有価証券報告書-第72期(2023/04/01-2024/03/31)
(3)戦略、指標及び目標
当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりです。
・人材価値の向上に関する基本的な考え方
当社グループは、持続可能な企業価値の向上を追求しています。ここでの「企業価値」とは「人材価値の総和」に他なりません。経営において「人材価値の向上」は何よりも優先すべき課題と捉え、課題解決のためにさまざまな施策を実行しています。この基本的な考え方に基づき、長期ビジョン達成に向けた基本戦略においては経営・事業の基盤として「多様性のある人的資本」と、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]ではスペースクリエーション企業への転換に向けた5つの施策の中でも最も重要な施策として「人的資本の拡大・高度化・活躍支援」を位置付けています。
具体的な取り組みとしては、「人権方針」や「企業理念」あるいは「長期ビジョン」など当社グループの共通の価値観を全従業員と共有しています。また職務・職責に応じた人事制度の導入、年齢・性差・国籍などによらない能力基準の配置・登用、専門性のある人材のキャリア採用拡大、教育・研修の拡充を行うとともに、よりきめ細やかな人材マネジメントを行うため、2023年度より組織別人事担当者を配置しています。
長期ビジョン達成に向けた基本戦略

中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における施策

基本的な考え方に基づく、各方針や具体的施策、指標及び目標は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
※1 2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。詳細については、「6)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)」をご覧ください。
※2 男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。
1)人材育成
①人材育成方針
自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する
・社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する
・昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う
・計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う
②具体的な取組
ⅰ)キャリア採用
当社グループでは、中期経営計画(2023-2025)に掲げる「BX:Business Transformation」を起こすために高い専門能力を持つ人材が不可欠と考えています。専門能力には、積極的に取り入れるべき社外の知見と、当社グループでの長い経験によって培われる業界や商流、商品知識といった能力の2種類があります。スペースクリエーション企業を実現するためには、どちらも必要不可欠な能力であり、外部人材と既存人材の両面を高度化し、活躍の支援を行うことで新たな能力や企業風土を社内に育んでいきたいと考えています。多様な社外の視点を各現場に取り入れることにより、企業風土をこれまで以上に大きく変え、与えられた仕事に取り組むのではなく、自分自身が仕事を変える、新しいチャレンジを行うという文化・風土の強化を進めています。
ⅱ)組織別人事担当者の配置
「人材価値の向上」を推し進める上で、価値観の共有や人事制度の刷新、キャリア採用等の施策を実施するだけにとどまらず、これらの施策が機能し、社員一人ひとりが高い意欲を持って、能力を最大限発揮できる環境を整備することが重要となります。教育・研修、配置、異動等のキャリアデザイン全般について、きめ細かな人材マネジメントを行う人事担当者を各組織に配置し、社員一人ひとりを理解した上でのキャリアデザインサポートや適正な人材配置等を進めることで、組織全体の風土改革、意識改革のみならず、新たな事業機会の創出を目指しています。
ⅲ)人事制度改革
当社では「社員が経営を担う事業基盤の整備」を重要施策の一つとして人事制度改革を進めており、2022年4月には新たな人事制度の運用を開始しました。新人事制度では、管理職に対する任用を従来の「能力等級×役職」から「職務に対応するグレード制」へと変更することで、職務の目的・成果に応じた報酬体系を明確にしました。さらに、組織運営能力や経営力に特化した「マネジメント系」と高度専門的な能力を発揮する「プロ系」の2系統の職務グレードとすることで、キャリアの幅を広げ、専門人材の育成や強化、採用に備えます。
新たな制度は「職務型」の人事制度ですが、いわゆるステレオタイプのジョブ型とは異なります。新たな制度における「職務とそのグレード」は、時代に合ったもの、より競争力のある仕事・職務へと臨機応変に変えていく必要があり、基本的な部分はありつつも、常に変化していくものとしています。この新たな人事制度を活用し、さらに積極的な人材登用の機会を創出していきます。
また、報酬制度については2023年度には大卒初任給の3.5万円引上げをはじめとした全体のベースアップを実施しました。2024年度には大卒初任給を更に1.5万円引上げ、在籍社員にはグレード毎にメリハリをつけながらベースアップを行っており、市況の変化や役割に見合った処遇の実現に向けて、常に見直し・改善を進めています。
職務グレード・職能等級制度の全体像

ⅳ)教育・研修の拡充
教育・研修の拡充については、ビジネススキルや事業構築力・組織マネジメント力の強化を目的とした階層別研修のほか、デジタル人材育成、キャリアデザイン、職種別専門性強化などテーマに応じた研修を用意し、社員の成長意欲を高めるサポートをしています。2023年度からは、経営人材・次世代リーダー育成に向けた選抜研修、異業種交流の機会を大幅に増加させました。また、正社員と特別嘱託社員などを対象に、社員の自律的な学習を支援することを目的としたオンライン学習ツール「Udemy Business」を導入し、中期経営計画に掲げる人材活躍支援と専門性・事業構築力強化のための社員のリスキリングを促進させています。
主な研修テーマ(抜粋)
テーマに応じた目的別研修(抜粋)
その他、オンライン学習ツール(Udemy Business)をはじめ、資格取得の助成、表彰制度等により、社員が自ら主体的に学ぶ風土の醸成に努めております。
③指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
現在、単体の正社員は1,238名(2024年3月末時点)で、2024年4月1日には総合職・ロジスティクス職掌で63名を新卒採用しました。キャリア採用においては2023年度で49名を採用し、中期経営計画の目標である3年間合計(2023~2025年度)60~80名に対して、順調に進んでいる状況です。また、採用対象としては空間デザイナー、施工管理技士等を含めた施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等でキャリア採用を拡大している状況です。
・キャリア採用の進捗状況
※退職者数は、キャリア採用者における退職者を指します。
・部門別キャリア採用割合

2)ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(社内環境整備)
①サンゲツグループダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン基本方針
サンゲツグループを取り巻く国内外の外部環境の変化がますます激しくなる中で、強固な事業基盤を築き持続的な発展に繋げていくためには、多様化する需要分野・地域・お客さまに対し、多様な機能や商品、深い専門性をもったサービスの提供が不可欠です。
サンゲツグループは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進します。
背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげるDE&Iを経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいます。
②具体的な取組
ⅰ)多様な人材の活躍支援
当社では、従業員の多様性を活かすことで、一人ひとりの意欲や能力を最大限発揮することを目指し、新たな価値創造を組織にもたらすべく、経営戦略の一環としてさまざまな取り組みを行っています。多様な人材の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、障がい者雇用については、処遇改善や各組織でのトライアル雇用などに取り組んでいます。また、新卒の採用だけでなく、空間デザイナーや施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等において、キャリア採用を拡大し、人的資本を強化しています。
ⅱ)女性活躍支援
戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しています。女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的とし、人事部内にDE&I推進担当を配置し、目標達成に向け各種施策を展開しています。性別にかかわらず、社員の知見・経験や専門性を組織に活かすことを目指し、2021年度から3年間の行動計画に沿ってDE&Iを推進しました。なお、2024年4月1日以降においても新たな行動計画の策定を進めています。
女性活躍推進法に基づく行動計画(2021~2023年度)
実施策
ⅲ)LGBTQ+に関する取組
「サンゲツグループ人権方針」、「サンゲツグループダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン基本方針」を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認及び性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進することを社内外へ周知しています。こうした考えからLGBTQ+を積極的に支援するためのヘルプラインの設置やALLY(※)ステッカー掲示による意志表明支援などに取り組んでいます。2023年度には、全正社員(グループ会社管理職やその他社員は任意参加)を対象としたLGBTQ+研修の開催や、「同性パートナーシップ制度」導入などの取り組みが評価され、LGBTQ+に関する評価指標「PRIDE指標2023」において、当社としては初めてとなるゴールド認定を受けました。
※ALLY(アライ):LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人のこと。
サンゲツALLYステッカー

③指標及び目標
当社では、2023年度から2025年度までの中期経営計画[BX 2025]において、DE&Iにおける定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
※男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。
・女性管理職比率
当社では2025年度末までの女性管理職比率を25.0%以上とすることを目標として掲げています。2024年4月1日時点における女性管理職比率は21.2%となっています。
※人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。
・障がい者雇用率
障がいを持つ方の雇用率は3.5%(2024年3月末時点)と、法定雇用率2.3%(~2024年3月)を超える結果となっています。2025年度目標4.0%以上に向け、引き続き取り組みを進めてまいります。

・男性育児休業取得率
性別問わず、誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする共育ての体制整備として、男性育児休業取得を促進しています。現在、女性社員の育児休業取得率は100%となっており、男性社員においても、2025年度の目標取得率100%(2週間以上)を目指してまいります。
厚生労働省の定める定義に基づいた2023年度の男性育児休業取得率は82.8%となります。一方、当社が中期経営計画において定量目標としている男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定を含めて100%となります。
※男性育児休業取得率(育児休業には出生時育休を含む):
年度内に育児休業を取得した男性社員数÷年度内に配偶者が出産した男性社員数
④その他の参考指標(単体)
・平均勤続年数(各年度とも3月末時点)
社員一人ひとりが意欲を持って仕事にチャレンジできる、働きがいのある会社を目指しています。その結果を示す指標の一つとして、平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示しています。

3)働き方の見直し(社内環境整備)
①働き方に関する方針
サンゲツでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運用と、安全で働きやすい職場環境を確保する。
②具体的な取組
ⅰ)仕事と家庭の両立支援
社員が能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代の育成に貢献するため、社員の育児・介護を支援しています。介護に関するセミナーの実施、ベビーシッター・病児保育費用の助成、民間保育所との法人提携、また、子を持つ社員への理解促進や家庭内コミュニケーション促進のためのこども参観日の開催等、さまざまな施策で仕事と家庭の両立を支援しています。
育児・介護支援制度
ⅱ)働き方の多様性
当社では、社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善強化策を実施しています。フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な勤務制度をはじめ、「Google Workspace(※)」などICT技術の活用、ベビーシッター費用の助成、民間保育所との業務提携など、社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っています。また、当社グループの新たな価値創造の拠点として開設した東京日比谷の「PARCs Sangetsu Group Creative Hub」ではグループ機能の集約による事業の拡大だけでなく、働く社員と来訪者の“ウェルビーイング”につながる取り組みを推進しており、「WELL Building Standard™ v2」の予備認証を取得しました。現在は「ゴールド」レベルの本認証取得を目指し、働きやすい環境整備に向けた運用面などの調整を進めています。
※Googleが提供するクラウドコンピューティングで、生産性向上のためのグループウェアツール。
働きやすい環境づくりに向けた施策
③指標と目標
参考指標(単体)
・育児短時間勤務利用者数(各年とも4月1日時点)
仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境の整備の一環である「育児短時間勤務」の利用者数は以下のとおりです。

・ワーキングマザー比率(各年とも4月1日時点)
子育て期間中の社員が継続して就業できる制度や環境づくりを推進しています。女性社員におけるワーキングマザー比率は、年々増加しています。なお、2022年より、ワーキングマザーの定義を「子のいる女性社員全員」から、「18歳未満の子のいる女性社員」へと変更しています。
※ワーキングマザー比率:ワーキングマザー人数÷女性正社員人数
・有給休暇取得率

4)健康経営(社内環境整備)
①健康経営方針
健康に働き、人生を送る 「従業員が生き生きと働くために」
・心身の健康づくり(本人やその家族)
心身の健康づくりに向けた体制の充実、健康の保持・増進活動に取り組みます
・人生をより豊かに
健康経営により、本人やその家族、地域社会全体への幸せづくりに貢献します
・働きやすい環境づくり
安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保します
当社では、サンゲツグループ企業倫理憲章5原則のひとつに「従業員が生き生きと働くために」を掲げ、従業員の多様性、人格、個性を尊重し、従業員一人ひとりが会社経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運営と、安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保することに取り組んでいます。引き続き、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、健康の保持・増進活動に努めてまいります。
②健康経営推進体制
代表取締役 社長執行役員を健康管理最高責任者とし、人事部健康経営推進室の健康経営推進担当・保健師が中心となり、快適な職場環境と心身の健康づくりを実践するため、各事業所の健康経営推進担当、産業医と連携して従業員の健康保持・増進活動を展開しています。

③具体的な取組
当社では、従業員が生き生きと働くために安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、「計画年休の取得促進」「所定労働時間内全面禁煙実施」「全社員対象にしたストレスチェックの実施」など、健康の保持・増進活動に継続的に取り組んでいます。2019年には「サンゲツ健康保険組合」を設立し、健康経営に向けた組織体制を整備し、乳がん・子宮頸がん、前立腺がん(50歳以上男性)を含む人間ドックの全額補助開始および健康に関する情報発信や各種健康イベントの開催など、心身の健康づくりに向けた取り組みを強化しました。また、保険診療対象外である「先進医療制度」の治療を受ける社員の経済負担を軽減させる「がん先進医療補償制度」を導入し、従来進めている疾病予防・早期発見に向けた啓蒙活動と併せ、経済面からの「治療と仕事の両立」の支援制度を整えています。2023年度においては新たに胃カメラ受診の全額補助の開始や健康課題を健康保険組合と共有した上での、糖尿病予防プログラムの提供や歯科検診補助事業の開始、特定保健指導の積極的な推進といった「コラボヘルス事業」を進めています。また、2024年度からは脳健診や胸部CT、若年層向けの子宮頸がん検診への補助も開始しており、今後も安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。
これらの活動が評価され、当社は2020年以降5年連続で健康経営優良法人(大規模法人)に認定されました。

④指標及び目標
当社では、2023年度から2025年度までの中期経営計画[BX 2025]において、健康経営における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
・非喫煙率
継続的な取り組みにより喫煙率は減少傾向にありましたが、新規採用者の喫煙率の影響等もあり、2024年3月末時点では79.1%となっております。改めて禁煙への取り組みを強化していきます。

当社では、この他にも定期健康診断における有所見率やがん検診受診率といった数値に定量目標を設け、健康経営を推進しております。詳しい情報は当社Webサイトをご覧ください。
健康経営
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html
⑤その他の参考指標(単体)
・退職者数(年間・定年除く)/離職率
社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、不当な差別やハラスメントを禁止し、公正で明るい職場づくりに努めています。心身の健康が保てる職場環境の整備を推進しており、直近5年の離職率は低い水準を保っています。

・時間外労働時間の推移
多様な働き方を可能にするシステム・制度の積極的な導入、業務の見直しやアウトソーシングの推進により、時間外労働の低減を進めています。

・ストレスチェックの受検率と結果(高ストレス者比率)
直近年度においては、高ストレス者は10%程度となっています。定期的なストレスチェックにより、メンタルヘルス不調の未然防止・職場環境の改善に努めています。

5)労働安全衛生(社内環境整備)
①労働安全衛生基本方針
・社員の安全確保、健康増進を図り、安全で快適な職場づくりを推進する
・安全や心身の健康に関する法令、社内規定を遵守する
・労働災害、車両事故や交通違反の件数削減を推進する
②安全衛生管理体制
当社では、安全衛生担当取締役を、全社統括安全衛生管理者とし、全社の安全衛生を統括管理しています。全社統括安全衛生管理者の下に、全社安全衛生管理委員会をおき、その下に本社及び各支社とロジスティクスセンターの安全衛生管理委員会を設けています。安全衛生管理委員会では、総務部長または各支社長を委員長とし、衛生管理者、安全管理者、産業医、そして各部署から安全衛生委員を選出しており、当委員会での審議項目については、定期的に取締役会に報告しています。
さらに、身体的な作業が多く発生するロジスティクスセンター内における安全衛生活動は、別途定める「ロジスティクスマニュアル<安全衛生>」に基づき実施しています。また、同職場における請負会社への安全対応も、ロジスティクスセンター内の安全衛生活動の中で行っています。
なお、2024年度においては「東京支社・ロジスティクスセンター」から「PARCs・FIELDs・ロジスティクスセンター」に体制を見直しています。
③具体的な取組
・新入社員を対象とした安全衛生研修を行い、安全衛生の考え方や組織体制の理解、活動内容の周知、安否確認方法の訓練を行いました。(2023年度50名)
・労働災害が発生した場合には、該当部署が発生日を含め翌日までに「発生報告書」を作成、発生後1週間以内に「対策報告書」を作成し、対策会議を行った上で事務局に提出することで、発生状況の共有・管理と再発防止に努めています。
・国内で発生が懸念される地震などの大規模災害に向けた労働安全衛生の取り組みの一環として、2013年度より事業継続計画(BCP)の作成、飲料水・食料・トイレなどの備蓄品の整備に加え、全員参加型防災訓練や救命救急講習、AED講習会、安否確認サービスでの報告訓練などの対策を講じています。
・車両事故防止対策として、「ドライブレコーダー」と「SmartDrive Fleet」の全営業車両への設置、バックモニターや安全機能を標準装備した車両の段階的な導入を行うとともに、エコドライブの推進や交通違反に対する個別指導を行うなど危険運転の抑制を実施しています。
④参考指標(単体)
・労働災害度数率・強度率
当社では、従業員へ安全衛生教育を実施するとともに、労働災害などが発生した際には、速やかに発生状況を全社で共有し、各部署で再発防止対策を実施しています。2023年度の正社員の労働災害による死亡者数は0名でした。また労働災害による被災者数は4名で、そのうち休業被災者数は0名でした。
・度数率:100万のべ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数※(災害発生の頻度)
※休業1日以上及び身体の一部又は機能を失う労働災害による死傷者数
・強度率:1,000のべ実労働時間当たりの延べ労働損失日数(災害の重さの程度)
6)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)
企業の成長においては、社員が会社の方向性を理解・共感し、エンゲージメント高く働くことが必要不可欠であると考えています。当社では、全社員を対象とした「エンゲージメントサーベイ」を実施し、この結果を分析し組織・制度・風土等の改革に反映しており、中でも社員エンゲージメントに関する指標は、経営における重点項目として特に注視しております。
①具体的な取組
ⅰ)企業理念浸透プロジェクト
当社グループは2022年12月以降、希望者による「企業理念検討・浸透プロジェクト」を設け、グループ各社・各組織での議論ならびに取締役会においても検討を続けてきました。そして、2024年1月に最上位の概念としてPurpose(存在意義)を置き、それにより実現する未来像をDreamとして掲げるとともに、Purposeを形づくる企業としての信念をBelief、社員の姿勢をWayとする新たな企業理念を公表いたしました。
企業理念の策定後においても各部門、各社で企業理念の浸透プロジェクトが自発的に実施されており、企業理念が浸透していく過程で、企業風土や仕事の在り方を変えていき、ひいては企業活動の変革を進めるドライバーとなるよう取り組みが進んでいます。
ⅱ)社員エンゲージメント
エンゲージメントの醸成においては、経営層と社員、部署や役職、年代、地域を越えたコミュニケーションが欠かせませんが、当社では前社長の安田が、「YASUDAコラム」として決算業績やグループ会社の取得といった成長戦略に紐づくテーマから、時事・季節や趣味に関することまで、さまざまなメッセージを随時発信してきました。現社長の近藤においては、組織の根幹である人材が個人の能力とポテンシャルを最大限発揮し、部門、グループ会社などの枠組みを超えて共創する企業風土を醸成していくことを重要な課題として捉え、双方向性のある対話コンテンツとして「KONDO’s talk」を開始しました。また、社員との対話集会や新入社員・キャリア採用者との懇親会を開催するなど、多くの対話を通じて社員の意識の共有を図っています。
また、中期経営計画[BX 2025]において、「社内意識調査」を指標の一つとして掲げていましたが、データの見える化によるエンゲージメント構成要因の明確化やサーベイ結果に基づく具体的な改善策の実行等を目的として、2023年度以降については新たに「エンゲージメントサーベイ」を導入し、中期経営計画[BX 2025]における指標を「エンゲージメントスコア」に変更いたしました。2025年度の目標においては、2023年度実績であるエンゲージメントスコア「BB(スコア55.0未満)」を2段階上の「A(スコア61.0未満)」にすることを目指しています。
②指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。
なお、中期経営計画[BX 2025]発表時(2023年5月12日)の目標と過去の推移は以下の通りです。
・中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標(単体)
※社内意識調査における仕事のやりがい肯定率
・2023年度までの分析及び取組方針
社員エンゲージメントにおいて、この基本となる「自分の仕事にやりがいがあるか」という指数は、個人からチームへと営業目標を変更する中で、「個人」のやりがいが見えづらくなっていること等が一因となり低下傾向にありましたが、改善に向けたさまざまな働きかけにより、2023年度は74.3%へ改善いたしました。また、「チャレンジする風土」は継続して上昇しており、今後も継続的にこれらの数値を把握しながら、社員エンゲージメントの向上を目指してまいります。
設問「現在の自分の仕事にはやりがいがある。」

設問「課内には失敗を恐れずにチャレンジする雰囲気がある。」

当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりです。
・人材価値の向上に関する基本的な考え方
当社グループは、持続可能な企業価値の向上を追求しています。ここでの「企業価値」とは「人材価値の総和」に他なりません。経営において「人材価値の向上」は何よりも優先すべき課題と捉え、課題解決のためにさまざまな施策を実行しています。この基本的な考え方に基づき、長期ビジョン達成に向けた基本戦略においては経営・事業の基盤として「多様性のある人的資本」と、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]ではスペースクリエーション企業への転換に向けた5つの施策の中でも最も重要な施策として「人的資本の拡大・高度化・活躍支援」を位置付けています。
具体的な取り組みとしては、「人権方針」や「企業理念」あるいは「長期ビジョン」など当社グループの共通の価値観を全従業員と共有しています。また職務・職責に応じた人事制度の導入、年齢・性差・国籍などによらない能力基準の配置・登用、専門性のある人材のキャリア採用拡大、教育・研修の拡充を行うとともに、よりきめ細やかな人材マネジメントを行うため、2023年度より組織別人事担当者を配置しています。
長期ビジョン達成に向けた基本戦略

中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における施策

基本的な考え方に基づく、各方針や具体的施策、指標及び目標は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
| 項目 | 目標 | 2023年度実績 | |
| 社員の健康と能力開発、風土改革 | 非喫煙率 | 85%以上 | 79.1% |
| 人的資本投資額 | 3年間合計7億円 | 2.3億円 | |
| キャリア採用者数 | 3年間合計60~80名 | 49名 | |
| エンゲージメントスコア(※1) | 58.0(A) | 53.7(BB) | |
| ダイバーシティ、エクイティ& インクルージョンの推進 | 女性管理職比率 | 25.0%以上 | 21.2% |
| 障がい者雇用率 | 4.0%以上 | 3.5% | |
| 男性育休取得率 | 2週間以上100% | 2週間以上100%(※2) |
※1 2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。詳細については、「6)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)」をご覧ください。
※2 男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。
1)人材育成
①人材育成方針
自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する
・社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する
・昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う
・計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う
②具体的な取組
ⅰ)キャリア採用
当社グループでは、中期経営計画(2023-2025)に掲げる「BX:Business Transformation」を起こすために高い専門能力を持つ人材が不可欠と考えています。専門能力には、積極的に取り入れるべき社外の知見と、当社グループでの長い経験によって培われる業界や商流、商品知識といった能力の2種類があります。スペースクリエーション企業を実現するためには、どちらも必要不可欠な能力であり、外部人材と既存人材の両面を高度化し、活躍の支援を行うことで新たな能力や企業風土を社内に育んでいきたいと考えています。多様な社外の視点を各現場に取り入れることにより、企業風土をこれまで以上に大きく変え、与えられた仕事に取り組むのではなく、自分自身が仕事を変える、新しいチャレンジを行うという文化・風土の強化を進めています。
ⅱ)組織別人事担当者の配置
「人材価値の向上」を推し進める上で、価値観の共有や人事制度の刷新、キャリア採用等の施策を実施するだけにとどまらず、これらの施策が機能し、社員一人ひとりが高い意欲を持って、能力を最大限発揮できる環境を整備することが重要となります。教育・研修、配置、異動等のキャリアデザイン全般について、きめ細かな人材マネジメントを行う人事担当者を各組織に配置し、社員一人ひとりを理解した上でのキャリアデザインサポートや適正な人材配置等を進めることで、組織全体の風土改革、意識改革のみならず、新たな事業機会の創出を目指しています。
ⅲ)人事制度改革
当社では「社員が経営を担う事業基盤の整備」を重要施策の一つとして人事制度改革を進めており、2022年4月には新たな人事制度の運用を開始しました。新人事制度では、管理職に対する任用を従来の「能力等級×役職」から「職務に対応するグレード制」へと変更することで、職務の目的・成果に応じた報酬体系を明確にしました。さらに、組織運営能力や経営力に特化した「マネジメント系」と高度専門的な能力を発揮する「プロ系」の2系統の職務グレードとすることで、キャリアの幅を広げ、専門人材の育成や強化、採用に備えます。
新たな制度は「職務型」の人事制度ですが、いわゆるステレオタイプのジョブ型とは異なります。新たな制度における「職務とそのグレード」は、時代に合ったもの、より競争力のある仕事・職務へと臨機応変に変えていく必要があり、基本的な部分はありつつも、常に変化していくものとしています。この新たな人事制度を活用し、さらに積極的な人材登用の機会を創出していきます。
また、報酬制度については2023年度には大卒初任給の3.5万円引上げをはじめとした全体のベースアップを実施しました。2024年度には大卒初任給を更に1.5万円引上げ、在籍社員にはグレード毎にメリハリをつけながらベースアップを行っており、市況の変化や役割に見合った処遇の実現に向けて、常に見直し・改善を進めています。
職務グレード・職能等級制度の全体像

ⅳ)教育・研修の拡充
教育・研修の拡充については、ビジネススキルや事業構築力・組織マネジメント力の強化を目的とした階層別研修のほか、デジタル人材育成、キャリアデザイン、職種別専門性強化などテーマに応じた研修を用意し、社員の成長意欲を高めるサポートをしています。2023年度からは、経営人材・次世代リーダー育成に向けた選抜研修、異業種交流の機会を大幅に増加させました。また、正社員と特別嘱託社員などを対象に、社員の自律的な学習を支援することを目的としたオンライン学習ツール「Udemy Business」を導入し、中期経営計画に掲げる人材活躍支援と専門性・事業構築力強化のための社員のリスキリングを促進させています。
主な研修テーマ(抜粋)
| 研修テーマ | 対象者 |
| 経営執行力 事業構想・構築力 イノベーション力 | 役員・部門長(選抜) |
| 事業構想・構築力 発想力・イノベーション力 組織開発力 マネジメント力 | 部門長、課長(必須、一部選抜) |
| 次世代リーダー育成 発想力・イノベーション力 | 課長、中堅社員(選抜) |
| キャリアデザイン テクニカルスキル ヒューマンスキル コンセプチュアルスキル | 新入社員、若手・中堅社員、昇格者など (必須、一部任意) |
テーマに応じた目的別研修(抜粋)
| 研修名 | 対象者 | |
| LGBTQ+研修 | 全員 | |
| ハラスメント研修 (感情把握とコントロールのためのEQ研修) | 部門長、グループ会社マネージャー層 | |
| メンタルヘルス研修 | 部署責任者 | |
| キャリア研修 | 30歳・40歳・54歳到達時(任意) | |
| 職能別研修 | 各部門の対象者 | |
| デジタル人材強化 | 全員、一部各役職における選抜 |
その他、オンライン学習ツール(Udemy Business)をはじめ、資格取得の助成、表彰制度等により、社員が自ら主体的に学ぶ風土の醸成に努めております。
③指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
| 項目 | 目標 | 2023年度実績 | |
| 社員の健康と能力開発、風土改革 | 人的資本投資額 | 3年間合計7億円 | 2.3億円 |
| キャリア採用者数 | 3年間合計60~80名 | 49名 |
現在、単体の正社員は1,238名(2024年3月末時点)で、2024年4月1日には総合職・ロジスティクス職掌で63名を新卒採用しました。キャリア採用においては2023年度で49名を採用し、中期経営計画の目標である3年間合計(2023~2025年度)60~80名に対して、順調に進んでいる状況です。また、採用対象としては空間デザイナー、施工管理技士等を含めた施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等でキャリア採用を拡大している状況です。
・キャリア採用の進捗状況
※退職者数は、キャリア採用者における退職者を指します。・部門別キャリア採用割合

2)ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(社内環境整備)
①サンゲツグループダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン基本方針
サンゲツグループを取り巻く国内外の外部環境の変化がますます激しくなる中で、強固な事業基盤を築き持続的な発展に繋げていくためには、多様化する需要分野・地域・お客さまに対し、多様な機能や商品、深い専門性をもったサービスの提供が不可欠です。
サンゲツグループは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進します。
背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげるDE&Iを経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいます。
②具体的な取組
ⅰ)多様な人材の活躍支援
当社では、従業員の多様性を活かすことで、一人ひとりの意欲や能力を最大限発揮することを目指し、新たな価値創造を組織にもたらすべく、経営戦略の一環としてさまざまな取り組みを行っています。多様な人材の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、障がい者雇用については、処遇改善や各組織でのトライアル雇用などに取り組んでいます。また、新卒の採用だけでなく、空間デザイナーや施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等において、キャリア採用を拡大し、人的資本を強化しています。
ⅱ)女性活躍支援
戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しています。女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的とし、人事部内にDE&I推進担当を配置し、目標達成に向け各種施策を展開しています。性別にかかわらず、社員の知見・経験や専門性を組織に活かすことを目指し、2021年度から3年間の行動計画に沿ってDE&Iを推進しました。なお、2024年4月1日以降においても新たな行動計画の策定を進めています。
女性活躍推進法に基づく行動計画(2021~2023年度)
| 目的 | 女性社員が長く働き続け、自身の強みを活かし、活躍できる組織及びそれを応援する風土の実現 |
| 計画期間 | 2021年4月1日~2024年3月31日までの3年間 |
| 目標①(定量) | 管理職層に占める女性割合を2022年度までに20%とする |
| 目標②(定量) | 正社員の有給休暇取得率を75%以上とする |
| 目標③(定性) | 社員全体の長時間労働是正 |
実施策
| キャリア形成支援 | ・女性社員及び、上司に対するキャリア形成支援と支援スキル向上研修の導入 ・多様なキャリア選択が可能な人事制度検討 |
| 男女格差の解消 | ・男性育児休職制度の整備と取得啓蒙 |
| 働き方改革の継続実施 | ・テレワーク勤務等、柔軟な働き方に関わる制度の再整備と拡充及び、積極活用の促進 ・業務効率化のためのDX推進 |
ⅲ)LGBTQ+に関する取組
「サンゲツグループ人権方針」、「サンゲツグループダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン基本方針」を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認及び性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進することを社内外へ周知しています。こうした考えからLGBTQ+を積極的に支援するためのヘルプラインの設置やALLY(※)ステッカー掲示による意志表明支援などに取り組んでいます。2023年度には、全正社員(グループ会社管理職やその他社員は任意参加)を対象としたLGBTQ+研修の開催や、「同性パートナーシップ制度」導入などの取り組みが評価され、LGBTQ+に関する評価指標「PRIDE指標2023」において、当社としては初めてとなるゴールド認定を受けました。
※ALLY(アライ):LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人のこと。
サンゲツALLYステッカー

③指標及び目標
当社では、2023年度から2025年度までの中期経営計画[BX 2025]において、DE&Iにおける定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
| 項目 | 目標 | 2023年度実績 | |
| ダイバーシティ、エクイティ& インクルージョンの推進 | 女性管理職比率 | 25.0%以上 | 21.2% |
| 障がい者雇用率 | 4.0%以上 | 3.5% | |
| 男性育休取得率 | 2週間以上100% | 2週間以上100%(※) |
※男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。
・女性管理職比率
当社では2025年度末までの女性管理職比率を25.0%以上とすることを目標として掲げています。2024年4月1日時点における女性管理職比率は21.2%となっています。
※人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。・障がい者雇用率
障がいを持つ方の雇用率は3.5%(2024年3月末時点)と、法定雇用率2.3%(~2024年3月)を超える結果となっています。2025年度目標4.0%以上に向け、引き続き取り組みを進めてまいります。

・男性育児休業取得率
性別問わず、誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする共育ての体制整備として、男性育児休業取得を促進しています。現在、女性社員の育児休業取得率は100%となっており、男性社員においても、2025年度の目標取得率100%(2週間以上)を目指してまいります。
厚生労働省の定める定義に基づいた2023年度の男性育児休業取得率は82.8%となります。一方、当社が中期経営計画において定量目標としている男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定を含めて100%となります。
※男性育児休業取得率(育児休業には出生時育休を含む):年度内に育児休業を取得した男性社員数÷年度内に配偶者が出産した男性社員数
④その他の参考指標(単体)
・平均勤続年数(各年度とも3月末時点)
社員一人ひとりが意欲を持って仕事にチャレンジできる、働きがいのある会社を目指しています。その結果を示す指標の一つとして、平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示しています。

3)働き方の見直し(社内環境整備)
①働き方に関する方針
サンゲツでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運用と、安全で働きやすい職場環境を確保する。
②具体的な取組
ⅰ)仕事と家庭の両立支援
社員が能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代の育成に貢献するため、社員の育児・介護を支援しています。介護に関するセミナーの実施、ベビーシッター・病児保育費用の助成、民間保育所との法人提携、また、子を持つ社員への理解促進や家庭内コミュニケーション促進のためのこども参観日の開催等、さまざまな施策で仕事と家庭の両立を支援しています。
育児・介護支援制度
| 妊娠・出産 | 育休中 | 育児 | 介護 |
| 産前・産後休業 | ・育児休業者支援プログラム (上司面接・ 育児サポートセミナー) ・育児休職の一部有給化 | ・育児短時間勤務制度 (小学2年生始期まで) ・民間保育所の法人提携 ・病児保育サービス費用助成 ・ベビーシッター費用補助制度 ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 | ・介護休業 (法定+最長1年まで延長可) ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 |
ⅱ)働き方の多様性
当社では、社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善強化策を実施しています。フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な勤務制度をはじめ、「Google Workspace(※)」などICT技術の活用、ベビーシッター費用の助成、民間保育所との業務提携など、社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っています。また、当社グループの新たな価値創造の拠点として開設した東京日比谷の「PARCs Sangetsu Group Creative Hub」ではグループ機能の集約による事業の拡大だけでなく、働く社員と来訪者の“ウェルビーイング”につながる取り組みを推進しており、「WELL Building Standard™ v2」の予備認証を取得しました。現在は「ゴールド」レベルの本認証取得を目指し、働きやすい環境整備に向けた運用面などの調整を進めています。
※Googleが提供するクラウドコンピューティングで、生産性向上のためのグループウェアツール。
働きやすい環境づくりに向けた施策
| 働き方の柔軟性 | コアタイム無しのフレックスタイム勤務や在宅勤務、時差勤務や時間単位の有給休暇制度等、職種や職場環境に応じて活用しやすい制度を整備。サテライトオフィスやグループ会社のオフィス利用を可能とし、働く場所の選択肢を拡充。 |
| 過重労働の防止 | PCログによる労働時間の可視化やPC自動シャットダウン時間の設定、Google Workspaceを活用し、リモート会議やチャット機能による円滑なコミュニケーション、お互いの業務状況を共有することで、業務をシェアし過重労働を防止。保健師や産業医への相談窓口の設置。 |
| オフィス環境 | 敷地内の全面禁煙の実施、グループアドレスの推進やコミュニケーションエリアの設置等、働きやすいオフィス環境の整備。 |
③指標と目標
参考指標(単体)
・育児短時間勤務利用者数(各年とも4月1日時点)
仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境の整備の一環である「育児短時間勤務」の利用者数は以下のとおりです。

・ワーキングマザー比率(各年とも4月1日時点)
子育て期間中の社員が継続して就業できる制度や環境づくりを推進しています。女性社員におけるワーキングマザー比率は、年々増加しています。なお、2022年より、ワーキングマザーの定義を「子のいる女性社員全員」から、「18歳未満の子のいる女性社員」へと変更しています。
※ワーキングマザー比率:ワーキングマザー人数÷女性正社員人数・有給休暇取得率

4)健康経営(社内環境整備)
①健康経営方針
健康に働き、人生を送る 「従業員が生き生きと働くために」
・心身の健康づくり(本人やその家族)
心身の健康づくりに向けた体制の充実、健康の保持・増進活動に取り組みます
・人生をより豊かに
健康経営により、本人やその家族、地域社会全体への幸せづくりに貢献します
・働きやすい環境づくり
安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保します
当社では、サンゲツグループ企業倫理憲章5原則のひとつに「従業員が生き生きと働くために」を掲げ、従業員の多様性、人格、個性を尊重し、従業員一人ひとりが会社経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運営と、安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保することに取り組んでいます。引き続き、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、健康の保持・増進活動に努めてまいります。
②健康経営推進体制
代表取締役 社長執行役員を健康管理最高責任者とし、人事部健康経営推進室の健康経営推進担当・保健師が中心となり、快適な職場環境と心身の健康づくりを実践するため、各事業所の健康経営推進担当、産業医と連携して従業員の健康保持・増進活動を展開しています。

③具体的な取組
当社では、従業員が生き生きと働くために安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、「計画年休の取得促進」「所定労働時間内全面禁煙実施」「全社員対象にしたストレスチェックの実施」など、健康の保持・増進活動に継続的に取り組んでいます。2019年には「サンゲツ健康保険組合」を設立し、健康経営に向けた組織体制を整備し、乳がん・子宮頸がん、前立腺がん(50歳以上男性)を含む人間ドックの全額補助開始および健康に関する情報発信や各種健康イベントの開催など、心身の健康づくりに向けた取り組みを強化しました。また、保険診療対象外である「先進医療制度」の治療を受ける社員の経済負担を軽減させる「がん先進医療補償制度」を導入し、従来進めている疾病予防・早期発見に向けた啓蒙活動と併せ、経済面からの「治療と仕事の両立」の支援制度を整えています。2023年度においては新たに胃カメラ受診の全額補助の開始や健康課題を健康保険組合と共有した上での、糖尿病予防プログラムの提供や歯科検診補助事業の開始、特定保健指導の積極的な推進といった「コラボヘルス事業」を進めています。また、2024年度からは脳健診や胸部CT、若年層向けの子宮頸がん検診への補助も開始しており、今後も安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。
これらの活動が評価され、当社は2020年以降5年連続で健康経営優良法人(大規模法人)に認定されました。

④指標及び目標
当社では、2023年度から2025年度までの中期経営計画[BX 2025]において、健康経営における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
| 項目 | 目標 | 2023年度実績 | |
| 社員の健康と能力開発、風土改革 | 非喫煙率 | 85%以上 | 79.1% |
・非喫煙率
継続的な取り組みにより喫煙率は減少傾向にありましたが、新規採用者の喫煙率の影響等もあり、2024年3月末時点では79.1%となっております。改めて禁煙への取り組みを強化していきます。

当社では、この他にも定期健康診断における有所見率やがん検診受診率といった数値に定量目標を設け、健康経営を推進しております。詳しい情報は当社Webサイトをご覧ください。
健康経営
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html
⑤その他の参考指標(単体)
・退職者数(年間・定年除く)/離職率
社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、不当な差別やハラスメントを禁止し、公正で明るい職場づくりに努めています。心身の健康が保てる職場環境の整備を推進しており、直近5年の離職率は低い水準を保っています。

・時間外労働時間の推移
多様な働き方を可能にするシステム・制度の積極的な導入、業務の見直しやアウトソーシングの推進により、時間外労働の低減を進めています。

・ストレスチェックの受検率と結果(高ストレス者比率)
直近年度においては、高ストレス者は10%程度となっています。定期的なストレスチェックにより、メンタルヘルス不調の未然防止・職場環境の改善に努めています。

5)労働安全衛生(社内環境整備)
①労働安全衛生基本方針
・社員の安全確保、健康増進を図り、安全で快適な職場づくりを推進する
・安全や心身の健康に関する法令、社内規定を遵守する
・労働災害、車両事故や交通違反の件数削減を推進する
②安全衛生管理体制
当社では、安全衛生担当取締役を、全社統括安全衛生管理者とし、全社の安全衛生を統括管理しています。全社統括安全衛生管理者の下に、全社安全衛生管理委員会をおき、その下に本社及び各支社とロジスティクスセンターの安全衛生管理委員会を設けています。安全衛生管理委員会では、総務部長または各支社長を委員長とし、衛生管理者、安全管理者、産業医、そして各部署から安全衛生委員を選出しており、当委員会での審議項目については、定期的に取締役会に報告しています。
さらに、身体的な作業が多く発生するロジスティクスセンター内における安全衛生活動は、別途定める「ロジスティクスマニュアル<安全衛生>」に基づき実施しています。また、同職場における請負会社への安全対応も、ロジスティクスセンター内の安全衛生活動の中で行っています。
なお、2024年度においては「東京支社・ロジスティクスセンター」から「PARCs・FIELDs・ロジスティクスセンター」に体制を見直しています。③具体的な取組
・新入社員を対象とした安全衛生研修を行い、安全衛生の考え方や組織体制の理解、活動内容の周知、安否確認方法の訓練を行いました。(2023年度50名)
・労働災害が発生した場合には、該当部署が発生日を含め翌日までに「発生報告書」を作成、発生後1週間以内に「対策報告書」を作成し、対策会議を行った上で事務局に提出することで、発生状況の共有・管理と再発防止に努めています。
・国内で発生が懸念される地震などの大規模災害に向けた労働安全衛生の取り組みの一環として、2013年度より事業継続計画(BCP)の作成、飲料水・食料・トイレなどの備蓄品の整備に加え、全員参加型防災訓練や救命救急講習、AED講習会、安否確認サービスでの報告訓練などの対策を講じています。
・車両事故防止対策として、「ドライブレコーダー」と「SmartDrive Fleet」の全営業車両への設置、バックモニターや安全機能を標準装備した車両の段階的な導入を行うとともに、エコドライブの推進や交通違反に対する個別指導を行うなど危険運転の抑制を実施しています。
④参考指標(単体)
・労働災害度数率・強度率
当社では、従業員へ安全衛生教育を実施するとともに、労働災害などが発生した際には、速やかに発生状況を全社で共有し、各部署で再発防止対策を実施しています。2023年度の正社員の労働災害による死亡者数は0名でした。また労働災害による被災者数は4名で、そのうち休業被災者数は0名でした。
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
| 労働災害度数率 | 0.84 | 0.84 | 1.63 | 0.0 | 0.0 |
| 労働災害強度率 | 0.004 | 0.003 | 0.002 | 0.0 | 0.0 |
・度数率:100万のべ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数※(災害発生の頻度)※休業1日以上及び身体の一部又は機能を失う労働災害による死傷者数
・強度率:1,000のべ実労働時間当たりの延べ労働損失日数(災害の重さの程度)
6)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)
企業の成長においては、社員が会社の方向性を理解・共感し、エンゲージメント高く働くことが必要不可欠であると考えています。当社では、全社員を対象とした「エンゲージメントサーベイ」を実施し、この結果を分析し組織・制度・風土等の改革に反映しており、中でも社員エンゲージメントに関する指標は、経営における重点項目として特に注視しております。
①具体的な取組
ⅰ)企業理念浸透プロジェクト
当社グループは2022年12月以降、希望者による「企業理念検討・浸透プロジェクト」を設け、グループ各社・各組織での議論ならびに取締役会においても検討を続けてきました。そして、2024年1月に最上位の概念としてPurpose(存在意義)を置き、それにより実現する未来像をDreamとして掲げるとともに、Purposeを形づくる企業としての信念をBelief、社員の姿勢をWayとする新たな企業理念を公表いたしました。
企業理念の策定後においても各部門、各社で企業理念の浸透プロジェクトが自発的に実施されており、企業理念が浸透していく過程で、企業風土や仕事の在り方を変えていき、ひいては企業活動の変革を進めるドライバーとなるよう取り組みが進んでいます。
ⅱ)社員エンゲージメント
エンゲージメントの醸成においては、経営層と社員、部署や役職、年代、地域を越えたコミュニケーションが欠かせませんが、当社では前社長の安田が、「YASUDAコラム」として決算業績やグループ会社の取得といった成長戦略に紐づくテーマから、時事・季節や趣味に関することまで、さまざまなメッセージを随時発信してきました。現社長の近藤においては、組織の根幹である人材が個人の能力とポテンシャルを最大限発揮し、部門、グループ会社などの枠組みを超えて共創する企業風土を醸成していくことを重要な課題として捉え、双方向性のある対話コンテンツとして「KONDO’s talk」を開始しました。また、社員との対話集会や新入社員・キャリア採用者との懇親会を開催するなど、多くの対話を通じて社員の意識の共有を図っています。
また、中期経営計画[BX 2025]において、「社内意識調査」を指標の一つとして掲げていましたが、データの見える化によるエンゲージメント構成要因の明確化やサーベイ結果に基づく具体的な改善策の実行等を目的として、2023年度以降については新たに「エンゲージメントサーベイ」を導入し、中期経営計画[BX 2025]における指標を「エンゲージメントスコア」に変更いたしました。2025年度の目標においては、2023年度実績であるエンゲージメントスコア「BB(スコア55.0未満)」を2段階上の「A(スコア61.0未満)」にすることを目指しています。
②指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
| 項目 | 目標 | 2023年度実績 | |
| 社員の健康と能力開発、風土改革 | エンゲージメントスコア(※) | 58.0(A) | 53.7(BB) |
※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。
なお、中期経営計画[BX 2025]発表時(2023年5月12日)の目標と過去の推移は以下の通りです。
・中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標(単体)
| 項目 | 目標 | |
| 社員の健康と能力開発、風土改革 | やりがい指数(※) | 77%以上 |
※社内意識調査における仕事のやりがい肯定率
・2023年度までの分析及び取組方針
社員エンゲージメントにおいて、この基本となる「自分の仕事にやりがいがあるか」という指数は、個人からチームへと営業目標を変更する中で、「個人」のやりがいが見えづらくなっていること等が一因となり低下傾向にありましたが、改善に向けたさまざまな働きかけにより、2023年度は74.3%へ改善いたしました。また、「チャレンジする風土」は継続して上昇しており、今後も継続的にこれらの数値を把握しながら、社員エンゲージメントの向上を目指してまいります。
設問「現在の自分の仕事にはやりがいがある。」

設問「課内には失敗を恐れずにチャレンジする雰囲気がある。」
