親会社等から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、同事務所から、本株式併合に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、親会社等及び当社の関連当事者には該当せず、本株式併合に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
③ 当社における第三者委員会の設置
当社は、公開買付を前置しない本株式併合における意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、平成30年9月6日、親会社等及び当社から独立した、外部の有識者を含む委員によって構成される第三者委員会(第三者委員会の委員としては、松本拓生氏(弁護士 恵比寿松本法律事務所)、岡裕信氏(税理士 クライム・ヒル株式会社 代表取締役)及び、当社社外監査役である村橋裕司氏(税理士 村橋会計事務所)を選定しております。また、当社は、当初からこの3氏を第三者委員会の委員として選定しており、第三者委員会の委員を変更した事実はありません。)を設置しました。
そして、当社は第三者委員会に対し、(a)①本株式併合による当社の非公開化(以下「本件取引」といいます。)が当社の企業価値の向上という観点から合理性を有するものといえるか(以下、「本諮問事項(a)①」といいます。)、及び、②公正な手続を通じた株主利益への配慮がなされているか(本株式併合により生じることが見込まれる1株未満の端数の売却価額の公正さ及びプロセスの公正さ等)(以下、「本諮問事項(a)②」といいます。)という点を勘案した上で、本件取引に当社取締役会が賛同し、本件取引に係る議案を株主総会の目的事項として提案する旨の取締役会決議を行うべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、(b)本件取引が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかを検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下、「本諮問事項(b)」といいます。)を諮問し(以下、本諮問事項(a)①、本諮問事項(a)②及び「本諮問事項(b)」を「本諮問事項」と総称します。)、これらの点についての答申書を当社取締役会に提出することを平成30年9月6日に委嘱しました。
かかる委嘱にあたって、当社は、利害関係を有していない取締役が1名のみであることも勘案し、第三者委員会に対し、親会社等(安岡定二氏を含みます。)と前面に立ち交渉を行うことについての権限も付与しております。
また、当社は、第三者委員会が、本株式併合の是非及び条件の妥当性を独自に検討することができるよう、第三者委員会に対し、当社及び親会社等から独立した第三者算定機関を選任する権限を与えており、これを受けて、第三者委員会は、本株式併合の是非及び条件の妥当性を検討するにあたり、その透明性・合理性を確保するため、当社及び親会社等から独立し、かつ関連当事者に該当しないプルータスを第三者委員会の第三者算定機関に選任したとのことです。
第三者委員会は、平成30年9月11日より同年11月27日まで合計9回開催されたほか、平成30年11月29日まで相互に連絡を行い、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、当社から事業環境、事業計画、経営課題、本件取引の提案を受けた経緯、本件取引の目的に関する説明を受け、質疑応答を行いました。また、親会社等から本株式併合を提案するに至った経緯及び理由、本件取引の目的、本株式併合により実現が期待される効果、本件取引の諸条件等を受け、質疑応答を行うほか、みずほ証券から当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、本株式併合における本件端数処理交付見込額の評価を行うにあたり、その公正性を担保すべく、自ら、親会社等及び当社から独立した第三者算定機関であり、かつ関連当事者に該当しないプルータスに当社の株式価値の算定を依頼し、平成30年11月29日付で、プルータスより当該算定結果に関する株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得するとともにプルータスから当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関して、不動産鑑定士の意見書を取得し算出している点も含め説明を受け、質疑応答を行いました。これらの内容を踏まえ、第三者委員会は、プルータス及びみずほ証券の算定結果を参考に、かつ森・濱田松本法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行いました。また、第三者委員会は、親会社等(安岡定二氏を含みます。)との間で本件端数処理交付見込額を含む本株式併合の諸条件について交渉を実施し、その結果についても本諮問事項の協議・検討において踏まえております。
第三者委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、平成30年11月29日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
(ⅰ) 本件取引の合理性(本諮問事項(a)①)
本件取引の取引の目的は、当社の主要株主であり創業家株主でもある親会社等からの提案に基づき、当社を非公開化することにより、当社の株主に対して発生する可能性がある各種の悪影響を回避し、かつ中長期な視点から抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践するためであり、その具体的な内容は、前記「1.(2) 本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」に記載のとおりである。
また、第三者委員会に提出された当社作成にかかる中期経営計画、中期利益計画及びその他の関係資料や親会社等から受けた説明内容は、当社が置かれた客観的な事業環境や経営課題に符合するものであり、いずれも矛盾する点や不合理な点は認められなかった。
加えて、非公開化を前提とした親会社等による施策について、親会社等から説明を受けた上で親会社等との間で質疑応答などを行ったものの、非公開化が本件取引の目的の達成のために有効な手段であると判断することについて合理性を疑わせる事情は認められず、また、本件取引の目的の正当性に疑義を生じさせる事実も確認されなかった。
次に、本件取引が当社にもたらす効果について、親会社等から聴取した事実関係及び関係資料の記載事項からは、本件取引の内容である非公開化が本件取引の目的の達成のために有効な手段であると判断することについて合理性を疑わせる事情は認められず、また、本件取引の目的の正当性に疑義を生じさせる事実も確認されなかった。
以上を踏まえ、総合的に検討を行った結果として、本件取引により当社を非公開化することは、当社の企業価値の向上に資するものであるとする経営判断は合理的であり、本件取引は、究極的には中長期的な当社の企業価値の向上、そして同時にそのための諸施策による一時的な利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化により株価が不安定化するというリスクを当社の株主から遮断するために行われるものであると認められ、本件取引の目的は正当である。
また、かかる目的で行われる取引の手段として、当社のように親会社等が実質的に90%以上(93.4%)の株式を保有している状況において、通常の非公開化案件のように公開買付けを前置しなければならない必然性はなく、株式併合という手段を採用することにも目的に沿った相当性が認められる。なお、下記「(ⅲ) 本件取引が当社の少数株主等にとって不利益でないこと(諮問事項(b)」に記載のとおり、株式併合という方法を採用することは、少数株主にとって特段の不利益を及ぼさないといえる。
以上の理由から、本件取引は、当社の企業価値の向上という観点から合理性を有する。
(ⅱ) 本件取引に係る手続の公正性(本諮問事項(a)②)
以下の点を踏まえると、本件取引に係る交渉過程の手続は公正であり、少数株主を含めた株主利益には十分な配慮がなされている。
(ア) 検討過程における利害関係者の排除
下記「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載のとおり、当社は、本件取引の検討過程において利害関係者を排除している。
(イ) 親会社等との協議・交渉の過程
当社と親会社等の協議・交渉の過程は、前記「(2) 本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「③ 当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載のとおりであり、本件端数処理交付見込額について、当初、親会社等が提案した価格から620円(当初提案価格比10.1%)の引き上げに成功している。
かかる協議及び交渉の経緯は、少数株主の利益を念頭に、本件端数処理交付見込額を最大限に高めるため、粘り強い交渉が行われたものと評価することができる。
(ウ) 独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
前記「① 独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、当社は、本株式併合決定に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社及び親会社等から独立したフィナンシャルアドバイザーであるみずほ証券から、株式価値算定書を取得しており、また、第三者委員会は、当社及び親会社等から独立した第三者算定機関として独自に起用したプルータスから株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得している。
以上を踏まえ、本件取引の実施に際して、少数株主の利益保護のために極めて慎重な検討が行われた経緯を認めることができる。
(エ) 当社における独立した法律事務所からの助言
前記「② 当社における独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、当社は、本株式併合に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社及び親会社等から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、同事務所から、本株式併合に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。
(ⅲ) 本件取引が当社の少数株主等にとって不利益でないこと(諮問事項(b))
以下の点を総合的に踏まえると、本件取引は、当社の少数株主等にとって不利益となるものではない。
(ア) みずほ証券による株式価値の算定
みずほ証券による当社株式の算定結果は前記「(2) (ⅱ) 算定に関する事項」に記載のとおりである。みずほ証券は、当社の株式価値算定に際して、市場株価基準法及びDCF法を用いているところ、本件取引においては継続企業を前提とした企業価値評価を行うことが適切であると考えられるため、市場株価基準法に代表されるマーケットアプローチ及びDCFに代表されるインカムアプローチを採用することが妥当と考えられる。よって、時価純資産法等のコストアプローチを採用しないことには一定の合理性が認められる。
DCF法とは、一般に事業計画を前提に将来キャッシュ・フローを求め、それを一定の割引率を用いて現在価値に引き直し、さらに非事業用資産や有利子負債等の調整を行うことによって株式価値を算出するところ、第三者委員会は、当社に対して、事業計画の内容について詳細な質疑応答を行ったが、当該事業計画は本件取引とは全く無関係に当社によって作成されたものであるとのことであり、親会社等が作成に際して何らかの働きかけを行ったという事実も認められない。また、みずほ証券による事業計画フリー・キャッシュ・フローの算定の前提となると思われる売上高、EBITDA、営業利益などの重要項目についての説明にも、特段不合理な点は認められない。
加えて、みずほ証券より、算定基準日の変更に伴う一定の更新が必要となった理由として、(ⅰ)市場株価基準法においては算定基準日の更新により基準日の市場株価及び基準日以前一定期間の平均株価が更新されたこと、(ⅱ)DCF法においては当社による平成31年3月期第2四半期決算短信の公表に伴い算定基準日が平成30年6月30日から平成30年9月30日に更新されたことにより、所要の修正を行ったものであるとの説明がなされた。このように、算定結果の変更は基準日の更新に基づくものであり、当社の株式価値の算定に関する基本的な考え方に差異はなく、その内容に不合理な点は認められない。
(イ) プルータスによる株式価値の算定
プルータスによる当社株式の算定結果は前記「(2) (ⅱ) 算定に関する事項」に記載のとおりである。プルータスは、当社の株式価値の算定に際して、みずほ証券と同様に、マーケットアプローチ及びインカムアプローチを採用(但し、インカムアプローチとしてDCF法を採用していない理由については後述)しており、一定の合理性が認められる。また、みずほ証券と同様、時価純資産等のコストアプローチを採用しないことにも、一定の合理性が認められる。
収益還元法とは、一般に事業計画を前提に利益又は将来キャッシュ・フローを求め、それを一定の割引率を用いて現在価値に引き直して株式会社を算出する方法であるところ、前記「(ア) みずほ証券による株式価値の算定」に記載のとおり、当該事業計画は本件取引とは全く無関係に当社によって作成されたものであるとのことであり、親会社等が作成に際して何らかの働きかけを行ったという事実も認められない。また、プルータスによる事業計画や利益又は将来キャッシュ・フローの算定の前提となると思われる売上高、営業利益、経常利益、実効税率などの重要項目についての説明にも、特段不合理な点は認められない。
次に、不動産賃貸事業の評価方法については、当社から、当社の不動産賃貸事業の収益が安定的な賃料収入を期待できる特定の物件に集中していることから、個々の物件の賃料収益に基づいて計算された不動産の収益価格を実質的な不動産賃貸事業の価値と捉え、DCF法に代えて、三友システムアプレイザルの不動産意見書に依拠して事業価値を算定しているとの説明がなされた。第三者委員会は、不動産賃貸事業の評価について慎重な検討を行ったが、算出された不動産賃貸事業の算定結果に不合理な点は見当たらなかった。
さらに、プルータスより算定基準日の変更に伴う一定の更新が必要となった理由として、(ⅰ)市場株価基準法においては算定基準日の更新により基準日の市場株価及び基準日以前一定期間の平均株価が更新されたこと、(ⅱ)収益還元法においては、依拠した不動産鑑定評価に関する意見書に反映されない第2四半期の変動を考慮するため、第1四半期の財務諸表を基準とした従前の算定結果を正としつつ、当社の第1四半期末から第2四半期末までの純資産の増加額を加算したものであるとの説明がなされた。
このように、算定結果の変更は基準日の更新及び基準日後の当社の財務数値の変動に基づくものであり、当社の株式価値の算定に関する基本的な考え方に差異はなく、その内容に不合理な点は認められない。
(ウ) 価格合意形成プロセス
前記「(ⅱ) 本件取引に係る手続の公正性(本諮問事項(a)②)」に記載のとおり、本件端数処理交付見込額は、当社及び親会社等との間における独立当事者間において客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果、決定された価格である。
(エ) 類似事案と比較して遜色のない水準のプレミアムの付与
6,750円という本件端数処理交付見込額は、みずほ証券及びプルータスによって算定された当社の株式価値のレンジの範囲内であり、かつ、みずほ証券によって算定された当社の株式価値の中央値を超過した水準であり、これは、本答申書作成日の終値(4,940円)に対して約36.64%、直近1か月間の終値平均株価(5,039円)に対して約33.95%、直近3か月間の終値平均株価(5,081円)に対して約32.84%、直近6か月間の終値平均株価(5,105円)に対して約32.22%のプレミアムが付されており、類似事案と比較して遜色のない水準のプレミアムが付されている。
(オ) 反対株主による株式買取請求制度等の不服申立手段の存在
株式併合においては、反対株主による株式買取請求制度等の不服申立手段が存在するため、本件端数処理交付見込額に不服のある株主にとっては、これらの制度を活用することにより、本件端数処理交付見込額の妥当性について争うための不服申立手段が確保されている。
以上から、本件取引に当社取締役会が賛同し、本件取引に係る議案(本株式併合に係る議案を含む。)を本臨時株主総会の目的事項として提案する旨の決議を行うことは妥当である。
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、みずほ証券より取得した株式価値算定書、第三者委員会がプルータスより取得した株式価値算定書及びフェアネス・オピニオン、森・濱田松本法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、第三者委員会(当該第三者委員会の構成及び具体的な活動内容等については、上記「③ 当社における第三者委員会の設置」をご参照ください。)から提出を受けた答申書の内容を最大限に尊重しながら、本株式併合の諸条件について慎重に検討しました。
その結果、上記「1.(2) 本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」に記載のとおり、当社取締役会は、本株式併合について、(ⅰ)本株式併合により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断し、平成30年11月30日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の代表取締役社長である安岡定二氏をはじめとする創業者一族6名を除いた大久保直樹取締役1名)の全員一致で、本臨時株主総会に本株式併合を付議する旨を決議いたしました。
また、上記当社取締役会では、当社の社外監査役2名を含む全ての監査役が審議に参加しその全ての監査役が、当社取締役会が上記決議をすることに異議がない旨の意見を述べました。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役社長である安岡定二氏は当社の親会社等である株式会社光商の筆頭株主であり、かつ、株式会社光商の取締役を兼任していること、また、その他取締役である創業家一族5名(安岡久五郎氏、安岡松雄氏、安岡誠氏、安岡利光氏及び安岡久雄氏)は親会社等の株主であり、本株式併合に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において親会社等との協議及び交渉にも一切参加しておりません。但し、当該創業家一族である取締役6名は、会社法上の特別利害関係人に該当しない可能性があり、当該審議及び決議に参加した取締役1名のみによる決議は、会社法上の定足数を充足していないおそれもあることから、上記大久保直樹取締役による決議ののち、代表取締役社長である安岡定二氏以外の創業家一族の取締役5名も参加した上で、再度本株式併合を当社株主総会に付議する旨の決議を行っております。
4.本株式併合の効力が生ずる日
平成31年2月15日(予定)
以 上