有価証券報告書-第75期(2022/04/01-2023/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等
① ジョーシングループの概要
当社グループは、「リアル店舗」「EC店舗」「サービスインフラ」が三位一体となり、家電機器・エンターテインメントを合わせた家電販売事業及びリフォーム・ホームメンテナンス事業を展開しております。「リアル店舗」「EC店舗」間での相互送客(リアル店舗→EC店舗:スマートショップコーナーの導入、EC店舗→リアル店舗:O2O施策)等により連携を深めつつ、「リアル・EC」の両店舗からの「配送、設置、工事」が伴う業務を当社の連結子会社であるジョーシンサービス株式会社が対応しております。
「リアル店舗」は、東名阪・北信越地区を中心に当連結会計年度末現在、216店舗を展開しております。新規出店偏重による拡大路線を回避し、既存店舗のスクラップアンドビルドによる収益力の強化に取り組んでおります。「リアル店舗」にご来店いただいたお客さまに対し、「高い接客力・きめ細やかな対応力」を兼ね備えた販売員による商品提案により、お客さまから高い評価をいただいております。
「EC店舗」は、充実した商品アイテム数を誇り、商品調達を担う商品部との連携を強化し、商品の見せ方等をこまめに変更するといったお客さまを飽きさせない作りこみを行うなど、丁寧な店舗作りに取り組んでおります。
「サービスインフラ」は、洗濯機、冷蔵庫、エアコンといった「配送、設置、工事」が伴う業務を主としており、それらを含めた製品情報を蓄積しております。また、業務を委託しております協力会社にも当社グループのCSマインドを理解するための研修の実施等を通じ、業務品質を維持向上し、お客さまのご自宅内における作業の担い手として、高いCS評価をいただいております。
② 経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等
現在、当家電販売業界を含む世間を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。少子高齢化がもたらす人口・世帯数の減少や高齢単身世帯の増加といった人口動態の変化、ICTの高度化、性別・年齢・国籍などに囚われず、それぞれの「個」を尊重し、認め合うというダイバーシティ&インクルージョンの浸透、さらには気候変動など、人を取り巻く社会構造や環境、価値観が大きく変化する中で、人々の生活様式も大きく変わろうとしております。
当社グループは、長期的な視点で未来を考え、社会のあるべき姿を思い描いて、経営理念を《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》に改定いたしました。
社会変化の現状と課題を踏まえた上で、当社グループの理念体系の根幹である社是「愛」(「常に相手の立場に立って考え行動する」の意)の基本精神に則り、「持続可能で誰ひとり取り残さない社会」を私たちの未来世代に引き継いでいきたいという思いを込めました。
そして、この新経営理念のもと、中長期的な視点からのバックキャストで、当社グループが中長期的に創造する2つの社会価値や経営ビジョン、7つのマテリアリティ(重要課題)等を特定いたしました。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
当社グループが企業価値を高め、持続的成長を果たしていくためには、投下資本を上回る「利益効率」を確保し、生み出されたアウトプットを再投資することで、さらなるリターンを生み出し続ける、このようなサイクルを回し続けることが求められます。当社グループは、3ヵ年(2023年度~2025年度)の新たな中期経営計画『JT-2025 経営計画』を策定いたしました。詳細は、「(3) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について」をご参照ください。
『JT-2025 経営計画』では、まず「収益力」の強化、いわゆる「稼ぐ力」の強化に取り組んでまいります。その上で「投資効率」を高いレベルで持続的に確保できる、筋肉質でサステナブルな経営体制への移行を目指してまいります。
(2) JT-2023 経営計画(2020年4月1日~2023年3月31日)について
当社グループは、2020年8月に3カ年の中期経営計画『JT-2023 経営計画』を公表し、一丸となって取り組んでまいりました。この計画は、当社グループの経営資源及び販売形態を有機的に統合・再編して、本業に一層磨きをかけるべく①各種販売チャネルの融合と、②人財ポテンシャルを引き出し、最大活用することを基本方針とし、営業キャッシュ・フローの創出と将来の成長に向けた投資の実行により、更なる発展に向けた強固な事業基盤の構築を目指した計画で、目標達成に向け具体的な戦略立案により、着実に計画を遂行してまいりました。しかしながら、ウクライナ問題に端を発する世界情勢の緊迫を背景とした原材料価格の高騰による各種製品や光熱費、サービスの相次ぐ値上げに、海外における金融機関の経営破綻等に代表される金融市場の不安定さも加わり、景気の先行きは極めて不透明な状態が続き、また、一昨年のコロナ禍における需要の前倒しの反動や、物価高に起因する消費の伸び悩み、行動制限緩和によるレジャー支出の増加等の影響を受け、自己資本比率及び配当性向以外の指標において未達となりました。
| (単位:百万円) | |||||
| 最終年度目標(2023年3月期) | 2023年3月期 | ||||
| 当初計画 | 修正計画 | 修正計画 | 実績 | ||
| 2020年8月7日公表 | 2021年5月7日公表 | 2022年5月6日公表 | |||
| 売上高 | 435,000 | 450,000 | 420,000 | 408,460 | |
| うちインターネット販売 | 70,000 | 80,000 | 80,000 | 75,552 | |
| 営業利益 | 11,500 | 16,500 | 10,000 | 8,311 | |
| 経常利益 | 11,500 | 16,500 | 10,000 | 8,317 | |
| 自己資本比率 | 45.0%以上 | 修正なし | 修正なし | 45.1% | |
| ROE | 7.0%以上 | 9.0%以上 | 7.0%以上 | 5.0% | |
| ROA | 5.5%以上 | 7.0%以上 | 5.0%以上 | 3.8% | |
| ROIC ※ | 5.5%以上 | 7.0%以上 | 5.0%以上 | 3.7% | |
| 配当性向 | 30.0%程度 | 修正なし | 修正なし | 40.2% | |
※ROIC(投下資本利益率)=営業利益×0.65(税率を0.35とした場合)/(純資産+有利子負債)
(3) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について
① JT-2025 経営計画策定の背景
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症に対する各種制限解除が進み、経済活動は回復傾向にあるものの、物価上昇に伴う消費マインドの停滞や、原材料費や人件費等の様々なコスト上昇等、景気の先行きについては依然として極めて不透明な状態が続くものと思われます。
当家電販売業界におきましても、新型コロナウイルス感染症に対する各種制限解除による消費動向の変化に加え、地域紛争激化等地政学的リスクの拡大、原材料高騰等に起因する各種経済指標の悪化、消費マインドの低下や可処分所得の減少等による需要の低迷から、同業者間の競争はますます激しくなることが予想されます。
このような状況下、当社グループは、3ヵ年(2023年度~2025年度)の新たな中期経営計画『JT-2025 経営計画』を策定いたしました。この中期経営計画は、「中長期の成長シナリオ」に基づき、2030年度までの8年間を一つのパッケージと位置づけ、2030年にあるべき姿「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」を達成するために、『お客さまの暮らしに寄り添う「コンシェルジュ」へ』をスローガンに掲げました。「お客さまの課題解決、お役立ち実現によって顧客生涯価値を創出し、当社グループに収益をもたらす持続可能なビジネスモデル」の確立を目指すもので、「ファンベース戦略」の実践(お客さまのファン化、コアファン化)とジョーシン経済圏(「リアル店舗」事業と「EC店舗」事業を核とするグループ全体の事業・サービスの集合体)の拡充を計画骨子としております。具体的な数値目標は、以下のとおりであります。
② JT-2025 経営計画 2026年3月期の計画値の算定にあたっての基本的な考え方及び連結目標数値
A.連結経営指標
「利益効率」を重視した「収益力」の強化により「営業利益率」を高め「投資効率」を向上・維持するための基盤を構築する
売上高 420,000百万円 (2023年3月期比102.8%)
営業利益 11,000百万円 (2023年3月期比132.4%)
売上高営業利益率 2.6% (2023年3月期 2.0%)
B.資本効率指標
「株主資本コスト」を上回る「ROE」、「加重平均資本コスト」を上回る「ROIC」を確保し長期的に持続することで「企業価値の向上」を目指す
ROE 8.0%以上 (2023年3月期 5.0%)
ROA 5.0%以上 (2023年3月期 3.8%)
ROIC(投下資本利益率) 5.0%以上 (2023年3月期 3.7%)
C.資本配分計画
未来への「成長投資」を中心に「株主還元」「有利子負債削減」への配分をキャッシュアロケーションの中でバランスよく実施し、資本効率を最適化
計画期間3カ年累計の営業キャッシュ・フロー 400億円~450億円
D.株主還元
配当性向30%以上を目安とし、安定的・持続的な還元を実施
配当性向 30.0%以上 (2023年3月期40.2%)