有価証券報告書-第64期(2024/03/01-2025/02/28)
c.戦略
Ⅰ.シナリオ分析の設定
シナリオ分析においては、国際エネルギー機関(IEA)及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書などを参照し、今世紀末までに産業革命以前と比較し世界の平均気温上昇が「1.5℃」と「4℃」の2つのシナリオにおける2050年の社会を想定しました。また、当社の事業への影響を見通せる範囲として、各々のシナリオにおける2030年時点での当社における機会とリスクの分析を行いました。
なお、当社グループの連結売上高の99%を占める食品スーパーマーケット事業に絞った上で分析を実施しました。残りのグループ各社におけるリスク・機会とその影響については今後分析を進めてまいります。
<1.5℃シナリオ>2100年時点において、産業革命時期比の気温上昇が1.5℃程度に抑制されるシナリオです。気候変動に対し厳しい対策が取られ、脱炭素社会への移行による影響(移行リスク)を受けます。具体的には、炭素税の導入、脱炭素化へ向けた政策・法規制の強化、ステークホルダーや消費者のサステナビリティ意識向上による市場変化や評判への影響などの移行リスクを分析の対象としています。
※IEAのSustainable Development Scenario(SDS)、Net Zero Emissions By 2050
Scenario(NZE2050)、IPCC第6次評価報告書RCP2.6などを参照
<4℃シナリオ>2100年時点において、産業革命時期比4℃程度気温が上昇するシナリオです。気候変動への厳格な対策が取られず、自然災害の激甚化など気候変動による物理的な影響(物理的リスク)を受けます。具体的には、異常気象の激甚化や気温の上昇、海面上昇など店舗の営業に影響を及ぼし得る物理的リスクを分析の対象としています。
※IEAのStated Policies Scenario(STEPS)、IPCC第6次評価報告書RCP8.5などを参照
Ⅱ.シナリオ分析の結果、リスク・機会の特定
まず、当社の主要事業である食品スーパーマーケット事業におけるリスク・機会を洗い出し、網羅的に把握しました。その上で、それぞれの発生度・影響度を評価し、当社にとって重要度の高いリスク・機会を選定しました。
リスク・機会の重要度については、「各事業への影響度」と「事象の発生可能性」から評価しました。「各事業への影響度」は、リスク・機会が現実のものとなった場合の影響規模を定性的に分析しています。「事象の発生可能性」においては、物理的リスクはIPCCの報告書における発生確率を参考に評価し、移行リスクは将来的な政策目標・導入計画の動向や現在の政策導入などをもとに分析しています。
重要度評価の見直しや対応策については、引き続きサステナビリティ推進委員会で議論・検討を行ってまいります。
Ⅲ,財務影響試算
財務に与える影響が大きいと考えられる項目については、以下のとおり評価いたしました。
<移行リスク>
<物理的リスク>
(※)店舗・商品損害の内訳は、家屋資産48.9億円、償却資産37.1億円、在庫資産7.3億円であります。
Ⅳ.主なリスク・機会に対する取り組み
「各事業への影響度」が大きく「事象の発生可能性」も高いと評価した「重要なリスク・機会」については、環境問題に係るリスクの低減及び機会の実現に向けまして、以下のような取り組みを、より一層推進してまいります。
Ⅰ.シナリオ分析の設定
シナリオ分析においては、国際エネルギー機関(IEA)及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書などを参照し、今世紀末までに産業革命以前と比較し世界の平均気温上昇が「1.5℃」と「4℃」の2つのシナリオにおける2050年の社会を想定しました。また、当社の事業への影響を見通せる範囲として、各々のシナリオにおける2030年時点での当社における機会とリスクの分析を行いました。
なお、当社グループの連結売上高の99%を占める食品スーパーマーケット事業に絞った上で分析を実施しました。残りのグループ各社におけるリスク・機会とその影響については今後分析を進めてまいります。
<1.5℃シナリオ>2100年時点において、産業革命時期比の気温上昇が1.5℃程度に抑制されるシナリオです。気候変動に対し厳しい対策が取られ、脱炭素社会への移行による影響(移行リスク)を受けます。具体的には、炭素税の導入、脱炭素化へ向けた政策・法規制の強化、ステークホルダーや消費者のサステナビリティ意識向上による市場変化や評判への影響などの移行リスクを分析の対象としています。
※IEAのSustainable Development Scenario(SDS)、Net Zero Emissions By 2050
Scenario(NZE2050)、IPCC第6次評価報告書RCP2.6などを参照
<4℃シナリオ>2100年時点において、産業革命時期比4℃程度気温が上昇するシナリオです。気候変動への厳格な対策が取られず、自然災害の激甚化など気候変動による物理的な影響(物理的リスク)を受けます。具体的には、異常気象の激甚化や気温の上昇、海面上昇など店舗の営業に影響を及ぼし得る物理的リスクを分析の対象としています。
※IEAのStated Policies Scenario(STEPS)、IPCC第6次評価報告書RCP8.5などを参照
Ⅱ.シナリオ分析の結果、リスク・機会の特定
まず、当社の主要事業である食品スーパーマーケット事業におけるリスク・機会を洗い出し、網羅的に把握しました。その上で、それぞれの発生度・影響度を評価し、当社にとって重要度の高いリスク・機会を選定しました。
リスク・機会の重要度については、「各事業への影響度」と「事象の発生可能性」から評価しました。「各事業への影響度」は、リスク・機会が現実のものとなった場合の影響規模を定性的に分析しています。「事象の発生可能性」においては、物理的リスクはIPCCの報告書における発生確率を参考に評価し、移行リスクは将来的な政策目標・導入計画の動向や現在の政策導入などをもとに分析しています。
重要度評価の見直しや対応策については、引き続きサステナビリティ推進委員会で議論・検討を行ってまいります。
| 気候関連の事象 | リスク項目 | 影響度 |
| 炭素税/排出権取引の導入 | CO2排出量に対して炭素税の負担が発生 | 大 |
| 規制強化・導入 | フロン規制の強化に伴う、設備投資のコスト・罰金発生のリスク増加 | 大 |
| ZEH・ZEB化の推進による、店舗設備投資のコスト増加 | 中 | |
| プラスチック使用制限に伴う、代替素材製品調達のコスト増加 | 小 | |
| 再エネ比率拡大 | 買電契約の見直しによるコスト増加・再エネ設備投資のコスト増加 | 大 |
| 顧客・投資家における環境意識の高まり | 環境関連の取り組み及び非財務情報開示への対応遅れによる、資金調達環境・株価水準の悪化 | 中 |
| 顧客の嗜好変化への対応遅れによる売上減少・企業イメージ低下 | 小 |
| 気候関連の事象 | 機会項目 | 影響度 |
| 資源循環の促進 | 食品廃棄物の重量抑制による廃棄コストの減少と、バイオガス生成などによる経済価値の創出 | 大 |
| 輸送の高効率化 | 物流拠点の統廃合、モーダルシフトの促進などによる物流コストの減少 | 中 |
| 再エネ比率拡大 | 再生可能エネルギーを自ら創出することによる、電気使用コストの減少 | 小 |
| EV化の進展 | EV用充電器の店舗設置による集客力の向上、売り上げの増加 | 小 |
| 顧客・投資家における環境意識の高まり | 顧客の嗜好変化に見合う環境配慮型商品の販売や、環境への取組の発信による、企業イメージ向上・売上の増加 | 小 |
Ⅲ,財務影響試算
財務に与える影響が大きいと考えられる項目については、以下のとおり評価いたしました。
<移行リスク>
| 規制強化による費用増加 | 影響額 | 備考 |
| 炭素税/排出権取引の導入 | 29.1億円 | 2030年度において、売上高1億円当たりスコープ1・2のCO2排出量を、基準年度(2013年度)より50%削減する場合 |
| 再生可能エネルギーの 調達費用 | 6.8億円 | 2030年度において、再生可能エネルギーの調達割合を50%とする場合 |
<物理的リスク>
| 自然災害による損害 | 影響額 | 備考 |
| 店舗・商品損害 | 93.3億円 (※) | 洪水による最大想定浸水深度(3.0m以上)に基づく試算 |
| 休業による機会損失 (1店舗1日当たり) | 500~ 1,500千円 | 1店舗1日当たりの売上総利益に基づく試算 |
(※)店舗・商品損害の内訳は、家屋資産48.9億円、償却資産37.1億円、在庫資産7.3億円であります。
Ⅳ.主なリスク・機会に対する取り組み
「各事業への影響度」が大きく「事象の発生可能性」も高いと評価した「重要なリスク・機会」については、環境問題に係るリスクの低減及び機会の実現に向けまして、以下のような取り組みを、より一層推進してまいります。
| 重要度の高い リスク・機会項目 | 取り組み内容 | |
| リスク | 炭素税負担の発生 | ・CO2排出量削減の取り組み推進 ・省エネ性能の高い空調や冷蔵・冷凍設備等の導入/更 新 ・全店舗へのLED照明の導入/更新 ・物流拠点の統廃合やモーダルシフトによる物流業務の 効率化 |
| 再エネ投資コストの増加 | ・太陽光発電設備の導入拡大 | |
| フロン規制の強化 | ・次世代冷媒の利用促進 | |
| 災害時被害の発生 | ・災害等有事に備えたBCP計画策定、災害対策訓練実施 | |
| 機会 | 食品廃棄コストの低減 | ・商品の仕入発注、加工・製造計画、在庫管理等の精度 向上 ・賞味期限/消費期限が近い商品の寄付活動 ・食品残渣のリサイクル活動 |