有価証券報告書-第88期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、「平和を愛し環境を重んじ文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意をもって接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。
当社グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。当社グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っております。同時に、当社グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。
また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の流通・販売を営む当社グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売促進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っております。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への当社の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。なお、社内の販売管理においては売上総利益に注視することで、より付加価値の高い商品の販売比率の向上へとつなげています。
また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。
過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。
(注)2021年3月期より表示方法の変更を行っており、2020年3月期の指標について、変更の内容を反映させた組替え後の数値を記載しております。
(3)経営環境及び対処すべき課題
2021年の紙・板紙の国内需要については、従来からの少子高齢化といった構造的な問題に加え、世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴う人流の抑制、イベント等の社会活動の自粛・縮小・停止といった流れは依然続いており、紙媒体のデジタル化はさらに加速するとともに、インバウンド需要の消滅に伴う観光用途でのパッケージ用紙等を中心に、市場全体の需要は引き続き低調に推移することが見込まれております。WHOによる新型コロナウイルスのパンデミック宣言から1年が経った2021年に入っても、日本国内でまん延防止等重点措置の適用にとどまらず、再び緊急事態宣言が発令される等、国内外での急速な経済の停滞により、先行きが不透明な状況が続いております。
このような厳しい事業環境の中、当社グループは、外部環境の大きな変化への対応と、中長期的な成長の視点から、危機を危機のまま捉えるのではなく、むしろ仕組みやターゲットの大幅な変革を試みることで新たな機会、チャンスへと転換すべく、「危機を機会に変えていく」「能動的に変えていく」を2022年3月期の経営方針に掲げています。そして引き続き、本業である和洋紙卸売業のさらなる強化を推し進めると同時に、新規取り組みへの挑戦、並びにESG経営の強化を課題として取り組んでまいります。
①既存事業の強化
昨今、デジタル化・IT化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3機能の中でも、情報を伝達する「Writing」機能としての紙の需要は縮小傾向が続いております。当社グループは紙の中でも、高付加価値の特殊紙を主力としておりますが、書籍の装丁や商品パッケージ等の「Wrapping」用途、さらには偽造防止技術等の高機能な技術紙については、比較的安定した需要が見込まれており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。2022年3月期からは、高級パッケージや機能紙等、今後も堅調な需要が見込める、あるいは需要増の期待できる領域へ向けて、商品シフトを加速していきます。販売促進活動においても、従来どおりお客様との直接のコミュニケーションを大切にしながら、紙についての決定権を持つデザイン・クリエイティブ部門や企画部門等との関係をさらに強化にしていきます。またコロナ禍で対面でのマーケティングや市場開拓が難しい中、SNS等のデジタル領域を活用した情報発信も効果的に進めていきます。
環境意識の高まりから脱プラスチックの流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、高級感のある紙素材に転換する需要が増してきています。また、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。
付加価値のある紙については、直接お客様に触れていただくことでその価値を訴求できるという点があります。コロナ禍での影響で先行き不透明な部分もあるものの、東京・大阪・名古屋のギャラリーでのイベントや顧客への説明は、しっかりと感染予防対策を講じた上で実施しつつ、コロナ禍の終息を見据えた需要の喚起にも努めてまいります。
②新規取り組みへの挑戦
コロナ禍もあり当社を取り巻く事業環境と顧客側の需要が大きく変化を続ける中で、これまでの延長線上で物事を考え行動するのではなく、新しい切り口で事業環境を見直し、新しいやり方や新しい仕事に着手してまいりました。当社内で新しい取り組みを進めると同時に、M&Aによる成長機会についても引き続き検討をしてまいります。具体的には、紙販売に近い領域になりますが、手元資金の水準を見ながら、当社の持続的成長に資する案件が出てきた際には、積極的に検討しながら、事業基盤を拡充してまいります。
2021年3月期より新たにセグメント化した不動産賃貸業においても、大阪、名古屋の遊休不動産の収益化や、好立地に位置する物流拠点・倉庫の有効活用を図ってまいります。
③ESG経営の強化
当社では、紙の流通を担う企業の使命として、「環境と共生できる紙」を『エコロジーペーパー』と位置づけ、再生紙や非木材紙、森林認証紙や間伐材紙、グリーン電力用紙等、さまざまな環境対応紙の開発並びに普及・販売に努めております。また、当社の環境対応紙の主力は森林認証紙であり、今後開発する新商品のほとんどを環境対応紙とすることで、環境対応紙比率をさらに高めるべく取り組んでおります。
2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する当社の8つの取り組みを公表しました。環境配慮型の紙の開発並びに普及・販売や、森林の活性化を通じて「陸の豊かさを守る」ことはもちろん、脱プラスチックの流れの中で、紙製品で代替できる分野を訴求することによって「海の豊かさを守る」ことも含めております。社会的な側面においても、ジェンダーの平等や社員の働きやすさの追求等にも、より一層踏み込んで推進してまいります。
また、一企業市民として、各種コンプライアンスの徹底やコーポレート・ガバナンスの構築・強化にも努めております。特にコーポレート・ガバナンスに関しては、形式的な部分ではまだ完全にはコーポレートガバナンス・コードの要求を満たしきれてはいないものの、その求めるところの本質的な考え方に沿って、当社の企業規模に合った形で有効となりうる企業運営を追求しております。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、「平和を愛し環境を重んじ文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意をもって接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。
当社グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。当社グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っております。同時に、当社グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。
また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の流通・販売を営む当社グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売促進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っております。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への当社の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。なお、社内の販売管理においては売上総利益に注視することで、より付加価値の高い商品の販売比率の向上へとつなげています。
また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。
過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 売上高営業利益率(%) | 1.0 | 1.1 | 1.3 | 1.0 | 0.1 |
| ROE(%) | 2.1 | 3.4 | 2.6 | 1.8 | △0.4 |
| ROA(%) | 1.0 | 1.6 | 1.3 | 0.9 | △0.2 |
(注)2021年3月期より表示方法の変更を行っており、2020年3月期の指標について、変更の内容を反映させた組替え後の数値を記載しております。
(3)経営環境及び対処すべき課題
2021年の紙・板紙の国内需要については、従来からの少子高齢化といった構造的な問題に加え、世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴う人流の抑制、イベント等の社会活動の自粛・縮小・停止といった流れは依然続いており、紙媒体のデジタル化はさらに加速するとともに、インバウンド需要の消滅に伴う観光用途でのパッケージ用紙等を中心に、市場全体の需要は引き続き低調に推移することが見込まれております。WHOによる新型コロナウイルスのパンデミック宣言から1年が経った2021年に入っても、日本国内でまん延防止等重点措置の適用にとどまらず、再び緊急事態宣言が発令される等、国内外での急速な経済の停滞により、先行きが不透明な状況が続いております。
このような厳しい事業環境の中、当社グループは、外部環境の大きな変化への対応と、中長期的な成長の視点から、危機を危機のまま捉えるのではなく、むしろ仕組みやターゲットの大幅な変革を試みることで新たな機会、チャンスへと転換すべく、「危機を機会に変えていく」「能動的に変えていく」を2022年3月期の経営方針に掲げています。そして引き続き、本業である和洋紙卸売業のさらなる強化を推し進めると同時に、新規取り組みへの挑戦、並びにESG経営の強化を課題として取り組んでまいります。
①既存事業の強化
昨今、デジタル化・IT化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3機能の中でも、情報を伝達する「Writing」機能としての紙の需要は縮小傾向が続いております。当社グループは紙の中でも、高付加価値の特殊紙を主力としておりますが、書籍の装丁や商品パッケージ等の「Wrapping」用途、さらには偽造防止技術等の高機能な技術紙については、比較的安定した需要が見込まれており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。2022年3月期からは、高級パッケージや機能紙等、今後も堅調な需要が見込める、あるいは需要増の期待できる領域へ向けて、商品シフトを加速していきます。販売促進活動においても、従来どおりお客様との直接のコミュニケーションを大切にしながら、紙についての決定権を持つデザイン・クリエイティブ部門や企画部門等との関係をさらに強化にしていきます。またコロナ禍で対面でのマーケティングや市場開拓が難しい中、SNS等のデジタル領域を活用した情報発信も効果的に進めていきます。
環境意識の高まりから脱プラスチックの流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、高級感のある紙素材に転換する需要が増してきています。また、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。
付加価値のある紙については、直接お客様に触れていただくことでその価値を訴求できるという点があります。コロナ禍での影響で先行き不透明な部分もあるものの、東京・大阪・名古屋のギャラリーでのイベントや顧客への説明は、しっかりと感染予防対策を講じた上で実施しつつ、コロナ禍の終息を見据えた需要の喚起にも努めてまいります。
②新規取り組みへの挑戦
コロナ禍もあり当社を取り巻く事業環境と顧客側の需要が大きく変化を続ける中で、これまでの延長線上で物事を考え行動するのではなく、新しい切り口で事業環境を見直し、新しいやり方や新しい仕事に着手してまいりました。当社内で新しい取り組みを進めると同時に、M&Aによる成長機会についても引き続き検討をしてまいります。具体的には、紙販売に近い領域になりますが、手元資金の水準を見ながら、当社の持続的成長に資する案件が出てきた際には、積極的に検討しながら、事業基盤を拡充してまいります。
2021年3月期より新たにセグメント化した不動産賃貸業においても、大阪、名古屋の遊休不動産の収益化や、好立地に位置する物流拠点・倉庫の有効活用を図ってまいります。
③ESG経営の強化
当社では、紙の流通を担う企業の使命として、「環境と共生できる紙」を『エコロジーペーパー』と位置づけ、再生紙や非木材紙、森林認証紙や間伐材紙、グリーン電力用紙等、さまざまな環境対応紙の開発並びに普及・販売に努めております。また、当社の環境対応紙の主力は森林認証紙であり、今後開発する新商品のほとんどを環境対応紙とすることで、環境対応紙比率をさらに高めるべく取り組んでおります。
2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する当社の8つの取り組みを公表しました。環境配慮型の紙の開発並びに普及・販売や、森林の活性化を通じて「陸の豊かさを守る」ことはもちろん、脱プラスチックの流れの中で、紙製品で代替できる分野を訴求することによって「海の豊かさを守る」ことも含めております。社会的な側面においても、ジェンダーの平等や社員の働きやすさの追求等にも、より一層踏み込んで推進してまいります。
また、一企業市民として、各種コンプライアンスの徹底やコーポレート・ガバナンスの構築・強化にも努めております。特にコーポレート・ガバナンスに関しては、形式的な部分ではまだ完全にはコーポレートガバナンス・コードの要求を満たしきれてはいないものの、その求めるところの本質的な考え方に沿って、当社の企業規模に合った形で有効となりうる企業運営を追求しております。