有価証券報告書-第59期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 11:04
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121項目
3.重要な会計方針
以下に記載する会計方針は、本連結財務諸表に報告されている全ての期間について継続的に適用されております。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
当社グループが企業の議決権の過半数を所有している場合には、原則として子会社に含めております。また当社グループが企業の議決権の過半数を所有していない場合であっても、他の投資企業との合意等により、意思決定機関を実質的に支配していると判断される場合には、子会社に含めております。
子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日までの間、連結財務諸表に含まれております。
子会社が採用する会計方針が当社グループの採用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
支配の喪失を伴わない子会社に対する当社グループの持分の変動は、資本取引として会計処理し、非支配持分の調整額と受取対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
② 企業結合
企業結合は、取得法を用いて会計処理しております。
のれんは、企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び当社が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産及び負債の公正価値を上回る場合にその超過額として測定しております。当該差額が負の金額である場合には、結果として生じた利得を純損益で認識しております。支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識しておりません。
企業結合で移転された対価は、当社が移転した資産、当社に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。
当社グループは、被取得企業の非支配持分を公正価値または被取得企業の識別可能純資産に対する非支配持分の持分割合相当額で測定するかについて、企業結合ごとに選択しております。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産及び負債は、IAS第12号「法人所得税」に、従業員給付に係る負債(または資産)はIAS第19号「従業員給付」に、株式報酬に係る負債はIFRS第2号「株式に基づく報酬」に準拠して、それぞれ認識及び測定しております。
・売却目的として分類される非流動資産または処分グループは、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に準拠して測定しております。
企業結合に関連して当社グループに発生する取得関連コストは、発生時に費用処理しております。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業または結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的なものではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
(2)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社グループの各社の機能通貨に換算しております。
報告期間の末日における外貨建貨幣性資産及び負債は報告期間の末日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は当該公正価値の算定日における為替レートで、取得原価に基づいて測定されている非貨幣性項目は取引日の為替レートでそれぞれ機能通貨に換算しております。
当該換算または決済により生じる換算差額は、純損益で認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債については、報告期間の末日の為替レートで表示通貨である日本円に換算しております。また在外営業活動体の収益及び費用については、その期間中の為替レートが著しく変動している場合を除き、平均為替レートを用いて表示通貨である日本円に換算しております。この結果生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識し、為替換算差額累計額は連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素に含めております。
(3)金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
金融資産は、当該金融資産の契約条項の当事者となる時点で当初認識し、当初認識時点において以下に分類し、測定しております。
(a)償却原価により測定する金融資産
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業上の目的として保有している
・契約条件により、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
金融資産のうち、償却原価で測定するまたはその他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの以外については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で測定し、取引コストは発生時に純損益で認識しております。
(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
売買目的で保有していない資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて認識することを選択する場合には、その指定を行い、取消不能なものとして継続的に適用しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定される金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識後の公正価値の変動を純損益で認識しております。
(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識後の公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
(ⅲ)金融資産の減損
償却原価で測定される金融資産については、各報告期間の末日において、当初認識以降、信用リスクが著しく増加しているかを評価し、将来発生すると見込まれる信用損失を控除して表示しております。この評価には、期日経過情報のほか、合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
当初認識以降信用リスクが著しく増加していると評価された償却原価で測定される金融資産については、個々に全期間の予想信用損失を見積っております。そうでないものについては、報告期間の末日後12ヶ月の予想信用損失を見積っております。
但し、償却原価で測定される金融資産のうち、営業債権、契約資産及びリース債権については、簡便的に過去の信用損失に基づいて、当初から全期間の予想信用損失を認識しております。
償却原価で測定される金融資産の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
(ⅳ)金融資産の認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産を譲渡し、その譲渡が当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転している場合には金融資産の認識を中止しております。また譲渡資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転したわけでも、ほとんど全てを保持しているわけでもなく、当該資産に対する支配を保持している場合には、継続的関与の範囲において当該譲渡資産と関連する負債を認識しております。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、当該金融負債の契約条項の当事者となる時点で当初認識し、当初認識時点において償却原価により測定する金融負債に分類しております。
償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその取得に直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ)事後測定
償却原価で測定する金融負債については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった場合にのみ、金融負債の認識を中止しております。金融負債の認識の中止に際しては、金融負債の帳簿価額と支払われたまたは支払う予定の対価の差額は純損益で認識しております。
③ 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
金利変動リスクを低減するため、金利スワップを利用しております。
デリバティブは、デリバティブ契約が締結された日の公正価値で当初認識され、当初認識後は各報告期間の末日の公正価値で測定しております。
ヘッジ手段に指定されたデリバティブがヘッジ会計の要件を満たすか否かにより、その変動を以下のように会計処理しております。尚、ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブについてヘッジ手段としてキャッシュ・フロー・ヘッジの指定をし、ヘッジ会計を適用しております。
(ⅰ)ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
公正価値の変動は純損益で認識しております。
(ⅱ)ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ
ヘッジの開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。
ヘッジの開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるか評価しております。具体的には、下記項目のすべてを満たす場合においてヘッジが有効と判定しております。
・ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係が相殺をもたらすこと
・信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
・ヘッジ関係のヘッジ比率が実際にヘッジしているヘッジ対象及びヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであること
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブについて、当初認識後の公正価値の変動のうちヘッジの有効部分はその他の包括利益で認識し、ヘッジの非有効部分は直ちに純損益で認識しております。その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額はヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期に、純損益に振り替えております。
ヘッジがヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合、あるいはヘッジ手段が失効、売却、終結または行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。
(4)棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積販売価額から、完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した額であります。原価は、原材料は主として平均法、商品は主として先入先出法に基づいて算定されており、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要した全てのコストを含んでおります。
(5)有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコスト、解体・除去及び土地の原状回復コスト、及び資産計上すべき借入コストが含まれております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産として計上しております。
② 減価償却
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、償却可能額(取得原価から残存価額を控除した金額)を、各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法により減価償却を行っております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 3-50年
・機械装置及び運搬具 2-15年
・工具器具及び備品 2-20年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各報告期間の末日に見直しを行い、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ 認識の中止
有形固定資産は、処分時、または継続的な使用または処分から生じる将来の経済的便益が期待されなくなった時に認識を中止しております。有形固定資産項目の認識の中止から生じる利得または損失は、当該資産項目の認識中止時に純損益に含めております。
(6)のれん及び無形資産
① のれん
当初認識
当初認識時におけるのれんの測定については、注記「3.重要な会計方針 (1)連結の基礎 ② 企業結合」に記載しております。
当初認識後の測定
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で測定しております。
② 無形資産
無形資産は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値で測定しております。
自己創設無形資産については、資産認識の要件を満たすものを除き、関連する支出は発生時に費用処理しております。資産の認識要件を満たす自己創設無形資産は、認識規準を最初に満たした日以降に発生する支出の合計額を取得原価としております。
耐用年数を確定できる無形資産は、当初認識後、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上されます。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア 3-5年
・商標権 5-15年
・フランチャイズ契約 7-16年
見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各報告期間の末日に見直しを行い、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
無形資産は処分時点、もしくは使用または処分による将来の経済的便益が期待できなくなった時点で、認識を中止しております。無形資産の認識の中止から生じる利得または損失は、正味処分対価と資産の帳簿価額との差額として算定され、認識の中止時点において純損益で認識しております。
(7)リース
① 借手のリース取引
当社グループは、リースの開始日に、短期リース及び原資産が少額であるリース以外のリース構成部分について、使用権資産及びリース負債を認識しております。
開始日において、使用権資産は取得原価で、リース負債は同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。
リース期間はリースの解約不能期間に、リースを延長するオプションの対象期間(当社グループが当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)、リースを解約するオプションの対象期間(当社グループが当該オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を加えたものとして決定しております。
開始日後において、使用権資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。ここで、使用権資産を減価償却する際には、IAS第16号「有形固定資産」の減価償却の要求事項を適用しております。また減損しているかどうかを判定し、識別された減損損失を会計処理する際には、IAS第36号「資産の減損」を適用しております。使用権資産の減価償却は、原資産の所有権がリース期間の終了時までに当社グループに移転する場合には、開始日から原資産の耐用年数の終了時まで、それ以外の場合には、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時、又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたり、実施しております。
開始日後において、リース負債は、次のとおり測定しております。
・リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額
・支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額
・リース料の変動又はリースの条件変更を反映するか、又は改訂後の実質上の固定リース料を反映するように帳簿価額を再測定
借手は、短期リース又は原資産が少額であるリースに関連したリース料を定額法で費用認識しております。
② 貸手のリース取引
契約上、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的にすべて借手に移転するリースは、ファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合には、オペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リース取引においては、正味リース投資未回収額をリース債権として認識し、受取リース料総額をリース債権元本相当額と利息相当部分とに区分し、受取リース料の利息相当分への配分額は、利息法より算定しております。
オペレーティング・リース取引においては、受取リース料とリース期間にわたり定額法により純損益で認識しております。
尚、当社グループは、IFRS第16号の経過措置にもとづき、当連結会計年度の期首において本基準の適用開始の累積的影響を認識し、比較情報の修正再表示を行わない方法を適用しております。比較年度における会計方針は以下のとおりであります。
契約上、資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的にすべて借手に移転するリースは、ファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合には、オペレーティング・リースに分類しております。
① 借手リース
ファイナンス・リース取引においては、リース開始日に算定したリース物件の公正価値と最低リース料総額の現在価値のいずれか低い金額でリース資産及びリース債務を当初認識しております。当初認識後は、当該資産に適用される会計方針に基づいて、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、減価償却を行っております。支払リース料は、利息法に基づき金融費用とリース債務の返済額に配分し、金融費用は債務残高に対して一定の利子率となるように、リース期間にわたって各期間に配分しております。
オペレーティング・リース取引においては、リース料はリース期間にわたって定額法により純損益で認識しております。
② 貸手リース
ファイナンス・リース取引においては、正味リース投資未回収額をリース債権として認識し、受取リース料総額をリース債権元本相当額と利息相当部分とに区分し、受取リース料の利息相当分への配分額は、利息法により算定しております。
オペレーティング・リース取引においては、受取リース料をリース期間にわたり定額法により純損益で認識しております。
(8)投資不動産
投資不動産とは、賃貸収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。通常の営業過程で販売するものや、商品またはサービスの製造・販売、もしくはその他の管理目的で使用する不動産は含まれておりません。
投資不動産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しております。
土地以外の投資不動産は、見積耐用年数にわたり定額法により減価償却を行っており、見積耐用年数は8年~50年であります。
尚、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各報告期間の末日に見直しを行い、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9)売却目的で保有する非流動資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる非流動資産または処分グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループが売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産及び処分グループとして分類しております。
売却目的保有に分類された非流動資産または処分グループは、減価償却または償却は行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(10)非金融資産の減損
① 減損の判定
棚卸資産、繰延税金資産及び売却目的で保有する非流動資産を除く非金融資産の帳簿価額について、各報告期間の末日に減損の兆候の有無を検討しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれんが配分される資金生成単位または資金生成単位グループ及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。企業結合により取得したのれんは、企業結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分しております。
減損損失は、資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に純損益で認識しております。資金生成単位または資金生成単位グループに関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位または資金生成単位グループ内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
② 減損の戻入れ
過年度にのれんを除く非金融資産について認識した減損損失については、各報告期間の末日において損失の減少または消滅を示す兆候の有無を検討しております。そのような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、減損損失を戻し入れております。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れております。
(11)従業員給付
① 退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、確定拠出制度及び確定給付制度を採用しております。
確定拠出制度は、当社及び一部の連結子会社が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払いについて法的または推定的債務を負わない退職後給付制度であり、当期中の従業員の勤務提供と交換に拠出した掛金を費用として認識しております。
確定給付制度は、退職後給付の原資について外部積立てを行わずに、従業員が定年や自己都合で退職する際に、一時金として支払う制度であります。退職一時金は、就業規則による退職金規程で定められた内容に基づき支給されます。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、従業員の勤務が生じた期間の末日から12ヵ月以内にすべてが決済されると予想される解雇給付以外の従業員給付であり、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
(12)引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
引当金は、貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いて測定しております。
(13)収益
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
「26.売上収益」に記載のとおり、当社グループは、居酒屋・レストラン等の飲食店運営によるサービスの提供、フランチャイズ(FC)加盟者に対する物品の販売、FC加盟者に対する経営指導及び店舗運営指導等を行っております。
サービスの提供による収益は、飲食店における顧客からの注文に基づく料理の提供であり、顧客へ料理を提供し対価を受領した時点で履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。
物品の販売による収益は、FC加盟者に対する食材の販売及び菓子・総菜等の販売店舗における加工食品の販売であり、顧客に商品を引き渡した時点で履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。
FC店舗運営希望者に対するFC権の付与により受領した収入(FC加盟金及びロイヤルティ収入)は、取引の実態に従って収益を認識しております。FC契約締結時にFC加盟者から受領するFC加盟金は、当該対価を契約負債として計上し、履行義務の充足に従い一定期間にわたって収益として認識しております。ロイヤルティ収入は、契約相手先の売上等を算定基礎として測定し、その発生時点を考慮して収益を認識しております。
(14)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証がある場合は、補助金収入を公正価値で測定し、認識しております。
資産に関する補助金は、当該補助金を繰延収益として計上し、関連する資産の見積耐用年数にわたって規則的に純損益に認識しております。また収益に関する補助金は、関連する費用から当該補助金を控除することで純損益に認識しております。
(15)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用及び繰延税金費用から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部またはその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
① 当期税金費用
当期税金費用は、当期の課税所得について納付すべき税額または税務上の欠損金について還付されると見込まれる税額で測定しております。当該税額は、報告期間の末日までに制定または実質的に制定されている税率及び税法に基づき算定しております。
② 繰延税金費用
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高い範囲で認識しており、他方、繰延税金負債は、原則として、すべての将来加算一時差異について認識しております。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合以外の取引で、会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、当社が一時差異の解消時期をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに制定または実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、資産が実現する期または負債が決済される期に適用されると予想される税率で測定しております。
繰延税金資産の回収可能性は、各報告期間の末日に見直し、繰延税金資産の一部または全部の税務便益を実現させるのに十分な課税所得の稼得が見込めないと判断される部分については、繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は各報告期間の末日に再検討し、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合または異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、もしくは、これらの税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合に相殺しております。
(16)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、対応する期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(17)セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしております。
(18)資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を「資本金」及び「資本剰余金」に計上し、発行に直接起因する取引コスト(税効果考慮後)は「資本剰余金」から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引コストを含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。ストックオプション行使に伴う自己株式の処分を含め、自己株式を売却した場合は、処分差損益を「資本剰余金」として認識しております。
(19)会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度より、以下の基準を適用しております。
IFRS新設・改訂の概要
IFRS第3号企業結合事業の定義の明確化
IAS第1号財務諸表の表示法人所得税の会計処理に不確実性を反映する方法を明確化
IAS第8号会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬重要性の定義の明確化
IFRS第7号金融商品:開示金利指標改革に対応してヘッジ会計に関する要求事項の一部を修正
IFRS第9号金融商品金利指標改革に対応してヘッジ会計に関する要求事項の一部を修正
IFRS第16号リースCOVID19に関連した賃料減免に関する会計処理を改訂

① IFRS第3号「企業結合」、IAS第1号「財務諸表の表示」、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」、IFRS第7号「金融商品:開示」及びIFRS第9号「金融商品」の適用
当社グループは、当連結会計年度より、当該基準を適用しております。尚、当該基準の適用による連結財務諸表に与える影響はありません。
② IFRS第16号「リース」の適用
本改訂は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の直接的な結果として賃料減免を受けたリースの借手に対して、簡便的な会計処理を選択することを認めるものであります。
本改訂によれば、新型コロナウイルス感染症に関連する賃料減免のうち所定の要件を満たすものについて、これがIFRS第16号において規定される「リースの条件変更」に該当するか否かに係る評価を行わなくてもよいとする実務上の便法を借手が選択することができるとされております。
当社グループは、上記の要件を満たす賃料減免について本便法を適用しております。
尚、本便法の適用により当連結会計年度における税引前損失が1,244百万円減少しております。
(20)表示方法の変更
該当事項はありません。