有価証券報告書-第38期(2022/11/01-2023/10/31)
①戦略
当社グループは「食の総合企業」として、お客様に安全・安心な「食」をお届けするため、食の安定供給と持続可能なサプライチェーンの構築、改善に取り組んでおります。
「食」を基幹事業とする当社グループにとって、地球温暖化による気候変動はサプライチェーンに多大な影響を与えることから、当社グループの安定かつ持続的な発展において、気候変動の抑制、その為の温室効果ガス削減は最も重要な課題の一つと考えております。
気候変動によって生じるリスクと機会の影響を把握するために、当社グループではシナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析方法
2030年において気候変動が及ぼす事業環境への影響を把握するため、4℃シナリオ及び1.5℃シナリオの2つのシナリオで分析しました。シナリオは気候変動による物理的なリスクの分析にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)から報告されているRCPシナリオと、脱炭素経済への移行に伴うリスクの分析にIEA(国際エネルギー機関)から報告されているシナリオを参考にしました(表1)。
<4℃シナリオ>4℃シナリオでは、異常気象の激甚化等の気候変動による物理的な影響が発生することが予想されます。リスクとしては、当社グループの事業所の被災による事業活動の停止や気候変動による作物の生育不良が挙げられました。当社グループとしては、国内外で製造拠点の分散化を進めており、災害の影響や作物の生育不良による調達難のリスク回避に努めています。
<1.5℃シナリオ>1.5℃シナリオでは、炭素税の導入や再エネ及び省エネに関する政策の推進等、脱炭素社会への移行に伴う影響を受けることが予想されます。当社グループ事業へのリスクとしては、炭素価格(炭素税・排出量取引制度)の導入や再エネ導入による操業コストの増加等が挙げられました。これに対し、当社グループは省エネ設備の導入や太陽光パネルの設置によって対応していくことを検討しています。一方で、機会としては、早期の省エネ・再エネ設備導入による購入電力量の削減や、環境への取り組みの推進による対外的な評価の向上が挙げられました。今後は継続的な設備導入及びエコ再生エネルギー事業による脱炭素社会への貢献を行うとともに、GHG排出量削減目標の設定等、情報開示の充実化を検討していきます。
当社グループは「食の総合企業」として、お客様に安全・安心な「食」をお届けするため、食の安定供給と持続可能なサプライチェーンの構築、改善に取り組んでおります。
「食」を基幹事業とする当社グループにとって、地球温暖化による気候変動はサプライチェーンに多大な影響を与えることから、当社グループの安定かつ持続的な発展において、気候変動の抑制、その為の温室効果ガス削減は最も重要な課題の一つと考えております。
気候変動によって生じるリスクと機会の影響を把握するために、当社グループではシナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析方法
2030年において気候変動が及ぼす事業環境への影響を把握するため、4℃シナリオ及び1.5℃シナリオの2つのシナリオで分析しました。シナリオは気候変動による物理的なリスクの分析にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)から報告されているRCPシナリオと、脱炭素経済への移行に伴うリスクの分析にIEA(国際エネルギー機関)から報告されているシナリオを参考にしました(表1)。
| 表1:各シナリオの概要と分析で参考にした気候変動シナリオ | ||
| 4℃シナリオ | 1.5℃シナリオ | |
| 概要 | 気候変動に対する政策は限定的で、2100年の気温上昇が産業革命前(19世紀後半)から4℃上昇するシナリオ。 | 積極的な脱炭素政策により2100年の気温上昇が産業革命前(19世紀後半)から1.5℃に抑えられるシナリオ。 |
| 異常気象の激甚化等、物理リスクの影響を受ける。気候変動に関する規制強化は行われないため、移行リスクの影響は小さい。 | 炭素税導入のような気候変動に関する政策や規制等、移行リスクの影響を受ける。物理リスクの影響は4℃シナリオに比べ相対的に小さい。 | |
| 参考シナリオ | 移行リスク:IEA STEPS | 移行リスク:IEA NZE・SDS |
| 物理リスク:IPCC RCP 8.5 | 物理リスク:IPCC RCP 2.6 | |
<4℃シナリオ>4℃シナリオでは、異常気象の激甚化等の気候変動による物理的な影響が発生することが予想されます。リスクとしては、当社グループの事業所の被災による事業活動の停止や気候変動による作物の生育不良が挙げられました。当社グループとしては、国内外で製造拠点の分散化を進めており、災害の影響や作物の生育不良による調達難のリスク回避に努めています。
<1.5℃シナリオ>1.5℃シナリオでは、炭素税の導入や再エネ及び省エネに関する政策の推進等、脱炭素社会への移行に伴う影響を受けることが予想されます。当社グループ事業へのリスクとしては、炭素価格(炭素税・排出量取引制度)の導入や再エネ導入による操業コストの増加等が挙げられました。これに対し、当社グループは省エネ設備の導入や太陽光パネルの設置によって対応していくことを検討しています。一方で、機会としては、早期の省エネ・再エネ設備導入による購入電力量の削減や、環境への取り組みの推進による対外的な評価の向上が挙げられました。今後は継続的な設備導入及びエコ再生エネルギー事業による脱炭素社会への貢献を行うとともに、GHG排出量削減目標の設定等、情報開示の充実化を検討していきます。
| 表2:シナリオ分析結果 | ||||||||
| 気候関連問題による影響 (リスク・機会) | 想定される事象 | 重要度評価 | 当社グループの取組 | |||||
| 4℃ シナリオ | 1.5℃ シナリオ | |||||||
| 脱炭素経済への移行に伴う影響 | リ ス ク | 政 策 ・ 規 制 | 炭素税や排出権取引の 導入 | 炭素税の導入により、自社事業活動に伴うGHG排出量に対して課税がなされ、操業コストが増加する。 | 小 | 大 | 工場 工場 工場 工場 工場 工場 工場 | 工場における太陽光パネルの設置 ガスコージェネレーションシステムの導入 生ごみ処理装置の導入 鶏糞ボイラーの導入 LED照明の導入 ガス燃料蒸気ボイラーへの切り替え 自然冷媒の冷凍庫の導入 |
| 排出権取引制度が導入・強化された場合に対応費の増加及び削減不足分のクレジット購入による支出が増加する。 | ||||||||
| GHG排出規制や化石燃料使用規制 | CO2及びフロンの排出規制に伴い、製造プロセスや店舗什器の変更対応コストが発生する。 | 小 | 中 | |||||
| 製造プロセスで使用する化石燃料が規制されることで、該当機器の代替コストが発生する。 | ||||||||
| プラスチック規制 | 規制準拠に伴い、プラスチック備品(梱包材・容器・レジ袋)の薄肉化や生分解性プラスチックへの切り替え等の対応コストが発生する。 | 小 | 中 | 店舗 工場 | エコバックの配布 大容量での販売による包材の削減 | |||
| サプライチェーンでの規制準拠への取り組みに伴い、商品の単価が上昇し、仕入れコストが増加する。 | ||||||||
| 食品リサイクル規制 | 食品リサイクル法等が強化された場合、製造プロセスや各店舗にて対応コストが発生する。 | 小 | 小 | 本部 工場 | フードバンクへの寄贈 工場での食品残渣の有効利用 | |||
| 再エネ・省エネ政策 | 再エネ需要の高まりにより再エネ価格が上昇した場合、電力等のエネルギーコストが増加する。 | 小 | 大 | 店舗 工場 工場 | 省エネ冷蔵冷凍什器の導入 省エネベルトの導入 工場屋根への遮熱塗料の塗布 | |||
| 省エネ政策の強化により、製造工程における高効率機器や店舗での省エネ設備(照明や什器)の導入コストが増加する。 | ||||||||
| 技 術 | 低炭素技術の進展 | 製造プロセスにおいて、低炭素技術が未導入の場合、レピュテーションリスクが発生する。 | 小 | 小 | ||||
| 低炭素技術の進展に伴い、省エネ法の目標が改訂され、それに応じて対応コストが発生する。 | ||||||||
| 市 場 | 原材料コストの変化 | 脱炭素社会への移行による法規制や市場の変化に伴い、原材料の調達コストが増加する。 | 小 | 中 | ― | |||
| 一般消費者の行動変化 | サステナブルフードの需要が増加し、該当商品の取扱いが無い場合、収益機会が減少する。 | 小 | 中 | 本部 店舗 | サステナブルフードの開発 サステナブルフードの導入 | |||
| 気候関連問題による影響 (リスク・機会) | 想定される事象 | 重要度評価 | 当社グループの取組 | |||||
| 4℃ シナリオ | 1.5℃ シナリオ | |||||||
| 脱炭素経済への移行に伴う影響 | 機 会 | 政 策 ・ 技 術 | 再エネ政策 再エネ技術の普及 | 再エネ需要の高まりにより、太陽光やバイオマス発電等のエコ再生エネルギー事業の収益機会が増加する。 効率の高い再エネ技術が普及することで、エコ再生エネルギー事業において収益性が向上する。 | 小 | 大 | ― | |
| 技 術 | 次世代技術の進展 | IoTシステムの発展により、自社GHG排出量の低下および業務効率化により支出が減少し、収益率が増加する。 | 小 | 中 | ― | |||
| 評 判 | 顧客・投資家からの評判 | 環境への取り組みが積極的であった場合、顧客や投資家からの評価が高まり、商品選好や投融資機会の増加が見込まれる。 | 小 | 大 | 本部 | TCFD提言に沿った情報開示 | ||
| 気候変動による物理的な影響 | リ ス ク | 急 性 | 異常気象の激甚化 | 台風や高潮等の異常気象が激甚化することで、各拠点への物理的損害や従業員に対する人的被害等が発生し、業績悪化につながる。 | 大 | 大 | 工場 工場 | 製造拠点の分散化 国内工場の内陸部への移転 |
| サプライチェーンが寸断されることで製造プロセスや店舗への商品配送に影響が及び、収益機会が減少する。 | ||||||||
| 慢 性 | 気候変動による作物への影響 | 気候変動による自然環境の変化により生育不良が発生し、調達面で対応コストが発生する。 | 中 | 中 | ||||