有価証券報告書-第63期(2024/04/01-2025/03/31)
③戦略
イ.リスク及び機会の特定
気候変動に伴うリスク及び機会には、GHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素経済への「移行」に起因するものと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。
当社では、これらのリスクや機会による影響の発現時期はそれぞれ異なると認識しており、短期(3年未満)、中期(3~10年未満)、長期(10年以上)の観点で以下の表のとおり整理しました。
(事業・財務への影響)高:1億円以上の影響 中:1千万円以上1億円未満 低:1千万円未満
ロ.シナリオ分析
グループ全体を対象としてリスク・機会の事業への影響についてシナリオ分析を進めており、まずは分析の対象を以下のように設定してシナリオ分析に着手してまいります。
台風や豪雨等の気候災害の拡大及び脱炭素化等の気候変動緩和に向けた全世界的取組が経営とビジネス全体に重大な影響を与える重要課題であると認識しております。
複数の既存シナリオ参照により、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち1.5℃に抑える努力をすること(2℃シナリオ)、及び現在のペースで温室効果ガスが排出されること(4℃シナリオ)を想定しております。
ハ.炭素税、エネルギーコスト
当社のCO2排出量の大半は電力に由来すると認識しています。よって、今後、気候変動の緩和に向けて、排出量に対して炭素税が導入された場合、当社の電力調達に対して追加のコストが発生するため、電気使用量の削減等の自社の状況と調達する電力のCO2排出係数や価格の状況によって影響度は左右されることが考えられます。
そこで、当社が重点課題として実施している省エネの取り組みを行う場合と、取り組まない場合において、今後の炭素税や電力セクターの排出係数、電力価格の予測を加味し、シナリオ分析を行いました。
また、当社がSDGs推進に向けた取り組みとして設定した「2050年の1店舗当たりのCO2排出量100%削減」を達成するために必要な再生可能エネルギーの調達コストについても分析を行いました。
その結果、2030年時点、2050年時点ともに、気温上昇2℃のシナリオにおいて炭素税が1トンCO2当たり1万円で導入された場合、電力セクターの排出係数が低炭素化により減少していくことを加味しても、当社が省エネに取り組まなければ、一定の財務的影響があることがわかりました。
一方、当社が省エネに取り組んだ場合、炭素税の導入による店舗運営コストだけでなく電気料金の削減も可能となり、財務的影響は許容できる範囲に抑えられることがわかりましたことから、気温上昇4℃のシナリオにおいては、省エネを推進するだけでなく再生可能エネルギーの調達施策を推進しない場合、財務的影響がより増大するものと見込んでおります。
ニ.気象災害
グループとして、大規模な災害に備えることはもちろん、災害が発生した時には生活に不可欠な商品やサービスを提供する「ライフライン」としての役割を果たすために、迅速に各種の災害対策を講じて被害店舗の早期復旧、営業再開を目指しています。
当社が掲げる「全員経営理念」をもとに、本社指示以外にも災害発生時には状況に応じて一人ひとりが最善を尽くし、営業継続と早期復旧ができる強い組織を構築してまいります。
一部沿岸部等の立地店舗等もありますが、分析の結果、2050年までは、2℃シナリオ、4℃シナリオのいずれにおいても洪水被害の増加による財務的影響は限定的であり、許容できる範囲であることがわかりました。
<分析結果を踏まえた今後の方針>このたび、当社では気候変動に関するリスクと機会を洗い出すとともに、2℃シナリオ及び4℃シナリオに基づき、事業への影響の分析を実施しておりますが、今後さらに内容の充実、精査が必要であると考えております。
また、昨今の世界における気候変動問題に対する機運の高まりを受け、気候変動に関わる政策や法規制の制定等、世界及び日本の動きも大きく、かつ素早く変化してくるものと思われます。
このような状況のもと、事業戦略の見直しを進めていくためにも、分析の精度を上げるように努めてまいります。
そして、その結果を開示することにより、ステークホルダーの皆さまの要請にお応えしてまいりたいと存じます。
ホ.取り組み
当社ではCO2排出量削減を積極的に推進し、2007年には、環境面や安全面を考慮し、石油暖房器具・ガス製品の取り扱い中止を行いました。
また、2010年より実施しているLED電球の普及活動、店舗等自社施設での照明を全てLEDへ切り替えも完了しております。
2022年には、省エネ関連の知識を学んだ自社従業員が、お客様に最適な省エネ家電選びをサポートする「省エネコンサルタント資格」制度を開始し、2025年3月時点で資格取得者は2,168名にのぼっております。引き続き、資格取得の推進をしてまいります。
この他にも、店舗(野比店)の屋根を利用し、太陽光オンサイトPPAを導入し発電を行っています。太陽光で発電した電気を店舗で利用し、二酸化炭素排出量を抑える取り組みを行っております。今後もノジマは時代の変化にいち早く対応し、取り組みをしてまいります。
イ.リスク及び機会の特定
気候変動に伴うリスク及び機会には、GHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素経済への「移行」に起因するものと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。
当社では、これらのリスクや機会による影響の発現時期はそれぞれ異なると認識しており、短期(3年未満)、中期(3~10年未満)、長期(10年以上)の観点で以下の表のとおり整理しました。
| 種類 | 分類 | 項目 | 事業への影響 | 事業・財務への影響 | 影響発現想定時期 | |
| 2℃以下 シナリオ | 4℃ シナリオ | |||||
| 移行 リスク | 政策・法規制リスク | カーボンプライス(炭素税等)の導入 | 炭素税導入により事業コストが増加 | 中 | 低 | 中期 |
| 市場リスク | 電力価格の上昇 | 光熱費高騰によるエネルギーコストが増加 | 低 | 中 | 短期 | |
| 物理 リスク | 慢性リスク | 気候パターンの変化(平均気温の上昇等) | 店舗、配送センターなどにおける空調電気使用量の増加 | 低 | 中 | 長期 |
| 急性リスク | 異常気象の激甚化(猛暑、大雨、台風増加) | 店舗の浸水等による被害、休業による売上の減少 | 低 | 高 | 短期 | |
| 機会 | エネルギー源 | 低炭素エネルギー源の利用 | 省エネルギー化による事業コスト低下 ・各事業所における徹底した省エネ ・配送ルート効率化 | 低 | 中 | 中期 |
| 資源の効率性 | 低炭素商品・サービスの開発・拡大 | 低コスト化した太陽光発電等の導入によるエネルギーコストの減少 | 低 | 中 | 長期 | |
| レジリエンス | 省エネプログラム、省エネ対策の推進 | 環境配慮型商品・サービスの普及による需要の増加 ・自社省エネコンサルタントによる節電家電の購入や電気料金見直しなどのコンサルティング | 高 | 中 | 中期 | |
(事業・財務への影響)高:1億円以上の影響 中:1千万円以上1億円未満 低:1千万円未満
ロ.シナリオ分析
グループ全体を対象としてリスク・機会の事業への影響についてシナリオ分析を進めており、まずは分析の対象を以下のように設定してシナリオ分析に着手してまいります。
| 対象事業 | デジタル家電専門店運営事業 |
| 対象期間 | 2030年、2050年 |
| 分析対象 | ・炭素価格の導入による店舗運営コストの増加 ・電力価格の上昇によるエネルギーコストの増加 |
| ・気象災害の激甚化による店舗への影響 | |
| 参照したシナリオ | ・IEA WEO 2019 SDS・STEPS(2℃)、CPS(4℃) |
| ・IPCC第5次評価報告書 RCP2.6(2℃)、RCP8.5(4℃) |
台風や豪雨等の気候災害の拡大及び脱炭素化等の気候変動緩和に向けた全世界的取組が経営とビジネス全体に重大な影響を与える重要課題であると認識しております。
複数の既存シナリオ参照により、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち1.5℃に抑える努力をすること(2℃シナリオ)、及び現在のペースで温室効果ガスが排出されること(4℃シナリオ)を想定しております。
ハ.炭素税、エネルギーコスト
当社のCO2排出量の大半は電力に由来すると認識しています。よって、今後、気候変動の緩和に向けて、排出量に対して炭素税が導入された場合、当社の電力調達に対して追加のコストが発生するため、電気使用量の削減等の自社の状況と調達する電力のCO2排出係数や価格の状況によって影響度は左右されることが考えられます。
そこで、当社が重点課題として実施している省エネの取り組みを行う場合と、取り組まない場合において、今後の炭素税や電力セクターの排出係数、電力価格の予測を加味し、シナリオ分析を行いました。
また、当社がSDGs推進に向けた取り組みとして設定した「2050年の1店舗当たりのCO2排出量100%削減」を達成するために必要な再生可能エネルギーの調達コストについても分析を行いました。
その結果、2030年時点、2050年時点ともに、気温上昇2℃のシナリオにおいて炭素税が1トンCO2当たり1万円で導入された場合、電力セクターの排出係数が低炭素化により減少していくことを加味しても、当社が省エネに取り組まなければ、一定の財務的影響があることがわかりました。
一方、当社が省エネに取り組んだ場合、炭素税の導入による店舗運営コストだけでなく電気料金の削減も可能となり、財務的影響は許容できる範囲に抑えられることがわかりましたことから、気温上昇4℃のシナリオにおいては、省エネを推進するだけでなく再生可能エネルギーの調達施策を推進しない場合、財務的影響がより増大するものと見込んでおります。
ニ.気象災害
グループとして、大規模な災害に備えることはもちろん、災害が発生した時には生活に不可欠な商品やサービスを提供する「ライフライン」としての役割を果たすために、迅速に各種の災害対策を講じて被害店舗の早期復旧、営業再開を目指しています。
当社が掲げる「全員経営理念」をもとに、本社指示以外にも災害発生時には状況に応じて一人ひとりが最善を尽くし、営業継続と早期復旧ができる強い組織を構築してまいります。
一部沿岸部等の立地店舗等もありますが、分析の結果、2050年までは、2℃シナリオ、4℃シナリオのいずれにおいても洪水被害の増加による財務的影響は限定的であり、許容できる範囲であることがわかりました。
<分析結果を踏まえた今後の方針>このたび、当社では気候変動に関するリスクと機会を洗い出すとともに、2℃シナリオ及び4℃シナリオに基づき、事業への影響の分析を実施しておりますが、今後さらに内容の充実、精査が必要であると考えております。
また、昨今の世界における気候変動問題に対する機運の高まりを受け、気候変動に関わる政策や法規制の制定等、世界及び日本の動きも大きく、かつ素早く変化してくるものと思われます。
このような状況のもと、事業戦略の見直しを進めていくためにも、分析の精度を上げるように努めてまいります。
そして、その結果を開示することにより、ステークホルダーの皆さまの要請にお応えしてまいりたいと存じます。
ホ.取り組み
当社ではCO2排出量削減を積極的に推進し、2007年には、環境面や安全面を考慮し、石油暖房器具・ガス製品の取り扱い中止を行いました。
また、2010年より実施しているLED電球の普及活動、店舗等自社施設での照明を全てLEDへ切り替えも完了しております。
2022年には、省エネ関連の知識を学んだ自社従業員が、お客様に最適な省エネ家電選びをサポートする「省エネコンサルタント資格」制度を開始し、2025年3月時点で資格取得者は2,168名にのぼっております。引き続き、資格取得の推進をしてまいります。
この他にも、店舗(野比店)の屋根を利用し、太陽光オンサイトPPAを導入し発電を行っています。太陽光で発電した電気を店舗で利用し、二酸化炭素排出量を抑える取り組みを行っております。今後もノジマは時代の変化にいち早く対応し、取り組みをしてまいります。