有価証券報告書-第61期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/28 15:13
【資料】
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【項目】
129項目
4.重要な会計上の判断及び見積り
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しております。
尚、会計上の見積りにより当連結会計年度に係る連結財務諸表にその額を計上した項目であって、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のあるものは、次の通りです。
2024年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響は徐々に薄れてゆくと見られるものの、引続きウクライナ情勢の長期化や根強いインフレ等による世界経済の減速、物価上昇に伴う消費マインドの停滞等が懸念されております。外食産業におきましては、コロナ禍を経た生活様式の変化や節約志向・選別志向といった消費者ニーズへの対応に加えて、原材料や物流費をはじめとしたコスト上昇への対応を求められており、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くものと予想しております。
国内外食事業につきましては、引続きレストラン業態を中心とした新規出店、経年店舗の改装、リロケーションや業態転換に加えて、M&Aによるシェア拡大を目指します。
海外外食事業につきましては、生産年齢人口を主眼として成長余地が大きなマーケットを選択し、焼肉業態及び回転寿司業態を中心に出店を行っていきます。既に展開しているアジア諸国及び北米の事業強化に加え未出店エリアの開拓を模索することで、収益の伸張を図ります。
給食事業につきましては、病院給食及び介護施設給食への参入による事業規模の拡大を展望しており、外食市場での競争により培ったメニュー開発力や高い運営効率、セントラルキッチンを活用したミールキットによる調理効率の向上により、フードサービスカンパニーとしての優位性を活かした展開を行っていきます。
また抜本的な収益改善に向け2023年3月期におきまして、減損損失の計上及び事業ポートフォリオの見直し等による閉店の処理を進めました。これにより2024年3月期の事業利益に対しては、減価償却費の減少及び閉店に伴う赤字額削減等により、28億円の利益押し上げ効果が期待出来ます。
以上を前提とした事業計画に基づき、会計上の見積りを実施しております。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、以下の通りであります。
・のれんの資金生成単位グループへの配分(注記「14.のれん及び無形資産」参照)
翌連結会計年度において資産及び負債の帳簿価額に重要な修正をもたらすリスクのある、将来に関する仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下の通りであります。
① 有形固定資産、無形資産及び使用権資産の耐用年数及び残存価額の見積り
有形固定資産、無形資産及び使用権資産の耐用年数は、予想される使用量、物理的自然減耗、技術的又は経済的陳腐化等を総合的に勘案して見積っております。また残存価額は資産処分によって受領すると現時点で見込まれる、売却コスト控除後の価額を見積っております。これらは、将来の不確実な経済条件の変動等の結果により、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の帳簿価額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
有形固定資産、無形資産及び使用権資産の内容及び金額については注記「13.有形固定資産」「14.のれん及び無形資産」「19.リース」に記載しております。
② 使用権資産のリース期間
当社グループは、リース期間について、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリースの延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しております。具体的には、リース期間を延長又は解約するオプションの有無及び行使の可能性、解約違約金の有無等を考慮の上、リース期間を見積もっております。これらは、将来の不確実な経済条件の変動や契約更新時の交渉の結果等により、使用権資産及びリース負債等の金額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
リース期間の決定に関する内容については注記「3.重要な会計方針(7)」に、使用権資産及びリース負債に関連する内容及び金額については注記「19.リース」に記載しております。
③ 有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産の減損
有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産に係る減損テストは、回収可能価額の算定について、資金生成単位の売却コスト控除後の公正価値算定上の仮定、又は使用価値算定の為の資金生成単位の将来キャッシュ・フローの見積りや、割引率等の仮定など、多くの仮定、見積りのもとに実施されており、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって、有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産の帳簿価額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
尚、将来キャッシュ・フローの算定の基礎となる事業計画への新型コロナウイルス感染症の影響については、上記の通りです。
有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産の減損に関連する内容及び金額については注記「13.有形固定資産」「14.のれん及び無形資産」「15.投資不動産」「19.リース」に記載しております。
④ 繰延税金資産の回収可能性
法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。その為、法人所得税の計上額と、実際負担額が異なる可能性があります。
また繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降において認識する金額に重要な変動を与えるリスクがあります。
尚、将来課税所得の算定の基礎となる事業計画への新型コロナウイルス感染症の影響については、上記の通りです。
法人所得税に関連する内容及び金額については注記「16.法人所得税」に記載しております。
⑤ 引当金の測定
当社グループは、資産除去債務を計上しており、決算日におけるリスク及び不確実性を考慮に入れた、債務の決済に要する支出の最善の見積額を、負債に固有のリスクを反映させた税引前割引率で割引いた現在価値で計上しております。
債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積りと異なった場合、あるいは、経済状況の変動等により支出見積額を割引く割引率に重要な変動があった場合、翌連結会計年度以降において認識する金額に重要な変動を与えるリスクがあります。
また販売促進の為の株主優待券の利用による費用負担に備える為、利用実績に基づき翌会計年度以降の利用により発生する費用見積額を計上しております。費用見積り額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の費用負担が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降において認識する金額に重要な変動を与えるリスクがあります。
資産除去債務及び販売促進引当金に関連する内容及び金額については注記「22.引当金」に記載しております。