2023年7月には、これらの施策を着実に進めるために、従来の「商品軸」から「地域軸」へと組織の改編を実行し、「事業部門」「海外事業部門」を立ち上げ、国内・海外において事業を展開する地域単位での組織体制に改めて再編しました。さらに、機能面を支える組織として、「コーポレート部門」「ロジスティクス部門」「スペースプランニング部門(商品開発・調達・空間デザインなど)」を設置しました。
当社の主要商品である壁紙・塩ビシート等の出荷数量は、前述した国内市場全体の動きに影響を受けつつも概ね好調を維持し、市場シェアは着実に上昇しました。四半期ごとの推移としては、第1四半期は前年同期に第2次値上げ後の大幅な反動減があったことからの揺り戻し需要増があったのに対して、第2四半期は前年同期に第3次値上げ前の駆け込み需要があったことから出荷数量は前年同期比で減少しました。第3四半期は、第1四半期と同様に前年同期における第3次値上げ後の反動減に伴い、前年同期比では揺り戻し需要増が見られました。第4四半期には、前年同期比での反動増減はなく、新設住宅着工戸数が前年同期比で厳しい状況であったものの、着実にシェアを拡大しました。また、価格面では2022年4月・10月に実行した値上げ効果により、上期までの販売単価は前年同期比で上昇したものの、第3四半期以降においては前年同期比でほぼ同等となりました。その一方、仕入先における物流コスト及び人件費の増加や一部の原材料価格の上昇による仕入コストの増加が、売上総利益の減少要因となっています。また、中期経営計画に基づく成長戦略の施策として、ベースアップ等の処遇改善策を昨年4月に実行し、さらにキャリア採用を含めた専門人材の拡充やグループ会社と連携した室内外の空間提案力、物流・施工機能等の強化策、当社グループの新たな価値創造拠点の開設・準備等を進めた結果、当社単体を中心に販売費及び一般管理費が増加しました。海外セグメントにおいては、中国・香港事業は不動産市場の低迷による回復遅れ、東南アジア事業はシンガポールを中心に機能強化策によるコスト先行の状況となっているのに対して、当セグメント内において事業規模の大きい北米事業の黒字化により、セグメント損失は前年同期比で改善いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高189,859百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益19,103百万円(同5.8%減)、経常利益19,695百万円(同4.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,291百万円(同2.0%増)となりました。
2024/06/19 15:18