有価証券報告書-第30期(平成29年6月1日-平成30年5月31日)

【提出】
2018/08/30 13:50
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【項目】
111項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、財務状況、株価等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業の性質上、お客様の重要情報に接する機会が多く、かつ多くのお客様情報を保有しております。また、LCMサービスのひとつである使用済みIT機器の回収・データ消去サービスにおいては、お客様から回収した機器に多くの機密情報・個人情報が含まれております。
こういった重要情報の漏洩可能性をゼロにすべく、強固な情報漏洩防止体制をとっております。具体的には、ISMS(ISO27001:情報セキュリティ・マネジメント・システム)による万全なセキュリティ、プライバシーマークの取得、ISO対策室の設置、セキュリティドア・セキュリティカメラ等による漏洩防止、外部からの不正アクセス等に対する情報システムの強化、社員教育を中心とした社内管理体制の強化、内部監査の定期実施などです。
当社グループでは、お客様情報の保護、管理に徹底して取り組んでおりますが、万が一、情報セキュリティに関する問題が発生した場合には、賠償費用の発生、当社グループの信用失墜による業績悪化が予想されるなど、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) IT技術の急激な革新・進化、オペレーティングシステム(OS)の周期的な変化
クラウドコンピューティング、AI、IoT、RPA等、IT関連の技術革新のスピードは大変速く、一般的には、新製品・サービスの陳腐化、価格下落につながる可能性があります。また、働き方改革の進展等により、IT化・モバイル化がさらに進むと想定されています。そして、パソコンにおいては、Microsoft社が提供するオペレーティングシステム(OS)が周期的な市況変動を超えた需給の変化を引き起こします。直近では平成32年1月のWindows7サポート終了によるWindows10導入の急速な進展、使用済み機器の排出の増大といった大きな市場変化が見込まれております。当社グループではこれを大きなビジネスチャンスと捉えております。「ITデバイス×ITサービス×全国配置のテクニカルセンター」、すなわち「ハードウェア」、「技術」、「人手・物流・設備等を必要とするサービス」を組み合わせた当社ならではのLCMサービスで独自の優位性を発揮し、技術進化を取り込みながら継続的・安定的な収益拡大を目指しております。また、AI・RPA等の革新的技術については、その研究・積極活用を進めることにより、当社LCMサービスの品質や優位性の拡大、新サービス創出を図っていく方針です。
しかしながら、想定を超える急激な変化・技術革新が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 人材の確保
当社グループが持続的成長を達成していく上で、人材は重要な課題であり、人材の確保と育成に取り組んでおります。平成30年5月期の小売事業撤退・店舗事業の廃止についても、収益構造改革とともに、人材再配置による重点分野の人材確保・育成を目的のひとつとしており、現在、ITサービス分野やテクニカルセンター等へ配置転換し、育成を進めております。また、技術者を中心とした積極採用も実施しております。
しかしながら、人材の確保が計画どおり進まなかった場合には、事業拡大の制約や競争力低下の要因になる可能性があり、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 業績が下期に偏る傾向
当社は、非常に多数かつ優良な法人・学校・官公庁・自治体のお客様を有しております。一方、多数のお客様の会計年度が3月期に集中していることから、特に使用済みIT機器の排出がお客様の会計期末の前後に偏る傾向にあります。この結果、当社収益のうち、LCM事業の一部である使用済みIT機器の回収・データ消去、及びリユース事業であるリユース・リサイクルに関連する収益が下期に偏る傾向にあります。
(5) 中古品の安定確保、及び中古品販売の利益率変動
多くの場合、使用済みIT機器は、新品が導入されてからその排出が行われます。当社グループが販売する中古品の大部分は、お客様である法人・官公庁及びリース会社等から使用済み品(パソコン及び周辺機器、モバイル機器)を買取・回収し再生したものです。よって、新品市場が変動すると排出市場に影響を及ぼし、当社グループによる使用済み機器の買取・回収台数の変動、競合関係による買取価格の上昇を引き起こし、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、中古IT機器(パソコン、モバイル機器及び周辺機器)は、個々の商品の機能等により販売価格や利益率が大きく異なることがあり、買取・回収した商品構成により中古品販売時の利益率が大きく変動する場合があります。さらに、万が一、当社グループの引取回収物件から情報漏洩等の不測の事態が発生した場合は、取引先の当社グループに対する信用低下を引き起こし、当社グループの事業展開及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 中古品等の法律に関するリスク
① 「古物営業法」
当社グループの事業は古物営業法第3条により許可を受けており、営業拠点ごとに各都道府県の公安委員会より許可証を取得し、事業を行っております。古物営業法の立法主旨は、盗品等の売買の防止と速やかな発見を図ることであり、当社グループにおいては、厳しい防止措置を施しております。
しかしながら、将来、当社グループが何らかの理由により同法に違反し、許可の取り消し及び営業の停止、刑事罰等の処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
当社グループの事業活動の結果として発生する廃棄物の中には、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に規定する「産業廃棄物」が含まれ、同法律の規制を受けることになります。
当社グループでは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に関する各種取扱いについて社員教育を徹底すると共に、物件回収から商品化又は廃棄に至るまでの工程を明確に規定化し、その取扱い遵守の状況については内部監査の実施、チェック体制を強化する等、法令遵守体制を整備し、全て遵守しております。
しかしながら、今後の法改正等に当社グループが対応できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 与信リスク
レンタル取引は原則無担保で信用を供与する取引であり、取引先からレンタル料の全額を回収して初めて期待収益が確保されます。当社のIT機器レンタルは、中堅から大企業を中心とした比較的優良な法人を中心にサービスを提供しており、与信リスクは相対的に低い状況にあります。
また、万一、レンタル料の不払・倒産等が発生した場合、レンタル資産を速やかに回収し、他の取引先へレンタルを行うことにより可能な限りレンタル資産の収益化を図ることとしております。与信管理については、新規取引時、及び既存取引先に対する継続管理とも徹底して行うことで回収リスクの極小化に努めておりますが、予期しない取引先の倒産、景気減退等による信用悪化が発生し、レンタル債権の回収不能、又はレンタル資産の回収不能が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。