有価証券報告書-第37期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/26 15:00
【資料】
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【項目】
156項目
③戦略
(a)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細
ワタミグループは、環境課題が与えるリスクは重要な影響を長期間にわたり、与える可能性があると考えております。そのため、適切な目標と期限を設定し、継続的に推進することが重要であると考えております。当社グループは、マテリアリティ(重要課題)の中間目標(KPI)の実行期間である2025年度まで、SBT目標設定年度及び最終目標(KGI)の達成期間である2030年度を見据え、気候変動がもたらす異常気象等の物理リスク、政府による政策規制の導入、及び市場ニーズの変化等の移行リスクの検討を行い、検討の結果特定したリスク・機会は、当社グループの戦略に反映し、対応しております。
期間定義
中期2025年度まで中間目標(KPI)の実行期間
長期2030年度まで国連により採択されたSDGs2030アジェンダの達成までの期間であり、最終目標(KGI)の達成期間

(b)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度
ワタミグループは、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、及び2030年時点の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しております。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関IEAや、気候変動に関する政府間パネルIPCCが公表する複数の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」ことを想定したシナリオ、2℃未満シナリオ、及び新たな政策・制度が導入されず、公表済の政策・規制が達成されることを想定した世界の温室効果ガス排出量が、現在より増加するシナリオ、4℃シナリオの2つの世界を想定しました。
0102010_004.png0102010_005.png最重要マテリアリティの1つである「脱炭素社会の実現」に向け、当社グループの事業活動について、上記シナリオを前提に、気候変動がもたらす影響を分析し、その対応策を検討し、当社グループの戦略レジリエンス強靭性を検証しております。
(c)関連するシナリオに基づくリスク・機会及び財務的影響とそれに対する戦略・レジリエンス
ワタミグループの温室効果ガス排出量の多くは、購入した製品・サービスに伴う排出(スコープ3のカテゴリ1)及び他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出(スコープ2)とに由来しており、当社グループの温室効果ガス排出量削減の取り組みは、低炭素由来の原材料の調達及び再生可能エネルギー由来の電力の調達に重点を置くことが重要であると考えております。この現状を踏まえ、当社グループは、2030年時点を想定した2つのシナリオにおける事業及び財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入及び再生可能エネルギー由来の電気料金の変動が、重要なパラメータ指標になると考えております。そのため、2℃未満シナリオ及び4℃シナリオにおける2つのパラメータについて、当社グループの財務への影響を定量的に試算しております。また、宅食事業の弁当容器回収リサイクルが全ての配達エリアで実施できたことにより、お客様の家から家庭ゴミとして排出される容器が減少し、廃棄焼却されるGHGが減少しております。さらに有機農業やバイオマスプラスティックへの取り組みとCO2吸収効果による影響についても検討を進めております。
・2030年時点を想定したシナリオにおけるワタミグループの事業及び財務への影響
重要なパラメータ(指標)項目2℃未満シナリオ4℃シナリオ
炭素税・炭素税価格(千円t CO2)13.34.4
・炭素税課税に伴うコスト増(百万円)29998
再生可能エネルギー由来の電気料金・再生可能エネルギー由来の電気料金の価格増(円/kWh)1~4
・再生可能エネルギー由来の電気の調達コスト増(百万円)16~65

(2030年時点に想定される前提条件)
・炭素税価格(※1)100/t CO2 2℃未満シナリオ、33/t CO2 4℃シナリオ(※2)
※1 「Stated Policy Scenario STEPS」IEA、2019を参照。
※2 2030年時点では日本国内でも炭素税が導入されることを想定し、4℃シナリオにおけるEUの炭素税価格で試算。
・ワタミグループ温室効果ガス排出量:約22,400t CO2(2021年度と同水準)
・再生可能エネルギー由来の電気料金:1~4円/kWhの価格高(再生可能エネルギー以外の電気料金との比較)
・ワタミグループ再生可能エネルギー由来の電気使用量:16,300MWh(再生可能エネルギー比率40%)
当社グループは、2℃未満シナリオ及び4℃シナリオのいずれのシナリオ下においても、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化してまいります。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、マーケット変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。
(d)人材育成に関する方針
ワタミグループは、理念を共有し、従業員一人ひとりがそれぞれの夢や目標を実現していく組織を目指すことが、会社の成長につながると考えております。グループ共通で「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」を合言葉に、従業員の幸せ日本一の職場づくりに努めております。従業員の幸せ日本一を目指す上で、会社と一人ひとりの現状と未来を見据えた仕組みを導入しております。
「従業員の幸せに関する7つの項目」を人材戦略の柱とし、ワタミグループの理念に向けた人事施策を策定しております。
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・教育と能力開発
ワタミグループでは、教育及び能力開発として従業員それぞれが、事業戦略に沿った能力を活かすことができるよう実践型の「スキル教育」をはじめ、「理念教育」「階層別教育」「選抜教育」「自己啓発支援」を行い、従業員の能力開発や技術取得の機会を設け、人材の育成を行っております。特に、従業員一人ひとりが夢・目標を持ち主人公として自身の思いを形にしていくためにはワタミグループの理念と従業員自身の思いの重なりを確認することが重要であると考えており、理念浸透(理念集の活用、夢手帳の考え方、ワタミモデルの理解)に向けて様々な研修を実施しております。
また、自発的に成長できるようgrow(e-ラーニング)の導入や、経営者のためのカレッジ等、従業員のキャリアアップの可能性を広げております。
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・夢達成への支援
ワタミグループでは、自身の夢や目標の達成に向けて、自ら成長・学ぼうとする従業員には、ビジネススクールや独立希望社員向けのDFC研修など自律的なキャリア形成に向けての積極的な支援を行っております。
・ワタミチャレンジアワード
ワタミグループでは、社員一人ひとりが主人公として夢を叶える、それを会社として支援するためのイベントとして、2019年よりワタミチャレンジAWARDを行っております。3年間で社内からの応募数は述べ200件を超え、「ワタミモデル」「差別化・優位性」「SDGs・将来性」の3つのテーマから新規事業、新規業態を提案してもらい、審査を行います。最終審査では取締役3名の前でプレゼンを行い、実現に向けて進んでいく事ができます。
・ビジネススクール
ワタミグループでは、「SDGs日本一」を経営戦略としている今後のワタミグループが100年企業として永続的に発展していくために、若手社員の次世代リーダー育成を目的とした「ワタミビジネススクール」を2015年に開校し、2021年より取締役渡邉将也を講師として1年間の講義を行っております。今後も継続してワタミの理念を深く理解し、かつ経営力に長けたリーダーを育成してまいります。
・夢を語る会
ワタミグループでは、2021年3月より、副社長清水邦晃が全国の社員約1,000名(店長職以下)を対象に、新型コロナウイルス感染症の影響などで業績が厳しい中頑張ってきた社員を労い、そして現場の社員一人ひとりの声を直接聞く機会としてスタートしました。会の中では他事業や他部署で働く社員同士の交流や会社への提言などをテーマにディスカッションなども行っております。
(e)ダイバーシティの推進
・多様性の確保についての考え方
ワタミグループは、「SDGs日本一を実現し地球上で一番たくさんのありがとうを集めます」という形でSDGs宣言をさせて頂いております。具体的にはワタミサスティナブル方針として、外食企業、宅食企業、原料調達から消費までのサプライチェーンを構成する事業、農業、エネルギー事業において、経済的・社会的・環境的ニーズの充足、従業員の幸せ、地域貢献などの持続可能な企業活動を通じて、SDGsを達成することを目指しております。
ワタミモデル(再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデル)をより深化させていくことがSDGs宣言の達成に繋がると考えており、宣言の達成に向け、幅広い各方面の知識・経験を結集させることが不可欠です。
ワタミグループは、異なる経験・技能・属性(ジェンダーや国籍等)を反映した多様な視点や価値観が存在することが、持続的な成長を確保するうえでの強みとなり、SDGs宣言の実現に資するものと考え、人材の多様性の確保を推進いたします。
・多様性確保の状況
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し多様性の確保に向けた取り組みを実施しております。
(1)女性活躍推進の取り組み
当グループは、女性活躍推進への取り組みに関する方針を具体化するため、経営的視点を伸長させるための教育や、女性がライフイベントを乗り越え働き続けていける制度の充実などに取り組んでおります。
女性が将来にわたり活躍し続けるためには、結婚や出産などに合わせた人事施策が必要です。残業時間の削減、有給休暇の取得促進、インターバル制度や短時間勤務制度の導入などの取り組みを積極的に行い、女性が長く働くことができる環境を整え離職率の低減を図ってまいります。
取り組み実績(2023年3月末日時点)
2022年度採用者における女性の採用割合正社員47.8%
パートタイマー55.0%
2022年度管理職の男女比率女性14.3%(40名)
男性85.7%(240名)

(注)提出会社の状況であります。
(2)中途採用者の管理職への登用
ワタミグループは、様々なキャリアバックグラウンドを持つ人材の管理職への登用を進めております。
なお、企業価値向上に資する適切な人材を性別や国籍、過去の経験や経歴を限定せずに登用するという方針に鑑みて、女性、外国人、中途採用者の採用に関して、自主的かつ測定可能な目標について定めておりませんが、更なる多様性の確保に向け現状よりの増加に努めてまいります。
・多様性の確保に向けた社内環境整備方針
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し、多様性の確保に向けた取り組みを実施しており、従業員が出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援・休職など各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限などを導入しております。また、健康診断受診率も2020年度には100%を達成し、健康に留意する必要がある従業員には運動プログラムや食事の在り方を提案するなど、健康の維持・管理の支援をしてまいります。
取り組み実績(2023年3月末日時点)
育児休業取得率女性100.0%/男性25.0%

(注)提出会社の状況であります。
・障がい者雇用の推進
ワタミグループでは、障がいの有無を超え、ともに働く仲間として学び合い、ともに成長することを目標に、障がい者の雇用に取り組んでおります。障がい者の方に、働く場を提供するだけでなく、ワタミグループの一員として社会に貢献し、やりがいをもって仕事に取り組める環境をつくることが、最も大切だと考えております。現在、ワタミの外食店舗での清掃や仕込み、宅食営業所での事務補助、「ワタミ手づくり厨房」での製造・荷受け・事務補助などの仕事に従事しております。
取り組み実績(2023年3月末日時点)
障がい者雇用率(法定雇用率2.3%)2.5%

(注)提出会社の状況であります。
・シニア活躍推進
ワタミグループでは、外食、宅食、食品工場などで60歳以上の方々が多数活躍しております。「高齢者が健康に働ける社会」の実現に向けて、これまでの経験や知識を活用していきいきと働く環境を提供してまいります。
取り組み実績(2023年3月末日時点)
60歳以上の雇用者数831名

(注)提出会社の状況であります。
(f)労働環境の改善に向けた社内環境整備に関する方針
・健康経営
ワタミグループは、労働環境改善を経営の最重要課題に位置付け、2016年より外部有識者を交えた「コンプライアンス委員会」と「業務改善委員会」を設置し、コンプライアンス順守のモニタリングとともに労働環境改善の取り組みを進めてまいりました。2019年からは、取締役と人材開発本部、事業教育担当者が参加する「従業員幸せ会議」を毎月開催しております。2023年3月には、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)2023」に認定されました。さらに「健康経営優良法人ホワイト500」の認定を目指します。
・新入社員へのサポート
ワタミグループでは、入社後、職場の困りごとを上司以外の社員にも気軽に相談できるよう、本部の人材開発本部・教育部の先輩社員が新入社員をサポートできる体制として、メンター制度を導入しております。毎月、労働時間の確認や上司とのコミュニケーションについてなど新入社員が抱えている悩みや不安をヒアリングしてフォローアップを行っております。
・業務の効率化への取り組み
ワタミグループでは、外食店舗の営業がより効率的にできる取り組みとして、テーブル端末(商品注文システム)の導入、主力業態を中心にマニュアルの動画、従業員一人ひとりの勤務時間と作業割り当てをするための「ワークスケジュールシステム」の全店への導入など、事務作業や教育の面でのシステム化を推進しております。また宅食事業では2022年度からまごころスタッフの会計業務などを手作業からスマートフォンで実施できるようにIT化を強化しております。
・勤務インターバル制度の導入
ワタミグループでは、従業員の健康を守り、生活と仕事のバランスを保ちながら働き続けられるよう、2019年1月1日より、勤務間インターバル制度を導入しております。
制度の開始時期2019年1月1日
インターバル期間8時間
対象範囲全従業員(パート・アルバイト含む)

・適正な労働時間管理
ワタミグループでは、人事部門にて日々勤務時間数を確認、配信することで労働時間が長くなりそうな従業員の上長に対して注意喚起をすることで長時間労働が発生することを未然に防げるように努めております。繁忙期には、本部の人員も交えて営業態勢を整えるなど、全社一丸となって運営と時間管理に取り組んでおります。
・ハラスメント研修の実施
ワタミグループでは、管理職に対して、毎年ハラスメント研修を実施しております。また人事昇格要件にハラスメントの知識習得を必須とすることで社内の啓発を図っております。
・従業員アンケートと「夢を語る会」の実施
ワタミグループでは、一人ひとりの社員に寄り添い、仕事を通じて「人としての成長」を実感できるフィールドを常に提供し続けるため、2008年より従業員アンケートを年に2回実施しております。また、2022年3月から副社長が全社員と対話する「夢を語る会」を開催し、コロナ禍で不安を抱える社員一人ひとりに寄り添い、社員の声に耳を傾け、風通しの良い職場環境の改善に努めております。
・メンタルサポートダイヤルの設置
ワタミグループでは、心身の不調が原因となる遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えないなど状態になる前に把握し、社員一人ひとりの仕事の生産性を高められるよう努めております。例えば、健康診断受診推進に関しては、受診率100%を継続するとともに、健康の維持管理の支援を行っております。また、社員本人だけではなく配偶者及びいずれかの被扶養者が利用できる「メンタルヘルス相談窓口(ワタミグループサポートダイヤル)では、希望に応じて、メンタル不調に関する電話でのカウンセリングやWEB相談、面談によるカウンセリングを受けることができます。今後も社員の健康維持に向けた取り組みを強化してまいります。
・「ワタミヘルプライン」の設置
ワタミグループは、グループ内に存在し得る問題を広く受け付け、積極的に問題の解決に務めることができるよう、グループ全従業員(パート・アルバイトメンバーを含む)及びお取引業者様に向けた「ワタミヘルプライン」を設置しております。受付窓口は、メールにて社内独立組織である「ワタミヘルプライン事務局」に直接連絡する窓口、そして、電話にて外部委託先である「三好総合法律事務所様」経由で連絡する窓口の計2つを設けております。また、海外においても、メール相談窓口を設置しております。これにより、グループ内に存在する問題の未然防止・早期発見の体制をさらに強化するとともに、引き続き制度の透明性・利便性の向上、通報者の保護の徹底に努めてまいります。
・「代表取締役会長兼社長への直通ダイヤル」を設置
ワタミグループでは、2022年9月に代表取締役会長兼社長への直通ダイヤルを開設しました。全従業員が直接意見を伝えることができるようになり、将来に向けてよりよい環境つくりの向上に努めてまいります。

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