有価証券報告書-第59期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 11:04
【資料】
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【項目】
121項目
4.重要な会計上の判断及び見積り
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しております。
尚、会計上の見積りにより当連結会計年度に係る連結財務諸表にその額を計上した項目であって、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のあるものは、次のとおりです。
2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から、これまで3度に及ぶ緊急事態宣言が発出され、それにより売上収益の減少が継続しております。コロナ禍の現状は、ワクチン接種が始まっているものの、変異株の拡大もあり依然収束時期は不透明な状態が続いており、消費活動の本格的な回復も見通しづらい状況にあります。
しかしながら当社グループにおきましては、既に不採算店舗等を大量に閉鎖したことにより収益性が大幅に改善したことに加え、新規の出店投資の抑制、従業員の適正な配置転換による人材の活性化及び人件費の削減、賃借物件の家賃契約に代表される各種契約の見直しによる費用圧縮、業態集約並びに不採算店舗の大量閉鎖、提供メニューの工夫に基づく使用食材の歩留まり向上、需要予測の精緻化による食品廃棄ロスの低減、物流拠点の集約等のコスト面の各種施策を積極的・継続的に実施することにより、損益分岐点を改善させております。また子会社株式の一部売出しによって121億円の資本増強を実施したことによる財務面の安定のほか、休業や時短営業に対する政府の「協力金」等の支援体制の充実による収益面の下支えも行われております。これらを踏まえますと、2022年3月期第1四半期は緊急事態宣言の影響により売上収益の回復には遅れが生じるものの、収益性の改善や上述の「協力金」等の収益下支え効果もあることから、業績の落ち込みは前年ほどには至らないものと見込まれます。更にワクチン接種効果が出てくると期待される第3四半期以降には、業績回復基調に入るものと想定しております。
以上を前提とした事業計画に基づき会計上の見積りを実施しております。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、以下のとおりであります。
・のれんの資金生成単位グループへの配分(注記「14.のれん及び無形資産」参照)
翌連結会計年度において資産及び負債の帳簿価額に重要な修正をもたらすリスクのある、将来に関する仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下のとおりであります。
① 有形固定資産、無形資産及び使用権資産の耐用年数及び残存価額の見積り
有形固定資産、無形資産及び使用権資産の耐用年数は、予想される使用量、物理的自然減耗、技術的又は経済的陳腐化等を総合的に勘案して見積っております。また残存価額は資産処分によって受領すると現時点で見込まれる、売却コスト控除後の価額を見積っております。これらは、将来の不確実な経済条件の変動等の結果により、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の帳簿価額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
有形固定資産、無形資産及び使用権資産の内容及び金額については注記「13.有形固定資産」「14.のれん及び無形資産」「19.リース」に記載しております。
② 使用権資産のリース期間
当社グループは、リース期間について、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリースの延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しております。具体的には、リース期間を延長又は解約するオプションの有無及び行使の可能性、解約違約金の有無等を考慮の上、リース期間を見積もっております。これらは、将来の不確実な経済条件の変動や契約更新時の交渉の結果等により、使用権資産及びリース負債等の金額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
リース期間の決定に関する内容については注記「3.重要な会計方針(7)」に、使用権資産及びリース負債に関連する内容及び金額については注記「19.リース」に記載しております。
③ 有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産の減損
有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産に係る減損テストは、回収可能価額の算定について、資金生成単位の売却コスト控除後の公正価値算定上の仮定、又は使用価値算定のための資金生成単位の将来キャッシュ・フローの見積りや、割引率等の仮定など、多くの仮定、見積りのもとに実施されており、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって、有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産の帳簿価額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
尚、将来キャッシュ・フローの算定の基礎となる事業計画への新型コロナウイルス感染症の影響については、上記のとおりです。
有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産の減損に関連する内容及び金額については注記「13.有形固定資産」「14.のれん及び無形資産」「15.投資不動産」「19.リース」に記載しております。
④ 繰延税金資産の回収可能性
法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、法人所得税の計上額と、実際負担額が異なる可能性があります。
また繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降において認識する金額に重要な変動を与えるリスクがあります。
尚、将来課税所得の算定の基礎となる事業計画への新型コロナウイルス感染症の影響については、上記のとおりです。
法人所得税に関連する内容及び金額については注記「16.法人所得税」に記載しております。
⑤ 引当金の測定
当社グループは、資産除去債務を計上しており、決算日におけるリスク及び不確実性を考慮に入れた、債務の決済に要する支出の最善の見積額を、負債に固有のリスクを反映させた税引前割引率で割引いた現在価値で計上しております。
債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積りと異なった場合、あるいは、経済状況の変動等により支出見積額を割引く割引率に重要な変動があった場合、翌連結会計年度以降において認識する金額に重要な変動を与えるリスクがあります。
また販売促進のための株主優待券の利用による費用負担に備えるため、利用実績に基づき翌会計年度以降の利用により発生する費用見積額を計上しております。費用見積り額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の費用負担が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降において認識する金額に重要な変動を与えるリスクがあります。
資産除去債務及び販売促進引当金に関連する内容及び金額については注記「22.引当金」に記載しております。