有価証券報告書-第66期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 9:55
【資料】
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【項目】
108項目

業績等の概要


文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。
なお、将来に関する事項につきましては、不確実性を有しており、将来生じる結果と異なる可能性がありますので、記載しております事項に対する判断は、以下記載事項及び本項目以外の記載内容も合わせて慎重に行われる必要があります。
当社グループは、スーパーマーケットの経営を事業主体としており、店舗「原信」「ナルス」「フレッセイ」を各地に出店しております。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部で好転の兆しがうかがえる時期もありましたが、混迷する世界情勢に影響を受けた円高の進行、地方経済の成長鈍化等により停滞感が漂いました。
このような状況において、当連結会計年度における当社グループの連結経営成績は、売上高が2,288億99百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益が90億53百万円(前年同期比6.0%増)、経常利益が91億85百万円(前年同期比6.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が57億84百万円(前年同期比24.0%増)となり、各数値はいずれも過去最高となりました。
売上高、営業利益につきましては、以下に記載いたしますセグメント区分ごとの要因により増加しております。
経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、営業利益の増加により増加しております。
当連結会計年度における各セグメント区分ごとの業績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの業績値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
① スーパーマーケット
(全般)
スーパーマーケット同士の競争のみならず、業態を超えた競争が激化する昨今の厳しい販売環境において、当社グループでは「変革への挑戦」を本年度の方針として定め、より一層強い企業体質を実現するため、グループ全体の経営基盤整備に取り組んでおります。
当連結会計年度に入ってから、お客様の購買動向がより慎重な傾向に転じたことに加え、出店による自社競合の影響もあり、既存店の客数は、前期に比べ0.9%減少いたしました。
ただ、総じて商品が売れないという状況ではなく、価格以上の価値が認められる商品やライフスタイルに合った商品を信頼のおける店舗で購入しようというお客様の傾向が見られており、当社グループがお客様にご提供する商品・サービスが評価され、既存店の売上高は、前年同期に比べ0.4%増加いたしました。
(商品政策)
生鮮食品につきましては、天候不順などにより、青果相場が秋季に異例の高値となりました。また、鮮魚につきましては、旬の主力魚種の不漁が続きました。
加工食品につきましては、残暑が長引いた影響で、夏物商品から秋物商品への切り替えが進みにくい状況となりました。
このような状況において、他社と差別化を図るべく、当社ならではの名物商品の開発、既存商品の磨き込み、優良産地からの商品調達、品揃えの見直しに努めました。
惣菜につきましては、焼き鳥について、当社独自の商品仕様で新たに開発した結果、原信ナルスにおいて発売開始1か月で前年同月の2.8倍にあたる1億円以上を販売する大型商材となりました。また、余分な味付けを控え素材本来のうま味を活かした商品「だし香るシリーズ」は、大変好評を得ており、品数、対象範囲を拡充いたしました。
軽食につきましては、たこ焼きについて、専門店の味を家庭でも味わえるよう、とろみ感、たこの大きさ、スパイス感のあるソースの3つのポイントで商品を改良し、発売開始1か月で前年同月の2.5倍の売上にあたる5千万円の売上を実現いたしました。
プライベート・ブランド商品につきましては、新規発売したココアについて、発売前から販売促進を進め、各店舗が様々な販売方法を競い合い成功事例を共有したことで、発売開始1か月で10万個を超える販売実績を達成いたしました。
これらの結果、買上点数は、既存店で前年同期に比べ0.7%増加し、全店でも前年同期に比べ0.8%増加いたしました。また、一品単価は、既存店で前年同期に比べ0.7%増加し、全店でも前年同期に比べ0.7%増加いたしました。
(販売政策)
原信ナルスでは、本年度の方針に「潜在ニーズへの対応」を掲げ、お客様の潜在的なご要望にお応えするべく取り組みを行っており、従来にはない商品のご提案方法やサービス等について、創意工夫や仮説検証を行い、実績があったものについては、全社で共有し実行に移しております。
こと本年度の夏季商戦につきましては、地域行事やお盆の曜日回りが例年に比べ非常に不利な状況にあり、営業数値が相当低下することが事前に想定されました。これに対し、重点政策として、「売れて利益が確保できる商品の販売拡大」、「値下げ、廃棄、売れ筋商品の品切れ撲滅」、「成功事例の全社共有、活用」の3点を掲げ、グループ全体が一体感を持って力を集結し目標数値の達成に取り組みました。
フレッセイでは、時間帯別に最適な売場を実現するための仕組みを再構築し、全店で取り組み始めました。
これらの結果、既存店の店舗売上高は、前年同期を上回る実績を確保することができ、商品販売の売上総利益率は、前年同期に比べ0.1ポイント増加し25.6%となりました。
(コスト・コントロール)
原信ナルス、フレッセイが統合して以来進めている当社グループ全体での諸経費の見直し、共有、共同調達等の取り組みは、年々、その効果が増しております。
また、近年導入した自動発注の仕組みによる労働生産性の改善、省エネルギー機器の導入による水道光熱費の削減、環境維持活動への取り組みも効果が表れております。
この結果、スーパーマーケット事業の営業利益率は、前年同期に比べ0.1ポイント増加し3.7%となりました。また、連結全体の営業利益率は、前年同期に比べ0.2ポイント増加し4.0%となりました。
(ロジスティックス)
当社グループでは4か所目の大規模物流センターとなるフレッセイ前橋物流センター(9月、群馬県前橋市、延床面積9,516㎡)が竣工いたしました。また、併せて、フレッセイの基幹系情報システムの入れ替えも行いました。
これらは、原信ナルスで培った経験や技術を土台に改良を施して構築したものであり、フレッセイにおいても、流通全般を支える高度な物的基盤が整いました。
フレッセイでは、これを活かして従業員の働き方や業務体系全般の大改革を進め、収益性の向上を図るとともに、従来以上のより良い商品・サービスをお客様へお届けできるよう努めてまいります。
また、当社グループ全体としても、最適な事業運営が実現できるよう、物流拠点間の連携を進めてまいります。
(発行体格付)
当社は、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みの観点から、投資家様やお取引先様に対し当社の信用力を客観的に明示し、当社の財務内容に関する健全性や経営の成長性、透明性を理解していただくため、毎期、中立的第三者より格付けを取得しております。
平成28年12月において取得した直近の格付けは、前連結会計年度において取得したBBB+より一段階向上し、A-となりました。
(出店・退店等)
出店につきましては、フレッセイ元総社蒼海店(9月、群馬県前橋市、売場面積2,228㎡)、原信花園店(10月、新潟県長岡市、売場面積2,097㎡)、原信七日町店(11月、新潟県長岡市、売場面積2,097㎡)、ナルス高田西店(3月、新潟県上越市、売場面積2,161㎡)を新設いたしました。
改装につきましては、原信新津店(8月、新潟県新潟市、売場面積2,392㎡)、原信十日町北店(9月、新潟県十日町市、売場面積1,888㎡)、原信新保店(2月、新潟県長岡市、売場面積1,917㎡)について実施いたしました。
退店につきましては、フレッセイ元総社蒼海店の新設に伴い、近隣のフレッセイ大友店(9月、群馬県前橋市、売場面積918㎡)を閉鎖し、原信七日町店の新設に伴い、近隣のナルス大島店(11月、新潟県長岡市、売場面積1,737㎡)を閉鎖いたしました。また、ナルス高田西店の新設に伴い、近隣の原信西城店(3月、新潟県上越市、売場面積1,515㎡)を閉鎖いたしました。
(業績)
以上の結果、当連結会計年度におけるスーパーマーケット事業の売上高は2,273億50百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益は84億69百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度の営業状況を示すと以下のとおりであります。
項目当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
前年同期比
店舗数スーパーマーケット128店舗1店舗増加
100円ショップ5店舗増減なし
フィットネスクラブ1店舗増減なし
店舗売上高全店215,809百万円102.4%
既存店210,280百万円100.4%
来店客数全店10,832万人100.9%
既存店10,557万人99.1%
客単価全店1,992円101.5%
既存店1,992円101.4%
買上点数全店10.79点100.8%
既存店10.79点100.7%
一品単価全店185円100.7%
既存店184円100.7%

(注)1 店舗数は、当連結会計年度末現在の設置店舗数であります。
2 店舗売上高、来店客数、客単価、買上点数、一品単価は、スーパーマーケット店舗のみの数値であります。
3 客単価は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった金額の平均であります。
4 買上点数は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった商品数の平均であります。
5 一品単価は、お客様がお買い上げになった商品の一品当たり金額の平均であります。
6 店舗売上高、客単価及び一品単価に消費税等は含まれておりません。
7 既存店は、店舗開設より満13ヶ月以上を経過した店舗であります。
8 前年同期比は、各月の比率の平均値であり、表示単位未満を四捨五入表示しております。
② その他
(清掃事業)
スーパーマーケット事業向けの販売は、請負先の増加により増加いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、販売単価の下落により減少いたしました。この結果、売上高は前年同期に比べ1.2%増加し、営業利益は前年同期に比べ3.0%増加いたしました。
(情報処理事業)
スーパーマーケット事業向けの販売は、情報機器販売の減少により減少いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、システム開発案件の受注回復により増加いたしました。この結果、売上高は前年同期に比べ2.7%減少し、営業利益は前年同期に比べ21.5%減少いたしました。
(印刷事業)
スーパーマーケット事業向けの販売は、チラシ受注の増加により増加いたしました。また、外部顧客向けの販売は、販路の拡大や商材の提案に努め増加いたしました。この結果、売上高は前年同期に比べ5.1%増加し、原材料価格が下落したことも影響し営業利益は前年同期に比べ48.4%増加いたしました。
(運輸事業)
スーパーマーケット事業向けの販売は、物流センター運営業務の開始に伴い増加いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、受託業務の減少により減少いたしました。この結果、売上高は前年同期に比べ3.5%増加し、営業利益は前年同期に比べ33.3%増加いたしました。
(自動車販売事業)
スーパーマーケット事業向けの販売は、販売台数の減少により減少いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、前年同期の販売環境悪化が解消し、新車販売が伸長したため増加いたしました。この結果、売上高は前年同期に比べ8.7%増加し、前年同期の営業損失計上から転換して営業利益を計上いたしました。
(業績)
以上の結果、当連結会計年度におけるその他の事業の売上高は69億2百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は6億53百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ9億43百万円減少し103億64百万円となりました。
当連結会計年度における各項目別のキャッシュ・フローの状況を示すと、次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は100億83百万円となり、前年同期に比べ4百万円増加(前年同期比0.0%増)いたしました。
これは主に、経常利益の増加によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は71億78百万円となり、前年同期に比べ10億36百万円増加(前年同期比16.9%増)いたしました。
これは主に、新規出店並びに物流センター新設に係る設備投資によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は38億49百万円となり、前年同期に比べ9億90百万円減少(前年同期比20.5%減)となりました。
これは主に、運転資金の調達を行ったことによるものであります。