有価証券報告書-第40期(2025/04/01-2026/03/31)
③戦略
(a)重要な気候変動リスクに関する戦略
ⅰ)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細
当社が認識している短期・中期・長期の気候関連リスクと機会、それらリスクと機会の当社の事業及び財務上の影響(定量評価)、並びに対応策については以下のとおりです。
気候関連リスクと機会への対応策については年に1回、内容を確認し、対応状況の見直しを行ってまいります。
※対象範囲:ワタミグループ(国内・海外)
※参考:「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ ver3.0」環境省(2022年3月)

ⅱ)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度
当社グループは、気候変動が与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、及び短期、中期、長期の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しております。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関IEA等の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」ことを想定したシナリオである1.5℃シナリオを用いて分析しております。
<シナリオ分析>
最重要マテリアリティの1つである「脱炭素社会の実現」に向け、当社グループの事業活動について、上記シナリオを前提に、気候変動がもたらす影響を分析し、その対応策を検討し、当社グループの戦略レジリエンス強靭性を検証しております。
ⅲ)関連するシナリオに基づくリスク・機会及び財務的影響とそれに対する戦略・レジリエンス
当社グループの温室効果ガス排出量の多くは、購入した製品・サービスに伴う排出(スコープ3のカテゴリ1)及び他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出(スコープ2)とに由来しており、当社グループの温室効果ガス排出量削減の取り組みは、低炭素由来の原材料の調達及び再生可能エネルギー由来の電力の調達に重点を置くことが重要であると考えております。この現状を踏まえ、当社グループは、シナリオ分析により抽出した重要なリスク・機会の中でも、(1)炭素税の導入に伴うコスト増、(2)再生可能エネルギー調達価格の変化による影響、(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響が、特に大きな影響を及ぼす可能性があると判断しました。そのため、当該3項目については詳細な分析を実施し、対応策を検討しました。
また、2030、2050年時点(再生可能エネルギー調達価格の変化による影響は、2035、2040年時点)を想定したシナリオにおける事業及び財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入及び再生可能エネルギー由来の電気料金の変動が、重要なパラメータ指標になると考えております。そのため、1.5℃シナリオのパラメータ(「(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響」は、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオにおける2つのパラメータ)について、当社グループの財務への影響を定量的に試算しております。また、宅食事業の弁当容器回収リサイクルが全ての配達エリアで実施できたことにより、お客様の家から家庭ゴミとして排出される容器が減少し、廃棄焼却されるGHGが減少しております。さらに温室効果ガスのオフセットとして、Jクレジット制度及び荷主と運輸事業者の連携による物流脱炭素化プロジェクト(水素を燃料とするトラック輸送)を立ち上げるなど、有機農業やバイオマスへの取り組みとCO2吸収効果による影響についても検討を進めております。
当社グループは、2015年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)において採択されたパリ協定の目標である1.5℃シナリオを想定し、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化してまいります。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、マーケット変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。
(1)炭素税導入に伴うコスト増
IEA2023NZEシナリオを参考に2030年、2050年時点での炭素税額を1.5℃シナリオで140ドル/tCO2、250ドル/tCO2と設定し、Scope1、2に関する炭素税導入による財務影響額を試算しました。
その結果、当社グループの炭素排出量が2023年と同様の排出量の場合、2030年1.5℃シナリオでは6億5千5百万円、2050年1.5℃シナリオで11億7千万円のコスト増が想定されております。
ただし、当社グループは2050年カーボンニュートラル宣言でのCO2排出量実質ゼロを実現することで、炭素税の負担は軽減されると見込んでおります。省エネルギー活動や再生可能エネルギーへの切り替え、森林再生や有機農業管理面積の拡大を行い、CO2吸収効果を拡大することにより、排出量削減に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
1.5℃シナリオによる炭素税試算

(2)再生可能エネルギー調達価格の変化による影響
1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる再生可能エネルギー調達のコストを試算しました。電力使用量は、2023年と同等とした場合とし、RE100に沿った中間目標である2035年に事業活動で消費する電力の50%の再生可能エネルギーの導入、最終目標である2040年に100%の再生可能エネルギー導入で試算しております。
その結果、1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる再生可能エネルギーの調達コストは、2040年で最小5千万円、最大2億1百万円のコストが見込まれます。
店舗や営業所、工場等での省エネ活動の推進を行い、排出量削減の取り組みを行ってまいります。また排出量削減以外にも、グループ会社のワタミエナジー株式会社の再生可能エネルギー事業での電力安定供給を図り、価値変動リスク低減を図ります。宅食や外食のセンター「ワタミ手づくり厨房」の屋根に設置された太陽光パネルで発電した電力のほかにも、関係している北海道厚真町のメガソーラーや秋田県の風力発電「風民」の自然エネルギーを調達し、外部調達依存度の低減を行っております。24年度には奈良県にて小水力発電の「水民」を共同出資し、建設を開始しております。
1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる調達コスト
(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響
国土交通省「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」や気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会「気候変動を踏まえた治水計画の在り方提言」などを参考に高潮や洪水による建物が破損し、営業停止した場合の特別損失(機会損失)を想定しました。
その結果、2030年時点では店舗(直営・FC含む)や営業所が2024年と同等の場合、1.5℃シナリオで1億9千4百万円、4℃シナリオで5億8千4百万円の特別損失(機会損失)、2050年には1.5℃シナリオで8億4千4百万円、4℃シナリオで25億3千3百万円の特別損失(機会損失)が見込まれます。
当社グループの早期再開は、地域の市民の方に温かいお食事をご提供できることにもつながるため、食のインフラ企業として、洪水などの自然災害への対策を事前に検討しております。また有事の際には、地域の災害拠点として、外食店舗や宅食営業所を開放し、予備食材など地域の市民の方に提供することにより、各地域の社会貢献を続けてまいります。
今後もBCPの見直しなど、自然災害リスクが起きた場合の対応を講じてまいります。
洪水被害による営業停止による売り上げ機会の損失リスク増加想定
※想定洪水発生頻度:4℃シナリオ4倍、1.5℃シナリオ2倍
※検討拠点:2024年時点の宅食営業所(代理店含む)525営業所、外食店舗(FC含む)327店舗にて試算。
※洪水により営業停止による特別損失(機会損失)を算出。被害を受けた建物の修繕や洪水の影響で調達や配送での損失額は除外。
(b)自然関連のリスクに関する戦略
ⅰ)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細
当社が認識している短期・中期・長期の自然関連リスクと機会、それらリスクと機会の当社の事業及び財務上の影響(定性評価)、並びに対応策については以下のとおりです。
自然関連リスクと機会への対応策については年に1回、内容を確認し、対応状況の見直しを行ってまいります。
※期間の定義
TNFDのLEAPアプローチ※1を活用し、自社及びバリューチェーンの自然資本への依存と影響、リスクと機会を分析しました※2。
※1:自然との接点、自然との依存関係、影響、リスク、機会など、自然関連課題の評価のための統合的なアプローチとして、TNFDにより開発され・提供されている。スコーピングを経て、Locate(発見する)、Evaluate(診断する)、Assess(評価する)、Prepare(準備する)の4フェーズから構成される。
※2:分析の対象範囲は一般要件に記載
ⅱ)[Locate/Evaluate]自然との接点を見つける
(1)自然資本への依存と影響の把握
対象のバリューチェーンの各段階について、ENCOREを用いて分析し、自社事業の特徴も考慮した最終的な自然への依存と影響の特定・評価結果をヒートマップにまとめました。分析の結果、直接操業の農業・畜産事業において自然への依存と影響が大きいことを確認しました。また、上流のサプライヤーの原料調達段階においては、SBTNが提供するHigh Impact Commodity List(以下、HICL)※を用いて自然リスクの高い原材料を特定しました。これらについては今後詳細の分析を進めてまいります。
※ SBTN(Science Based Targets Network)が提供するHigh Impact Commodity List(HICL)は、「自然への影響が特に大きいとされるコモディティ(原材料)」をまとめたリスト


HICLに該当する主要原材料
(2)優先地域の評価
直接操業の農業・畜産及び食品加工・製造事業の拠点(農場・工場)について評価ツールを用いて要注意地域※への該当有無を確認し、以下の拠点を特定しました。
※TNFD提言では次の5つの基準のうち1つ以上に該当する場所を要注意地域と定義している。
*生物多様性にとって重要な地域
*生態系の完全性が高い地域
*生態系の完全性が急速に低下している地域
*物理的な水リスクが高い地域
*先住民、地域社会、ステークホルダーへの便益を含む、生態系サービスの提供にとって重要な地域

ⅲ)[Assess]自然関連のリスクと機会を評価する
「ⅱ)[Locate/Evaluate]自然との接点を見つける (1)自然資本への依存と影響の把握」の結果から当社事業への影響が大きい項目についてリスク・機会を特定し、影響度評価を行いました。また対応策について検討しました。農業・畜産事業では、消費者の環境配慮製品へのニーズや規制等への対応の遅れによる収益低下や追加コスト発生等の移行リスク、異常気象による自然災害の被害等による収量減少に伴う収益低下等の物理的リスク、製造や飲食事業では、水不足による生産工程の停止・短縮等の物理的リスクを認識しました。一方で、農業事業では有機農業の実践による農地周辺の生態系の保護・復元・再生の機会、食品廃棄物の再利用による収益増加の機会、製造事業では、プラスチック容器包装の回収リサイクルにより海洋汚染を防止し生態系の保護・復元・再生につながる機会を認識しました。
今後はシナリオ分析に取り組み、複数のシナリオにおけるリスクや機会を多角的に把握し、適切な戦略立案に活かしてまいります。

(c)人材育成に関する方針
ワタミグループは「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」というグループミッションを掲げております。人が成長できる環境、もしくはそのきっかけを一つでも多く提供できる企業でありたいという思いから取り組みを推進しております。これらを支える人材戦略として、当社グループは、中長期的な視点で継続的に価値創出を担う人材の採用及び育成、並びにエンゲージメントの向上及び定着を、人材戦略の中核に位置付けております。その根底にあるのは基本的人権を守るということです。ワタミが事業活動を展開する上で人権に対する負の影響が生じていると判明した場合には、是正に向けて適切な対応をすることにより人権の尊重に努めております。
2022年には、ワタミ人権方針を策定、重点項目を設定し、達成に向け取り組んでまいりました。
(ワタミグループ人権方針)
1、基本的な考え方(尊重する人権)
ワタミグループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、国際人権章典、ILO宣言に定める人権を尊重し、OECD多国籍企業行動指針、UNGCの10原則を支持するように努めます。また、事業を行う国や地域の現地法を遵守し、現地法が脆弱又は国際法と矛盾する場合は、国際規範を最大限尊重します。
2、適用範囲
本方針は、ワタミグループ全ての規程、規範の上位方針として位置づけます。ワタミグループは、本方針を、全ての役員と従業員に適用します。またワタミグループを支えているサプライヤー・ビジネスパートナーの皆様にも本方針を理解し、人権の尊重に努めていただくように求めます。
3、人権尊重の責任
ワタミグループは、自らの事業活動において影響を受ける人々の人権を侵害しないこと、また事業活動を展開する上で人権に対する負の影響が生じていると判明した場合には、是正に向けて適切な対応をすることにより人権尊重の責任を果たしてまいります。
4、人権デュー・ディリジェンスの実施
ワタミグループは、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」に従って、事業活動で人権侵害(児童労働、強制労働、差別等)を容認しないという方針のもと、人権への負の影響を特定、是正、緩和、防止するためのデュー・ディリジェンスの仕組みを構築し適切かつ効果的に実施してまいります。
5、推進体制
人権尊重のための方針は、経営の最高意思決定機関の取締役会が決定します。具体的な施策の実行にあたっては、全社横断のタスクチームを発足します。
6、対話・協議
ワタミグループは、人権尊重の取り組みや進捗状況を定期的にウェブサイトなどで全てのステークホルダーに対して開示します。
7、情報開示
ワタミグループは、人権尊重の取り組みや進捗状況を定期的にウェブサイトなどで全てのステークホルダーに対して開示します。
8、理解浸透・教育
ワタミグループは、理念が浸透するようにすべての役員及び従業員に対して、対面型階層別研修会や社内のイントラネットなどを活用して適切な教育を行います。
9、人権における重点項目
ワタミグループは、以下の人権課題の取り組みが、人権遵守における重点テーマと位置づけております。
事業活動に大きな影響を持つ以下の取り組みから推進します。
・労働環境の改善 ・ハラスメントの防止 ・救済へアクセスする権利の確保
・ダイバーシティの推進 ・サプライチェーン上の人権尊重
「ビジネスと人権に関する指導原則」では、自社内部で発生しうる人権に関するリスクのみならず、サプライチェーンで発生しているリスクに対しても負の影響を防止又は軽減するように努めることが求められております。
そこで、ワタミグループでは、社会的責任の国際規格である「ISO26000」に基づき専門家のアドバイスを受け、ワタミサプライヤーガイドラインを策定、当ガイドラインのサプライヤー様への周知を図り、アンケート又は署名にて賛同いただけるように努めるとともに主要な御取引先様との人権活動に関する意見交換やフィードバックを行うなど、共同して取り組んでまいりました。結果、ワタミグループサプライヤーガイドライン同意書の回収率が95%以上となるなど、大きな成果を上げております。
2026年度は、これらの取り組みを一層強化、その進捗を公開し、情報を更新してまいります。
このほか自社人権DDの取り組みを強化し、専門家のアドバイスをもとに、人権リスクをさらに幅広く、網羅し、対象範囲を広げて実施してまいります。
また、自社アンケートをもとに、ハラスメント項目においても、負の影響を防止、軽減するための自社オリジナルのガイドラインを策定する計画です。
(従業員の幸せ日本一を目指して)
ワタミグループは、理念を共有し、従業員一人ひとりがそれぞれの夢や目標を実現していく組織を目指すことが、会社の成長につながると考えております。また、「ワタミで働いていることに幸せを感じている」という社員の割合(幸せ満足度)95%以上を目指しており、グループ共通で「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」を合言葉に、従業員の幸せ日本一の職場づくりに努めております。
・ミッションツリー
ミッションツリーとは、社員一人ひとりの人生と会社をどう重ねていくかという一つの大きなテーマを持った図です。根底にあるのは、個人の存在目的と会社の存在目的です。人間は誰もが自分の生きる目的を持っており、つまり「自分は何のために生きているか」「自分にとって大切なものは何か」、これが個人の存在目的です。これらをもっと大きく会社として形にしたものがミッションであり、会社の存在目的と重ねることで、ミッションを共有してほしいという意味があります。
これを達成するための仕組みがワタミモデルであり、その上で「ワタミモデルを世界中に広げる」という目標に向けて、まずは戦略目標として「2048年1兆円グループ」を掲げ、毎日のPDCAを回そうという、逆算の考え方です。
このミッションツリーの考え方から、新しく「理念集」も作成し、章立ても構成されております。
・理念集とワタミ夢ストリートの更新
ワタミグループでは、各事業から、日頃より「理念集」を常に意識し、誰よりも活用している社員でプロジェクトを組み、全社員にとって「さらに使いやすく手に取りやすい」理念集を完成しました。社員一人ひとりがワタミの歴史や思いを改めて理解し、自分の言葉で話せるように、理念一覧や事業誕生の背景、最新の会長のメッセージなどを掲載しております。さらに、本社に来ていただくお客様と、ワタミの理念の接点として開設した「ワタミ夢ストリート」も更新しました。理念の基になった背景を細かく一覧にして展示したり、ワタミモデルの歴史やSDGsコーナーを増設したりと40年分の思いが詰まっております。この「ワタミ夢ストリート」を広げるためアンバサダー制度も導入します。
・夢手帳
ワタミグループでは、「夢手帳」の考え方(夢や目標をカラーで描き、それらを達成するためにいま何をしなければいけないのかを、年間・月間・週間・日々の行動へと逆算して手帳に落とし込んでいく逆算方式)をもう一度社員に理解し、実践してもらうことに力を入れております。
日々の振り返りに活用してもらうために、身近なところである「今日どんな行動を変えるのか」を考え、書くことにこだわって、まずは日記を書き始めることから夢手帳の活用を習慣化してほしいと考えております。
・ワタミモデル体現ツアー
ワタミグループでは、ワタミモデルを日本中に世界中に広めるためには、まずは社員一人ひとりがワタミモデルを理解し、そして体験し、それらを自分の言葉で語れるようになるため、ワタミファームの収穫体験やワタミエナジーのにかほツアー、ワタミが支援する3つの公益財団の一つであるSAJのカンボジアツアーなどを実施しております。研修会や社内報でしか知ることができなかった現状を体験し、より一層会社の取り組みを理解します。
・新たなキャリアアップ制度を導入
ワタミグループでは、今までのキャリアステップはマネジメントを行うことが前提でしたが、マネジメントだけではなく専門性の高い業務を遂行することによってキャリアを上げられる専門職コースを構築し、一人ひとりの夢に寄り添える制度を導入しており、現在は、仕入や商品開発など専門知識の必要な分野で44名が活躍しております。
・健康課題への推進
ワタミグループではグループ全体で健康推進の取り組みをすることで、従業員一人ひとりの生産性を高められるよう努めており、健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されております。
以下は取り組みの内容の一例となります。
健康診断100%受診を継続。
産業医が判定した健康リスクのある有所見者に対しての保健指導。
生活習慣病の発症リスクがある方への特定健康保健指導を実施。
私傷病や業務災害により長期休職や入院となった場合に備えて、休業補償や入院給付を受けられ民間保険に会社が全額負担で加入。
(d)ダイバーシティの推進
・多様性の確保についての考え方
ワタミグループは、「SDGs日本一を実現し地球上で一番たくさんの”ありがとう”を集めます」という形でSDGs宣言をさせて頂いております。具体的にはワタミサスティナブル方針として、外食企業、宅食企業、原料調達から消費までのサプライチェーンを構成する事業、農業、エネルギー事業において、経済的・社会的・環境的ニーズの充足、従業員の幸せ、地域貢献などの持続可能な企業活動を通じて、SDGsを達成することを目指しております。
ワタミモデル(再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデル)をより深化させていくことがSDGs宣言の達成に繋がると考えており、宣言の達成に向け、幅広い各方面の知識・経験を結集させることが不可欠です。
ワタミグループは、異なる経験・技能・属性(ジェンダーや国籍等)を反映した多様な視点や価値観が存在することが、持続的な成長を確保するうえでの強みとなり、SDGs宣言の実現に資するものと考え、人材の多様性の確保を推進いたします。
・多様性確保の状況
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し多様性の確保に向けた取り組みを実施しております。
(1)女性活躍推進の取り組み
ワタミグループは、女性活躍推進への取り組みに関する方針を具体化するため、経営的視点を伸長させるための教育や、女性がライフイベントを乗り越え働き続けていける制度の充実などに取り組んでおります。
女性が将来にわたり活躍し続けるためには、結婚や出産などに合わせた人事施策が必要です。残業時間の削減、有給休暇の取得促進、インターバル制度や短時間勤務制度の導入などの取り組みを積極的に行い、女性が長く働くことができる環境を整え離職率の低減を図ってまいります。
(注)提出会社の状況であります。
(2)中途採用者の管理職への登用
ワタミグループは、様々なキャリアバックグラウンドを持つ人材の管理職への登用を進めております。
なお、企業価値向上に資する適切な人材を性別や国籍、過去の経験や経歴を限定せずに登用するという方針に鑑みて、女性、外国人、中途採用者の採用に関して、自主的かつ測定可能な目標について定めておりませんが、更なる多様性の確保に向け現状よりの増加に努めてまいります。
・多様性の確保に向けた社内環境整備方針
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し、多様性の確保に向けた取り組みを実施しており、従業員が出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援・休職など各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限などを導入しております。また、健康診断受診率も2020年度には100%を達成し、健康に留意する必要がある従業員には運動プログラムや食事の在り方を提案するなど、健康の維持・管理の支援をしてまいります。
(注)提出会社の状況であります。
・障がい者雇用の推進
ワタミグループでは、障がいの有無を超え、ともに働く仲間として学び合い、ともに成長することを目標に、障がい者の雇用に取り組んでおります。障がい者の方に、働く場を提供するだけでなく、ワタミグループの一員として社会に貢献し、やりがいをもって仕事に取り組める環境をつくることが、最も大切だと考えております。現在、ワタミの外食店舗での清掃や仕込み、宅食営業所での事務補助、「ワタミ手づくり厨房」での製造・荷受け・事務補助などの仕事に従事しております。
(注)提出会社の状況であります。
・シニア活躍推進
ワタミグループでは、外食、宅食、食品工場などで60歳以上の方々が多数活躍しております。「高齢者が健康に働ける社会」の実現に向けて、これまでの経験や知識を活用していきいきと働く環境を提供してまいります。
(注)提出会社の状況であります。
(e)労働環境の改善に向けた社内環境整備に関する方針
・健康経営
ワタミグループは、労働環境改善を経営の最重要課題に位置付け、2016年より外部有識者を交えた「コンプライアンス委員会」と「業務改善委員会」を設置し、コンプライアンス順守のモニタリングとともに労働環境改善の取り組みを進めてまいりました。2019年からは、取締役と人材開発本部、事業教育担当者が参加する「従業員幸せ会議」を毎月開催しております。2026年3月には、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)2026」に5年連続で認定されました。さらに「健康経営優良法人ホワイト500」の認定を目指します。
・新入社員へのサポート
ワタミグループでは、入社後、職場の困りごとを上司以外の社員にも気軽に相談できるよう、本部の人材開発本部・教育部の先輩社員が新入社員をサポートできる体制として、メンター制度を導入しております。毎月、労働時間の確認や上司とのコミュニケーションについてなど新入社員が抱えている悩みや不安をヒアリングしてフォローアップを行っております。
・出産・育児・介護への支援
従業員が安心して、出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援や休職などの各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限等を導入しております。また、改正育児介護休業法に則り、男性の育児休業取得を推進しております。出産予定や復職予定の女性従業員のみならず、配偶者が出産予定の男性従業員に対しても本制度を伝え、産褥期や復職時に夫婦で協力して育児を行えるよう、会社としてサポートしております。
・業務の効率化への取り組み
ワタミグループでは、外食店舗の営業がより効率的にできる取り組みとして、テーブル端末(商品注文システム)の導入、主力業態を中心にマニュアルの動画、従業員一人ひとりの勤務時間と作業割り当てをするための「ワークスケジュールシステム」の全店への導入など、事務作業や教育の面でのシステム化を推進しております。また、宅食事業では2022年度からまごころスタッフの会計業務などを手作業からスマートフォンで実施できるようにIT化を強化しております。
・勤務インターバル制度の導入
ワタミグループでは、従業員の健康を守り、生活と仕事のバランスを保ちながら働き続けられるよう、2019年1月1日より、勤務間インターバル制度を導入しております。
・適切な労働時間管理と有給休暇の取得
ワタミでは、人事部門にて日々勤務時間数を確認、配信することで、労働時間が長くなりそうな従業員の上長に対して注意喚起をし、長時間労働が発生することを未然に防げるように努めております。繁忙期には、本部の人員も交えて営業態勢を整えるなど、全社一丸となって運営と時間管理に取り組んでおります。
有給休暇の取得も、年間で必ず5日間以上取得できるよう、人事部門で管理、発信することで、適切に休暇を取れる環境を整えております。
・ハラスメント研修の実施
ハラスメント防止のため、各事業の研修会において、ハラスメント研修を年2回実施しております。また、パート・アルバイトにも研修内容を動画で共有し、ハラスメントの知識を習得することにより、社内の啓発を図っております。また、ワタミでは外部委託先である「三好総合法律事務所様」とハラスメント救済システム(ヘルプライン)を設置し、救済の場を設けております。
ハラスメント(Harassment)とは相手の意に反する行為によって不快にさせたり、相手の人間としての尊厳を傷つけたり、脅したりすること。いわば「いじめ」「嫌がらせ」と同等の意味をもつ行為です。たとえ、相手を「傷つける」「いじめる」という意図がなくても、相手が不快な感情を抱けばハラスメントは成立します。
・メンタルサポートダイヤルの設置
ワタミグループでは、心身の不調が原因となる遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えないなど状態になる前に把握し、社員一人ひとりの仕事の生産性を高められるよう努めております。例えば、健康診断受診推進に関しては、受診率100%を継続するとともに、健康の維持管理の支援を行っております。また、社員本人だけではなく配偶者及びいずれかの被扶養者が利用できる「メンタルヘルス相談窓口(ワタミグループサポートダイヤル)では、希望に応じて、メンタル不調に関する電話でのカウンセリングやWEB相談、面談によるカウンセリングを受けることができます。今後も社員の健康維持に向けた取り組みを強化してまいります。
・「ワタミヘルプライン」の設置
ワタミグループは、グループ内に存在し得る問題を広く受け付け、積極的に問題の解決に務めることができるよう、グループ全従業員(パート・アルバイトメンバーを含む)及びお取引先業者様に向けた「ワタミヘルプライン」を設置しております。受付窓口は、メールにて社内独立組織である「ワタミヘルプライン事務局」に直接連絡する窓口、そして、電話にて外部委託先である「三好総合法律事務所様」経由で連絡する窓口の計2つを設けております。また、海外においても、メール相談窓口を設置しております。これにより、グループ内に存在する問題の未然防止・早期発見の体制をさらに強化するとともに、引き続き制度の透明性・利便性の向上、通報者の保護の徹底に努めてまいります。
・「代表取締役会長兼社長CEOへの直通ダイヤル」を設置
ワタミグループでは、2022年9月に代表取締役会長兼社長CEOへの直通ダイヤルを開設しました。全従業員が直接意見を伝えることができるようになり、将来に向けてよりよい環境づくりの向上に努めてまいります。
(f)従業員の給与等の決定方針
・年率7%の賃上げ目標
2026年は、2034年(売上3,000億、賃金2倍)からの逆算スタートの年とする。
給与額の改定:役職給のみならず各種手当を含んだ制度全体の改訂を行ってまいります。
(g)平均年間給与及び前年度比増減率の推移(前事業年度及び当事業年度)
当社グループにおける、前事業年度及び当事業年度の正社員の平均年間給与及び前年度比増減率は以下のとおりです。
※ 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金(残業手当等)を含んで算出しております。
(a)重要な気候変動リスクに関する戦略
ⅰ)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細
当社が認識している短期・中期・長期の気候関連リスクと機会、それらリスクと機会の当社の事業及び財務上の影響(定量評価)、並びに対応策については以下のとおりです。
気候関連リスクと機会への対応策については年に1回、内容を確認し、対応状況の見直しを行ってまいります。
| 時間軸 | 期間 | 定義 |
| 短期 | 2030年 | SDGsのゴール目標、またKGI(最終目標)の達成期間 |
| 中期 | 2040年 | RE100の達成期間 |
| 長期 | 2050年 | ワタミグループのカーボンニュートラル宣言の達成期間 |
※対象範囲:ワタミグループ(国内・海外)
※参考:「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ ver3.0」環境省(2022年3月)

ⅱ)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度
当社グループは、気候変動が与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、及び短期、中期、長期の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しております。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関IEA等の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」ことを想定したシナリオである1.5℃シナリオを用いて分析しております。
<シナリオ分析>

最重要マテリアリティの1つである「脱炭素社会の実現」に向け、当社グループの事業活動について、上記シナリオを前提に、気候変動がもたらす影響を分析し、その対応策を検討し、当社グループの戦略レジリエンス強靭性を検証しております。ⅲ)関連するシナリオに基づくリスク・機会及び財務的影響とそれに対する戦略・レジリエンス
当社グループの温室効果ガス排出量の多くは、購入した製品・サービスに伴う排出(スコープ3のカテゴリ1)及び他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出(スコープ2)とに由来しており、当社グループの温室効果ガス排出量削減の取り組みは、低炭素由来の原材料の調達及び再生可能エネルギー由来の電力の調達に重点を置くことが重要であると考えております。この現状を踏まえ、当社グループは、シナリオ分析により抽出した重要なリスク・機会の中でも、(1)炭素税の導入に伴うコスト増、(2)再生可能エネルギー調達価格の変化による影響、(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響が、特に大きな影響を及ぼす可能性があると判断しました。そのため、当該3項目については詳細な分析を実施し、対応策を検討しました。
また、2030、2050年時点(再生可能エネルギー調達価格の変化による影響は、2035、2040年時点)を想定したシナリオにおける事業及び財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入及び再生可能エネルギー由来の電気料金の変動が、重要なパラメータ指標になると考えております。そのため、1.5℃シナリオのパラメータ(「(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響」は、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオにおける2つのパラメータ)について、当社グループの財務への影響を定量的に試算しております。また、宅食事業の弁当容器回収リサイクルが全ての配達エリアで実施できたことにより、お客様の家から家庭ゴミとして排出される容器が減少し、廃棄焼却されるGHGが減少しております。さらに温室効果ガスのオフセットとして、Jクレジット制度及び荷主と運輸事業者の連携による物流脱炭素化プロジェクト(水素を燃料とするトラック輸送)を立ち上げるなど、有機農業やバイオマスへの取り組みとCO2吸収効果による影響についても検討を進めております。
当社グループは、2015年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)において採択されたパリ協定の目標である1.5℃シナリオを想定し、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化してまいります。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、マーケット変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。
(1)炭素税導入に伴うコスト増
IEA2023NZEシナリオを参考に2030年、2050年時点での炭素税額を1.5℃シナリオで140ドル/tCO2、250ドル/tCO2と設定し、Scope1、2に関する炭素税導入による財務影響額を試算しました。
その結果、当社グループの炭素排出量が2023年と同様の排出量の場合、2030年1.5℃シナリオでは6億5千5百万円、2050年1.5℃シナリオで11億7千万円のコスト増が想定されております。
ただし、当社グループは2050年カーボンニュートラル宣言でのCO2排出量実質ゼロを実現することで、炭素税の負担は軽減されると見込んでおります。省エネルギー活動や再生可能エネルギーへの切り替え、森林再生や有機農業管理面積の拡大を行い、CO2吸収効果を拡大することにより、排出量削減に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
| 想定時期 | 排出量(tCO2) | 炭素税パラメーター | 財務影響金額 (円) | |||
| Scope1 排出量 (tCO2) | Scope2 排出量 (tCO2) | Scope1、2 排出量合計 (tCO2) | 炭素税 (USD/tCO2) | 出所 | ||
| 2030年 | 7,275 | 22,013 | 29,287 | 140 | IEA2024 | 655,750,511 |
| 2050年 | 7,275 | 22,013 | 29,287 | 250 | IEA2024 | 1,170,983,056 |
1.5℃シナリオによる炭素税試算

(2)再生可能エネルギー調達価格の変化による影響
1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる再生可能エネルギー調達のコストを試算しました。電力使用量は、2023年と同等とした場合とし、RE100に沿った中間目標である2035年に事業活動で消費する電力の50%の再生可能エネルギーの導入、最終目標である2040年に100%の再生可能エネルギー導入で試算しております。
その結果、1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる再生可能エネルギーの調達コストは、2040年で最小5千万円、最大2億1百万円のコストが見込まれます。
店舗や営業所、工場等での省エネ活動の推進を行い、排出量削減の取り組みを行ってまいります。また排出量削減以外にも、グループ会社のワタミエナジー株式会社の再生可能エネルギー事業での電力安定供給を図り、価値変動リスク低減を図ります。宅食や外食のセンター「ワタミ手づくり厨房」の屋根に設置された太陽光パネルで発電した電力のほかにも、関係している北海道厚真町のメガソーラーや秋田県の風力発電「風民」の自然エネルギーを調達し、外部調達依存度の低減を行っております。24年度には奈良県にて小水力発電の「水民」を共同出資し、建設を開始しております。
1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる調達コスト
| 想定時期 | 電力使用量 (kWh) | 再エネ調達量 (RE100目標に沿った 再エネ化を想定) | 再エネ由来の 電気料金調達額 (円/kWh) | 再エネ調達金額 (円/kWh) | |||
| 再エネ率(%) | 再エネ 調達量 (kWh) | 最小 | 最大 | 最小 | 最大 | ||
| 2023年 | 50,488,599 | 9 | 4,432,288 | - | - | 1,777,347 | |
| 2035年 | 50,488,599 | 50 | 25,244,300 | 1 | 4 | 25,244,300 | 100,977,198 |
| 2040年 | 50,488,599 | 100 | 50,488,599 | 1 | 4 | 50,488,599 | 201,954,396 |
(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響
国土交通省「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」や気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会「気候変動を踏まえた治水計画の在り方提言」などを参考に高潮や洪水による建物が破損し、営業停止した場合の特別損失(機会損失)を想定しました。
その結果、2030年時点では店舗(直営・FC含む)や営業所が2024年と同等の場合、1.5℃シナリオで1億9千4百万円、4℃シナリオで5億8千4百万円の特別損失(機会損失)、2050年には1.5℃シナリオで8億4千4百万円、4℃シナリオで25億3千3百万円の特別損失(機会損失)が見込まれます。
当社グループの早期再開は、地域の市民の方に温かいお食事をご提供できることにもつながるため、食のインフラ企業として、洪水などの自然災害への対策を事前に検討しております。また有事の際には、地域の災害拠点として、外食店舗や宅食営業所を開放し、予備食材など地域の市民の方に提供することにより、各地域の社会貢献を続けてまいります。
今後もBCPの見直しなど、自然災害リスクが起きた場合の対応を講じてまいります。
洪水被害による営業停止による売り上げ機会の損失リスク増加想定
| 1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ | |
| 洪水発生頻度増(倍) | 2 | 4 |
| 2030年までの累計リスク増分(円) | 194,871,000 | 584,613,000 |
| 2050年までの累計リスク増分(円) | 844,441,000 | 2,533,323,000 |
※想定洪水発生頻度:4℃シナリオ4倍、1.5℃シナリオ2倍
※検討拠点:2024年時点の宅食営業所(代理店含む)525営業所、外食店舗(FC含む)327店舗にて試算。
※洪水により営業停止による特別損失(機会損失)を算出。被害を受けた建物の修繕や洪水の影響で調達や配送での損失額は除外。
(b)自然関連のリスクに関する戦略
ⅰ)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細
当社が認識している短期・中期・長期の自然関連リスクと機会、それらリスクと機会の当社の事業及び財務上の影響(定性評価)、並びに対応策については以下のとおりです。
自然関連リスクと機会への対応策については年に1回、内容を確認し、対応状況の見直しを行ってまいります。
※期間の定義
| 時間軸 | 期間 | 定義 |
| 短期 | 2027年 | KPI(中間目標)の達成期間 |
| 中期 | 2030年 | SDGsのゴール目標、またKGI(最終目標), 「自然損失の阻止と逆転」の達成期間 |
| 長期 | 2050年 | 昆明・モントリオール地球規模生物多様性枠組(GBF)で合意された「自然との共生」の達成期間 |
TNFDのLEAPアプローチ※1を活用し、自社及びバリューチェーンの自然資本への依存と影響、リスクと機会を分析しました※2。
※1:自然との接点、自然との依存関係、影響、リスク、機会など、自然関連課題の評価のための統合的なアプローチとして、TNFDにより開発され・提供されている。スコーピングを経て、Locate(発見する)、Evaluate(診断する)、Assess(評価する)、Prepare(準備する)の4フェーズから構成される。
※2:分析の対象範囲は一般要件に記載
ⅱ)[Locate/Evaluate]自然との接点を見つける
(1)自然資本への依存と影響の把握
対象のバリューチェーンの各段階について、ENCOREを用いて分析し、自社事業の特徴も考慮した最終的な自然への依存と影響の特定・評価結果をヒートマップにまとめました。分析の結果、直接操業の農業・畜産事業において自然への依存と影響が大きいことを確認しました。また、上流のサプライヤーの原料調達段階においては、SBTNが提供するHigh Impact Commodity List(以下、HICL)※を用いて自然リスクの高い原材料を特定しました。これらについては今後詳細の分析を進めてまいります。
※ SBTN(Science Based Targets Network)が提供するHigh Impact Commodity List(HICL)は、「自然への影響が特に大きいとされるコモディティ(原材料)」をまとめたリスト


HICLに該当する主要原材料
| 牛肉 | 豚肉 | 鶏肉 | 乳製品 | 魚介類 |
| コーヒー | アボカド | 米 | 大豆 | イモ |
(2)優先地域の評価
直接操業の農業・畜産及び食品加工・製造事業の拠点(農場・工場)について評価ツールを用いて要注意地域※への該当有無を確認し、以下の拠点を特定しました。
※TNFD提言では次の5つの基準のうち1つ以上に該当する場所を要注意地域と定義している。
*生物多様性にとって重要な地域
*生態系の完全性が高い地域
*生態系の完全性が急速に低下している地域
*物理的な水リスクが高い地域
*先住民、地域社会、ステークホルダーへの便益を含む、生態系サービスの提供にとって重要な地域

ⅲ)[Assess]自然関連のリスクと機会を評価する
「ⅱ)[Locate/Evaluate]自然との接点を見つける (1)自然資本への依存と影響の把握」の結果から当社事業への影響が大きい項目についてリスク・機会を特定し、影響度評価を行いました。また対応策について検討しました。農業・畜産事業では、消費者の環境配慮製品へのニーズや規制等への対応の遅れによる収益低下や追加コスト発生等の移行リスク、異常気象による自然災害の被害等による収量減少に伴う収益低下等の物理的リスク、製造や飲食事業では、水不足による生産工程の停止・短縮等の物理的リスクを認識しました。一方で、農業事業では有機農業の実践による農地周辺の生態系の保護・復元・再生の機会、食品廃棄物の再利用による収益増加の機会、製造事業では、プラスチック容器包装の回収リサイクルにより海洋汚染を防止し生態系の保護・復元・再生につながる機会を認識しました。
今後はシナリオ分析に取り組み、複数のシナリオにおけるリスクや機会を多角的に把握し、適切な戦略立案に活かしてまいります。

(c)人材育成に関する方針
ワタミグループは「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」というグループミッションを掲げております。人が成長できる環境、もしくはそのきっかけを一つでも多く提供できる企業でありたいという思いから取り組みを推進しております。これらを支える人材戦略として、当社グループは、中長期的な視点で継続的に価値創出を担う人材の採用及び育成、並びにエンゲージメントの向上及び定着を、人材戦略の中核に位置付けております。その根底にあるのは基本的人権を守るということです。ワタミが事業活動を展開する上で人権に対する負の影響が生じていると判明した場合には、是正に向けて適切な対応をすることにより人権の尊重に努めております。
2022年には、ワタミ人権方針を策定、重点項目を設定し、達成に向け取り組んでまいりました。
(ワタミグループ人権方針)
1、基本的な考え方(尊重する人権)
ワタミグループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、国際人権章典、ILO宣言に定める人権を尊重し、OECD多国籍企業行動指針、UNGCの10原則を支持するように努めます。また、事業を行う国や地域の現地法を遵守し、現地法が脆弱又は国際法と矛盾する場合は、国際規範を最大限尊重します。
2、適用範囲
本方針は、ワタミグループ全ての規程、規範の上位方針として位置づけます。ワタミグループは、本方針を、全ての役員と従業員に適用します。またワタミグループを支えているサプライヤー・ビジネスパートナーの皆様にも本方針を理解し、人権の尊重に努めていただくように求めます。
3、人権尊重の責任
ワタミグループは、自らの事業活動において影響を受ける人々の人権を侵害しないこと、また事業活動を展開する上で人権に対する負の影響が生じていると判明した場合には、是正に向けて適切な対応をすることにより人権尊重の責任を果たしてまいります。
4、人権デュー・ディリジェンスの実施
ワタミグループは、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」に従って、事業活動で人権侵害(児童労働、強制労働、差別等)を容認しないという方針のもと、人権への負の影響を特定、是正、緩和、防止するためのデュー・ディリジェンスの仕組みを構築し適切かつ効果的に実施してまいります。
5、推進体制
人権尊重のための方針は、経営の最高意思決定機関の取締役会が決定します。具体的な施策の実行にあたっては、全社横断のタスクチームを発足します。
6、対話・協議
ワタミグループは、人権尊重の取り組みや進捗状況を定期的にウェブサイトなどで全てのステークホルダーに対して開示します。
7、情報開示
ワタミグループは、人権尊重の取り組みや進捗状況を定期的にウェブサイトなどで全てのステークホルダーに対して開示します。
8、理解浸透・教育
ワタミグループは、理念が浸透するようにすべての役員及び従業員に対して、対面型階層別研修会や社内のイントラネットなどを活用して適切な教育を行います。
9、人権における重点項目
ワタミグループは、以下の人権課題の取り組みが、人権遵守における重点テーマと位置づけております。
事業活動に大きな影響を持つ以下の取り組みから推進します。
・労働環境の改善 ・ハラスメントの防止 ・救済へアクセスする権利の確保
・ダイバーシティの推進 ・サプライチェーン上の人権尊重
「ビジネスと人権に関する指導原則」では、自社内部で発生しうる人権に関するリスクのみならず、サプライチェーンで発生しているリスクに対しても負の影響を防止又は軽減するように努めることが求められております。
そこで、ワタミグループでは、社会的責任の国際規格である「ISO26000」に基づき専門家のアドバイスを受け、ワタミサプライヤーガイドラインを策定、当ガイドラインのサプライヤー様への周知を図り、アンケート又は署名にて賛同いただけるように努めるとともに主要な御取引先様との人権活動に関する意見交換やフィードバックを行うなど、共同して取り組んでまいりました。結果、ワタミグループサプライヤーガイドライン同意書の回収率が95%以上となるなど、大きな成果を上げております。
2026年度は、これらの取り組みを一層強化、その進捗を公開し、情報を更新してまいります。
このほか自社人権DDの取り組みを強化し、専門家のアドバイスをもとに、人権リスクをさらに幅広く、網羅し、対象範囲を広げて実施してまいります。
また、自社アンケートをもとに、ハラスメント項目においても、負の影響を防止、軽減するための自社オリジナルのガイドラインを策定する計画です。
(従業員の幸せ日本一を目指して)
ワタミグループは、理念を共有し、従業員一人ひとりがそれぞれの夢や目標を実現していく組織を目指すことが、会社の成長につながると考えております。また、「ワタミで働いていることに幸せを感じている」という社員の割合(幸せ満足度)95%以上を目指しており、グループ共通で「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」を合言葉に、従業員の幸せ日本一の職場づくりに努めております。
・ミッションツリー
ミッションツリーとは、社員一人ひとりの人生と会社をどう重ねていくかという一つの大きなテーマを持った図です。根底にあるのは、個人の存在目的と会社の存在目的です。人間は誰もが自分の生きる目的を持っており、つまり「自分は何のために生きているか」「自分にとって大切なものは何か」、これが個人の存在目的です。これらをもっと大きく会社として形にしたものがミッションであり、会社の存在目的と重ねることで、ミッションを共有してほしいという意味があります。
これを達成するための仕組みがワタミモデルであり、その上で「ワタミモデルを世界中に広げる」という目標に向けて、まずは戦略目標として「2048年1兆円グループ」を掲げ、毎日のPDCAを回そうという、逆算の考え方です。
このミッションツリーの考え方から、新しく「理念集」も作成し、章立ても構成されております。
・理念集とワタミ夢ストリートの更新
ワタミグループでは、各事業から、日頃より「理念集」を常に意識し、誰よりも活用している社員でプロジェクトを組み、全社員にとって「さらに使いやすく手に取りやすい」理念集を完成しました。社員一人ひとりがワタミの歴史や思いを改めて理解し、自分の言葉で話せるように、理念一覧や事業誕生の背景、最新の会長のメッセージなどを掲載しております。さらに、本社に来ていただくお客様と、ワタミの理念の接点として開設した「ワタミ夢ストリート」も更新しました。理念の基になった背景を細かく一覧にして展示したり、ワタミモデルの歴史やSDGsコーナーを増設したりと40年分の思いが詰まっております。この「ワタミ夢ストリート」を広げるためアンバサダー制度も導入します。
・夢手帳
ワタミグループでは、「夢手帳」の考え方(夢や目標をカラーで描き、それらを達成するためにいま何をしなければいけないのかを、年間・月間・週間・日々の行動へと逆算して手帳に落とし込んでいく逆算方式)をもう一度社員に理解し、実践してもらうことに力を入れております。
日々の振り返りに活用してもらうために、身近なところである「今日どんな行動を変えるのか」を考え、書くことにこだわって、まずは日記を書き始めることから夢手帳の活用を習慣化してほしいと考えております。
・ワタミモデル体現ツアー
ワタミグループでは、ワタミモデルを日本中に世界中に広めるためには、まずは社員一人ひとりがワタミモデルを理解し、そして体験し、それらを自分の言葉で語れるようになるため、ワタミファームの収穫体験やワタミエナジーのにかほツアー、ワタミが支援する3つの公益財団の一つであるSAJのカンボジアツアーなどを実施しております。研修会や社内報でしか知ることができなかった現状を体験し、より一層会社の取り組みを理解します。
・新たなキャリアアップ制度を導入
ワタミグループでは、今までのキャリアステップはマネジメントを行うことが前提でしたが、マネジメントだけではなく専門性の高い業務を遂行することによってキャリアを上げられる専門職コースを構築し、一人ひとりの夢に寄り添える制度を導入しており、現在は、仕入や商品開発など専門知識の必要な分野で44名が活躍しております。
・健康課題への推進
ワタミグループではグループ全体で健康推進の取り組みをすることで、従業員一人ひとりの生産性を高められるよう努めており、健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されております。
以下は取り組みの内容の一例となります。
健康診断100%受診を継続。
産業医が判定した健康リスクのある有所見者に対しての保健指導。
生活習慣病の発症リスクがある方への特定健康保健指導を実施。
私傷病や業務災害により長期休職や入院となった場合に備えて、休業補償や入院給付を受けられ民間保険に会社が全額負担で加入。
(d)ダイバーシティの推進
・多様性の確保についての考え方
ワタミグループは、「SDGs日本一を実現し地球上で一番たくさんの”ありがとう”を集めます」という形でSDGs宣言をさせて頂いております。具体的にはワタミサスティナブル方針として、外食企業、宅食企業、原料調達から消費までのサプライチェーンを構成する事業、農業、エネルギー事業において、経済的・社会的・環境的ニーズの充足、従業員の幸せ、地域貢献などの持続可能な企業活動を通じて、SDGsを達成することを目指しております。
ワタミモデル(再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデル)をより深化させていくことがSDGs宣言の達成に繋がると考えており、宣言の達成に向け、幅広い各方面の知識・経験を結集させることが不可欠です。
ワタミグループは、異なる経験・技能・属性(ジェンダーや国籍等)を反映した多様な視点や価値観が存在することが、持続的な成長を確保するうえでの強みとなり、SDGs宣言の実現に資するものと考え、人材の多様性の確保を推進いたします。
・多様性確保の状況
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し多様性の確保に向けた取り組みを実施しております。
(1)女性活躍推進の取り組み
ワタミグループは、女性活躍推進への取り組みに関する方針を具体化するため、経営的視点を伸長させるための教育や、女性がライフイベントを乗り越え働き続けていける制度の充実などに取り組んでおります。
女性が将来にわたり活躍し続けるためには、結婚や出産などに合わせた人事施策が必要です。残業時間の削減、有給休暇の取得促進、インターバル制度や短時間勤務制度の導入などの取り組みを積極的に行い、女性が長く働くことができる環境を整え離職率の低減を図ってまいります。
| 取り組み | 実績(2026年3月末日時点) |
| 2025年度採用者における女性の採用割合 | 正社員33.7% |
| パートタイマー57.5% | |
| 2025年度管理職の男女比率 | 女性21.8%(72名) |
| 男性78.2%(258名) |
(注)提出会社の状況であります。
(2)中途採用者の管理職への登用
ワタミグループは、様々なキャリアバックグラウンドを持つ人材の管理職への登用を進めております。
なお、企業価値向上に資する適切な人材を性別や国籍、過去の経験や経歴を限定せずに登用するという方針に鑑みて、女性、外国人、中途採用者の採用に関して、自主的かつ測定可能な目標について定めておりませんが、更なる多様性の確保に向け現状よりの増加に努めてまいります。
・多様性の確保に向けた社内環境整備方針
ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し、多様性の確保に向けた取り組みを実施しており、従業員が出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援・休職など各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限などを導入しております。また、健康診断受診率も2020年度には100%を達成し、健康に留意する必要がある従業員には運動プログラムや食事の在り方を提案するなど、健康の維持・管理の支援をしてまいります。
| 取り組み | 実績(2026年3月末日時点) |
| 育児休業取得率 | 女性100.0%/男性25.0% |
(注)提出会社の状況であります。
・障がい者雇用の推進
ワタミグループでは、障がいの有無を超え、ともに働く仲間として学び合い、ともに成長することを目標に、障がい者の雇用に取り組んでおります。障がい者の方に、働く場を提供するだけでなく、ワタミグループの一員として社会に貢献し、やりがいをもって仕事に取り組める環境をつくることが、最も大切だと考えております。現在、ワタミの外食店舗での清掃や仕込み、宅食営業所での事務補助、「ワタミ手づくり厨房」での製造・荷受け・事務補助などの仕事に従事しております。
| 取り組み | 実績(2026年3月末日時点) |
| 障がい者雇用率(法定雇用率2.5%) | 2.9% |
(注)提出会社の状況であります。
・シニア活躍推進
ワタミグループでは、外食、宅食、食品工場などで60歳以上の方々が多数活躍しております。「高齢者が健康に働ける社会」の実現に向けて、これまでの経験や知識を活用していきいきと働く環境を提供してまいります。
| 取り組み | 実績(2026年3月末日時点) |
| 60歳以上の雇用者数 | 747名 |
(注)提出会社の状況であります。
(e)労働環境の改善に向けた社内環境整備に関する方針
・健康経営
ワタミグループは、労働環境改善を経営の最重要課題に位置付け、2016年より外部有識者を交えた「コンプライアンス委員会」と「業務改善委員会」を設置し、コンプライアンス順守のモニタリングとともに労働環境改善の取り組みを進めてまいりました。2019年からは、取締役と人材開発本部、事業教育担当者が参加する「従業員幸せ会議」を毎月開催しております。2026年3月には、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)2026」に5年連続で認定されました。さらに「健康経営優良法人ホワイト500」の認定を目指します。
・新入社員へのサポート
ワタミグループでは、入社後、職場の困りごとを上司以外の社員にも気軽に相談できるよう、本部の人材開発本部・教育部の先輩社員が新入社員をサポートできる体制として、メンター制度を導入しております。毎月、労働時間の確認や上司とのコミュニケーションについてなど新入社員が抱えている悩みや不安をヒアリングしてフォローアップを行っております。
・出産・育児・介護への支援
従業員が安心して、出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援や休職などの各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限等を導入しております。また、改正育児介護休業法に則り、男性の育児休業取得を推進しております。出産予定や復職予定の女性従業員のみならず、配偶者が出産予定の男性従業員に対しても本制度を伝え、産褥期や復職時に夫婦で協力して育児を行えるよう、会社としてサポートしております。
・業務の効率化への取り組み
ワタミグループでは、外食店舗の営業がより効率的にできる取り組みとして、テーブル端末(商品注文システム)の導入、主力業態を中心にマニュアルの動画、従業員一人ひとりの勤務時間と作業割り当てをするための「ワークスケジュールシステム」の全店への導入など、事務作業や教育の面でのシステム化を推進しております。また、宅食事業では2022年度からまごころスタッフの会計業務などを手作業からスマートフォンで実施できるようにIT化を強化しております。
・勤務インターバル制度の導入
ワタミグループでは、従業員の健康を守り、生活と仕事のバランスを保ちながら働き続けられるよう、2019年1月1日より、勤務間インターバル制度を導入しております。
・適切な労働時間管理と有給休暇の取得
ワタミでは、人事部門にて日々勤務時間数を確認、配信することで、労働時間が長くなりそうな従業員の上長に対して注意喚起をし、長時間労働が発生することを未然に防げるように努めております。繁忙期には、本部の人員も交えて営業態勢を整えるなど、全社一丸となって運営と時間管理に取り組んでおります。
有給休暇の取得も、年間で必ず5日間以上取得できるよう、人事部門で管理、発信することで、適切に休暇を取れる環境を整えております。
・ハラスメント研修の実施
ハラスメント防止のため、各事業の研修会において、ハラスメント研修を年2回実施しております。また、パート・アルバイトにも研修内容を動画で共有し、ハラスメントの知識を習得することにより、社内の啓発を図っております。また、ワタミでは外部委託先である「三好総合法律事務所様」とハラスメント救済システム(ヘルプライン)を設置し、救済の場を設けております。
ハラスメント(Harassment)とは相手の意に反する行為によって不快にさせたり、相手の人間としての尊厳を傷つけたり、脅したりすること。いわば「いじめ」「嫌がらせ」と同等の意味をもつ行為です。たとえ、相手を「傷つける」「いじめる」という意図がなくても、相手が不快な感情を抱けばハラスメントは成立します。
・メンタルサポートダイヤルの設置
ワタミグループでは、心身の不調が原因となる遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えないなど状態になる前に把握し、社員一人ひとりの仕事の生産性を高められるよう努めております。例えば、健康診断受診推進に関しては、受診率100%を継続するとともに、健康の維持管理の支援を行っております。また、社員本人だけではなく配偶者及びいずれかの被扶養者が利用できる「メンタルヘルス相談窓口(ワタミグループサポートダイヤル)では、希望に応じて、メンタル不調に関する電話でのカウンセリングやWEB相談、面談によるカウンセリングを受けることができます。今後も社員の健康維持に向けた取り組みを強化してまいります。
・「ワタミヘルプライン」の設置
ワタミグループは、グループ内に存在し得る問題を広く受け付け、積極的に問題の解決に務めることができるよう、グループ全従業員(パート・アルバイトメンバーを含む)及びお取引先業者様に向けた「ワタミヘルプライン」を設置しております。受付窓口は、メールにて社内独立組織である「ワタミヘルプライン事務局」に直接連絡する窓口、そして、電話にて外部委託先である「三好総合法律事務所様」経由で連絡する窓口の計2つを設けております。また、海外においても、メール相談窓口を設置しております。これにより、グループ内に存在する問題の未然防止・早期発見の体制をさらに強化するとともに、引き続き制度の透明性・利便性の向上、通報者の保護の徹底に努めてまいります。
・「代表取締役会長兼社長CEOへの直通ダイヤル」を設置
ワタミグループでは、2022年9月に代表取締役会長兼社長CEOへの直通ダイヤルを開設しました。全従業員が直接意見を伝えることができるようになり、将来に向けてよりよい環境づくりの向上に努めてまいります。
(f)従業員の給与等の決定方針
・年率7%の賃上げ目標
2026年は、2034年(売上3,000億、賃金2倍)からの逆算スタートの年とする。
給与額の改定:役職給のみならず各種手当を含んだ制度全体の改訂を行ってまいります。
(g)平均年間給与及び前年度比増減率の推移(前事業年度及び当事業年度)
当社グループにおける、前事業年度及び当事業年度の正社員の平均年間給与及び前年度比増減率は以下のとおりです。
| 決算期 | 平均年間給与(万円) | 前年度比増減額(万円) | 前年度比増減率(%) |
| 2025年3月期(第39期) | 542 | +23 | 4.6 |
| 2026年3月期(当期) | 554 | +12 | 2.3 |
※ 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金(残業手当等)を含んで算出しております。