有価証券報告書-第60期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/29 16:24
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有報資料

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、終活に関連するあらゆるサービスを提供する「総合シニアライフサポート企業」として事業を展開してまいりました。
今後はこの基盤を活かし、終活支援を起点として多様なサービスを統合する「終活プラットフォーマー」としての事業モデルへの進化を図ってまいります。顧客の終活から供養、葬儀に至るまでの一連のニーズに対し、継続的かつ包括的な価値提供を行うことで、長期的な顧客関係の構築と新たな収益機会の創出を目指してまいります。
また、中期経営計画に基づき、従来の資産・負債圧縮を中心とした「守り」の経営から、成長に向けた投資及び施策を強化する「攻め」の経営へと転換を図ります。営業力の強化、外部連携の活用及びコスト構造の最適化を通じて、高付加価値化と効率化を両立した収益性の高い事業構造を構築し、企業価値の向上に取り組んでまいります。
(2)経営戦略等
当社が属するメモリアル市場(葬祭、供養、終活支援等のライフエンディング関連サービスを含む市場)においては、少子高齢化の進展に加え、単身高齢者の増加や家族関係の変化等を背景に、従来の「家族単位」を前提とした供養・葬儀ニーズから、「個人単位」での終活ニーズへと大きく変化しております。特に、60歳代から70歳代を中心とした単身世帯や、親族との関係が希薄化したいわゆる「おひとりさま」の層においては、自身の将来や死後の手続き、供養の在り方に対する不安が顕在化しており、終活に関する包括的な支援ニーズが拡大しております。
このような経営環境の中で、当社は従来、「総合シニアライフサポート企業」として、お墓事業及び葬祭事業を中心に終活関連サービスの提供を行ってまいりました。
今後は、この事業基盤を活かしつつ、終活に関する多様なサービスを一体的に結び付ける「終活プラットフォーマー」としての事業モデルへの進化を図り、顧客のライフエンディングに関する一連の課題に対して、ワンストップで継続的に価値提供を行う体制を構築してまいります。
具体的な経営戦略は、以下のとおりであります。
① 終活支援を起点としたプラットフォーム型ビジネスの構築
当社は、終活支援サービスを起点として、顧客との継続的な関係構築を図るプラットフォーム型ビジネスへの転換を推進してまいります。
終活相談、セミナー、会員組織等を通じて早期に顧客接点を確立し、将来に対する不安や課題を顕在化させるとともに、その解決手段として、墓じまいや供養方法の見直し、生前の葬儀準備等を含めた各種サービスを段階的に提供してまいります。
これにより、従来の発生対応型の単発ビジネスから、顧客の意思決定プロセス全体に関与する継続型ビジネスへの転換を図ってまいります。
② 墓じまいニーズの取り込みと納骨堂事業の連動強化
単身高齢者の増加や地方墓の維持困難化を背景に、既存のお墓を整理する「墓じまい」ニーズは拡大しております。
当社は、終活支援の中で顕在化するこれらのニーズに対応するため、墓じまいのサポートを入口とし、その受け皿として都市型納骨堂や樹木葬等への移行提案を一体的に行う体制を強化してまいります。
特に納骨堂事業については、アクセス性や管理負担の軽減等の観点から、おひとりさま層との親和性が高いサービスであると認識しており、終活支援からの導線を明確化することで、安定的な需要の取り込みと収益基盤の強化を図ってまいります。
③ お墓事業・葬祭事業のプラットフォーム中核機能化
お墓事業及び葬祭事業については、引き続き当社の収益基盤を担う中核事業として位置付けつつ、終活プラットフォームを構成する中核サービスとして再定義してまいります。
お墓事業においては、樹木葬、境内墓地、納骨堂等の多様な供養形態を取り揃えるとともに、墓じまいや改葬といった前後のサービスを含めたトータル提案を強化してまいります。
葬祭事業においては、事前相談や生前契約を軸とした顧客接点の前倒しを進め、「後悔のない葬儀式」の提供とともに、価格競争に依存しない付加価値型のビジネスモデルへの転換を図ってまいります。
④ 「おひとりさま」層を中心とした顧客戦略の強化
当社は、60歳代から70歳代を中心とした単身高齢者や、親族との関係が希薄な「おひとりさま」層を主要ターゲットとして位置付けております。
当該層においては、「墓の継承」「葬儀の執行」「死後手続き」等を自ら準備する必要性が高く、終活支援から供養、葬儀に至るまでの一体的なサポートに対するニーズが強いという特徴があります。
当社は、「ニチリョク安心パック」等のサービスを通じてこれらのニーズに対応するとともに、会員制度や継続的な情報提供により顧客との接点を維持し、長期的な関係構築を図ってまいります。
⑤ マーケティング戦略の転換と収益モデルの再構築
当社は、従来の広告依存型の集客構造から、終活セミナーや会員制度等を活用した顧客接点の多層化へと転換を図ってまいります。
これにより、「終活支援 → 墓じまい → 納骨堂 → 葬儀」という一連の顧客導線を構築し、顧客のライフステージに応じたサービス提供を行うことで、従来の単発収益型から継続的かつ複合的な収益モデルへの進化を実現してまいります。
⑥ コスト構造改革
広告費の最適化や小規模会館へのシフト等により固定費及び販管費の削減を進め、収益性の高い筋肉質なコスト構造の構築を図ります。これにより売上規模に左右されにくい安定的な収益基盤を確立してまいります。
⑦ 営業力の強化とデータ活用
顧客データの一元管理及び分析を通じて、資料請求から契約に至るまでの営業プロセスの高度化を図り、顧客生涯価値の最大化を推進します。
⑧ 外部連携戦略の推進
外部企業や寺院等との提携を通じて送客や商品補完を強化し、成長速度の加速及び収益機会の拡大を図ります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、当期純利益及び株主利益重視の観点から、収益の拡大に伴ったEPS(1株当たり当期純利益)であります。
また、終活プラットフォーマーとしての事業モデルの進展に伴い、会員数、顧客接点数及び各サービスへの送客状況等についても重要な指標として継続的にモニタリングしてまいります。
(4)経営環境
メモリアル市場においては、少子高齢化の進展及び単身高齢者の増加に伴い、終活支援、供養、葬祭を含むライフエンディングサービス全体の需要が拡大しております。
中でも、終活サービスに対する関心は高まっており、身元保証や死後手続き等の包括的な支援ニーズが拡大しております。
一方で、お墓事業においては供養形態の多様化が進む中、一般墓の需要は減少傾向にあり、低価格帯サービスの拡大により競争環境は厳しさを増しております。
葬祭事業においても、家族葬等の小規模化の進展及びインターネットを通じた価格競争の激化により、平均単価は低下傾向にあります。
このような環境のもと、当社は顧客の終活から葬儀に至るまでの一連のニーズを捉えた統合的なサービス提供と、継続的な顧客関係の構築が重要であると認識しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、これまで総合シニアライフサポート企業として、お墓事業及び葬祭事業を中心に事業を展開してまいりました。
今後は、「終活プラットフォーマー」としての事業モデルへの進化を図る中で、以下の課題に優先的に取り組んでおります。
① 終活支援を起点とした顧客基盤の構築
当社が今後持続的な成長を実現するためには、終活支援サービスを起点とした顧客接点の拡大と、会員組織を基盤とした継続的な関係構築が不可欠であります。
特に、単身高齢者や「おひとりさま」層に対して、終活相談やセミナー等を通じて早期に接点を確立し、墓じまい、納骨堂、葬儀といった各サービスへの導線を構築することが重要であると認識しております。
そのため、「さくら倶楽部」及び「あおい倶楽部」の新規会員獲得の強化に加え、終活支援サービスの拡充と顧客との継続的なコミュニケーションの強化に取り組んでまいります。
② 納骨堂事業の収益力強化と差入保証金の管理
納骨堂事業は、当社の中長期的な収益基盤の中核を担う重要な事業である一方で、宗教法人との契約に基づき差入保証金を伴うビジネスモデルであることから、資金効率及び収益性の観点で重要な課題を有しております。
当該差入保証金は、販売進捗に応じて長期間にわたり回収される性質を有しており、販売状況によっては回収期間の長期化が財務面に影響を及ぼす可能性があります。
このため、販売戦略の見直し及び集客力の強化により納骨堂の販売拡大を図るとともに、差入保証金の適切な評価及び回収管理を通じて、資産効率の向上と財務リスクの低減に努めてまいります。また、当社は、収益構造の多様化及び資産効率の向上を図る観点から、差入保証金を前提としない事業モデルの検討・導入も進めております。
当事業年度末日後の2026年5月25日には、自動搬送式納骨堂「縁の園(東京都文京区)」の事業を譲り受けており、当該事業は差入保証金を伴わないビジネスモデルであることから、従来の納骨堂事業とは異なる収益構造を有しております。
今後は、当該事業の運営状況を踏まえつつ、既存の納骨堂事業との最適な事業ポートフォリオの構築を進めてまいります。
③ お墓事業・葬祭事業の収益性改善
お墓事業においては、墓じまいや改葬ニーズの拡大を踏まえたサービス提供の強化とともに、樹木葬や納骨堂等の多様な供養形態への対応を進め、収益性の向上を図ってまいります。
葬祭事業においては、価格競争の激化に対応するため、高付加価値サービスの提供を通じて顧客満足度の向上を図り、施行単価の維持・向上を目指してまいります。また、生前相談や会員施策の強化により受注件数の安定的な確保にも取り組んでまいります。
④ 財務基盤の安定化
当社は、納骨堂事業における差入保証金の増加や過去の債務保証の履行等により、手元流動性資金に影響を受けております。
このため、営業キャッシュ・フローの改善を最優先課題とし、納骨堂の販売拡大を中心とした収益力の強化に加え、保有資産の適切なポートフォリオ管理を通じた資産効率の向上及び金融機関との連携強化により、財務基盤の安定化を図ってまいります。
⑤ 成長戦略の実行
コスト削減、営業力強化及び外部連携強化の三つの重点施策を着実に実行し、早期の収益改善及び中長期的な成長の実現を目指してまいります。

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