有価証券報告書-第102期(2024/04/01-2025/03/31)
②戦略
当行グループは、短期(概ね5年)、中期(概ね10年)、長期(概ね30年)の時間軸を考慮して気候変動に伴うリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会の分析を検討して行っております。
(イ)リスクと機会
当行グループは気候変動に伴うリスクと機会を認識した上で、多くのお客さまとともに取組んでまいります。
(ロ)シナリオ分析
当行は下記のとおり、移行リスク及び物理的リスクの分析を実施しております。その結果、移行リスクの与信関係費用増加額は約8億円、物理的リスクについては約25億円となりました。当行の利益水準から財務に与える影響は限定的と認識しております。
今後は、移行リスク、物理的リスクともにリスク分析の高度化を図るため、複数シナリオでの分析も検討してまいります。
(ハ)炭素関連資産
当行貸出金等に占める炭素関連資産(※)の割合:34.37%程度
これまで14業種に分類し、開示しておりましたが、昨年度の環境省の公表を踏まえてTCFD18業種に紐づけを変更しております。変更の影響により、炭素関連資産が増加しております。
※炭素関連資産:2021年10月改訂のTCFD提言が推奨する定義を踏まえた4セクター(①エネルギー、②運輸、③素材・建築物、④農業・食糧・林業製品)向け2025年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除いております。
当行グループは、短期(概ね5年)、中期(概ね10年)、長期(概ね30年)の時間軸を考慮して気候変動に伴うリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会の分析を検討して行っております。
(イ)リスクと機会
当行グループは気候変動に伴うリスクと機会を認識した上で、多くのお客さまとともに取組んでまいります。
| 種類 | 具体的なリスク・機会の内容 | 時間軸 | 対応方針 | |
| 移行リスク | 政策・ 法律 | ・気候変動に関する規制や税制等の変更に伴うお客さまの事業への影響による信用リスクの発生 | 中期~長期 | ・脱炭素社会への移行過程において、規制の強化や税制の変更等による当行に及ぼす影響を算定しております ・2024年10月にGHG算定ツール「C-checker」を導入し、排出量の可視化と分析を行い、お客さまのサステナビリティ経営を支援していくことで、当行の移行リスクの低減を図っております |
| 技術 | ・脱炭素技術の発展に伴うサプライチェーン再編のリスク ・脱炭素関連技術の失敗や市場の変化に伴う事業撤退 | 中期~長期 | ||
| 市場 | ||||
| 風評 | ・気候変動対応や適切な情報開示が不足した場合の風評悪化リスク | 中期~ 長期 | ||
| 物理的リスク | 急性 | ・風水災等の洪水発生に起因する不動産担保の毀損 ・お客さまの営業拠点被災に伴う事業停滞による信用リスク | 短期~長期 | ・当行が主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積及び平地割合が大きいことから、洪水が発生した場合の事業性貸出金及び住宅ローンにおける当行に及ぼす影響を算定しております ・今後も気候変動についての影響の分析を継続してまいります |
| 慢性 | ・熱中症の増加や平均気温の上昇に起因する投融資先の労働生産性の低下に伴う事業停滞によるリスク | 短期~長期 | ||
| 機会 | 資源 効率 | ・脱炭素社会への移行に向けた取組による企業のコスト低減や移行に係る資金需要の増加 | 短期~長期 | ・営業車両の環境配慮型自動車の導入、営業店舗への省エネ設備の導入を進めており、引続き対応してまいります ・脱炭素社会への移行に係る資金需要の増加及び環境意識の高まりに対応するため、法人・個人のお客さま向けに各種融資商品及びサービスを追加し、対応しております ・また、GHG算定ツール「C-checker」を起点としたコンサルティングにより、お客さまの脱炭素経営の取組みを支援しております |
| エネル ギー源 | ||||
| 製品・ サービ ス | ・脱炭素商品及びサービスの開発・拡張に係る資金需要の増加 | 短期~長期 | ||
| 市場 | ・お客さまのSDGsの取組みや気候変動に伴う脱炭素社会への移行に当たってのビジネス機会の増加 | 短期~長期 | ||
| 強靭性 | ・再生可能エネルギーや災害対策のためのインフラへの融資の機会増加 | 短期~長期 | ||
(ロ)シナリオ分析
当行は下記のとおり、移行リスク及び物理的リスクの分析を実施しております。その結果、移行リスクの与信関係費用増加額は約8億円、物理的リスクについては約25億円となりました。当行の利益水準から財務に与える影響は限定的と認識しております。
今後は、移行リスク、物理的リスクともにリスク分析の高度化を図るため、複数シナリオでの分析も検討してまいります。
| シナリオ分析 | 移行リスク | 物理的リスク |
| シナリオ | IEA国際エネルギー機関のNZEシナリオ | IPCCのSSP5-8.5シナリオ(4℃上昇シナリオ) |
| 分析対象 | ・不動産 ・自動車部品 ・陸上運輸 ・電力 | ・事業性貸出金 ・住宅ローン |
| 分析対象の選定理由 | 貸出取引量(件数、金額)や移行リスクの高さ等、当行及び埼玉県における脱炭素社会への移行による影響を勘案して、「不動産」「自動車部品」「陸上運輸」「電力」の4つの業種について分析を実施しております | 当行が主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積の割合が大きく平地割合も大きいことから、台風・豪雨等風水災による埼玉県内全域における洪水を想定した分析を実施しております |
| 分析手法 | 対象業種に対して、炭素税導入による租税支払いの増加をPL・BSに反映しております 加えて電力セクターは設備投資による減価償却費の増加を反映させ、与信費用増加額を算出しております | 当行取引先への影響については、事業性貸出金及び住宅ローンについて分析しております 分析にあたっては、本社所在地及び物件所在地の浸水度合をハザードマップから調査し、国土交通省水管理・国土保全局「治水経済マニュアル」による浸水度合毎の営業不稼動日数を勘案しております |
| 分析結果 | 以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約8億円となっております | 以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約25億円となっております |
(ハ)炭素関連資産
当行貸出金等に占める炭素関連資産(※)の割合:34.37%程度
これまで14業種に分類し、開示しておりましたが、昨年度の環境省の公表を踏まえてTCFD18業種に紐づけを変更しております。変更の影響により、炭素関連資産が増加しております。
※炭素関連資産:2021年10月改訂のTCFD提言が推奨する定義を踏まえた4セクター(①エネルギー、②運輸、③素材・建築物、④農業・食糧・林業製品)向け2025年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除いております。