有価証券報告書-第136期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/12 9:10
【資料】
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【項目】
174項目
(2)戦略
①気候変動
当行は、2004年4月にスタートした中期経営計画より温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、2007年4月には「地球環境との共存共栄」を掲げたCSR憲章(経営理念)を制定するなど、気候変動の原因となる地球温暖化への対応を重要な経営課題の一つと認識してまいりました。
また、2018年7月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明し、株主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーとのエンゲージメントにつなげることを目的として、2019年度からTCFD提言に基づく情報開示を実施しております。
<リスクおよび機会と影響の認識>当行では、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で気候変動に伴うリスク(移行リスク・物理的リスク)と機会を1.5℃シナリオ及び4℃シナリオを前提に評価しております。認識した気候変動リスク及び機会については、CO2排出量削減に関する取り組みを進めているほか、投融資に係る戦略への反映を検討しております。
リスク・機会の種類事業へのインパクト顕在時期
移行リスク政策・規制
市場
技術
1.5℃シナリオの達成に向けた脱炭素政策や規制への対応、又は低炭素志向への市場の変化等が投融資先の事業や業績へ及ぼす影響が当行の与信コストに及ぼす影響中期~長期
政策国際的な気候変動対応の高まりを受けた規制導入や変更短期
評判気候変動への対応や情報開示が不足した場合の風評悪化短期
物理的リスク急性リスク洪水等の自然災害の増加が投融資先の事業や業績に及ぼす影響が当行の与信コストに及ぼす影響短期~中期~長期
洪水等の自然災害により当行資産が毀損するリスク短期~中期~長期
慢性リスク感染症や熱中症の増加が投融資先の事業や業績に及ぼす影響が当行の与信コストに及ぼす影響短期~中期~長期
機会商品・サービス低炭素製品やサービスの開発に係る企業の資金需要の増加短期~中期~長期
資源効率化・エネルギー源脱炭素社会への移行に向けた取り組みによる企業のコスト低減や移行に係る資金需要の増加短期~中期~長期
評判地域の脱炭素化に貢献する金融機関として社会的評価が高まることによるビジネス機会の増加中期~長期

TCFD提言が開示を推奨している炭素関連資産のうち、特に移行リスクが高いと考えられるエネルギー及びユーティリティーセクター(電力、除く再エネ)向け与信が当行貸出金に占める割合は、2023年3月末時点で約2.66%となっております。今後は、他の炭素関連資産も含めた状況について把握するよう検討を進めてまいります。
<シナリオ分析>シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)等が公表している複数のシナリオを参照の上、パリ協定や2021年11月の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)における合意内容等をふまえ、2つのシナリオ分析を実施いたしました。与信コストの増加については、中長期的な取り組みにより低減を図ることが可能であることから、影響は限定的と考えられます。
<分析プロセス>・セクター毎のリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会を分析
・移行リスクのシナリオ分析対象セクターを決定
・移行リスク、物理的リスクともに分析対象に応じたシナリオを設定し、与信コストへの影響を分析
<移行リスク>内容等
シナリオIEAによる「2050年ネットゼロ排出量シナリオ(1.5℃シナリオ)」
対象セクター① 電力ユーティリティー
② 石油・石炭・ガス
③ 運輸セクター(陸運)
対象期間2022年3月末を基準として2050年まで
指標与信関連費用(与信コスト) ※債務者区分判定に基づく与信コスト
分析結果2050年までの累計で、120億~170億円程度の与信コスト増加

<物理的リスク>内容等
シナリオIPCCの「RCP8.5 シナリオ」(4℃シナリオ)
2050年までに「100年に1度規模の洪水発生」
対象地域滋賀県全域及び京都府全域日本国内
対象先事業性融資先(大企業を除く)当行店舗
指標与信関連費用(与信コスト)
①与信取引先の営業停止に伴う売上
減少を踏まえた債務者区分の悪化
②不動産担保の毀損による保全率
の低下
当行の店舗を出店している日本国内
107拠点における浸水リスク
分析結果およそ40億円程度の与信コスト増加国内拠点のうち、39拠点(36.4%)
で浸水が発生する

<地域の脱炭素化に向けた取り組み>2050年に脱炭素社会を実現するためには一刻も早い対策が必要となっており、脱炭素化の潮流は今後急速に加速することが予想されます。産業構造の転換も予想される中、大企業に比べて取り組みが遅れている中堅・中小企業においても脱炭素化に向けた対策を講じていくことが地域経済の観点からも重要となっております。
当行では、脱炭素化に向けた主体を自治体、企業、一般消費者のカテゴリーに分け、それぞれの脱炭素化を促進する取り組みを拡充し、本業を通じた地域の脱炭素化に貢献しております。
(自治体向けの取り組み)
・環境省「脱炭素先行地域」への連携
湖南市との共同提案により、「脱炭素先行地域」の選定を受けております。他の自治体とも連携し、共同提案者として申請を行っております。
・サステナブル・ファイナンスの連携
滋賀県とのコラボレーションにより、「しがぎんサステナビリティ・リンク・ローン“しがCO2ネットゼロ”プラン」を取り扱っております。
(事業者向けの取り組み)
・「未来よしサポート」
脱炭素経営の第一歩となるCO2排出量の“見える化”をサポートするクラウドツールであり、株式会社日立製作所との共同開発により、中小企業にも使いやすい設計としております。
・ESG評価制度
E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の3要素について、各10項目の取り組み状況をお取引先にヒアリングし、対話することで事業性を評価し、経営課題の共有化につなげております。
・SDGsコンサルティング
お取引先の経営戦略にSDGsを取り入れ、サステナビリティ経営を通じて企業価値向上につなげるためのコンサルティングを実施しております。
・サステナブル・ファイナンス
サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)、ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)、グリーンローン/ボンドなど、さまざまな資金調達手法を提供しております。
・カーボンニュートラルローン未来よし
脱炭素につながる設備投資を対象とする融資商品であり、ESG評価制度の評価に応じた金利優遇を行うことで、企業の脱炭素化とESG経営への取り組みを促します。
(一般消費者向けの取り組み)
・『しがぎん』スーパー住宅ローン「未来よし」
脱炭素化の取り組みを一般家庭にも拡大していくための戦略商品として2023年4月より取り扱いを開始いたしました。太陽光パネル、蓄電池、エネファームのいずれかを設置することで、住宅ローンの金利を優遇。お客さまは光熱費の節約にもつながり、環境面でも経済面でもスマートな生活が実現できます。手続き面では「住宅ローンセンター」を設置して、申込から契約まで完全非対面で来店不要のスキームを構築。地域の住宅販売会社等とも連携し、脱炭素に向けた利用促進を図っております。
<洪水発生時の店舗の浸水を想定した取り組み>洪水の発生時において、店舗の浸水被害を未然に防止するとともに、浸水発生時における営業停止から早期復旧するため、次のような取り組みを行っております。今後はより具体的な浸水リスクの可能性を検証して各拠点におけるBCP対策を行うなどして、地域に不可欠なインフラである金融機関としての機能維持に努めてまいります。
・店舗への浸水防止を目的として土のうを各店に備置
・浸水リスクが比較的高い店舗に止水板を設置
・停電発生時において業務を早期復旧するための非常用発電機を設置
・台風による大雨等を想定した全銀協BCP風水害訓練の実施
・システム障害の発生等を想定したBCP訓練(現金手払い等)の実施 など
②人的資本
当行は2019年4月にスタートした第7次中期経営計画において目指す姿を「Sustainability Design Company」とし、「Bank」の発想の枠を超え、お客さまや地域社会の持続可能な発展をデザインし、地域になくてはならない「Company」になるとしております。
この経営戦略を実現するために、求める人材像を「個性を磨き、価値創造の主役として、地域の未来へ挑戦できる人」と定義し、人材育成方針及び社内環境整備方針のもと、「課題解決型人材」及び「自律型人材」の育成に取り組んでおります。
<人材育成方針>当行は、人材育成方針として「お客さま・地域社会から必要とされる行員の育成」を掲げ、以下のような行員の育成に取り組んでおります。
・社会人の良識と高い職業観を有している行員
・未来志向で物事を捉え、“真の答えはお客さまの中にある”を実践できる行員
・環境変化に柔軟に対応し、こだわりをもって物事をやり遂げることのできる行員
・いたわり、思いやりの心を持ち、チーム、組織として自ら考働できる行員
<社内環境整備方針>当行は、2020年10月に制定したサステナビリティ方針において、「自ら考え行動できる人材の育成と職場環境の整備」を掲げております。多様な個性や働き方を尊重し、ワーク・ライフ・バランスが充実するなど、一人ひとりが個々の能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでおります。
また、当行は、職員が十分な能力を発揮するためには経済的に安定していることが重要と考え、ファイナンシャル・ウェルネスの取り組みを進めております。具体的には、金融リテラシー向上を目的とした金融教育を実施するとともに、従業員持株会や財産形成預金、確定拠出年金、従業員融資などの各種制度を整備し、経済面から職員を支援することで、従業員満足度や意欲の向上を図っております。

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