有価証券報告書-第43期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 10:26
【資料】
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策などを背景に企業業績や雇用環境が緩やかな回復基調をたどりました。一方で、中国経済の失速やイギリスのEU離脱問題による影響、アメリカの政権交代などの懸念材料により個人消費は先行き不透明な状況で推移いたしました。
当衣料品小売業界におきましては、天候不順やインバウンド需要の減退などにより、厳しい状況が続いております。
このような環境の下、当社グループにおきましては「健康」をキーワードに事業を展開するなどの差別化戦略がお客様の支持を得たこともあり、全般的に堅調に推移いたしました。
商品面では、前期に続きお客様からご好評をいただいている「ストレス対策スーツ」に、着心地の良さとスタイリッシュさを追求した「新ファイテンニットスーツ」を発売いたしました。また、お客様のご要望にお応えした女性版「ストレス対策スーツ」として、「ファイテンニット ウォッシャブルセットアップ」も発売いたしました。加えて、紳士服業界で初となる「三次喫煙対策シリーズ」や「スラテクノシリーズ」を発売するなど「健康」をキーワードにした商品の販売を拡大いたしました。さらに、新発想により業界唯一の完全ノーアイロンを実現した「アイシャツ」は、累計180万枚を突破するなど、お客様の声を反映した商品の販売も好調に推移いたしました。
新しい取り組みとしましては、ファッション人工知能を新たな顧客コミュニケーションとして試験導入するなど、お客様満足度をさらに向上させるための新しい施策も積極的に導入いたしました。
新規事業としましては、連結子会社である株式会社BASE(ベース)で新ブランド「YEVS-supply-(イーブスサプライ)」の事業展開を始めました。このブランドは、レディス・メンズのアパレルブランドとして、ショッピングセンターを中心に9店舗を出店いたしました。
店舗数に関しましては、当社グループ全体で45店舗を新規出店した一方で、契約期間満了などにより27店舗を閉店した結果、当連結会計期間末の総店舗数は506店舗となりました。
なお当社グループは衣料品販売事業以外に、広告代理業等を営んでおりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高559億4千2百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益27億5千8百万円(前年同期比17.2%増)、経常利益30億2千8百万円(前年同期比16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12億7千3百万円(前年同四半期比22.4%増)と、二期連続増収増益の結果となりました。
なお、当社は、平成28年12月20日開催の臨時株主総会において承認されました新設分割計画に基づき、平成29年1月4日をもって新たに「はるやま商事株式会社」を設立のうえ、当社の衣料品及びその関連洋品の販売事業を承継させ、同日をもって当社の商号を「株式会社はるやまホールディングス」に変更し、持株会社体制へ移行いたしました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ22億円減少し、69億9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は23億6千2百万円(前年同期比55.4%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を21億7千4百万円計上したこと、減価償却費の計上が17億5千3百万円あったこと、減損損失の計上が5億2千1百万円あった一方で、法人税等の支払額が18億1百万円あったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は23億6百万円(前年同期比87.4%増)となりました。これは主に新規出店・既存店の改装等による有形固定資産の取得及び差入保証金の差入による支出が19億2千5百万円あった事に加え、投資有価証券の取得による支出が4億円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は22億5千5百万円(前年同期比0.3%減)となりました。長期借入金の返済による支出が29億1千5百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が3億4千4百万円、配当金の支払額が2億5千2百万円あったことなどによるものであります。