有価証券報告書-第40期(平成27年2月21日-平成28年2月20日)

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2016/05/19 15:14
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成27年2月21日~平成28年2月20日)におけるわが国の経済は、政府による経済政策、金融緩和政策の下支えもあり企業収益、雇用情勢に緩やかな回復基調が見られました。個人消費につきましては低価格志向とこだわり志向の二極化が進んでおりますが、平成26年4月の消費税増税や円安に伴う物価上昇による実質所得の減少から消費マインドは低迷しており、依然として消費者の節約志向が顕著であり、その後の回復も長期化の様相を呈しております。また、円安を背景とした原材料価格の高騰、人件費の上昇、原油価格の下落等もあり依然として経営環境の先行き不透明感を払拭しきれない状況が続いております。
流通小売業界におきましてはオーバーストア状態にあり、出店立地の確保が困難な状況の中、業態を超えた出店競争が激化しております。このことは同時に同質化競争、低価格競争を招いており、企業にとって収益の確保が難しい経営環境を形成しております。また、当社グループがチェーン展開する東北地方においては、都市と地方の地域間格差及び企業間格差が顕著であり、かつ人口減少によるマーケットサイズの縮小、少子高齢化に伴うニーズの変化という市場構造の変化が拡大しております。
このような状況のもと、当社グループは創立40周年を迎え「飛躍への起動づくりへの挑戦」をスローガンに掲げ、お客様にとって魅力的な商品提案、サービスレベルの向上、お客様第一主義を実践し、地域のお客様の豊かな生活の実現に向けて企業努力を続けてまいりました。また売上高1,000億円への挑戦という長期ビジョン実現に向けた成長戦略の一環として、1月に従来より業務・資本提携を行っていた株式会社リックコーポレーションとの間で「経営統合に関する基本合意」を締結し、事業規模の拡大を図るとともに、両社の強みを持ち寄り、商品調達、コスト面等においてシナジー効果を発揮させることにより、利益の最大化を目指す体制構築に向けた取組みを行っております。当連結会計年度における新規出店としまして、ホームセンター「ダイユーエイト」は3月に土浦おおつ野店(茨城県)、11月に田島店(福島県)を開店いたしました。ペット専門店「ペットワールドアミーゴ」は新発田店(開店3月 新潟県)、自転車専門店「ワンズサイクル」は、白河店(開店3月 福島県)を開設いたしました。またオフィス用品専門店「オフィスエイト」は3月に初の県外出店となる山形県米沢市に米沢店を開設いたしました。これにより当連結会計年度末の店舗数は、108店舗となりました。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の連結売上高は496億8千万円(前年同期比17.6%増)、連結営業利益は15億5千1百万円(同15.7%増)、連結経常利益は16億3千3百万円(同18.0%増)、連結当期純利益は9億2千4百万円(同14.0%増)となりました。
なお、前連結会計年度末において連結子会社としている株式会社日敷の損益計算書については当連結会計年度の期首より当社グループの連結損益計算書に含めております。
セグメント業績は次のとおりであります。
[ホームセンター事業]
ホームセンター事業は、営業休止店舗を除く既存店ベースで、客単価が前年同期比で0.3%増加しましたが、客数が前年同期比で1.7%減少したことから、既存店売上高は1.4%減少いたしました。
セグメント売上高につきまして既存店ベースでの商品別販売動向は、春先において用土、肥料等の園芸用品の売上高が好調に推移しましたが、前年は消費税増税前の駆け込み需要もあった影響で家電製品、インテリア等の売上高が前年同期比で大きく落ち込みました。夏場は猛暑日が続いたことで冷房、扇風機をはじめとした夏物季節商品の売上が好調に推移いたしましたが、秋口からは例年と比較し高気温の影響もあって石油暖房等の冬物商品の売行きの出足が鈍く、冬季に入ってからも暖冬により除雪用品等の季節商品の売上が前年実績を下回る状況が継続いたしました。当期は創立40周年にあたり、シーズン毎、年4回に渡りそれぞれ実施してまいりました創立40周年大感謝祭が好評を得て、好天の影響も相俟って集客数が大きく増加するとともに、売上高についても前年同期比及び計画数値比で大きく伸長いたしました。しかしながら、年初より継続する原油価格下落に伴う灯油販売価格下落の影響が当連結会計年度における既存店全体の売上高減少の大きな要因となっております。
セグメント利益につきましては、ホームセンターの主力部門である木材、工具、作業用品、植物、園芸、ガーデニング用品等のホームニーズ商品の強化を商品戦略として取組み、商品の「差異化」を継続的に推進してまいりました。さらに、従来の商品と併せて、高付加価値商材を積極的に投入し、その機能性、素材、品質を訴求するとともに、ローカルチェーンとして園芸、農業資材を中心に地域特性商品を充実させることによってお客様の暮らしに「新たな価値」を創造できる品揃えの実現に重点的に取組んでまいりました。その結果、商品荒利益率は既存店ベースで前年同期比0.4%改善いたしました。
販売促進面では、ポイント会員獲得キャンペーンを展開するとともに、ポイントカード会員様へのポイント5倍セール「8の付く日はハッピーDAY」を継続して実施することにより、お客様より大変なご好評を得て売上伸長に繋げることができました。
これらの結果、ホームセンター事業における売上高は344億8千5百万円(前年同期比0.9%増)、セグメント利益(営業利益)は21億3千8百万円(同0.8%増)となりました。
[不動産事業]
不動産事業につきましては、エイトタウン田島(福島県)を開設しました。これにより近隣型ショッピングセンター「エイトタウン」は計6箇所となり、集客効果等でホームセンターとの相乗効果を図っております。
売上高は7億9千5百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益(営業利益)は3億4千2百万円(同5.0%増)となりました。
[子会社小売事業]
子会社小売事業における売上高は66億1千5百万円、セグメント利益(営業利益)は6千2百万円となりました。
なお、子会社小売事業は前連結会計年度末より連結子会社としている株式会社日敷の営む小売事業であり、同事業の売上高及びセグメント利益は当連結会計年度の期首より当社グループの業績としているため、前年同期との比較は行っておりません。
[その他]
当事業における売上高は、「ペットワールドアミーゴ」を展開するペットショップ事業及び「ワンズサイクル」を展開する自転車専門店事業等により90億9千3百万円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益(営業利益)は1億6千2百万円(前年同期はセグメント損失5千万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は28億1千4百万円となり、前連結会計年度末に比較して7億3千6百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは20億5千7百万円の資金の収入(前連結会計年度は30億8千5百万円の資金の収入)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費合計で27億4千1百万円の資金の収入(前連結会計年度は23億7千2百万円の資金の収入)、損害賠償金の受取による収入で1億6千1百万円の収入(前連結会計年度は1億4千5百万円の資金の収入)、仕入債務の増加による10億1千3百万円の資金の収入(前連結会計年度は仕入債務の増加による6億9千4百万円の資金の収入)等により資金が得られましたが、一方で、たな卸資産の増加による2億4百万円の資金の支出(前連結会計年度は5億6千8百万円の資金の支出)、利息の支払による1億1千5百万円の資金の支出(前連結会計年度は1億3千万円の資金の支出)、法人税等の支払による7億4千3百万円の資金の支出(前連結会計年度は3億1千6百万円の資金の支出)等により資金が使用されたこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは11億4千4百万円の資金の支出(前連結会計年度は5億1千7百万円の資金の支出)となりました。その主な要因は、新規出店に係る店舗設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出に11億5千1百万円(前連結会計年度は4億6千5百万円の資金の支出)、敷金及び保証金の差入による支出に1億9百万円(前連結会計年度は4億8千5百万円の資金の支出)等により資金が使用されたこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1億7千5百万円の資金の支出(前連結会計年度は18億9千8百万円の資金の支出)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入で26億円の資金の収入(前連結会計年度は23億5千万円の資金の収入)、株式発行による収入で11億3千5百万円の資金の収入により資金が得られましたが、一方で、短期借入金の減少による8億円の資金の支出(前連結会計年度は12億円の資金の支出)、長期借入金の返済による支出に24億4千万円(前連結会計年度は24億8千5百万円の資金の支出)、リース債務の返済による支出に3億8千3百万円(前連結会計年度は2億9千8百万円の資金の支出)、社債の償還による支出に9千万円(前連結会計年度は1億1千万円の資金の支出)、配当金の支払による2億1千2百万円の資金の支出(前連結会計年度は1億5千4百万円の資金の支出)等に資金が使用されたこと等によるものです。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成26年2月期平成27年2月期平成28年2月期
自己資本比率(%)20.219.424.2
時価ベースの自己資本比率(%)18.420.519.7
キャッシュ・フロー対有利子負債比率6.83.75.3
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)12.623.617.7

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値(期末日に約定が無い場合は、直近約定値)×期末発行済株数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。