有価証券報告書-第47期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 16:52
【資料】
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【項目】
137項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の基本方針
当社グループは、「昨日より今日、今日より明日」をモットーに、日々成長していくことに励んでおります。総合建材メーカーとして、時代に合わせて進化するとともに、商品のデザイン性・機能性・コストに徹底したこだわりを持ち、お客様に満足していただける商品を提供することで、社会に貢献していくことをグループ経営の基本方針としております。アドヴァンの社名の由来は前進を意味するADVANCEからきております。固定概念や過去の成功体験にとらわれることなく、常に新しいチャレンジを行うことで社内に逆境を生み出し、次のステップに進んでいくこと、これこそが創業時からかわらぬアドヴァンらしさだと考えております。
(2)中長期的な経営戦略及び重視する財務指標等
当社グループは、ファブレスメーカーとしての特質を活かして高付加価値商品の開発と時代のニーズに対応した事業を展開するとともに、物流施設やショールーム施設への投資など、常に将来を見据えた事業戦略により、高い競争力と安定した収益の確保に努めております。また、自前主義に基づく積極的な設備投資が成長への原動力だと考えております。
① 世界の一級品を納得価格でお届けする建材のファブレスメーカー
当社グループは建材のファブレスメーカーとして、商品のデザイン性・機能性・コストに徹底したこだわりを持ち、お客様に満足いただける商品を常に提供しております。変化する時代や流行の中でお客様が求めるものは何かを常に考え続け、“建材のファブレスメーカー”として、建築・住宅・商業施設などの様々なユーザーに選ばれ続ける信頼と商品力を維持していくために、世界中の建材を製造する工場の中からトップ工場を選定して、日本のニーズや流行にあった商品の開発を行っております。
② 世界と日本を結ぶネットワーク
当社グループと世界のトップメーカー約350社は、長年の取引実績と固い信頼関係に基づく強固なパートナーシップで結ばれております。当社はパートナー企業から単純に商品を仕入れるだけでなく、共に商品開発に取り組んでおり、製造コストを下げつつ、商品の機能性、デザイン性を高めるために、当社グループとパートナー企業のコミュニケーションが最も大切であると考えております。この強固なパートナーシップのネットワークこそが、毎年発表する多数のオリジナル新商品の開発につながっているものと考えております。
③ 業界トップの営業スタッフ
商品の特性、施工方法からメンテナンス方法まで熟知した営業スタッフが全国8拠点におります。建材マーケットでは代理店方式で販売を行う企業が多い中で、当社は直接販売にこだわってきました。なぜなら、アドヴァンの取り扱う商品は、日本の建材マーケットで初めて登場する商品が多いため、販売前にしっかりとその商品特性をお客様にお伝えすることが⼤切だと考えております。また、営業スタッフがお客様からダイレクトにお話を伺うことで、市場のトレンドをいち早く掴み、その情報を在庫管理や商品開発に活かすことができます。
また、営業スタッフは毎年新商品が販売されるため、常に知識の蓄積に努めており、お客様に一番近い営業スタッフだからこそ、新商品の魅力をいち早くお客様に伝えるとともに、お客様の声を商品開発に活かすことができると考えております。
④ 成長のための継続的な投資
(イ)業界最大級のショールーム施設
営業拠点のうち、東京、大阪、名古屋、福岡、沖縄の5ヶ所はショールームを併設しており、なかでも、東京・原宿、大阪・本町及び名古屋・名駅のショールームは自社保有しております。特に東京・原宿と大阪・本町のショールームは、延床3000㎡以上と業界最大級の広さを有しております。
また、ショールームには毎年継続的に投資を行い、新商品の展示を含め新しく改装を行っております。豊富な種類の建材や施工例が陳列されているショールームは、カタログやネットでは伝えきれない本物の質感を見て、触って、実際に感じて頂けるようにして、多くのお客様の来場と顧客の基盤の拡大に努めております。
(ロ)最新鋭、かつ広大な物流センター施設
海外から輸入された商品は、茨城、三重、福岡の国内3ヶ所の⾃社物流倉庫に、商品特性に合うよう設計された
倉庫に、それぞれ別々に保管されており、本社とオンラインネットワークで結ばれた受発注システムにより、全国
のお客様に即日商品をお届けしております。また、設立以来物流システムには多額の設備投資を行ってきた結果、物流コストを大きく低減させており、この結果、お客様に世界の⼀級品を納得価格でお届けできる体制を⽀えてお
ります。そして国内3カ所に物流センターを分散させることで、災害時にもお客様へのスムーズな商品配送が可能
となっており、地震の多い日本だからこそ、このような備えがお客様の安⼼にも繋がっております。
⑤重視する財務指標等
当社グループは、為替予約により発生するデリバティブ評価損益の営業外損益への計上で、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は大きく変動してしまうため、営業利益(率)を、業績の重要指標として位置付けております。なお、過去5期平均の営業利益率は26.6%となります。
また、企業の経営効率を判断するうえで重要な指標となるROE(自己資本当期純利益率)の向上を意識しながら、財務体質の強化と企業価値の一層の向上に努めてまいります。なお、過去5期平均のROE(自己資本当期純利益率)は11.1%となります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界的に感染拡大が続く新型コロナウイルスの影響が経済・社会活動に大きな影響を及ぼしており、当面は新型コロナウイルスへの対応と、収束後の回復に向けた取り組みに追われるものと思われます。特に感染症と自粛の影響で消費の落ち込みや企業収益の悪化が進んでおり、国内外の事業環境は非常に厳しい状況が続くものと予想されます。
当社関連の建設業界におきましては、首都圏を中心に再開発案件は底堅い需要が続くと思われますが、建築、住宅、内装工事の一時中断や設備投資の見直しなども一部見受けられ、先行き不透明な状況が続くと思われます。
このような経営環境のなか、当社グループは総合建材メーカーとして海外トップメーカーと共同でオリジナル商品を開発するとともに、顧客基盤の強化と営業力の強化を図り、業績の拡大に努めてまいります。また、併せてシステム開発による効率化を推し進めるとともに、成長のための設備投資も継続しながら、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、景気悪化に伴う建築需要への影響などが考えられます。当社グループとしては引き続きリスクの軽減に努めて業績への影響を最小限に留めるとともに、収束後の事業活動を見据えながら引き続き事業基盤の強化に取り組んでまいります。
今後の課題としましては、引き続き利益重視の事業活動を展開しながら売上伸長を図るとともに、更なる事業の発展・拡大に取り組んでまいります。