有価証券報告書-第62期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、個人消費やインバウンド需要の回復を背景に緩やかな持ち直しを見せる一方、中東での紛争激化などの地政学的リスクの継続や資源価格の上昇により、依然として不透明な外部環境が続いています。当社グループでは、価格体系の見直しや業務の効率化に加え、人材投資およびAI活用の推進を通じて収益力の強化を図り、変化の激しい経営環境に柔軟かつ機動的に対応しながら、持続的な成長を目指してまいります。
このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)では、こうした足元のマクロ経済環境に注視しつつ、日本とアジアをつなぐゲートウェイとしての役割を担うという経営方針の下、継続して変化に対応できる会社体制の再構築を行い、中長期では再現性のある成長を実現する組織体制の構築に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は売上高8,213百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益197百万円(前年同期比314.7%増)、経常利益247百万円(前年同期比191.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益205百万円(前年同期比372.2%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<不動産事業>不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、ならびにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を、株式会社東京アパートメント保証において家賃保証事業を営んでおります。
レジデンス事業は、前年同期比でサブリース賃貸借契約の賃料水準に大きな変化はありませんでしたが、管理戸数物件の増加を要因として空室率が上昇したことにより前年と比べ家賃収入が減少となったのに対し、不動産売買事業においては、マンションオーナーの購入・売却ニーズを着実に取り込み、取扱件数の増加や案件採算の改善が進んだことから、売上高及び営業利益ともに前年同期比で増加いたしました。さらにレジデンス事業の周辺サービスである家賃保証事業につきましては、事業規模の拡大及び収益性の安定化が進展したことにより、前年同期比で増収増益を達成しております。
その結果、当連結会計年度の不動産事業の売上高は、レジデンス事業の周辺サービスの拡充を主要因として、6,850百万円(前年同期比6.7%増)となり、営業利益は312百万円(前年同期比24.4%増)となりました。
<ホテル事業>ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。
成田ゲートウェイホテル株式会社は、訪日外国人旅行者の増加などインバウンド需要の拡大という外部環境の追い風を受け、稼働率及び販売可能客室1室あたり売上はいずれも前四半期の平均を上回る水準で推移いたしました。こうした要因には、訪日外国人観光客の増加を背景としたインバウンド需要の回復、プライシング戦略による適切な価格設定を行ったことが挙げられます。一方で、業務委託費・人件費・動力光熱費の高騰に加え、当連結会計年度下半期に発生した中東米国情勢の地政学的リスクや中国団体のキャンセルなどインバウンド需要を大きく押し下げる要因がありましたが、当連結会計年度においては、前年同期比を上回る売上となり増収増益となりました。
株式会社倉敷ロイヤルアートホテルが所在する岡山県倉敷市では、歴史的街並みが残る美観地区を中心とした倉敷地区ならではの観光資源を背景に、国内外から安定した観光需要を獲得しております。こうした立地特性を活かし、団体営業の強化による安定的な集客を図るとともに、多様な国・地域からの訪日外国人観光客の誘客を進めることで、特定市場への依存を抑えた需要構造を構築しております。また、アートや文化をテーマとしたホテルコンセプトと地域資源を掛け合わせることで、倉敷滞在の付加価値を高め、観光需要の裾野拡大と収益性の向上を両立させております。これらの取り組みが奏功し、需要変動リスクの低減と収益基盤の安定化が進み、当連結会計年度においては、前年同期比を上回る売上となり、結果的に増収増益となりました。
こうした両ホテルの業績を合算した結果、成田ゲートウェイホテルプライシング戦略と倉敷ロイヤルアートホテルの観光需要の拡大により、セグメント全体では増収増益、当連結会計年度のホテル事業の売上高は1,311百万円(前年同期比15.2%増)となり、営業利益は98百万円(前年同期は営業損失30百万円)となりました。
<投資事業>当社グループの投資事業につきましては、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において国内投資事業を、STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.において海外投資事業を営んでおります。
当連結会計年度におきましては、世界的な経済・金融市場の先行き不透明感が継続する環境下、新規投資に関しては引き続き慎重なスタンスを維持しつつ、国内市場における成長余地の見極めを進めてまいりました。具体的には、中小企業の事業承継ニーズや、インバウンド需要の回復を背景とした観光関連分野を中心に、情報収集及び案件の精査を継続しております。また海外投資においては、国内に加え、南・東南アジア及び欧州を対象地域とし、スタートアップ投資を中心に検討を進めております。特に、アグリテック、ヘルステック、エンターテインメントといった分野に注目し、将来的な成長性や事業シナジーの観点から投資機会の探索を行ってまいりました。
M&Aグローバル・パートナーズ株式会社においては、当社が2025年6月16日に完了した第三者割当増資において取得した資金を活用し、地方観光地におけるヴィラ型宿泊施設の建設・運営を行う新規事業への投資を進めております。
STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.においては、シンガポールを拠点にこれまでの投資を基盤としたファンド組成を進行させており、2026年3月5日には、経営として参画しているOmusubi Capital VCCにて、同社が運営するOmusubi Venture Fund Iは、このたびファーストクローズを完了し、初回投資を実行しております。
この結果、当連結会計年度の投資事業の売上高は61百万円(前年同期比2,962.4%増)となり、営業利益は27百万円(前年同期は営業損失21百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,561百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円増加しました。これは主に関係会社短期貸付金が200百万円増加した一方で、現金及び預金が130百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は1,954百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円減少しました。これは主に長期貸付金が150百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は5,516百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,085百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円増加しました。これは主に契約負債が44百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が22百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は1,617百万円となり、前連結会計年度末に比べ373百万円減少しました。これは主に長期借入金307百万円、繰延税金負債76百万円が減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は2,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ332百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,814百万円となり、前連結会計年度末に比べ350百万円増加しました。これは主に第三者割当増資により資本金と資本剰余金を92百万円ずつ、親会社株主に帰属する当期純利益205百万円を計上したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、50.9%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は286百万円(前年同期は258百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益201百万円、減価償却費108百万円を加算要因とした一方で、法人税等の支払額63百万円などが減算要因となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は263百万円(前年同期は859百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出69百万円、出資金の払込による支出109百万円及び関係会社短期貸付けによる支出200百万円により使用された一方で、長期貸付金の回収による収入150百万円により獲得されたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は170百万円(前年同期は783百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による収入199百万円、株式の発行による収入184百万円があった一方で、長期借入金の返済550百万円、配当金の支払い40百万円による資金の支出があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは、生産を行う事業形態ではないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループでは、受注販売を行う事業形態ではないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度は、前年度に表明した「選択と集中」及び「地域創生」を中核とする中期方針のもと、グループ全体として実行フェーズへと本格的に移行した1年となりました。社会情勢の落ち着きと国内外の旅客需要の回復基調を背景に、不動産・ホテル・投資の各事業領域において、収益基盤の質的転換に向けた具体的な施策を着実に推進してまいりました。とりわけ、当連結会計年度末日後における倉敷ロイヤルアートホテルの事業譲渡、加賀地区における新たなホテル「ホテル・アローレ」の物件取得、ならびにOmusubi Venture Fund Iのファーストクローズ完了等は、当該方針の具現化を象徴する成果と位置づけております。あわせて、ガバナンス面においては監査等委員会設置会社への移行後も内部統制の高度化に継続的に取り組み、ホールディングスとしての統括機能と各事業会社の自律的執行機能の適切なバランスの維持・強化を図ってまいりました。
翌連結会計年度におきましては、引き続きグループガバナンス体制及び経営基盤を整備しつつ、外部環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できる持続可能な経営体制の確立を目指してまいります。中長期的な企業価値の向上を見据え、経営判断の質とスピードの両立を図るとともに、コーポレート・ガバナンスの実効性を一層高めるべく、取締役会の監督機能と業務執行の分離を徹底し、透明性の高い意思決定と説明責任を重視した経営体制の運営を継続してまいります。さらに、将来の不確実性を見据えたリスクマネジメント体制の高度化にも取り組み、変化を先取りし適応する企業文化の醸成を通じて、経営の持続可能性を高めてまいります。
なお、翌連結会計年度より、従来の「ホテル事業」を中核としつつ周辺領域へと拡張した取り組みを「ホテル・地域創生事業」として再定義し、報告セグメント名称を変更する予定であります。
不動産セグメントの主力であるレジデンス事業は、安定した市場環境のもと堅調に推移しており、当連結会計年度においては空室率が上昇し減収減益になったものの、レジデンス事業の周辺サービスの拡充に伴い前年同期比で増収増益を達成いたしました。翌連結会計年度においても大きな市況変動は想定しておらず、引き続き一都三県を中心とした首都圏全域において管理戸数の拡大を進めることで、安定収益の確保と持続的な成長の実現を図ってまいります。
また、周辺サービスである家賃保証事業は、事業規模の拡大及び収益性の安定化に伴い、不動産事業の収益源の新たな柱になりつつあります。今後は既存のレジデンス事業とのシナジーを一層深化させ、より効率的かつ付加価値の高いサービス提供を図ることで、グループ全体の収益基盤強化に寄与していくものと見込んでおります。
加えて、当連結会計年度においては、リフォーム及び空室再生機能を担うグループ会社として株式会社日本橋TAKUMIを設立し、不動産事業のバリューチェーンを内製化・拡張する取り組みに着手いたしました。翌連結会計年度より稼働させることで、原状回復・リノベーション領域における収益機会の取り込みと、レジデンス事業との連携による稼働率の維持・向上を同時に推進してまいります。
業界全体の課題であるデジタルトランスフォーメーションに関しても、顧客の潜在ニーズを取りこぼすことがないよう、引き続き業界を率先して取り組んでまいります。
ホテルセグメントの中核である成田ゲートウェイホテルでは、当連結会計年度において客室稼働率及び客室平均単価ともに前年を上回る水準で推移し、インバウンド需要の堅調な回復及び柔軟なプライシング戦略が奏功いたしました。また、運営オペレーションにおいては、空港送迎シャトルバスの自社運営化(2026年4月開始、自社車両及び自社雇用ドライバーによる運行体制への移行)、ならびにホテル直営カフェ「GATE CAFE」の直営化を実施し、外部委託に依拠した費用構造から自社運営によるサービス品質と収益性の同時向上へと転換を図っております。これら内製化施策は当連結会計年度末をもって概ね完了しており、翌連結会計年度においては内製化の効果を見込んでおります。
なお、成田空港の機能拡張計画により、当該地域は千葉県内でも成長が最も期待されるエリアと位置づけられ、空港関連を中心とした工事需要の増加及び地元金融機関・企業との連携の進展が見込まれております。当ホテルにおきましても、地域発展の機会を着実に取り込むべく、外部連携を一層強化してまいります。
同じくホテルセグメントの倉敷ロイヤルアートホテルでは、当連結会計年度の前半において集客が平常水準に回復し、宴会需要も回復基調を示したことにより、前年同期比で増収となりました。一方、グループ全体の「選択と集中」の方針に基づき、当連結会計年度末日後である2026年5月1日付にて、当該ホテルの事業を株式会社アイコニア・ホスピタリティへ譲渡することを決定し、同日付にて譲渡を完了しております。当該譲渡により得られる資金は、成田圏を中心とした成長投資、ならびに加賀地区における新規ホテル「ホテル・アローレ」の物件取得・運営原資へと機動的に再配分する方針であります。「ホテル・アローレ」は、当社グループが「地域創生」コンセプトのもとで運営する第二の中核拠点として位置づけており、地域文化と調和した宿泊体験の提供、ならびに周辺地域の事業者・自治体との協創を通じ、収益性の改善と企業価値向上の両立を目指してまいります。あわせて、熊本地区においてもヴィラホテルの組み入れに向けた検討を進めており、翌連結会計年度以降、地域創生セグメントの拠点ポートフォリオを段階的に拡充してまいります。
当社グループのホテル・地域創生事業は、それぞれの地域に根差し、その地域に活力を生み、多様なステークホルダーの協創の場となる空間の形成を目指しております。今後、成田、加賀、熊本といったそれぞれ特色の異なる地域において、これらの拠点が協創拠点としての役割を担い、地域社会に持続的な価値を提供できるよう取り組みを進めてまいります。
投資セグメントのStriders Global Investment Pte. Ltd.では、当連結会計年度中に、シンガポールを拠点とする「Omusubi Venture Fund I」のファーストクローズを完了し、南・東南アジアのスタートアップを対象とした投資活動を本格的に開始いたしました。当社内におけるファンド運営ノウハウは着実に蓄積されつつあり、翌連結会計年度においては当該ファンドの規模拡大及び新規投資案件の組成・実行を進めてまいります。
また、当社が持つ海外投資家ネットワークを活用し、当社グループの事業領域である不動産やホテル等を対象とした、日本国内へのインバウンド投資のファシリテートにも引き続き注力してまいります。
他方、財政状態の状況につきましては、資本効率を考慮した上で長期借入金を返済した結果、総負債は前連結会計年度末に比べ332百万円減少し、2,702百万円となった一方で、本業における利益計上や第三者割当増資に伴う増加がこれを上回り、純資産は前連結会計年度末に比べ350百万円増加し、2,814百万円となりました。また、長期借入金の返済により現金及び預金は減少したものの、総資産は前連結会計年度末に比べ18百万円増加の5,516百万円となりました。
経営方針、経営戦略ならびに経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等につきましては、当社グループでは事業の規模拡大と収益力の向上のために「売上高」と「営業利益」を採用しております。また、その他の指標等については、以下のとおりとなっております。
a.自己資本比率について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は50.9%となり、前連結会計年度末の44.8%より、6.1ポイント増加いたしました。これは、財政状態の状況において先述したとおり、当連結会計年度末における純資産が2,814百万円と前連結会計年度末に比べ350百万円増加し、また、総資産は5,516百万円と前連結会計年度末に比べ18百万円増加したことによります。当社グループとしましては、今後も資本効率に留意しながら、経営環境の変化に応じ、バランスの取れた自己資本の水準を維持してまいります。
b.デットエクイティレシオについて
当社グループの当連結会計年度末におけるデットエクイティレシオ(有利子負債/自己資本)は0.60倍となり、前連結会計年度末の0.80倍から0.20ポイント低下しております。これは、当連結会計年度において長期借入金を307百万円返済したことに起因するものであります。今後も、財務の健全性と機動的な資本政策の両立を図りながら、適切なデットエクイティレシオの維持に努めてまいります。
c.自己資本利益率について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本利益率は7.8%となり、前連結会計年度末の1.8%より6.0ポイント上昇いたしました。これは、経営成績の状況において先述したとおり、親会社株主に帰属する当期純利益が205百万円(前年同期比372.2%増)であったことによります。当社グループでは、市場における投資家の期待リターンを踏まえ、自己資本利益率10%を中期的な目標値として、収益性の向上及び資本効率の改善に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは286百万円の獲得となり、前連結会計年度比で27百万円の収入の増加となりました。これは、株式会社トラストアドバイザーズの営業活動によるキャッシュ・フローの増加と、成田ゲートウェイホテルの設備投資に伴う減価償却費の増加が主要因であります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは263百万円の支出となり、前連結会計年度比で595百万円の支出の減少となりました。これは、株式会社ホテル・アローレに対する業務支援の際に生じた貸付金の支出を主要因としております。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは170百万円の使用となり、前連結会計年度比で953百万円の減少となりました。これは、資本効率を考慮した上で長期借入金を返済したことを主要因としております。
こうした結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,980百万円となり、前連結会計年度比で131百万円減少しております。
当社グループのキャッシュ・フローは、主に事業会社における営業活動からの安定的な資金創出を基盤としており、これにより運転資金をはじめとする通常の資金需要を賄っております。加えて、企業価値の向上に資する成長投資については、グループ各社において金融機関から資金調達を実施する方針を取っており、機動的な対応を可能とするため、主要取引金融機関との良好かつ継続的な関係を構築・維持し、必要に応じた資金調達を可能とする体制を整えております。資金運営においては、自己資本比率やデットエクイティレシオ等の財務指標に基づいた健全性の確保を基本方針としており、調達手段の多様化・長期化を視野に入れた柔軟な財務戦略を推進しております。また、手元資金については、短期的な安全性と中長期的な成長機会を両立させる適切な水準の維持に努めており、余剰資金は安定的な株主還元や戦略的投資の原資として有効に活用してまいります。今後も引き続き、事業特性や外部環境の変化を踏まえながら、キャッシュ・フローの安定性と資金流動性の確保を両立し、財務基盤の強化と資本効率の向上に努めてまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える見積り及び仮定が必要になります。経営者はこれらの見積り及び仮定について、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積り及び仮定に基づく数値には特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、個人消費やインバウンド需要の回復を背景に緩やかな持ち直しを見せる一方、中東での紛争激化などの地政学的リスクの継続や資源価格の上昇により、依然として不透明な外部環境が続いています。当社グループでは、価格体系の見直しや業務の効率化に加え、人材投資およびAI活用の推進を通じて収益力の強化を図り、変化の激しい経営環境に柔軟かつ機動的に対応しながら、持続的な成長を目指してまいります。
このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)では、こうした足元のマクロ経済環境に注視しつつ、日本とアジアをつなぐゲートウェイとしての役割を担うという経営方針の下、継続して変化に対応できる会社体制の再構築を行い、中長期では再現性のある成長を実現する組織体制の構築に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は売上高8,213百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益197百万円(前年同期比314.7%増)、経常利益247百万円(前年同期比191.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益205百万円(前年同期比372.2%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<不動産事業>不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、ならびにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を、株式会社東京アパートメント保証において家賃保証事業を営んでおります。
レジデンス事業は、前年同期比でサブリース賃貸借契約の賃料水準に大きな変化はありませんでしたが、管理戸数物件の増加を要因として空室率が上昇したことにより前年と比べ家賃収入が減少となったのに対し、不動産売買事業においては、マンションオーナーの購入・売却ニーズを着実に取り込み、取扱件数の増加や案件採算の改善が進んだことから、売上高及び営業利益ともに前年同期比で増加いたしました。さらにレジデンス事業の周辺サービスである家賃保証事業につきましては、事業規模の拡大及び収益性の安定化が進展したことにより、前年同期比で増収増益を達成しております。
その結果、当連結会計年度の不動産事業の売上高は、レジデンス事業の周辺サービスの拡充を主要因として、6,850百万円(前年同期比6.7%増)となり、営業利益は312百万円(前年同期比24.4%増)となりました。
<ホテル事業>ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。
成田ゲートウェイホテル株式会社は、訪日外国人旅行者の増加などインバウンド需要の拡大という外部環境の追い風を受け、稼働率及び販売可能客室1室あたり売上はいずれも前四半期の平均を上回る水準で推移いたしました。こうした要因には、訪日外国人観光客の増加を背景としたインバウンド需要の回復、プライシング戦略による適切な価格設定を行ったことが挙げられます。一方で、業務委託費・人件費・動力光熱費の高騰に加え、当連結会計年度下半期に発生した中東米国情勢の地政学的リスクや中国団体のキャンセルなどインバウンド需要を大きく押し下げる要因がありましたが、当連結会計年度においては、前年同期比を上回る売上となり増収増益となりました。
株式会社倉敷ロイヤルアートホテルが所在する岡山県倉敷市では、歴史的街並みが残る美観地区を中心とした倉敷地区ならではの観光資源を背景に、国内外から安定した観光需要を獲得しております。こうした立地特性を活かし、団体営業の強化による安定的な集客を図るとともに、多様な国・地域からの訪日外国人観光客の誘客を進めることで、特定市場への依存を抑えた需要構造を構築しております。また、アートや文化をテーマとしたホテルコンセプトと地域資源を掛け合わせることで、倉敷滞在の付加価値を高め、観光需要の裾野拡大と収益性の向上を両立させております。これらの取り組みが奏功し、需要変動リスクの低減と収益基盤の安定化が進み、当連結会計年度においては、前年同期比を上回る売上となり、結果的に増収増益となりました。
こうした両ホテルの業績を合算した結果、成田ゲートウェイホテルプライシング戦略と倉敷ロイヤルアートホテルの観光需要の拡大により、セグメント全体では増収増益、当連結会計年度のホテル事業の売上高は1,311百万円(前年同期比15.2%増)となり、営業利益は98百万円(前年同期は営業損失30百万円)となりました。
<投資事業>当社グループの投資事業につきましては、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において国内投資事業を、STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.において海外投資事業を営んでおります。
当連結会計年度におきましては、世界的な経済・金融市場の先行き不透明感が継続する環境下、新規投資に関しては引き続き慎重なスタンスを維持しつつ、国内市場における成長余地の見極めを進めてまいりました。具体的には、中小企業の事業承継ニーズや、インバウンド需要の回復を背景とした観光関連分野を中心に、情報収集及び案件の精査を継続しております。また海外投資においては、国内に加え、南・東南アジア及び欧州を対象地域とし、スタートアップ投資を中心に検討を進めております。特に、アグリテック、ヘルステック、エンターテインメントといった分野に注目し、将来的な成長性や事業シナジーの観点から投資機会の探索を行ってまいりました。
M&Aグローバル・パートナーズ株式会社においては、当社が2025年6月16日に完了した第三者割当増資において取得した資金を活用し、地方観光地におけるヴィラ型宿泊施設の建設・運営を行う新規事業への投資を進めております。
STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.においては、シンガポールを拠点にこれまでの投資を基盤としたファンド組成を進行させており、2026年3月5日には、経営として参画しているOmusubi Capital VCCにて、同社が運営するOmusubi Venture Fund Iは、このたびファーストクローズを完了し、初回投資を実行しております。
この結果、当連結会計年度の投資事業の売上高は61百万円(前年同期比2,962.4%増)となり、営業利益は27百万円(前年同期は営業損失21百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,561百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円増加しました。これは主に関係会社短期貸付金が200百万円増加した一方で、現金及び預金が130百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は1,954百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円減少しました。これは主に長期貸付金が150百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は5,516百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,085百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円増加しました。これは主に契約負債が44百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が22百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は1,617百万円となり、前連結会計年度末に比べ373百万円減少しました。これは主に長期借入金307百万円、繰延税金負債76百万円が減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は2,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ332百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,814百万円となり、前連結会計年度末に比べ350百万円増加しました。これは主に第三者割当増資により資本金と資本剰余金を92百万円ずつ、親会社株主に帰属する当期純利益205百万円を計上したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、50.9%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は286百万円(前年同期は258百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益201百万円、減価償却費108百万円を加算要因とした一方で、法人税等の支払額63百万円などが減算要因となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は263百万円(前年同期は859百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出69百万円、出資金の払込による支出109百万円及び関係会社短期貸付けによる支出200百万円により使用された一方で、長期貸付金の回収による収入150百万円により獲得されたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は170百万円(前年同期は783百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による収入199百万円、株式の発行による収入184百万円があった一方で、長期借入金の返済550百万円、配当金の支払い40百万円による資金の支出があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは、生産を行う事業形態ではないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループでは、受注販売を行う事業形態ではないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 不動産事業(千円) | 6,839,229 | 6.6 |
| ホテル事業(千円) | 1,310,756 | 15.3 |
| 投資事業(千円) | 61,248 | 2,962.4 |
| 報告セグメント計(千円) | 8,211,234 | 8.7 |
| その他(千円) | 2,400 | △99.0 |
| 合計(千円) | 8,213,634 | 5.5 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度は、前年度に表明した「選択と集中」及び「地域創生」を中核とする中期方針のもと、グループ全体として実行フェーズへと本格的に移行した1年となりました。社会情勢の落ち着きと国内外の旅客需要の回復基調を背景に、不動産・ホテル・投資の各事業領域において、収益基盤の質的転換に向けた具体的な施策を着実に推進してまいりました。とりわけ、当連結会計年度末日後における倉敷ロイヤルアートホテルの事業譲渡、加賀地区における新たなホテル「ホテル・アローレ」の物件取得、ならびにOmusubi Venture Fund Iのファーストクローズ完了等は、当該方針の具現化を象徴する成果と位置づけております。あわせて、ガバナンス面においては監査等委員会設置会社への移行後も内部統制の高度化に継続的に取り組み、ホールディングスとしての統括機能と各事業会社の自律的執行機能の適切なバランスの維持・強化を図ってまいりました。
翌連結会計年度におきましては、引き続きグループガバナンス体制及び経営基盤を整備しつつ、外部環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できる持続可能な経営体制の確立を目指してまいります。中長期的な企業価値の向上を見据え、経営判断の質とスピードの両立を図るとともに、コーポレート・ガバナンスの実効性を一層高めるべく、取締役会の監督機能と業務執行の分離を徹底し、透明性の高い意思決定と説明責任を重視した経営体制の運営を継続してまいります。さらに、将来の不確実性を見据えたリスクマネジメント体制の高度化にも取り組み、変化を先取りし適応する企業文化の醸成を通じて、経営の持続可能性を高めてまいります。
なお、翌連結会計年度より、従来の「ホテル事業」を中核としつつ周辺領域へと拡張した取り組みを「ホテル・地域創生事業」として再定義し、報告セグメント名称を変更する予定であります。
不動産セグメントの主力であるレジデンス事業は、安定した市場環境のもと堅調に推移しており、当連結会計年度においては空室率が上昇し減収減益になったものの、レジデンス事業の周辺サービスの拡充に伴い前年同期比で増収増益を達成いたしました。翌連結会計年度においても大きな市況変動は想定しておらず、引き続き一都三県を中心とした首都圏全域において管理戸数の拡大を進めることで、安定収益の確保と持続的な成長の実現を図ってまいります。
また、周辺サービスである家賃保証事業は、事業規模の拡大及び収益性の安定化に伴い、不動産事業の収益源の新たな柱になりつつあります。今後は既存のレジデンス事業とのシナジーを一層深化させ、より効率的かつ付加価値の高いサービス提供を図ることで、グループ全体の収益基盤強化に寄与していくものと見込んでおります。
加えて、当連結会計年度においては、リフォーム及び空室再生機能を担うグループ会社として株式会社日本橋TAKUMIを設立し、不動産事業のバリューチェーンを内製化・拡張する取り組みに着手いたしました。翌連結会計年度より稼働させることで、原状回復・リノベーション領域における収益機会の取り込みと、レジデンス事業との連携による稼働率の維持・向上を同時に推進してまいります。
業界全体の課題であるデジタルトランスフォーメーションに関しても、顧客の潜在ニーズを取りこぼすことがないよう、引き続き業界を率先して取り組んでまいります。
ホテルセグメントの中核である成田ゲートウェイホテルでは、当連結会計年度において客室稼働率及び客室平均単価ともに前年を上回る水準で推移し、インバウンド需要の堅調な回復及び柔軟なプライシング戦略が奏功いたしました。また、運営オペレーションにおいては、空港送迎シャトルバスの自社運営化(2026年4月開始、自社車両及び自社雇用ドライバーによる運行体制への移行)、ならびにホテル直営カフェ「GATE CAFE」の直営化を実施し、外部委託に依拠した費用構造から自社運営によるサービス品質と収益性の同時向上へと転換を図っております。これら内製化施策は当連結会計年度末をもって概ね完了しており、翌連結会計年度においては内製化の効果を見込んでおります。
なお、成田空港の機能拡張計画により、当該地域は千葉県内でも成長が最も期待されるエリアと位置づけられ、空港関連を中心とした工事需要の増加及び地元金融機関・企業との連携の進展が見込まれております。当ホテルにおきましても、地域発展の機会を着実に取り込むべく、外部連携を一層強化してまいります。
同じくホテルセグメントの倉敷ロイヤルアートホテルでは、当連結会計年度の前半において集客が平常水準に回復し、宴会需要も回復基調を示したことにより、前年同期比で増収となりました。一方、グループ全体の「選択と集中」の方針に基づき、当連結会計年度末日後である2026年5月1日付にて、当該ホテルの事業を株式会社アイコニア・ホスピタリティへ譲渡することを決定し、同日付にて譲渡を完了しております。当該譲渡により得られる資金は、成田圏を中心とした成長投資、ならびに加賀地区における新規ホテル「ホテル・アローレ」の物件取得・運営原資へと機動的に再配分する方針であります。「ホテル・アローレ」は、当社グループが「地域創生」コンセプトのもとで運営する第二の中核拠点として位置づけており、地域文化と調和した宿泊体験の提供、ならびに周辺地域の事業者・自治体との協創を通じ、収益性の改善と企業価値向上の両立を目指してまいります。あわせて、熊本地区においてもヴィラホテルの組み入れに向けた検討を進めており、翌連結会計年度以降、地域創生セグメントの拠点ポートフォリオを段階的に拡充してまいります。
当社グループのホテル・地域創生事業は、それぞれの地域に根差し、その地域に活力を生み、多様なステークホルダーの協創の場となる空間の形成を目指しております。今後、成田、加賀、熊本といったそれぞれ特色の異なる地域において、これらの拠点が協創拠点としての役割を担い、地域社会に持続的な価値を提供できるよう取り組みを進めてまいります。
投資セグメントのStriders Global Investment Pte. Ltd.では、当連結会計年度中に、シンガポールを拠点とする「Omusubi Venture Fund I」のファーストクローズを完了し、南・東南アジアのスタートアップを対象とした投資活動を本格的に開始いたしました。当社内におけるファンド運営ノウハウは着実に蓄積されつつあり、翌連結会計年度においては当該ファンドの規模拡大及び新規投資案件の組成・実行を進めてまいります。
また、当社が持つ海外投資家ネットワークを活用し、当社グループの事業領域である不動産やホテル等を対象とした、日本国内へのインバウンド投資のファシリテートにも引き続き注力してまいります。
他方、財政状態の状況につきましては、資本効率を考慮した上で長期借入金を返済した結果、総負債は前連結会計年度末に比べ332百万円減少し、2,702百万円となった一方で、本業における利益計上や第三者割当増資に伴う増加がこれを上回り、純資産は前連結会計年度末に比べ350百万円増加し、2,814百万円となりました。また、長期借入金の返済により現金及び預金は減少したものの、総資産は前連結会計年度末に比べ18百万円増加の5,516百万円となりました。
経営方針、経営戦略ならびに経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等につきましては、当社グループでは事業の規模拡大と収益力の向上のために「売上高」と「営業利益」を採用しております。また、その他の指標等については、以下のとおりとなっております。
a.自己資本比率について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は50.9%となり、前連結会計年度末の44.8%より、6.1ポイント増加いたしました。これは、財政状態の状況において先述したとおり、当連結会計年度末における純資産が2,814百万円と前連結会計年度末に比べ350百万円増加し、また、総資産は5,516百万円と前連結会計年度末に比べ18百万円増加したことによります。当社グループとしましては、今後も資本効率に留意しながら、経営環境の変化に応じ、バランスの取れた自己資本の水準を維持してまいります。
b.デットエクイティレシオについて
当社グループの当連結会計年度末におけるデットエクイティレシオ(有利子負債/自己資本)は0.60倍となり、前連結会計年度末の0.80倍から0.20ポイント低下しております。これは、当連結会計年度において長期借入金を307百万円返済したことに起因するものであります。今後も、財務の健全性と機動的な資本政策の両立を図りながら、適切なデットエクイティレシオの維持に努めてまいります。
c.自己資本利益率について
当社グループの当連結会計年度末における自己資本利益率は7.8%となり、前連結会計年度末の1.8%より6.0ポイント上昇いたしました。これは、経営成績の状況において先述したとおり、親会社株主に帰属する当期純利益が205百万円(前年同期比372.2%増)であったことによります。当社グループでは、市場における投資家の期待リターンを踏まえ、自己資本利益率10%を中期的な目標値として、収益性の向上及び資本効率の改善に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは286百万円の獲得となり、前連結会計年度比で27百万円の収入の増加となりました。これは、株式会社トラストアドバイザーズの営業活動によるキャッシュ・フローの増加と、成田ゲートウェイホテルの設備投資に伴う減価償却費の増加が主要因であります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは263百万円の支出となり、前連結会計年度比で595百万円の支出の減少となりました。これは、株式会社ホテル・アローレに対する業務支援の際に生じた貸付金の支出を主要因としております。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは170百万円の使用となり、前連結会計年度比で953百万円の減少となりました。これは、資本効率を考慮した上で長期借入金を返済したことを主要因としております。
こうした結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,980百万円となり、前連結会計年度比で131百万円減少しております。
当社グループのキャッシュ・フローは、主に事業会社における営業活動からの安定的な資金創出を基盤としており、これにより運転資金をはじめとする通常の資金需要を賄っております。加えて、企業価値の向上に資する成長投資については、グループ各社において金融機関から資金調達を実施する方針を取っており、機動的な対応を可能とするため、主要取引金融機関との良好かつ継続的な関係を構築・維持し、必要に応じた資金調達を可能とする体制を整えております。資金運営においては、自己資本比率やデットエクイティレシオ等の財務指標に基づいた健全性の確保を基本方針としており、調達手段の多様化・長期化を視野に入れた柔軟な財務戦略を推進しております。また、手元資金については、短期的な安全性と中長期的な成長機会を両立させる適切な水準の維持に努めており、余剰資金は安定的な株主還元や戦略的投資の原資として有効に活用してまいります。今後も引き続き、事業特性や外部環境の変化を踏まえながら、キャッシュ・フローの安定性と資金流動性の確保を両立し、財務基盤の強化と資本効率の向上に努めてまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える見積り及び仮定が必要になります。経営者はこれらの見積り及び仮定について、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積り及び仮定に基づく数値には特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。