有価証券報告書-第115期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当行グループは、銀行業務を中心に、リース業務、保証業務などの金融サービスに係る事業を行っております。これらの事業を行うために、主に預金により資金調達し、主に貸出金及び有価証券により資金運用を行っております。銀行経営の健全性と適切性を確保するため、過度な収益追求やリスク回避に陥ることのないよう、資金運用及び資金調達については、収益とリスクのバランスをはかりながら適切なリスク管理を行っております。また、発生するリスクを回避するためにデリバティブ取引を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当行グループが保有する金融資産は、主として貸出金及び有価証券であります。
貸出金は、取引先の財務状況の悪化等により資産の価値が減少ないし消滅して損失を被る、いわゆる信用リスクに晒されております。
有価証券は、主に債券、株式、投資信託及び組合出資金であり、利息配当金収入等により利益を得る目的及び業務提携等の政策目的で保有しているほか、一部の連結子会社では満期保有目的で債券を保有しております。これらは、それぞれ発行体の信用リスクのほか、金利、市場価格、為替相場などの変動により保有資産の価値が変動し損失を被る、いわゆる市場リスクに晒されております。
当行グループが保有する金融負債は、主として預金であります。預金は、予期せぬ資金の流出等により、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることによる損失を被る資金繰りリスクを有しているほか、市場環境の変化等の影響で、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることなどにより損失を被る、市場流動性リスクに晒されております。
当行が行っているデリバティブ取引は、金利スワップ取引、債券先物取引、為替予約取引及び通貨オプション取引等であります。金利スワップ取引及び債券先物取引については、オンバランス取引の金利リスクのヘッジを目的としております。為替予約取引及び通貨オプション取引については、外貨建てオンバランス取引の為替リスクをヘッジすることを目的としております。ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「4.会計方針に関する事項」の「(13)重要なヘッジ会計の方法」を参照願います。
なお、一部ヘッジ会計の要件を満たしていない取引は、金利リスクや為替リスクに晒されております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
当行では、銀行経営の健全性と適切性を確保するため、直面するリスクに関して、それぞれのリスクカテゴリー(信用リスク、市場リスク等)ごとに評価したリスクを総体的に捉え、経営体力(自己資本)と、比較・対照する自己管理型のリスク管理である「統合的リスク管理」を実施しており、金融商品に係るリスク管理もその範囲において体制を整備しております。「統合的リスク管理」では、年度ごとに自己資本の範囲内で各部門及びリスクカテゴリーごとに資本配賦を行い、VaRなどの手法で計量化したリスク量と配賦資本の状況をモニタリングし、経営の健全性と自己資本の十分性を検証しているほか、定期的に取締役会等に報告を行い、状況に応じて適切にリスク量を制御しております。
また、リスク量の制御に当たっては、経営の効率化と収益性の向上をはかっていくため、リスク・リターンを適正に評価するなど、収益性・効率性を考慮した管理に取り組んでおります。
① 信用リスクの管理
当行では、融資の基本方針や審査基準の概念を定めた「クレジット・ポリシー」、その具体的な内容等を定めた「信用リスク管理基準」のもと、特定業種、特定グループ等への集中排除や、連結子会社、政策投資等にかかる管理方針を定め、リスク管理の適正化をはかっております。また、事業融資先に対して信用格付制度を導入しており、これに基づいて信用リスクを定量化しているほか、融資プライシングの改善を進めております。さらに、信用リスクの大部分を占める貸出金については、審査管理部門と営業推進部門を分離し、営業推進部門の影響を受けない審査管理体制としており、審査・管理回収に特化した体制で資産の健全性の維持、向上に努めております。
② 市場リスクの管理
当行では、銀行全体の資産、負債等にかかる金利リスク量や市場関連取引にかかる金利・為替・株価についてのリスク量を定期的に「ALM委員会」に報告する体制を敷き、管理体制の強化をはかっております。また、市場関連取引については、あらかじめ策定した年度の資金予算や統合的リスク管理で定められた配賦資本の範囲内で、効率的な資金運用、リスク・リターンの最適バランスをはかるよう努めているほか、運用部門(フロント業務)、事務部門(バック業務)、管理部門(ミドル業務)に分離し、相互牽制機能を働かせ、万が一の事務ミス、不正取引等の操作を防止する体制としております。
③ 流動性リスクの管理
当行では、流動性リスクに対して、資金の運用残高・調達残高の予想、検証の精度を高めて資金ポジションの適切な管理を行うとともに、資金繰りに影響をおよぼす金融市場の情勢、その他社会情勢の把握・分析を行って流動性リスクの回避に努めております。さらに資金繰りの管理については、平常時・懸念時・危機時と状況に応じた管理体制に基づき、各々の局面において速やかに対応できる体制としております。
④ デリバティブ取引に係るリスク管理
金利スワップ取引については、ヘッジ取引の必要性等、ALM委員会において十分に検討し、運用しております。
債券先物取引については、年度有価証券運用方針等に運用枠や損失限度を定め、定期的な運用状況モニタリングなど市場リスク管理部門による牽制の下で運用を行っております。
為替予約取引及び通貨オプション取引については、個別取引による管理のほか、オンバランス・オフバランスを合わせた当行全体の総合持高を把握し、管理しております。
⑤ 市場リスクに係る定量的情報
当行グループにおいて、主要なリスク変数である金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、「貸出金」、「有価証券」中のその他有価証券に分類される債券、「預金」、「譲渡性預金」、「デリバティブ取引」のうちの金利スワップ取引であります。当行グループでは、これらの金融資産及び金融負債について、VaRにより経済的価値の増減額を算定し、金利の変動リスクの管理に当たっての定量的分析に利用しております。
VaRによる当該影響額の算定に当たっては、対象の金融資産及び金融負債を固定金利群と変動金利群に分けて、それぞれ金利期日に応じて適切な期間に残高を区分し、期間ごとの金利変動幅を用いたうえで、分散共分散法(保有期間40日、信頼区間99%、観測期間5年)により行っております。
当行グループ全体における金利リスク量(経済的価値の減少額の推計値)は、平成29年3月31日現在で492百万円、平成30年3月31日現在で6,324百万円であります。
なお、VaR算定における要求払預金の金利期日につきましては、内部モデルにより実質的な期日を推計したうえで所定の期間に振分けを行っております。
また、当行グループでは、市場価格のある金融商品に関して、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施し、使用する計測モデルが十分な精度により金利リスクを捕捉していることを確認しております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の確率での金利リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額は、次表のとおりであります。なお、時価を把握することが極めて困難と認められる非上場株式等は含めておりません((注2)参照)。また、連結貸借対照表計上額の重要性が乏しい科目については、記載を省略しております。
前連結会計年度(平成29年3月31日)
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、有価証券に対する投資損失引当金については、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
当連結会計年度(平成30年3月31日)
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、有価証券に対する投資損失引当金については、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
(注1) 金融商品の時価の算定方法
資産
(1)現金預け金
満期のない預け金については、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。満期のある預け金については、残存期間が1年以内と短期であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(2)コールローン及び買入手形
これらは、約定期間が短期間(概ね3か月以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(3)買入金銭債権
買入金銭債権のうち、長期の信託受益権については、取引金融機関から提示された価格によっております。長期の信託受益権以外については、約定期間が短期間(概ね6か月以内)であり時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(4)有価証券
株式は取引所の価格、債券は取引所の価格又は取引金融機関から提示された価格によっております。投資信託は、公表されている基準価格によっております。
私募債は、内部格付別、期間別に区分し、信用リスク相当額控除後の将来キャッシュ・フローを市場金利で割り引いて時価を算定しております。なお、破綻懸念先に対する私募債については、帳簿価額から個別貸倒引当金相当額を控除した後の価格を時価としております。
変動利付国債は、当連結会計年度(前連結会計年度)において実際の売買事例が極めて少なく、売手と買手の希望する価格差が著しく乖離しているものについては、市場価格を時価とみなせないと判断し、経営者の合理的な見積りに基づく合理的に算定された価額を時価としております。前連結会計年度及び当連結会計年度においては、売手と買手の希望する価格差が著しく乖離していないため、市場価格を時価としております。
変動利付国債の合理的に算定された価額は、固定利付国債の価格に整合的な割引率と市場で評価されるスワプション・ボラティリティにフィットする金利の分散をもとに将来の金利推移をモデル化したうえで、将来キャッシュ・フローを想定し、算出した現在価値であり、国債の利回り及びスワプション・ボラティリティが主な価格決定変数であります。
なお、保有目的ごとの有価証券に関する注記事項については「(有価証券関係)」に記載しております。
(5)貸出金
貸出金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映するため、貸出先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものは、貸出金の種類別、内部格付別、期間別に区分し、信用リスク相当額控除後のキャッシュ・フローを期間別の市場金利で割り引いて現在価値を算定しております。
ただし、上記に関わらず、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。
貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限るなどの特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、帳簿価額を時価としております。
負債
(1)預金、及び(2)譲渡性預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。また、定期預金及び譲渡性預金の時価は、商品別、期間別に区分し、将来のキャッシュ・フローを新規に預金を受け入れる際に使用する利率を用いて割り引いて現在価値を算定しております。
(3)コールマネー及び売渡手形
これらは、約定期間が短期間(概ね3か月以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(4)債券貸借取引受入担保金
債券貸借取引受入担保金は、約定期間が短期間(概ね3か月以内)であり、時価が帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(5)借用金
借用金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当行及び連結子会社等の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額を時価としております。なお、固定金利によるものは、連結貸借対照表計上額及び時価に重要性がないため、帳簿価額を時価としております。
デリバティブ取引
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ等)、通貨関連取引(為替予約、通貨オプション等)、債券関連取引(債券先物取引等)であり、取引所の価格、割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算出した価額によっております。
(注2) 時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報の「資産(4)その他有価証券」には含まれておりません。
(*1) 非上場株式については、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから時価開示の対象とはしておりません。
(*2) 前連結会計年度において、非上場株式について34百万円減損処理を行っております。
当連結会計年度において、非上場株式について1百万円減損処理を行っております。
(*3) 組合出資金のうち、組合財産が非上場株式など時価を把握することが極めて困難と認められるもので構成されているものについては、時価開示の対象とはしておりません。
(*4) その他は、非上場の外国株式等であり、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから時価開示の対象とはしておりません。
(注3) 金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(平成29年3月31日)
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない34,598百万円、期間の定めのないもの161,801百万円は含めておりません。
当連結会計年度(平成30年3月31日)
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない31,443百万円、期間の定めのないもの171,852百万円は含めておりません。
(注4) 借用金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(平成29年3月31日)
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、積立定期預金112,478百万円は含めておりません。
当連結会計年度(平成30年3月31日)
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、積立定期預金115,701百万円は含めておりません。
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当行グループは、銀行業務を中心に、リース業務、保証業務などの金融サービスに係る事業を行っております。これらの事業を行うために、主に預金により資金調達し、主に貸出金及び有価証券により資金運用を行っております。銀行経営の健全性と適切性を確保するため、過度な収益追求やリスク回避に陥ることのないよう、資金運用及び資金調達については、収益とリスクのバランスをはかりながら適切なリスク管理を行っております。また、発生するリスクを回避するためにデリバティブ取引を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当行グループが保有する金融資産は、主として貸出金及び有価証券であります。
貸出金は、取引先の財務状況の悪化等により資産の価値が減少ないし消滅して損失を被る、いわゆる信用リスクに晒されております。
有価証券は、主に債券、株式、投資信託及び組合出資金であり、利息配当金収入等により利益を得る目的及び業務提携等の政策目的で保有しているほか、一部の連結子会社では満期保有目的で債券を保有しております。これらは、それぞれ発行体の信用リスクのほか、金利、市場価格、為替相場などの変動により保有資産の価値が変動し損失を被る、いわゆる市場リスクに晒されております。
当行グループが保有する金融負債は、主として預金であります。預金は、予期せぬ資金の流出等により、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることによる損失を被る資金繰りリスクを有しているほか、市場環境の変化等の影響で、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることなどにより損失を被る、市場流動性リスクに晒されております。
当行が行っているデリバティブ取引は、金利スワップ取引、債券先物取引、為替予約取引及び通貨オプション取引等であります。金利スワップ取引及び債券先物取引については、オンバランス取引の金利リスクのヘッジを目的としております。為替予約取引及び通貨オプション取引については、外貨建てオンバランス取引の為替リスクをヘッジすることを目的としております。ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「4.会計方針に関する事項」の「(13)重要なヘッジ会計の方法」を参照願います。
なお、一部ヘッジ会計の要件を満たしていない取引は、金利リスクや為替リスクに晒されております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
当行では、銀行経営の健全性と適切性を確保するため、直面するリスクに関して、それぞれのリスクカテゴリー(信用リスク、市場リスク等)ごとに評価したリスクを総体的に捉え、経営体力(自己資本)と、比較・対照する自己管理型のリスク管理である「統合的リスク管理」を実施しており、金融商品に係るリスク管理もその範囲において体制を整備しております。「統合的リスク管理」では、年度ごとに自己資本の範囲内で各部門及びリスクカテゴリーごとに資本配賦を行い、VaRなどの手法で計量化したリスク量と配賦資本の状況をモニタリングし、経営の健全性と自己資本の十分性を検証しているほか、定期的に取締役会等に報告を行い、状況に応じて適切にリスク量を制御しております。
また、リスク量の制御に当たっては、経営の効率化と収益性の向上をはかっていくため、リスク・リターンを適正に評価するなど、収益性・効率性を考慮した管理に取り組んでおります。
① 信用リスクの管理
当行では、融資の基本方針や審査基準の概念を定めた「クレジット・ポリシー」、その具体的な内容等を定めた「信用リスク管理基準」のもと、特定業種、特定グループ等への集中排除や、連結子会社、政策投資等にかかる管理方針を定め、リスク管理の適正化をはかっております。また、事業融資先に対して信用格付制度を導入しており、これに基づいて信用リスクを定量化しているほか、融資プライシングの改善を進めております。さらに、信用リスクの大部分を占める貸出金については、審査管理部門と営業推進部門を分離し、営業推進部門の影響を受けない審査管理体制としており、審査・管理回収に特化した体制で資産の健全性の維持、向上に努めております。
② 市場リスクの管理
当行では、銀行全体の資産、負債等にかかる金利リスク量や市場関連取引にかかる金利・為替・株価についてのリスク量を定期的に「ALM委員会」に報告する体制を敷き、管理体制の強化をはかっております。また、市場関連取引については、あらかじめ策定した年度の資金予算や統合的リスク管理で定められた配賦資本の範囲内で、効率的な資金運用、リスク・リターンの最適バランスをはかるよう努めているほか、運用部門(フロント業務)、事務部門(バック業務)、管理部門(ミドル業務)に分離し、相互牽制機能を働かせ、万が一の事務ミス、不正取引等の操作を防止する体制としております。
③ 流動性リスクの管理
当行では、流動性リスクに対して、資金の運用残高・調達残高の予想、検証の精度を高めて資金ポジションの適切な管理を行うとともに、資金繰りに影響をおよぼす金融市場の情勢、その他社会情勢の把握・分析を行って流動性リスクの回避に努めております。さらに資金繰りの管理については、平常時・懸念時・危機時と状況に応じた管理体制に基づき、各々の局面において速やかに対応できる体制としております。
④ デリバティブ取引に係るリスク管理
金利スワップ取引については、ヘッジ取引の必要性等、ALM委員会において十分に検討し、運用しております。
債券先物取引については、年度有価証券運用方針等に運用枠や損失限度を定め、定期的な運用状況モニタリングなど市場リスク管理部門による牽制の下で運用を行っております。
為替予約取引及び通貨オプション取引については、個別取引による管理のほか、オンバランス・オフバランスを合わせた当行全体の総合持高を把握し、管理しております。
⑤ 市場リスクに係る定量的情報
当行グループにおいて、主要なリスク変数である金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、「貸出金」、「有価証券」中のその他有価証券に分類される債券、「預金」、「譲渡性預金」、「デリバティブ取引」のうちの金利スワップ取引であります。当行グループでは、これらの金融資産及び金融負債について、VaRにより経済的価値の増減額を算定し、金利の変動リスクの管理に当たっての定量的分析に利用しております。
VaRによる当該影響額の算定に当たっては、対象の金融資産及び金融負債を固定金利群と変動金利群に分けて、それぞれ金利期日に応じて適切な期間に残高を区分し、期間ごとの金利変動幅を用いたうえで、分散共分散法(保有期間40日、信頼区間99%、観測期間5年)により行っております。
当行グループ全体における金利リスク量(経済的価値の減少額の推計値)は、平成29年3月31日現在で492百万円、平成30年3月31日現在で6,324百万円であります。
なお、VaR算定における要求払預金の金利期日につきましては、内部モデルにより実質的な期日を推計したうえで所定の期間に振分けを行っております。
また、当行グループでは、市場価格のある金融商品に関して、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施し、使用する計測モデルが十分な精度により金利リスクを捕捉していることを確認しております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の確率での金利リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額は、次表のとおりであります。なお、時価を把握することが極めて困難と認められる非上場株式等は含めておりません((注2)参照)。また、連結貸借対照表計上額の重要性が乏しい科目については、記載を省略しております。
前連結会計年度(平成29年3月31日)
| (単位:百万円) |
| 連結貸借対照表計上額 | 時価 | 差額 | |
| (1)現金預け金 | 302,307 | 302,307 | - |
| (2)コールローン及び買入手形 | 11,101 | 11,101 | - |
| (3)買入金銭債権 | 11,082 | 11,082 | - |
| (4)有価証券(*1) | |||
| 満期保有目的の債券 | 597 | 624 | 26 |
| その他有価証券 | 970,283 | 970,283 | - |
| (5)貸出金 | 1,636,780 | ||
| 貸倒引当金(*1) | △12,048 | ||
| 1,624,732 | 1,651,572 | 26,840 | |
| 資産計 | 2,920,105 | 2,946,972 | 26,867 |
| (1)預金 | 2,454,366 | 2,454,587 | 220 |
| (2)譲渡性預金 | 137,365 | 137,373 | 7 |
| (3)コールマネー及び売渡手形 | 30,085 | 30,085 | - |
| (4)債券貸借取引受入担保金 | 102,680 | 102,680 | - |
| (5)借用金 | 45,291 | 45,291 | - |
| 負債計 | 2,769,789 | 2,770,018 | 228 |
| デリバティブ取引(*2) | |||
| ヘッジ会計が適用されていないもの | (64) | (64) | - |
| ヘッジ会計が適用されているもの | 56 | 56 | - |
| デリバティブ取引計 | (7) | (7) | - |
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、有価証券に対する投資損失引当金については、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
当連結会計年度(平成30年3月31日)
| (単位:百万円) |
| 連結貸借対照表計上額 | 時価 | 差額 | |
| (1)現金預け金 | 571,797 | 571,797 | - |
| (2)コールローン及び買入手形 | 18,382 | 18,382 | - |
| (3)買入金銭債権 | 7,909 | 7,909 | - |
| (4)有価証券(*1) | |||
| 満期保有目的の債券 | 598 | 616 | 18 |
| その他有価証券 | 788,856 | 788,856 | - |
| (5)貸出金 | 1,672,607 | ||
| 貸倒引当金(*1) | △10,699 | ||
| 1,661,908 | 1,685,684 | 23,776 | |
| 資産計 | 3,049,453 | 3,073,248 | 23,794 |
| (1)預金 | 2,545,808 | 2,546,003 | 195 |
| (2)譲渡性預金 | 141,400 | 141,403 | 2 |
| (3)コールマネー及び売渡手形 | 35,499 | 35,499 | - |
| (4)債券貸借取引受入担保金 | 124,528 | 124,528 | - |
| (5)借用金 | 85,219 | 85,219 | - |
| 負債計 | 2,932,455 | 2,932,653 | 198 |
| デリバティブ取引(*2) | |||
| ヘッジ会計が適用されていないもの | (33) | (33) | - |
| ヘッジ会計が適用されているもの | 15 | 15 | - |
| デリバティブ取引計 | (18) | (18) | - |
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、有価証券に対する投資損失引当金については、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
(注1) 金融商品の時価の算定方法
資産
(1)現金預け金
満期のない預け金については、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。満期のある預け金については、残存期間が1年以内と短期であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(2)コールローン及び買入手形
これらは、約定期間が短期間(概ね3か月以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(3)買入金銭債権
買入金銭債権のうち、長期の信託受益権については、取引金融機関から提示された価格によっております。長期の信託受益権以外については、約定期間が短期間(概ね6か月以内)であり時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(4)有価証券
株式は取引所の価格、債券は取引所の価格又は取引金融機関から提示された価格によっております。投資信託は、公表されている基準価格によっております。
私募債は、内部格付別、期間別に区分し、信用リスク相当額控除後の将来キャッシュ・フローを市場金利で割り引いて時価を算定しております。なお、破綻懸念先に対する私募債については、帳簿価額から個別貸倒引当金相当額を控除した後の価格を時価としております。
変動利付国債は、当連結会計年度(前連結会計年度)において実際の売買事例が極めて少なく、売手と買手の希望する価格差が著しく乖離しているものについては、市場価格を時価とみなせないと判断し、経営者の合理的な見積りに基づく合理的に算定された価額を時価としております。前連結会計年度及び当連結会計年度においては、売手と買手の希望する価格差が著しく乖離していないため、市場価格を時価としております。
変動利付国債の合理的に算定された価額は、固定利付国債の価格に整合的な割引率と市場で評価されるスワプション・ボラティリティにフィットする金利の分散をもとに将来の金利推移をモデル化したうえで、将来キャッシュ・フローを想定し、算出した現在価値であり、国債の利回り及びスワプション・ボラティリティが主な価格決定変数であります。
なお、保有目的ごとの有価証券に関する注記事項については「(有価証券関係)」に記載しております。
(5)貸出金
貸出金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映するため、貸出先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものは、貸出金の種類別、内部格付別、期間別に区分し、信用リスク相当額控除後のキャッシュ・フローを期間別の市場金利で割り引いて現在価値を算定しております。
ただし、上記に関わらず、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。
貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限るなどの特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、帳簿価額を時価としております。
負債
(1)預金、及び(2)譲渡性預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。また、定期預金及び譲渡性預金の時価は、商品別、期間別に区分し、将来のキャッシュ・フローを新規に預金を受け入れる際に使用する利率を用いて割り引いて現在価値を算定しております。
(3)コールマネー及び売渡手形
これらは、約定期間が短期間(概ね3か月以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(4)債券貸借取引受入担保金
債券貸借取引受入担保金は、約定期間が短期間(概ね3か月以内)であり、時価が帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(5)借用金
借用金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当行及び連結子会社等の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額を時価としております。なお、固定金利によるものは、連結貸借対照表計上額及び時価に重要性がないため、帳簿価額を時価としております。
デリバティブ取引
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ等)、通貨関連取引(為替予約、通貨オプション等)、債券関連取引(債券先物取引等)であり、取引所の価格、割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算出した価額によっております。
(注2) 時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報の「資産(4)その他有価証券」には含まれておりません。
| (単位:百万円) |
| 区分 | 前連結会計年度 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (平成30年3月31日) |
| 非上場株式(*1)(*2) | 1,754 | 1,889 |
| 組合出資金(*3) | 2,300 | 3,400 |
| その他(*4) | 26 | 30 |
| 合計 | 4,081 | 5,321 |
(*1) 非上場株式については、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから時価開示の対象とはしておりません。
(*2) 前連結会計年度において、非上場株式について34百万円減損処理を行っております。
当連結会計年度において、非上場株式について1百万円減損処理を行っております。
(*3) 組合出資金のうち、組合財産が非上場株式など時価を把握することが極めて困難と認められるもので構成されているものについては、時価開示の対象とはしておりません。
(*4) その他は、非上場の外国株式等であり、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから時価開示の対象とはしておりません。
(注3) 金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(平成29年3月31日)
| (単位:百万円) |
| 1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
| 預け金 | 267,993 | - | - | - | - | - |
| コールローン及び買入手形 | 11,101 | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | 8,363 | 1,501 | - | - | - | 1,217 |
| 有価証券 | ||||||
| 満期保有目的の債券 | - | - | 597 | - | - | - |
| うち国債 | - | - | 597 | - | - | - |
| その他有価証券のうち満期があるもの | 110,598 | 177,296 | 217,266 | 124,249 | 120,109 | 132,174 |
| うち国債 | 36,232 | 34,016 | 110,346 | 31,981 | 7,034 | 96,154 |
| 地方債 | 12,561 | 7,272 | - | - | 1,497 | 25,464 |
| 短期社債 | - | - | - | - | - | - |
| 社債 | 50,111 | 90,605 | 86,172 | 67,679 | 33,923 | 2,621 |
| 貸出金(*) | 111,500 | 191,151 | 251,119 | 198,729 | 227,774 | 460,103 |
| 合計 | 509,557 | 369,949 | 468,983 | 322,979 | 347,883 | 593,495 |
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない34,598百万円、期間の定めのないもの161,801百万円は含めておりません。
当連結会計年度(平成30年3月31日)
| (単位:百万円) |
| 1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
| 預け金 | 571,797 | - | - | - | - | - |
| コールローン及び買入手形 | 18,382 | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | 6,038 | 1,072 | - | - | - | 798 |
| 有価証券 | ||||||
| 満期保有目的の債券 | - | 598 | - | - | - | - |
| うち国債 | - | 598 | - | - | - | - |
| その他有価証券のうち満期があるもの | 88,441 | 200,654 | 179,456 | 50,040 | 89,205 | 73,240 |
| うち国債 | 20,037 | 76,965 | 77,596 | - | - | 20,246 |
| 地方債 | 6,890 | - | 10,108 | - | 5,344 | 40,486 |
| 短期社債 | - | - | - | - | - | - |
| 社債 | 48,899 | 86,353 | 82,179 | 42,288 | 19,557 | 1,613 |
| 貸出金(*) | 119,370 | 208,283 | 254,412 | 197,818 | 204,616 | 484,809 |
| 合計 | 804,031 | 410,609 | 433,869 | 247,858 | 293,822 | 558,848 |
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない31,443百万円、期間の定めのないもの171,852百万円は含めておりません。
(注4) 借用金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(平成29年3月31日)
| (単位:百万円) |
| 1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
| 預金(*) | 2,300,177 | 34,849 | 6,860 | - | - | - |
| 譲渡性預金 | 137,365 | - | - | - | - | - |
| コールマネー及び売渡手形 | 30,085 | - | - | - | - | - |
| 債券貸借取引受入担保金 | 102,680 | - | - | - | - | - |
| 借用金 | 43,447 | 1,321 | 352 | 170 | - | - |
| 合計 | 2,613,756 | 36,170 | 7,213 | 170 | - | - |
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、積立定期預金112,478百万円は含めておりません。
当連結会計年度(平成30年3月31日)
| (単位:百万円) |
| 1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
| 預金(*) | 2,394,524 | 27,813 | 7,769 | - | - | - |
| 譲渡性預金 | 141,400 | - | - | - | - | - |
| コールマネー及び売渡手形 | 35,499 | - | - | - | - | - |
| 債券貸借取引受入担保金 | 124,528 | - | - | - | - | - |
| 借用金 | 83,319 | 1,214 | 455 | 120 | 110 | - |
| 合計 | 2,779,271 | 29,027 | 8,224 | 120 | 110 | - |
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、積立定期預金115,701百万円は含めておりません。