有価証券報告書-第46期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)

【提出】
2018/05/30 13:46
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、日銀のマイナス金利政策や量的緩和、さらには世界的な景気拡大に支えられて輸出が好調に推移するなど、引き続き底堅い動きとなりました。
一方、小売業界を取り巻く環境といたしましては、企業業績の改善が続き、賃金上昇の動きも出始めてはいるものの、消費支出の拡大が広く浸透するまでには至らず、依然として厳しい経営環境が続きました。
このような中、当社グループでは「食品」「ディスカウントストア」「専門店」の3つの業態を柱とし、地域特性や消費者ニーズの変化に適応した売場を作るために、商品構成の変更を伴う新フォーマット店舗の拡大、独自商品の開発、作業工程の見直し、価格政策の徹底、商品知識やサービスレベルの向上等を進めてまいりました。また、物流改革を生鮮食品分野にまで広げ、価格競争力と商品鮮度を高めるとともに、新しい取引データ通信方式である流通BMSの利用を拡大することにより、物流効率、店舗運営効率を高めてまいりました。さらに本社部門につきましても、業務プロセスを再構築する「BPRプロジェクト」を立ち上げ、業務効率の一層の改善に努めてまいりました。こうした経営の効率化の一環として、平成29年3月1日には当社100%出資の子会社㈱データプランを当社が吸収合併いたしました。
食品部門におきましては、開放的で気持ちよくお食事が出来るフードコート「PICCOLY」、自家焙煎の高品質なコーヒーを提供するコーヒーショップ「GRAIN COFFEE ROASTER」、ソムリエ資格保有者が常駐し多品種のワインを取り扱う専門店「Olympic CELLAR」を配した店舗フォーマットを拡大展開し、Olympic武蔵浦和店、Olympic千葉桜木店、Olympic東川口店の3店舗の大規模改装を実施いたしました。商品の面では、最新の食品衛生管理手法と生産性の向上を追求した食品工場を東京都昭島市に新たに建設し、よりおいしく、安全で、お客様が安心してお買い求めいただける惣菜やお弁当を供給する体制を構築いたしました。同工場は屋上に太陽光発電設備を設置し、工場内のエネルギー循環を最適化するなど、地球環境にも配慮した施設となっております。
ディスカウント部門におきましては、現場の店舗スタッフによる商品選定、価格設定の責任範囲を広げ、店舗ごとのマーチャンダイジング能力の向上を図ってまいりました。また、単品管理の強化により商品の選択と集中を進めるとともに、店舗立地に即した売場面積の最適化を行うなど、店舗の経営効率を高めてまいりました。
専門店部門におきましては、引き続き独自商品の開発と専門知識を持った人材育成による販売力強化に努めておりますが、自転車専門会社の㈱サイクルオリンピック(店舗ブランド「サイクルオリンピック」)では、自社開発商品として、シリコーンを用いた特殊機構によりペダルを漕ぐ力を無駄なく使い切り、「電池のいらないアシスト自転車」を実現する画期的なギア「FREE POWER」の取り扱いを開始いたしました。同ギアを装着した自転車の販売に加えて、他社製自転車に装着することもできることから自転車メーカー等への提供も含め今後多くの需要を開拓できるものと考えております。また、研修等を通じて店舗スタッフの商品知識、修理技術、接客技術の向上に努めてまいりました。
ペット専門会社の㈱ユアペティア(店舗ブランド「Your Petia」)では、当社グループの総合動物病院「動物総合医療センター」との連携強化により、獣医師の指導のもと、ご家族の一員であるペットに関する全てを安心してお任せいただける企業となるよう努めてまいりました。昨今増加傾向にある愛猫家のお客様の需要に対応するため、ご好評をいただいている自社開発の犬用ペットフード「パルトシュシュ」ブランドに新たに猫用のラインナップを加えたほか、お手頃な缶詰フード「THE CAT」を開発いたしました。トリミング等のサービスにおきましても、トレーニー制や研修制度による店舗スタッフの技術の向上に加え、獣医師のアドバイスを幅広く取り入れ、より高品質かつ安全なサービスのご提供に努めてまいりました。また、平成29年12月に「Your Petia王禅寺店」を神奈川県川崎市に出店いたしました。
DIY・ガーデニング専門会社の㈱おうちDEPO(店舗ブランド「おうちDEPO」)では、職人さんにとって便利でお得な店、職人さんの求める品揃えを追求し続ける店を合言葉に、品揃え、価格、品質、サービスに徹底的にこだわり続けてまいりました。お客様それぞれのニーズに合わせたきめ細やかな対応がご評価をいただき、複数の店舗をご利用されるお客様が着実に増加するなど、店舗ブランドの知名度向上とともに、業績も順調に伸長しております。
靴専門会社の㈱シューズフォレスト(店舗ブランド「Shoes Forest」)では、「家族全員でご来店いただける店」をコンセプトに、幅広い品揃えと、お買い物していただきやすい雰囲気のお店づくりを目指して、スタッフが商品知識だけでなく高度な接客技術を身につけるよう努力してまいりました。また、新たな試みとして、Olympic新座店内の売場を拡張し、400坪を超える面積を持つ大型靴専門店としてオープンいたしました。同店舗は、豊富な品揃えと、ゆとりのある売場構成、シューケア製品やフットケア製品の充実により、より広い地域のお客様にご来店いただくことを目指しております。商品開発におきましても、紳士靴、婦人靴、スポーツシューズ、子供靴の全域にわたって一層の充実を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績といたしまして、売上と営業収入を合算した営業収益は、ディスカウント部門の不振が続いたことや、テナント収入が減少したこともあり、1,068億33百万円(前期比1.3%減)となりました。
利益面におきましては、チラシ広告に頼らず平常から同一の低価格で販売を続けることで集客力アップを図るEDLP政策は継続しつつ、店舗改装等により商品構成を変化させたことで利益率に改善は見られましたものの、営業収益が減少したことで、営業総利益は364億81百万円(前期比1.2%減)となりました。
また、フード部門の売り場拡大による人件費の増加や光熱費の上昇を、販売促進費や一般管理費の削減で補うことができなかったため、営業利益は2億43百万円(前期比70.9%減)、経常利益は1億19百万円(前期比82.0%減)となりました。
また、店舗に係る固定資産の収益性を検討した結果、収益性の低下した店舗の設備等について減損損失を計上したこともあり、1億42百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前期は15百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当社グループは、小売事業の割合が高く、小売事業以外の事業に関しては重要性が乏しいと考えられるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(提出会社の業績)
当社におきましては、平成19年2月期に会社分割による持株会社体制に移行しております。
このため各事業子会社からの配当収入、不動産賃貸収入、管理受託収入等が収益の中心となっております。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、営業収入は118億40百万円(前期比10.5%増)となり、営業利益は4億70百万円(前期比23.1%増)、経常利益は3億8百万円(前期比15.7%増)となりました。
しかしながら、貸倒引当金繰入額、関係会社株式評価損を特別損失に計上いたしました結果、3億48百万円の当期純損失(前事業年度は4億94百万円の当期純損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、29億3百万円と前連結会計年度末に比べ2億63百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、32億76百万円(前連結会計年度は30億26百万円)となりました。これは税金等調整前当期純損失3億2百万円に対して、減価償却費を18億82百万円、減損損失を3億44百万円をそれぞれ計上したこと、棚卸資産が6億99百万円減少したこと等が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、34億20百万円(前連結会計年度は23億81百万円)となりました。これは、敷金及び保証金の回収による収入が1億51百万円あった反面、有形固定資産の取得による支出が29億74百万円、関係会社株式の取得による支出が4億91百万円あったこと等が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1億18百万円(前連結会計年度は12億23百万円)となりました。
これは短期借入金の増加額が8億4百万円、長期借入れによる収入が69億60百万円あった反面、長期借入金の返済による支出が65億16百万円、社債の償還による支出が8億18百万円、配当金の支払による支出が3億43百万円あったこと等が主な要因であります。