有価証券報告書-第54期(平成28年5月1日-平成29年4月30日)

【提出】
2017/07/28 10:00
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【項目】
117項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は、世界景気の回復を背景に生産や輸出が好調で、底堅い回復が続いていますが、一方で個人消費を支える賃金の伸びには勢いが感じられず、当社の基幹事業でありますライフライン領域までは好況感が伝わってこない状況です。
このような環境の下で、当社はLPガス事業においては、逸早くエネルギー競争時代を見据えての「TOELLライフラインパッケージ」販売に取り組んできました。ガス、水、電気、通信のライフライン領域でのセット供給販売を行うことで、既存顧客の囲い込みと新規需要顧客の創出を進めてきました。
一方、ウォーター事業においては、ピュアウォーターでの「高品質の原水にこだわる」をブランディング差別化戦略とし、「競争力ある価格」を営業戦略の基本において、「アルピナ」、「Pure Hawaiian」の2ブランドの事業基盤の拡大に努めると同時に、ボトルウォーターの付加価値を高める商品として「高濃度水素水サーバー」の販売にも力を注いでまいりました。
セグメント別の概況は次のとおりです。
①LPガス事業
平成28年4月に始まりました電力小売り自由化、続いて平成29年4月にスタートしました都市ガス事業の自由化は、既に草創期以来自由化競争の渦中に置かれているLPガス業界をも改めて巻き込んでの新しいエネルギー自由競争の到来です。当社はあらゆるエネルギーが自由化を迎えることは事業拡大のチャンスと捉え、まずは電力小売事業への参入としてPPS(特定規模電気事業者)との業務提携による事業を開始しました。既存の事業であるガス、ウォーター顧客のライフライン領域に「TOELLでんき」の呼称で電気を加え、更には通信事業としての光回線事業を「TOELL光LINE」の呼称で加え、4事業をセットで「TOELLライフラインパッケージ」として提案することで、総合エネルギー事業者に向けてスタートいたしました。
当連結会計年度の売上高は、LPガス輸入価格の値下がりによる売上原価の低下に伴い販売価格も値下げを行ったことで減収となりましたが、価格改定時の販売価格調整では営業利益率改善に努めたことにより営業利益では増益となりました。
この結果、売上高は16,033百万円(前連結会計年度比3.9%減)、管理部門経費配賦前のセグメント利益は2,698百万円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。
②ウォーター事業
ボトルウォーター業界は水道水とペットボトル市場の間のニッチ商品ながら、大手清涼飲料水メーカーやネット通信販売業者等の新規参入で、市場は成長を続ける反面販売競争は激しさを増しております。当社はこのような環境の中、他社との競争優位戦略としてピュアウォーターでの「高品質の原水にこだわる」「競争力ある価格」を基本に「3,000m級の山々が連なる日本の秘境、自然豊かな北アルプスの天然水」と「太平洋の真中、常夏の島ハワイの溶岩でろ過された天然水」をキャッチフレーズにブランディング強化を進めてきました。また、アメリカハワイ州にあります自社モアナルア工場で生産する12リットルのワンウェイボトルの輸入を本格化させました。従来の5ガロンボトルに比べて軽量で取扱いやすいこと、8リットルボトルに比べて容量が大きいこと、ワンウェイであるために全国へ供給が可能なことなどにより、当連結会計年度内で12リットルボトル自社ブランド商品「Pure Hawaiian」に入れ替りました。東日本大震災時のボトルウォーター特需の反動が大きく、永らくボトル販売本数は伸び悩んでおりましたが、「アルピナ」、「Pure Hawaiian」共に増加に転じました。
一方、ボトルウォーターの差別化戦略と、付加価値向上を目的として開発しました「高濃度水素水サーバー」は改良を進め溶存水素濃度は「3.4ppm」から「4.1ppm」へとより高濃度の製品を開発し販売開始をしました。既存のボトルウォーター市場のみならず、異業種であります健康、美容等の関連業界の開拓にも注力した結果、ウォーター事業の増益に貢献しました。
この結果、売上高は5,872百万円(前連結会計年度比2.4%減)、管理部門経費配賦前のセグメント利益は983百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は21,906百万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益は1,964百万円(前連結会計年度比4.8%増)、経常利益は2,119百万円(前連結会計年度比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,298百万円(前連結会計年度比65.2%増)となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となりました。
特記事項
ピュアウォーターを利用しての「高濃度水素水サーバー」は溶存水素水濃度を「3.4ppm」から「4.1ppm」に改良を重ね業界では類のない高濃度数値の製品とし、合せて生産体制の見直しも進めた結果、ウォーター事業の業績に寄与しました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ653百万円減少し、当連結会計年度末は、4,066百万円(前連結会計年度比13.9%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,415百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益2,066百万円、減価償却費1,320百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、816百万円(前連結会計年度比12.9%増)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出607百万円、無形固定資産の取得による支出243百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,255百万円(前連結会計年度比594.6%増)となりました。
これは、短期借入金の純増減額による支出1,180百万円、長期借入金の返済による支出769百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出644百万円があったこと等によるものであります。