有価証券報告書-第51期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/03/30 16:42
【資料】
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【項目】
135項目
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、株主をはじめ、顧客、従業員、フランチャイジー、サプライヤー等の全てのステークホルダーの利益の最大化に努めるとともに、経営の透明性・効率性を高め、当社グループの持続的な企業価値の向上を実現することが重要であると認識しています。
このため、経営の意思決定・監督機能と業務の執行機能を分離し、適時的確かつ効率的な経営・執行体制の確立を図り、社外取締役の参加による透明性の高い経営の実現に取り組んでおります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
1. 会社の機関の内容
当社は、取締役会、監査役会、会計監査人設置会社であります。
当社グループは執行役員制度を採用しており、取締役と執行役員の業務執行を分離しております。取締役会は、社外取締役4名を含む9名で構成(構成員の氏名については、後記「(2)役員の状況」に記載しております。)され、当社代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の日色保氏が取締役会議長を務めております。取締役会は、重要な経営の意思決定や、取締役の職務執行及び執行役員の業務執行に対する監督を行い、執行役員は担当分野において機動的な業務執行を行っております。
また、当社は、事業会社である日本マクドナルド株式会社において、CEO及びCEOが選任したメンバーで構成する「エグゼクティブ・マネジメント・チーム」(以下「EMT」という)を設置しています。EMTの構成員はサラ L. カサノバ氏、日色保氏、下平篤雄氏、パスカル・ペルティエ氏及び芳賀万代子氏の5名で構成されています。EMTの議長は、当社代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)かつ日本マクドナルド株式会社の代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)である日色保氏が務めています。EMTは、執行役員から適宜報告を受け、執行役員と連携することで業務遂行の円滑化をはかるとともに、当該会社の取締役会から受託された範囲で、経営の意思決定を行うことで、意思決定の迅速化をはかっております。
取締役会の監督機能を強化し、意思決定プロセスの透明性を高めるため、取締役会の任意の諮問委員会として、取締役会の下に、指名委員会及び報酬委員会を設置しております。両委員会の役割及び委員構成は次のとおりです。
(a)指名委員会
指名委員会の権限及び構成員は、次のとおりです。
・株主総会決議事項である、当社及び当社子会社の取締役及び監査役の選解任案について審議する。
・取締役会決議事項である、当社及び当社子会社の代表取締役の選解任案について審議する。
・当社及び当社の代表取締役及び執行役員の後継・育成計画について審議する。
・取締役会の構成がその独立性・多様性に係るベストプラクティスに従っていることを審議する。
・その他当社の取締役会から指示された事項を履行する。
指名委員会は、社内取締役2名(サラ L. カサノバ氏、ロバート D. ラーソン氏)及び社外取締役3名(川村明氏、上田昌孝氏、高橋鉄氏)の5名の委員で構成されています。議長は社外取締役である上田昌孝氏が務めております。
(b)報酬委員会の権限及び構成員は次のとおりです。
・法定の取締役会決議事項である当社の取締役個別報酬決定方針について審議する。
・取締役に対する報酬が、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するものであり、かつ各職責を踏まえ適正であり同業他社及び他業種同規模他社との比較において競争力のある水準となっていることを審議する。
・当社又は当社子会社の取締役会からの個別の委任に基づき、それらの取締役の個別報酬額について審議し承認する。
・その他、当社の取締役会から指示された事項を履行する。
報酬委員会は、社内取締役2名(サラ L. カサノバ氏、ロバート D. ラーソン氏)及び社外取締役3名(川村明氏、上田昌孝氏、高橋鉄氏)の5名の委員で構成されています。議長は社外取締役である川村明氏が務めております。
監査役会は、常勤監査役1名と3名の非常勤監査役(社外監査役)で構成(構成員の氏名については、後記「(2)役員の状況」に記載しております。)され、議長は、常勤監査役の石井隆朗氏が務めています。監査役会は、法令で定められた事項及び監査に関する重要な事項について、報告を受け、協議を行い又は決議をしています。監査機能につきましては、後記「(3)監査の状況」をご参照下さい。また、任意の委員会として、当社及び当社連結子会社である日本マクドナルド株式会社において、取締役及び従業員(執行役員を含む)の職務の執行が法令及び定款に適合することを維持確保すること並びに業務執行におけるリスク管理を目的として、全社リスク管理委員会を設置しております。全社リスク管理委員会は、日色保氏、下平篤雄氏、パスカル ペルティエ氏、芳賀万代子氏及び斎藤由希子氏を常任委員として構成されています。
全社リスク管理委員会の委員長は、日本マクドナルド株式会社代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)である日色保氏が務めています。
第三者の関与としては、顧問弁護士等の専門家から法令遵守に対する指導及び助言を受けております。また、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人より会社法及び金融商品取引法に基づく法定監査を受けており、監査の結果は、監査役会及び取締役会に報告されております。
③ 企業統治に関するその他の事項
1. 内部統制システムの整備の状況及びリスク管理体制の整備の状況等
取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他会社の業務の適正を確保するための当社グループの体制についての決定内容の概要は以下のとおりであります。
(a) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ.取締役会議事録をはじめ、株主総会議事録、計算書類及び事業報告、当社の連結子会社で実施されているEMT議事録、「権限委譲に関するガイドライン」に基づく事前審査と承認記録、監査役会議事録、監査役の活動に関する書類、及びその他取締役会及び監査役会が定める書類(電磁的に記録されたものを含む)については、関連資料とともに10年間保存し管理する。
ロ.業務執行に係る文書の保存及び管理については、文書の重要度に応じて保存期間や保存方法を規定する「文書保存管理規程」を策定し、これを従業員に周知徹底するとともに、各本部の日常の文書管理基準を設定し、必要な研修を実施する。
(b) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.リスク管理の確保については、当社グループのリスク管理について、詳細を定めた「全社リスク管理委員会規程」に基づき、全社リスク管理委員会が担当し、その指導のもと各本部のコンプライアンス責任担当者が当該各本部におけるリスク管理体制の浸透をはかる。また、リスクの事前審査体制を確保するため「権限委譲に関するガイドライン」において、関係各部門又はEMTの事前審査の必要性の有無を明記しこれを従業員に周知徹底するため必要な研修を実施する。
ロ.業務執行部門から独立した内部監査部を設置し、各部門の業務プロセスを監査し、リスクの発見・防止と業務プロセスの改善に努める。
ハ.大規模な事故、災害、不祥事等の発生等による大規模なリスクに対処するため、必要な人員で構成する緊急対策本部を適宜設置する。緊急対策本部で取り扱うべきリスク、本部の活動及び権限の詳細については、「危機管理規程」及び「大規模災害対策本部規程」において定める。
ニ.そのほか、ビジネスの性質に鑑み、「危機管理規程」に基づいて、①店舗で発生する事故に対応するリスクの管理体制を確立するために、「エマージェンシー・ホットライン規程」に基づき、エマージェンシー・ホットライン(緊急通報体制)を設置し、経営陣への報告体制を整備する。②店舗における事故が発生した場合の対応方法については、「店舗商品・製品の品質の危機レベル管理とストックリカバリーに関する規程」を策定して、事故レベルごとの各部門の役割とともに、対応方法を具体的に定める。
(c) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
「取締役会規程」及び「取締役会規程細則」において取締役会での決議、報告事項を明記するとともに、各取締役は、「業務分掌・職務権限規程」及び「権限委譲に関するガイドライン」に基づき、職務権限の分配及び意思決定の適正化をはかり、効率的かつ適正な職務執行を行う。また、各取締役は、当社の経営方針の策定、重要事項の検討や決定、当社のコンプライアンス体制、リスク管理体制の整備、運用等について、効率的に取締役に対して報告が行われる体制を構築するよう、取締役会又は代表取締役に適宜提案する。
(d) 取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.連結子会社の代表取締役CEOを長とし、同社COO、CFO、法務ガバナンス本部担当執行役員及び人事本部担当執行役員を常任委員としてコンプライアンス委員会を設置し、職務の執行が法令及び定款に適合することの維持確立に必要な調査を行い、指導を提案する権限を与える。全社リスク管理委員会の権限と活動に関する詳細を全社リスク管理委員会規程において定める。
ロ.コンプライアンスについて平易な言葉で説明した「業務上の行動規範」(Standards of Business Conduct)ハンドブックを策定し、従業員に配布するとともに、その遵守を確保するため、各従業員から遵守の誓約書を徴求する。
ハ.取締役、執行役員、従業員など、役職及び職責に応じて、コンプライアンスに必要な研修を実施する。
ニ.当社の業務執行に係る取締役及び従業員の承認権限を、役職及び職責ごとに明記し、関係各部署又はEMTによる事前承認の必要性の有無及び取締役会での決議や報告の必要性の有無を明記した「権限委譲に関するガイドライン」を策定するとともに、重要な業務執行の決定については、EMTにおいて事前に審査させるため、「EMT規程」を策定し、これらを従業員に周知徹底する。
ホ.業務執行部門から独立した内部監査部を設置し、各部門の業務プロセスを監査し、不正の発見・防止と業務プロセスの改善に努める。
ヘ.これらの取組みについて、積極的に株主、投資家、社会並びに取締役及び従業員に対して開示を行うことで、コンプライアンス体制の啓蒙と透明性の確保に努める。
(e) 企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社を含む企業集団全体での業務の適正化を維持するため、当社企業集団を構成する日本マクドナルド株式会社において、「内部統制規程」に定める業務適正化体制と同等の体制をとらせるとともに、業務の適正を維持するために重要と考えられる事項について当社に報告する体制をとらせるものとする。
(f) 監査役がその職務を補助すべき従業員を置くことを求めた場合における当該従業員に関する事項
取締役会は、監査役が求めた場合は監査役の求める職務の補助を行うことができるだけの専門性、知識を有する従業員を、実務上可能な限り速やかに監査役補助従業員として任命するとともに、取締役及び従業員は、監査役補助従業員の調査、監査等に対し、監査役に対するのと同等の協力を行う。
(g) 前号の従業員の取締役からの独立性及び指示の実効性の確保に関する事項
監査役補助従業員は、取締役会の指揮命令系統には属さず、独立して監査役の職務の補助にあたり、監査役補助従業員に対する人事異動、懲戒処分その他の人事上の措置は、あらかじめ監査役会に報告され、その承諾を得なければ発動しないものとする。
(h) 取締役及び従業員が監査役に報告するための体制、その他の監査役への報告に関する体制
イ.内部監査、財務及び法務部門は、担当部門の業務執行において法令に違反する事実、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見したときは、直ちに監査役に報告する。
ロ.取締役はイ.の報告義務について、その周知を図る。
ハ.内部通報機関を通じ又はその他の方法により、法令や企業倫理等に違反する事実や当社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見した旨の報告を受け、コンプライアンス違反の事実の有無の調査を実施した結果、法令に違反する重大な事実又は当社に著しい損害を与えるおそれのある事実が判明した場合、全社リスク管理委員会は監査役に報告する。
ニ.取締役及び従業員は、監査役から業務執行に関する事項の報告を求められた場合には、速やかに報告しなければならない。
ホ.監査役は、内部監査部の実施する監査について、当該部門から適宜報告を受け、監査役が必要と認めたときは、追加監査の実施又は業務改善等の施策の実施を求めることができる。
(i) 監査役への報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、「内部統制規程」に基づき、当社グループの監査役へ報告を行った当社グループの役職員が、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないものとしている。
(j) 監査の職務執行について生ずる費用又は債務の処理に関する方針
当社は、「内部統制規程」に基づき、監査役がその職務の執行について、費用の前払い等の請求をしたときは、速やかに当該費用又は債務を処理しなければならないものとしている。
(k) その他の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ.監査役会は、監査の実施にあたり、連結子会社の内部監査部及び会計監査人と連携することができるほか、常勤監査役及びその指定する者は重要な業務執行が協議される会議(会議の種類を問わない)に出席することができ、その場において意見を述べ、又は説明を求めることができる。
ロ.監査役は会計監査人を監督し、取締役からの会計監査人の独立性を確保するため、会計監査人の監査報告について独自に報告が受けられる。
ハ.当社を含む企業集団全体での業務の適正化を維持するため、当社企業集団を構成する日本マクドナルド株式会社において、「内部統制規程」に定める業務適正化体制と同等の体制をとらせるとともに、業務の適正を維持するために重要と考えられる事項について当社に報告する体制をとらせるものとする。なお同規程においては、連結子会社の内部監査部門及び各担当部門が、直接当社の監査役に報告できること、不利益取り扱いの禁止、監査役補助使用人への協力義務、監査費用等の処理などが定められている。
2. 責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役及び監査役との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を法令が定める額を限度として負担するものとする契約を締結しております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
3. 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社並びに当社子会社の取締役、監査役及び執行役員(以下、本項目において総称して「役員等」という)を被保険者として会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しております。当該保険契約では、被保険者が会社の役員等の業務として行った行為(不作為を含む)に起因して、損害賠償請求された場合の法律上の損害賠償金及び争訟費用等を当該保険契約により填補することとしております。但し、故意による任務懈怠がある場合、違法に利益若しくは便宜の供与を得た場合又は犯罪行為等に起因する場合は、填補の対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにしております。保険料は、当社が全額負担しております。
当社グループ内のコーポレート・ガバナンス体制を図式化すると以下のとおりになります。
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