有価証券報告書-第57期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況に関する認識
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の急激な落ち込みから回復に転じ、持ち直しの動きがみられたものの、感染の再拡大による短期的な下振れ懸念が出てきています。また、アジア経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の封じ込みに成功した中国、台湾、ベトナム等で、経済回復の動きがみられる一方、新規感染増に歯止めのかからないインドをはじめ、インドネシア、タイ等、感染抑制に苦戦する諸国では経済への打撃が長期化しています。
このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)は、引き続き、国内外における新規投資機会の獲得活動を継続する一方、既存事業における経営の効率化、ニューノーマルの社会に適応すべく事業戦略の検討等に取り組んでまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、ホテル事業や海外事業で需要減の動きが継続していること、不動産売買取引が対前年同期比で大きく減少したことにより、売上高と営業利益の減少を余儀なくされましたが、雇用調整助成金等、政府・自治体の政策による下支え効果もあり、経常利益と純利益では減少幅を縮小する結果となり、当連結会計年度の業績は売上高10,482百万円(前年同期比21.0%減)、営業利益114百万円(前年同期比55.3%減)、経常利益228百万円(前年同期比10.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円(前年同期比24.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<不動産事業>不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、並びにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を営んでおります。新型コロナウイルス感染症の影響としては、レジデンス事業においては既往賃貸借契約の更新率や賃料水準は引き続き維持されており、また、管理戸数も引き続き高水準を維持しましたが、不動産売買事業における取引が対前年同期比で大きく減少したことから、当連結会計年度の不動産事業の売上高は8,706百万円(前年同期比16.6%減)、営業利益は299百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
<ホテル事業>ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。成田ゲートウェイホテルは、新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者向け療養施設として、2020年4月18日から千葉県に貸し出し、以降、一般の利用者を受け入れていないことに加え、倉敷ロイヤルアートホテルでは、ホテル宿泊者数が対前年同期比で大きく減少する等、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けましたが、昨秋の第3四半期連結会計期間には政府や自治体による観光業支援政策の効果が大きく、また、緊急事態宣言が再び発出された第4四半期連結会計期間においても一定の需要回復が認められたことから、当連結会計年度のホテル事業の売上高は954百万円(前年同期比30.7%減)、営業利益は37百万円(前年同期比56.9%減)となりました。
<海外事業>海外事業につきましては、インドネシア共和国においてPT. Citra Surya Komunikasiが主として日系企業向けに広告代理店事業を行うほか、シンガポールにおいてStriders Global Investment Pte. Ltd.が投資事業を行っております。PT. Citra Surya Komunikasiにおいては、連結決算上の取り込みが3か月遅れの2020年1月~12月の実績となりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、既存顧客等との大幅な取引減少が継続しました。投資事業では、インドネシアの不動産テックベンチャー企業への戦略的投資を実行しましたが、過去の投資案件含め売上・利益への貢献は来期以降を予定しており、当連結会計年度の海外事業の売上高は435百万円(前年同期比50.4%減)、営業損失は40百万円(前年同期は営業利益28百万円)となりました。
<その他>その他につきましては、モバイルリンク株式会社において、車載端末システムの開発、販売を、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において、M&Aに関するコンサルティング業務を、有限会社増田製麺において、中華麺等の製造販売を行っております。また、株式会社みらい知的財産技術研究所については、持分法適用関連会社として損益の一部を取り込んでいますが、持分法投資損益となるため、営業損益には含まれておりません。
モバイルリンク株式会社及び有限会社増田製麺において新型コロナウイルス感染症の影響から受注が減少した結果、当連結会計年度のその他の売上高は386百万円(前年同期比33.8%減)、営業利益は19百万円(前年同期比67.1%減)となりました。
② 財政状態の状況に関する認識
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,367百万円となり、前連結会計年度末に比べ440百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が694百万円増加した一方で、売掛金が119百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は1,862百万円となり、前連結会計年度末に比べ210百万円減少しました。主な要因は、投資有価証券が72百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,051百万円となり、前連結会計年度末に比べ266百万円減少しました。主な要因は、買掛金が102百万円、短期借入金が86百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は1,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ308百万円増加しました。主な要因は、長期借入金が379百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は2,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,321百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円を計上したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、43.4%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,682百万円となり、前連結会計年度末に比べ692百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は297百万円(前年同期は311百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益258百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は107百万円(前年同期は144百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入95百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は289百万円(前年同期は8百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の借入による収入529百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出158百万円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
その他の一部で生産活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。
b.受注実績
その他の一部で受注販売活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容
前述した当連結会計年度における経営成績の状況に関する認識を踏まえ、今後の見通しについては、世界的な新型コロナウイルス感染症収束の推移が依然として見通せないなか、ホテル事業及び、その他のセグメントについても内外経済をさらに下振れさせるリスクや金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がありますが、新型コロナウイルスを対象としたワクチン接種の普及に伴い、政府・自治体による行動規制は収束していくものと想定しております。
不動産事業においては、主力のレジデンス事業は当連結会計年度と同様、その受ける影響は大きくないものの、不動産売買事業は取引数の減少傾向が継続することを想定しております。
ホテル事業においては、成田ゲートウェイホテルは、千葉県からの要請に基づき、2020年4月から新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者の一時的な宿泊施設として提供しておりますが、政府・自治体による行動規制の収束と軌を一にして、その提供は終了するものの、インバウンド中心のホテルとしての正常化には更に一定の時間がかかるものと予想しております。また、倉敷ロイヤルアートホテルは、営業基盤が国内顧客中心となっているため、政府・自治体による行動規制が収束した後の正常化への道程は比較的短いものと想定しておりますが、「コロナ禍」後の新たな観光需要に対応すべく、ホテル運営を刷新していくことで、その収益力を早期回復させることは可能と考えております。
海外事業においては、インドネシアにおける広告代理店事業は、同国経済のコロナショックからの回復を見据え、中長期的な経済成長を取り込むべく、新規顧客の開拓や広告以外の事業展開も強化する一方、投資事業については、特にスリランカとインドネシアにおいて新規事業への投資を継続していきます。育成期のため、現時点では収益は出ておりませんが、投資事業の管理体制の見直しやシナジー効果の期待できる事業提携等を積み重ね、投資事業を早期に軌道に乗せていくことが大きな課題であると認識しております。
財政状態の状況に関しましては、キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容において後述いたしますとおり、現金及び預金の増加と有価証券、投資有価証券の減少を主因として、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円増加する一方、財政状態の状況に関する認識において前述したとおり、負債合計は2,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加した結果、当連結会計年度末における純資産は、2,321百万円と、前連結会計年度末に比べ187百万円増加しております。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上額が114百万円であったことに加え、連結損益計算書上、営業外費用として計上した持分法による投資損失60百万円のうち、第3四半期連結会計期間末から株式会社アマガサを持分法適用の範囲より除外した結果、持分法の適用範囲の変動として株主資本が51百万円増加したことが反映された結果とも分析できるものと考えております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等については、事業の規模拡大と収益力の向上のために「売上高」と「営業利益」を採用しております。また、その他の指標等については、以下のとおりとなっております。
a.自己資本比率について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は43.4%となり、前連結会計年度末の41.9%より、1.5ポイント増加しました。これは、財政状態の状況に関して前述したとおり、当連結会計年度末における純資産が2,321百万円と、前連結会計年度末に比べ187百万円増加した一方、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円の増加に留まったことによります。当社グループとしては、今後も経営環境の変化に応じ、資産の効率性にも留意しながら、バランスの取れた自己資本の水準を維持してまいります。
b.デットエクイティレシオについて
当社グループの当連結会計年度末におけるデットエクイティレシオ(有利子負債/自己資本)は、0.68倍となり、前連結会計年度末の0.64倍より、0.04ポイント増加しました。今後とも投資環境と金融環境を見据えながら、1倍程度を目安に調達を拡大させる余地があるものと考えておりますが、資産の効率性にも留意し、慎重に判断をしてまいります。
c.自己資本利益率(ROE)について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本利益率(ROE※)は5.2%となり、前連結会計年度末の7.3%より2.1ポイント低下いたしました。これは、経営成績の状況に関して前述したとおり、新型コロナウイルス感染症による影響を主因として親会社株主に帰属する当期純利益が114百万円(前年同期比24.5%減)に留まったことによりますが、財政状態の状況に関して前述したとおり、純資産の前連結会計年度末からの増加額が親会社株主に帰属する当期純利益の計上額を上回ったことも若干ながら影響しています。
当社グループとしては、昨今のガバナンス改革・投資家の期待リターン等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症による影響が収束したのちには、7~8%を目安として、中長期的な方向性を考えてまいります。※親会社株主に帰属する当期純利益を元に算出
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症による影響を主因として減少した営業損益ベースでのキャッシュ・インを助成金の受取により補完とした結果、前連結会計年度比で14百万円の減少に留まった営業活動によるキャッシュ・フロー、過去に実施した投資を回収した一方で新規投資を抑制した結果、前連結会計年度比で251百万円増加した投資活動によるキャッシュ・フロー、当連結会計年度においては自己株式の取得を実施しなかったことを主因として、前連結会計年度比で281百万円増加した財務活動によるキャッシュ・フローを合算した結果として、現金及び現金同等物の増減額が前連結会計年度比で692百万円増加しております。
これは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世界経済の不透明感が拡がるなか、当社グループとして投資事業を抑制的に運営する一方で、新型コロナウイルス感染症の収束後に想定される国内外の新規投資機会獲得の備えとしてのキャッシュポジションの厚みを拡大することを選好した結果であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、原則として当社がグループ全体の資金需要を把握、管理し、各子会社の余剰資金を配当金等で当社に資金を還元することに加え、必要に応じて金融機関からの資金調達を実施しております。金融機関については、主力取引行との長年の取引関係があり、十分なコミュニケーションが取れています。今後は、調達先の分散化、長期化などもさらに進めてまいります。
また、投資案件についてはその都度プロジェクト内容を評価し、自己資金又は金融機関から資金を調達して実行しております。今後は、事業規模の拡大や投資案件の増加に備え、証券化等、調達手段の多様化・分散化も検討事項となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要になります。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております重要な会計方針(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載)のうち、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。
a.固定資産の減損処理
当社グループが保有しております固定資産につきましては、四半期決算ごと及び帳簿価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合には減損の検討を実施しております。帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを上回っていた場合には、帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを超過する金額について減損を認識しております。当社は、これらの見積りが合理的であると考えておりますが、実際の業績と異なる可能性があります。
b.のれんの減損処理
当社グループののれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、収益性が低下し、減損損失が発生する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況に関する認識
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の急激な落ち込みから回復に転じ、持ち直しの動きがみられたものの、感染の再拡大による短期的な下振れ懸念が出てきています。また、アジア経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の封じ込みに成功した中国、台湾、ベトナム等で、経済回復の動きがみられる一方、新規感染増に歯止めのかからないインドをはじめ、インドネシア、タイ等、感染抑制に苦戦する諸国では経済への打撃が長期化しています。
このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)は、引き続き、国内外における新規投資機会の獲得活動を継続する一方、既存事業における経営の効率化、ニューノーマルの社会に適応すべく事業戦略の検討等に取り組んでまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、ホテル事業や海外事業で需要減の動きが継続していること、不動産売買取引が対前年同期比で大きく減少したことにより、売上高と営業利益の減少を余儀なくされましたが、雇用調整助成金等、政府・自治体の政策による下支え効果もあり、経常利益と純利益では減少幅を縮小する結果となり、当連結会計年度の業績は売上高10,482百万円(前年同期比21.0%減)、営業利益114百万円(前年同期比55.3%減)、経常利益228百万円(前年同期比10.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円(前年同期比24.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<不動産事業>不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、並びにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を営んでおります。新型コロナウイルス感染症の影響としては、レジデンス事業においては既往賃貸借契約の更新率や賃料水準は引き続き維持されており、また、管理戸数も引き続き高水準を維持しましたが、不動産売買事業における取引が対前年同期比で大きく減少したことから、当連結会計年度の不動産事業の売上高は8,706百万円(前年同期比16.6%減)、営業利益は299百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
<ホテル事業>ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。成田ゲートウェイホテルは、新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者向け療養施設として、2020年4月18日から千葉県に貸し出し、以降、一般の利用者を受け入れていないことに加え、倉敷ロイヤルアートホテルでは、ホテル宿泊者数が対前年同期比で大きく減少する等、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けましたが、昨秋の第3四半期連結会計期間には政府や自治体による観光業支援政策の効果が大きく、また、緊急事態宣言が再び発出された第4四半期連結会計期間においても一定の需要回復が認められたことから、当連結会計年度のホテル事業の売上高は954百万円(前年同期比30.7%減)、営業利益は37百万円(前年同期比56.9%減)となりました。
<海外事業>海外事業につきましては、インドネシア共和国においてPT. Citra Surya Komunikasiが主として日系企業向けに広告代理店事業を行うほか、シンガポールにおいてStriders Global Investment Pte. Ltd.が投資事業を行っております。PT. Citra Surya Komunikasiにおいては、連結決算上の取り込みが3か月遅れの2020年1月~12月の実績となりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、既存顧客等との大幅な取引減少が継続しました。投資事業では、インドネシアの不動産テックベンチャー企業への戦略的投資を実行しましたが、過去の投資案件含め売上・利益への貢献は来期以降を予定しており、当連結会計年度の海外事業の売上高は435百万円(前年同期比50.4%減)、営業損失は40百万円(前年同期は営業利益28百万円)となりました。
<その他>その他につきましては、モバイルリンク株式会社において、車載端末システムの開発、販売を、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において、M&Aに関するコンサルティング業務を、有限会社増田製麺において、中華麺等の製造販売を行っております。また、株式会社みらい知的財産技術研究所については、持分法適用関連会社として損益の一部を取り込んでいますが、持分法投資損益となるため、営業損益には含まれておりません。
モバイルリンク株式会社及び有限会社増田製麺において新型コロナウイルス感染症の影響から受注が減少した結果、当連結会計年度のその他の売上高は386百万円(前年同期比33.8%減)、営業利益は19百万円(前年同期比67.1%減)となりました。
② 財政状態の状況に関する認識
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,367百万円となり、前連結会計年度末に比べ440百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が694百万円増加した一方で、売掛金が119百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は1,862百万円となり、前連結会計年度末に比べ210百万円減少しました。主な要因は、投資有価証券が72百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,051百万円となり、前連結会計年度末に比べ266百万円減少しました。主な要因は、買掛金が102百万円、短期借入金が86百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は1,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ308百万円増加しました。主な要因は、長期借入金が379百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は2,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,321百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円を計上したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、43.4%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,682百万円となり、前連結会計年度末に比べ692百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は297百万円(前年同期は311百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益258百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は107百万円(前年同期は144百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入95百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は289百万円(前年同期は8百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の借入による収入529百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出158百万円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
その他の一部で生産活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。
b.受注実績
その他の一部で受注販売活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 不動産事業(千円) | 8,706,397 | △16.6 |
| ホテル事業(千円) | 954,998 | △30.7 |
| 海外事業(千円) | 435,124 | △50.4 |
| 報告セグメント計(千円) | 10,096,520 | △20.5 |
| その他(千円) | 386,192 | △33.8 |
| 合計(千円) | 10,482,713 | △21.1 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容
前述した当連結会計年度における経営成績の状況に関する認識を踏まえ、今後の見通しについては、世界的な新型コロナウイルス感染症収束の推移が依然として見通せないなか、ホテル事業及び、その他のセグメントについても内外経済をさらに下振れさせるリスクや金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がありますが、新型コロナウイルスを対象としたワクチン接種の普及に伴い、政府・自治体による行動規制は収束していくものと想定しております。
不動産事業においては、主力のレジデンス事業は当連結会計年度と同様、その受ける影響は大きくないものの、不動産売買事業は取引数の減少傾向が継続することを想定しております。
ホテル事業においては、成田ゲートウェイホテルは、千葉県からの要請に基づき、2020年4月から新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者の一時的な宿泊施設として提供しておりますが、政府・自治体による行動規制の収束と軌を一にして、その提供は終了するものの、インバウンド中心のホテルとしての正常化には更に一定の時間がかかるものと予想しております。また、倉敷ロイヤルアートホテルは、営業基盤が国内顧客中心となっているため、政府・自治体による行動規制が収束した後の正常化への道程は比較的短いものと想定しておりますが、「コロナ禍」後の新たな観光需要に対応すべく、ホテル運営を刷新していくことで、その収益力を早期回復させることは可能と考えております。
海外事業においては、インドネシアにおける広告代理店事業は、同国経済のコロナショックからの回復を見据え、中長期的な経済成長を取り込むべく、新規顧客の開拓や広告以外の事業展開も強化する一方、投資事業については、特にスリランカとインドネシアにおいて新規事業への投資を継続していきます。育成期のため、現時点では収益は出ておりませんが、投資事業の管理体制の見直しやシナジー効果の期待できる事業提携等を積み重ね、投資事業を早期に軌道に乗せていくことが大きな課題であると認識しております。
財政状態の状況に関しましては、キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容において後述いたしますとおり、現金及び預金の増加と有価証券、投資有価証券の減少を主因として、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円増加する一方、財政状態の状況に関する認識において前述したとおり、負債合計は2,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加した結果、当連結会計年度末における純資産は、2,321百万円と、前連結会計年度末に比べ187百万円増加しております。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上額が114百万円であったことに加え、連結損益計算書上、営業外費用として計上した持分法による投資損失60百万円のうち、第3四半期連結会計期間末から株式会社アマガサを持分法適用の範囲より除外した結果、持分法の適用範囲の変動として株主資本が51百万円増加したことが反映された結果とも分析できるものと考えております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等については、事業の規模拡大と収益力の向上のために「売上高」と「営業利益」を採用しております。また、その他の指標等については、以下のとおりとなっております。
a.自己資本比率について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は43.4%となり、前連結会計年度末の41.9%より、1.5ポイント増加しました。これは、財政状態の状況に関して前述したとおり、当連結会計年度末における純資産が2,321百万円と、前連結会計年度末に比べ187百万円増加した一方、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円の増加に留まったことによります。当社グループとしては、今後も経営環境の変化に応じ、資産の効率性にも留意しながら、バランスの取れた自己資本の水準を維持してまいります。
b.デットエクイティレシオについて
当社グループの当連結会計年度末におけるデットエクイティレシオ(有利子負債/自己資本)は、0.68倍となり、前連結会計年度末の0.64倍より、0.04ポイント増加しました。今後とも投資環境と金融環境を見据えながら、1倍程度を目安に調達を拡大させる余地があるものと考えておりますが、資産の効率性にも留意し、慎重に判断をしてまいります。
c.自己資本利益率(ROE)について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本利益率(ROE※)は5.2%となり、前連結会計年度末の7.3%より2.1ポイント低下いたしました。これは、経営成績の状況に関して前述したとおり、新型コロナウイルス感染症による影響を主因として親会社株主に帰属する当期純利益が114百万円(前年同期比24.5%減)に留まったことによりますが、財政状態の状況に関して前述したとおり、純資産の前連結会計年度末からの増加額が親会社株主に帰属する当期純利益の計上額を上回ったことも若干ながら影響しています。
当社グループとしては、昨今のガバナンス改革・投資家の期待リターン等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症による影響が収束したのちには、7~8%を目安として、中長期的な方向性を考えてまいります。※親会社株主に帰属する当期純利益を元に算出
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症による影響を主因として減少した営業損益ベースでのキャッシュ・インを助成金の受取により補完とした結果、前連結会計年度比で14百万円の減少に留まった営業活動によるキャッシュ・フロー、過去に実施した投資を回収した一方で新規投資を抑制した結果、前連結会計年度比で251百万円増加した投資活動によるキャッシュ・フロー、当連結会計年度においては自己株式の取得を実施しなかったことを主因として、前連結会計年度比で281百万円増加した財務活動によるキャッシュ・フローを合算した結果として、現金及び現金同等物の増減額が前連結会計年度比で692百万円増加しております。
これは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世界経済の不透明感が拡がるなか、当社グループとして投資事業を抑制的に運営する一方で、新型コロナウイルス感染症の収束後に想定される国内外の新規投資機会獲得の備えとしてのキャッシュポジションの厚みを拡大することを選好した結果であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、原則として当社がグループ全体の資金需要を把握、管理し、各子会社の余剰資金を配当金等で当社に資金を還元することに加え、必要に応じて金融機関からの資金調達を実施しております。金融機関については、主力取引行との長年の取引関係があり、十分なコミュニケーションが取れています。今後は、調達先の分散化、長期化などもさらに進めてまいります。
また、投資案件についてはその都度プロジェクト内容を評価し、自己資金又は金融機関から資金を調達して実行しております。今後は、事業規模の拡大や投資案件の増加に備え、証券化等、調達手段の多様化・分散化も検討事項となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要になります。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております重要な会計方針(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載)のうち、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。
a.固定資産の減損処理
当社グループが保有しております固定資産につきましては、四半期決算ごと及び帳簿価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合には減損の検討を実施しております。帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを上回っていた場合には、帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを超過する金額について減損を認識しております。当社は、これらの見積りが合理的であると考えておりますが、実際の業績と異なる可能性があります。
b.のれんの減損処理
当社グループののれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、収益性が低下し、減損損失が発生する可能性があります。