有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 10:10
【資料】
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【項目】
167項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社是である「和を以て尊しと為す」を創業以来大切に想い、グループ理念として『安全安心で快適な「環境」と「信頼」をお届けする』を掲げています。
暮らしや産業、公共の社会基盤を支えることを使命と考え、管工機材と住宅設備資材等を販売することを通して、安全かつ快適な暮らしができる社会づくりに貢献することを経営の基本方針としています。
この基本方針のもと、持続的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーの「信頼と期待」に応えていく企業活動を実践してまいります。
(2)目標とする経営指標
主な経営指標としては、売上高の安定的な拡大及び収益力を示す営業利益、経常利益の向上を目標としております。一方で収益性だけでなく資本コストを意識し、資本効率指標となるROE(自己資本利益率)を重視しております。財務の健全性は、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の適正化、バランスシートのコントロールにより資産効率指標である自己資本比率の向上に、取り組んでいます。
(3)経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、設備投資やインバウンド需要に支えられ緩やかな回復基調で推移したものの、原材料価格の高騰や深刻な人手不足、継続的な物価上昇が個人消費や企業収益を強く圧迫いたしました。景況感は依然として停滞感が拭えず、予断を許さない状況が続いております。
住宅・建設業界におきましては、建設コストの上昇を背景とした新設住宅着工戸数の減少に加え、深刻な人手不足が一段と進展しております。広範な産業で賃上げ機運が高まる一方、建設・物流現場における労務コストの上昇を適正に価格転嫁することは極めて困難な課題となっております。資材価格の高止まりに伴うプロジェクトの中止や延期も相次いでおり、販売価格の上昇が表面上の売上高を押し上げる一方で、実需に基づく販売数量は減少傾向に転じる等、当社グループを取り巻く事業環境は極めて厳しい局面にあります。
特に、昨今の緊迫する中東情勢はエネルギー価格の不安定化を招き、石油化学系資材や住宅設備機器の価格高騰に拍車をかけております。これらに伴う受注制限や供給遅延のリスクは、単なるコスト増の枠を超え、サプライチェーン全体の機能不全を引き起こしかねない未曾有の危機として認識しております。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2024年度から2026年度を最終年度とする中期経営計画「Vision110」において、以下のビジョンを掲げて取り組んでおります。
現状、中東情勢の悪化による外部環境の急変により、商品の受注・供給が不安定な状態にあり、中計の最終目標となる2026年度(2027年3月期)業績予想を合理的に算出することが極めて困難な状況にあります。
このような事態に対し、当社グループは中計「Vision 110」の最終年度として、2026年1月に迎えた創業110周年を「110年目の新創業」と位置づけ、新体制のもと、以下の重点施策に注力してまいります。
<重点戦略>1)「供給責任」の完遂と信頼の構築
資材の受注制限が広がる困難な状況下において、商社としてメーカー各社との連携をより緊密に図るとともに、得意先一人ひとりと真摯にコミュニケーションを重ね、情報の透明性を高めることで「供給責任」を全ういたします。いかなる環境変化においても、お客様の現場を止めないためのベストパートナーであり続けることに注力いたします。
2)「両利きの経営」と材工受注の拡大
既存事業での安定供給を徹底(知の深化)するとともに、販売と施工を一体化させた「材工受注体制」を確立いたします。提供価値を「モノ」から「コト」へとシフトさせ、再開発や建替え需要等の成長領域(知の探索)における競争優位性を構築いたします。
3)「自律と変革」を尊ぶ企業文化の醸成
人事評価制度の刷新や次世代経営人財の育成を通じ、社員一人ひとりが自律的に考え、誠実に行動し、変革に挑み続けることのできる企業文化を定着させ、変化に強い組織へと進化してまいります。
<中計ビジョン>1)2026年1月に創業110周年を迎え、節目となる中計最終年度の2026年度に初の営業利益10億円をグループをあげて達成する。
2)企業価値の向上、持続的な成長に向けて、次の成長ステージのための基盤づくりをする。
<連結経営目標>
2025年3月期
実績
2026年3月期
実績
2027年3月期
中計最終年度予想
売上高36,550百万円37,323百万円未定
営業利益758百万円823百万円未定
ROE9.5%6.7%
自己資本比率30.7%30.4%
配当性向30.5%42.7%30%を基準とする基本方針

1 財務・資本戦略
当期(2026年3月期)実績においては、自己資本比率30.4%を維持し、安定的な財務基盤を確保いたしました。中計最終年度(2027年3月期)の業績予想につきましては、外部環境の急変により算定が困難な状況にありますが、株主還元については、連結配当性向30%を基準とする基本方針を堅持し、安定的な還元を継続してまいります。
なお、業績予想は算定が可能となった段階で、速やかに開示いたします。
2 営業・製販戦略
既存ビジネスに加え、次の成長ステージに向けた市場拡大とニーズが高まる分野への販売基盤を確立させてまいります。
2025年2月に工事種類19業種の建設業許可を取得したことから、工事を付加した材工受注の強化を促進します。建設業子会社クリテックとの合併(2026年4月20日公表)により経営資源の集約を図り、大阪・東京での営業展開を通じてシナジー効果を創出します。単なる「モノ(商品販売)」から「工(施工機能)」を組み合わせ、お客様の抱える人手不足や工期短縮といった課題を解決する「材工を融合させたソリューション提供(コト)型」へのシフトを加速させます。
さらに製造部門子会社のダイドレでは、独自のモノづくり機能を進化させていきます。その施策として、ステンレス、軟鋼、チタン、銅合金等、幅広い材質に対応可能な3Dプリンターを導入しました。先端技術を活用し、高付加価値な自社商品の開発を推進することで、独自の市場優位性を構築してまいります。
なお、太陽光・蓄電池等のサステナブル商材については、市場環境の激化により極めて厳しい状況にあるため、今後は顧客ニーズをさらに深掘りし、メーカーとの協業を強化して新分野の探索を進めてまいります。
3 物流戦略
戦略投資の第一弾として、2024年9月に約2,500坪の東海配送センターを稼働させました。お客様からの多様な物流ニーズへの対応や、戦略商材の集中購買時の保管倉庫として活用しております。今後は首都圏においても、東京配送センター及び各営業所倉庫のキャパシティ超過や老朽化、安全対策等の課題解消に加え、シェア拡大が期待できる主要得意先へのアクセスに適したエリアでのセンター増設を構想しております。
営業拠点の拡張移転については、中計期間内に段階的に実施しており、2025年5月に郡山営業所、同年11月に多摩営業所(旧八王子営業所)を開設いたしました。今後も物流ネットワークの最適化に向けた投資を惜しまず、供給難やコスト増のリスクが懸念される不透明な時代において「必要なものを確実に届ける」強靭な供給網を確立し、他社との圧倒的な差別化を図ります。
4 人的資本経営・人事戦略
人財を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すため、人財育成・能力開発と環境整備を推進しております。グループ全体での企業価値向上を目指し、統一した教育プログラム及び人事評価制度の整備に注力しております。
教育体制については、リスキリングを推進する階層別研修に加え、社外研修への自発的な受講も軌道に乗っております。また、次世代経営を担うエグゼクティブ人財の育成制度では、これまでに2代の卒業生を輩出いたしました。
評価制度においては、目標設定(社内KPI)や職位ごとのコンピテンシー(行動特性)を整備し、短期的思考から脱却する制度設計に取り組んでおります。
人事制度については、タレントマネジメントシステムを活用してキャリアを可視化し、最適な配置を行うとともに、「人財ポートフォリオ」を把握することで経営戦略と連動した人財マネジメントを目指しております。
5 コーポレートガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、コーポレートガバナンス・コードの各原則の実行を自律的に進め、企業としての“強み” へと昇華させます。2024年度より、中長期のインセンティブを付与する業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット:PSU)を導入いたしました。取締役は経営戦略に資する戦略テーマをKPIとして設定し、株主目線での経営を促進しております。
6 サステナビリティ経営の推進
当社グループは、「SDGs」への取り組みを通じて、サステナビリティに貢献することを基本方針として取り組んでいます。人事部内に設置された「サステナビリティ推進課」が、環境・社会・ガバナンスのテーマについて17の活動項目とKPIを設定して、グループ全体の取り組みを主導、旗振りを推進しています。
2025年度は、サステナビリティ知識を向上させるため、社内で知識習得研修を実施、そこから派生したメンバーで事業継続の課題解決MTGを継続実施し、年齢、職位別等でワークショップを開催、そこから抽出された組織課題に対し、事業継続に資する具体的な改善策を設定・実行する取り組みを開始しております。
なお、当社グループは、将来の持続的な成長のために「人的資本」や「物流再編」といった次の成長ステージのための基盤への投資を緩めず実行していくため、2027年4月からスタートする「新中期経営計画」の策定を開始しました。
不透明な時代にあっても、「安全安心で快適な『環境』と『信頼』をお届けする」の理念のもと、110年にわたり積み上げてきた「レガシー」を大切にしながら、新たな時代を切り拓く「変革スピリット」を常に持ち続け、社会から真に必要とされる企業グループであり続けるべく、経営を実践してまいります。

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