有価証券報告書-第20期(2022/04/01-2023/03/31)
(3)戦略
① 気候変動への対応
気候変動への対応は、世界が喫緊に取り組むべき課題の一つです。気候変動問題の解決に向けた世界の取組が加速していく中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループを取り巻く環境は、政策・規制面の強化や、お客さま・投資家の方々を含むステークホルダーの行動変容、技術革新の進捗等によって大きな変化が見込まれております。このような不確実性を伴う環境下では、2050年GHG排出量ネットゼロ(以下、「ネットゼロ」という)の実現に向けたフォワードルッキングな戦略の下、外部動向を見極めながら段階的に気候変動対策を進めていくことが重要となります。
イ.気候変動に伴うリスク・機会の認識
a) 物理的リスク・移行リスク
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、気候変動問題の顕在化に伴う外部環境や業務環境の変化をあらかじめ想定し、様々な波及経路に基づいてリスク事象を洗い出すことで、三井住友フィナンシャルグループへの財務的影響を特定しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが想定するリスク事象の概要と主な影響は以下のとおりであります。
(物理的リスク)
〇 急性的な気象現象と慢性的な気候変化
地球温暖化の進行は、台風・洪水等の急性的な自然災害の増加や、平均気温上昇に伴う降水量増加等の慢性的な気候変化をもたらす可能性があります。これらの事象に起因し、本支店被災により事業が継続できないリスク、対策・復旧によるコスト増加、自然災害によるお客さまの業績悪化や担保毀損に伴う当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用の増加・預金の減少等のリスクが想定されます。
(移行リスク)
〇 政策及び法規制の強化や技術・市場の変化
脱炭素社会への移行は、炭素排出目標の厳格化や炭素税の引き上げを始めとする各国の規制強化を伴う可能性があるほか、新たな技術・エネルギー源の導入や消費者嗜好の変化により産業構造の変化を促進する可能性があります。産業構造の変化により、一部のお客さまについて収益減少や既存資産などの減損による業績悪化、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用の増加等のリスクが想定されます。
〇 企業の取組に対するレピュテーション
企業は脱炭素社会に適合したビジネスモデル変革や炭素排出量抑制等の取組を求められております。ステークホルダーからの開示要請も高まっており、気候変動問題への取組が企業評価基準の一つになりつつあります。これらの取組不足や情報開示要請への対応の遅れは、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのレピュテーション悪化に繋がり、資金調達環境が悪化する等のリスクを引き起こすことが想定されます。
b) カテゴリー別リスク分類
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、気候変動リスクをカテゴリー別に整理しております。気候変動リスクは広範な波及経路が想定され、かつ様々な時間軸で顕在化する可能性があります。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいては下表のような事例が想定されます。
<気候変動に関するカテゴリー別リスク事象例>
c) 気候変動に伴う機会に対する認識
ネットゼロ実現に向けては、大幅なGHG排出量削減のためのビジネスモデルの転換、そのための技術革新や大規模な設備投資が必須となります。IEA(International Energy Agency)の「持続可能な開発シナリオ」(SDSシナリオ/Sustainable Development Scenario)においては、2021年から2023年にかけて、エネルギー関連を中心に世界で年100兆円以上にもおよぶ追加投資が発生するとの可能性が示唆されております。
また日本においても、国が掲げる2030年目標の達成に向け、例えば電力セクターでは再生可能エネルギー発電関連で約30兆円、運輸セクターではゼロエミッション車関連で1兆円超の投資が必要になることが見込まれます。こうした中、金融機関においては、資金需要の拡大や事業再編、新たな金融商品・サービス、脱炭素関連設備リース等のニーズが生じるほか、気候関連情報開示の高度化対応や、気候変動戦略・ビジョンの策定、事業開発、リスクマネジメントの高度化への対応など、経営課題に対するコンサルティングニーズが生じると認識しております。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいても様々な金融サービスの提供機会が増大し、グループ内の事業領域におけるノウハウを有機的に結び付けた多面的なソリューションが重要になると考えております。
<三井住友フィナンシャルグループの事業領域とネットゼロへの移行に伴う成長機会>
ロ.ネットゼロ実現に向けた移行計画
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、2021年に「気候変動対策ロードマップ」及び「気候変動対策アクションプラン」を定め、気候変動に対する強靭性の確保・成長機会の獲得に向けた取組を加速させております。「気候変動対策ロードマップ」では、特に前中期経営計画期間中に取り組んだ施策を「アクションプラン STEP1」と位置付けており、本施策は、ネットゼロを進めるための軸となる戦略的取組です。
今般、「気候変動対策ロードマップ」を「移行計画」としてアップデートし、ネットゼロ実現に向けた三井住友フィナンシャルグループの一連の目標と行動を体系化いたしました。なお、2023年度から開始する「アクションプラン STEP2」における施策は、移行計画に包含されております。移行計画の遂行により、移行リスクの低減と脱炭素化に伴う成長機会の拡大に努め、ネットゼロ実現を目指してまいります。
<ネットゼロ実現に向けた移行計画>
ハ.気候変動に関するシナリオ分析
三井住友フィナンシャルグループの中核企業である当行において、物理的リスク・移行リスクに関するシナリオ分析を実施しており、想定されるリスク量を試算しております。なお、このシナリオ分析では、各企業において今後想定される事業モデルの転換や、技術革新といった要素は必ずしも勘案されておらず、試算結果は一定の仮定に基づくものであります。
2021年度のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)レポート公表以降、物理的リスクのうち国内の分析においては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次報告書で用いられているSSPシナリオによる分析を実施したほか、各地域別の想定リスク量を明確化いたしました。移行リスクにおいては、脱炭素化に向けた世界観で示されるような、気候変動関連の政策や、脱炭素化に向けた規制の厳格化の動向などに基づき、従来のエネルギー・電力に加えて自動車(OEM)・鉄鋼を分析対象に追加し、4セクターへと拡大いたしました。なお、分析手法の詳細や分析結果の実績値については、「SMBCグループ TCFDレポート 2022」をご参照ください。
ニ.脱炭素社会の実現に向けたビジネス推進戦略
前記「イ.気候変動に伴うリスク・機会の認識 c) 気候変動に伴う機会に対する認識」に記載のとおり、脱炭素社会の実現に向けては、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにとってさまざまなビジネス機会が想定されます。
こうした中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、再生可能エネルギー向けのプロジェクトファイナンスをはじめ、グリーンボンドの引受、太陽光発電設備の信託やリース、TCFD対応コンサルティング等、グループを挙げて環境ビジネスに取り組んでまいります。また、グループ全体のサステナビリティに関するノウハウ、情報を集約し、他業種とも協業しながら、非金融を含めた高度なサービス開発・提供にも注力してまいります。
これらのソリューションを当行含むグループ各社が連携しながら提供することで、お客さまの環境に対する取組を総合的に支援し、経済的価値・社会的価値の両面を伴った環境ビジネスを展開してまいります。
a) サステナブルファイナンスの拡充
脱炭素社会の実現に向けては、大幅なGHG排出量削減を前提としたイノベーションや大規模な設備投資が必須となり、エネルギー関連を中心に多くの追加投資が見込まれ、資金需要の拡大や新たな金融商品・サービスの発生など、金融機関にとっての成長機会となり得ます。
こうした中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、2020年度から2029年度のサステナブルファイナンス実行額50兆円(うちグリーンファイナンス20兆円)を目標として設定しております。マーケットにおける高いプレゼンスなどを背景として、グリーンファイナンスを中心として順調に実績を積み重ねております。
当事業年度までの実績値は、後記「(5)指標及び目標 ① 気候変動に関する指標と目標 ニ.サステナブルファイナンス取組額」に記載しております。
b) デジタル技術を駆使した脱炭素化支援ツールの提供
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、デジタル技術を活用した非金融ソリューションをお客さまに提供することで、金融面以外の切り口からも脱炭素社会への移行を支援しております。
例えば当行は、サプライチェーン全体のCO2排出量の算定から削減施策の立案・実行まで一連の業務をクラウド上で管理できるサービスである“Sustana”を提供し、お客さまの活動に関するデータから排出量を推計し、削減施策の実行に向けた支援を行っております。

② 自然資本の保全・回復
自然資本とは、植物や動物、大気や水や土壌などの天然資源を意味しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのお客さまの事業活動の多くは自然資本によって下支えされており、自然資本の喪失は、金融グループとしての幅広い事業活動に潜在的なリスクとなる可能性があります。一方で、自然資本の適切な保全・回復は、社会の基盤を強固にすることで、人間の生活を豊かにし、健康を促進することにつながります。
このような認識のもと、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループではお客さまの企業活動と自然資本との関係を依存・影響の観点から分析し、それを踏まえて自社の事業におけるリスクと機会を認識しております。
また、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)における優先セクターの自然資本への依存度・影響度のヒートマップを作成し、とくに重視すべき自然資本・生態系サービスの特定に努めております。
<自然資本との「依存」と「影響」>
イ.自然資本に関するリスクの認識
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、企業活動と自然資本の接点を依存・影響の両面で整理したうえで、一般的にお客さまに想定されるリスクと機会を整理しております。
a) 依存の観点からのリスク
気候変動や、企業活動・社会活動における自然資本の利用方法の変化・過度な利用を通して、特定の自然資本が毀損する可能性があります。
(物理的リスク)
水や植物といった自然資本が枯渇し価値が劣化すると、それらが生み出す生態系サービスに依存して事業展開を行っているお客さまは、原材料調達コストの増加や自然災害の激甚化・頻発化などを通して、業績が悪化する可能性があります。
(移行リスク)
自然資本の劣化は、お客さまの生産プロセスの変化を促します。こうした環境変化は、お客さまに対し、新たな技術導入に伴う追加的なコストのほか、事業の中断をもたらす可能性があります。
b) 影響の観点からのリスク
自然資本に負の影響を与える企業にとって、法規制や政策面が不利になるような形で変更される可能性があります。また、サステナビリティ開示に係る国際的なガイドラインの策定が進む中、ステークホルダーからの自然関連情報の開示要請が今後より高まる可能性があります。
(物理的リスク)
お客さまの事業が自然資本に負の影響を与える結果として自然資本が毀損する場合、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのレピュテーション悪化につながる可能性があります。
(移行リスク)
自然資本保全を目的とする各国の規制強化や政策変更などに伴い、環境負荷軽減のための費用負担が企業に求められる場合、一部のお客さまにおいては対応コストが増加する可能性があります。また、自然資本保全に向けた取組や配慮が不十分である場合や対応が不十分とステークホルダーから見做される場合、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのレピュテーション悪化につながる可能性があります。
<自然資本に関する主なカテゴリー別リスク事象例>
ロ.自然関連の機会に対する認識
2022年に開催された生物多様性条約第15 回締約国会議(COP15)第二回会合では、「2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させ、回復軌道に乗せること(ネイチャーポジティブの達成)、2050年に自然と共生する世界を実現する」という世界目標が定められました。本目標の達成に向けては、金融機関には、アライアンスやリスク高度化対応へのサポートなど、お客さまの様々なニーズに対するサービス提供の機会が発生いたします。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、世界経済フォーラムが2020年に発表した報告書において言及されている「食料・土地・海の利用」「インフラ・建築環境」「エネルギー・採掘活動」の3分野で特に大きなビジネス機会が生じうると考え、様々な取り組みを進めてまいります。
<ネイチャーポジティブビジネス推進に関する三井住友フィナンシャルグループの取組事例>
③ 人的資本経営の実践
イ.「SMBCグループ人財ポリシー」の制定と浸透
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、経営やビジネスの環境変化に加え、ビジネスの担い手の世代交代や女性活躍推進、キャリア採用の拡大等により従業員の価値観は多様化してきました。これに伴い企業と従業員の関係も「互いに依存する関係」から「選び、選ばれる関係」へと変化しております。
長きにわたり「人の三井」「事業は人なり」と形容され「人」を重視してきた三井と住友の事業精神と文化を受け継ぎ、多様な従業員が集い、育ち、活躍する場であり続けるため、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが「従業員に求めるもの」と「従業員に提供する価値」を「SMBCグループ人財ポリシー」として明文化しました。
従業員には、社会に大きな責任を持つグローバル金融グループの一員としての自覚と、自分と異なる価値観を積極的に受け容れるDE&Iの精神を前提に、「プロフェッショナルとして責任を果たすこと」「お互いを認め合いチームで最高の成果を追求すること」「困難に立ち向かい挑戦し続けること」を求めております。
一方、その実現に向けて取り組む従業員に対しては、「自分らしさを表現できる環境」「事業基盤を活かしたお客さま・社会へ貢献できる機会」「キャリア形成と成長のサポート」を提供し、自らの夢の実現を後押してまいります。
このポリシーを浸透させ実行に移すためにも、人事評価の基準・項目を「SMBCグループ人財ポリシー」に沿った内容にアップデートするとともに、昇進・昇格については、年次・年齢よりも実力を一層重視してまいります。
ロ.SMBCグループ版人的資本経営モデル
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、「SMBCグループ人財ポリシー」に基づき、グループ・グローバルでの人的資本経営による人材力の最大化に向けて、「戦略に応じた人材ポートフォリオの構築」と、全従業員を対象とした「従業員の成長とウェルビーイング支援」「チームのパフォーマンス最大化」に資する施策を推進してまいります。

a) 戦略を支える人材ポートフォリオの構築
〇 経営戦略を支える人材ポートフォリオ
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、経営戦略の実現に必要となる人材確保・戦略領域への人材シフトを実現するための枠組として人材ポートフォリオ管理を高度化いたします。
具体的には、ビジネスをよく知る事業部門と人材をよく知る人事部が連携し、必要となる経験・スキル等の人材要件を重点戦略領域ごとに明確化いたします。目指すべき人材ポートフォリオと所属する従業員の状況とのギャップを事業部門毎に特定し、キャリア採用・新卒コース別採用を行います。また、経験・スキルを基に全従業員を人材タイプ毎に把握し、育成や機動的な人材の最適配置に取り組んでまいります。
〇 注力分野への先行投入
経営戦略の一つである「経営基盤の格段の強化」を確実なものとするために、特に「法務・コンプライアンス」「リスク管理」「IT」等の分野における人材の確保を進めてまいります。
また、「国内ビジネスモデル改革」を推進するための「DX」「アナリティクス」に精通した人材や海外事業展開を支える「グローバル」等のスキル・ノウハウを持ち合わせた人材確保に向け、国内では、具体的な人材要件をビジネスごとに特定し、キャリア採用や社内シフトにより3年間で計1,400人の投入を計画しております。
b) 従業員の成長とウェルビーイング支援
〇 グループの発展を支える人材の確保
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、全従業員に対して、それぞれの持ち場で責任感を持ち、付加価値の高いサービスを提供できる「プロフェッショナル」であることを求めております。
2022年度の新卒採用において、2,000名を超える従業員が採用広報イベントに参加し、学生に対して業務や企業文化の理解を促しております。キャリア採用についても、グループ各社で増加を計画しており、リファラル採用・カムバック採用・ダイレクトリクルーティング等の採用手法の拡充を進めております。
OJT、研修、自己啓発を通じた人材育成の体制整備に加え、従業員一人ひとりが自身のキャリア希望や目標を設定し、上司との面談におけるフィードバックや1on1の機会を通じて、自律的なキャリア形成に取り組んでおります。
〇 働き方改革
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、従業員一人ひとりのライフスタイルや価値観が多様化する中、時間や場所にとらわれず柔軟に働くことができる環境を整備しております。従業員が自身のライフスタイルに合った働き方を選択できるようにすることで、勤務以外の活動も含めた従業員の自己実現をサポートいたします。
また、仕事と育児を両立しながら活躍できる職場環境の整備に向け、男性従業員に対して30日以上の育児休業の取得を推奨しております。

〇 従業員のウェルビーイング
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、「健康経営宣言」を制定し、最高健康責任者(Chief Health Officer)の下、企業・健康保険組合・健康サポートセンターの三位一体で、従業員が健康で活き活きと働くことができる環境を整備しております。
また、従業員が業務に専念できる環境整備の一環として、従業員の資産形成に対する取組(Financial Wellness)も行っております。国内においては、財形制度や持株会制度に加え、寮・社宅制度、団体保険制度、退職金制度、確定給付年金制度(DB)、確定拠出年金制度(企業型DC)を整備しております。また、宿泊施設、飲食店、スポーツ施設、資格取得、育児等、幅広いサービスを優待価格で利用可能な外部サービス等も導入しております。
c) チームのパフォーマンス最大化
〇 人材管理の強化
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、経営上重要なポジションについて後継者候補を特定し、計画的に育成しております。たとえばグループの経営を担うポストに対しては、即時に継承可能な候補者の特定に加え、準備状況に応じて不足する経験を補う育成プランを作成しております。また、異なる事業や組織、風土に対する理解を深めることを目的に、候補者がグループ各社間で異動する「経営人材交流プログラム」も毎年20名規模で実施しております。
〇 DE&I推進
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにとって、DE&I推進は、お客さまにより大きな価値を提供し、ステークホルダーとともに持続的に成長するための成長戦略そのものです。
2023年度は、「ダイバーシティ&インクルージョンステートメント」を変更し、従業員の状況に応じた公正な機会提供を重んじる「エクイティ(公正)」という概念を取り入れ、「多様な視点を持つ革新的な組織」を目指す点を明確化しております。
〇 従業員エンゲージメント
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、従業員のエンゲージメントを可視化するツールとしてエンゲージメントサーベイを活用し、各組織において組織改善が行われているほか、毎月の1on1ミーティング等によって上司と部下の信頼関係の構築、双方の成長が促されております。
④ 人権の尊重
イ.人権尊重の考え方
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、人権尊重責任は企業が果たすべき責務と認識しております。「『ビジネスと人権』に関する行動計画」や「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などの指導原則に沿って、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループが人権の権利主体に対し与えうる負の影響と、多岐にわたるステークホルダーから、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループ自身が被る影響の双方向の人権に関するリスクを踏まえたアプローチにより、社会に対する「正の影響(ポジティブインパクト)」を極大化し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
<人権尊重の考え方>
ロ.重要な人権リスクの特定・評価
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、事業活動を通じて関与し得る人権への負の影響について、お客さまとの取引、サプライヤー取引、従業員の3つの観点で分析し、想定されるリスクについて深刻度・発生可能性の観点から重要度の高いものを特定しております。
2022年度に特定した重要な人権リスクについては、今後も定期的な見直しを行いながら、これらの人権への負の影響の防止・軽減に重点的に取り組んでまいります。
<重要な人権リスク事例>
① 気候変動への対応
気候変動への対応は、世界が喫緊に取り組むべき課題の一つです。気候変動問題の解決に向けた世界の取組が加速していく中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループを取り巻く環境は、政策・規制面の強化や、お客さま・投資家の方々を含むステークホルダーの行動変容、技術革新の進捗等によって大きな変化が見込まれております。このような不確実性を伴う環境下では、2050年GHG排出量ネットゼロ(以下、「ネットゼロ」という)の実現に向けたフォワードルッキングな戦略の下、外部動向を見極めながら段階的に気候変動対策を進めていくことが重要となります。
イ.気候変動に伴うリスク・機会の認識
a) 物理的リスク・移行リスク
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、気候変動問題の顕在化に伴う外部環境や業務環境の変化をあらかじめ想定し、様々な波及経路に基づいてリスク事象を洗い出すことで、三井住友フィナンシャルグループへの財務的影響を特定しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが想定するリスク事象の概要と主な影響は以下のとおりであります。
(物理的リスク)
〇 急性的な気象現象と慢性的な気候変化
地球温暖化の進行は、台風・洪水等の急性的な自然災害の増加や、平均気温上昇に伴う降水量増加等の慢性的な気候変化をもたらす可能性があります。これらの事象に起因し、本支店被災により事業が継続できないリスク、対策・復旧によるコスト増加、自然災害によるお客さまの業績悪化や担保毀損に伴う当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用の増加・預金の減少等のリスクが想定されます。
(移行リスク)
〇 政策及び法規制の強化や技術・市場の変化
脱炭素社会への移行は、炭素排出目標の厳格化や炭素税の引き上げを始めとする各国の規制強化を伴う可能性があるほか、新たな技術・エネルギー源の導入や消費者嗜好の変化により産業構造の変化を促進する可能性があります。産業構造の変化により、一部のお客さまについて収益減少や既存資産などの減損による業績悪化、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用の増加等のリスクが想定されます。
〇 企業の取組に対するレピュテーション
企業は脱炭素社会に適合したビジネスモデル変革や炭素排出量抑制等の取組を求められております。ステークホルダーからの開示要請も高まっており、気候変動問題への取組が企業評価基準の一つになりつつあります。これらの取組不足や情報開示要請への対応の遅れは、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのレピュテーション悪化に繋がり、資金調達環境が悪化する等のリスクを引き起こすことが想定されます。
b) カテゴリー別リスク分類
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、気候変動リスクをカテゴリー別に整理しております。気候変動リスクは広範な波及経路が想定され、かつ様々な時間軸で顕在化する可能性があります。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいては下表のような事例が想定されます。
<気候変動に関するカテゴリー別リスク事象例>

c) 気候変動に伴う機会に対する認識
ネットゼロ実現に向けては、大幅なGHG排出量削減のためのビジネスモデルの転換、そのための技術革新や大規模な設備投資が必須となります。IEA(International Energy Agency)の「持続可能な開発シナリオ」(SDSシナリオ/Sustainable Development Scenario)においては、2021年から2023年にかけて、エネルギー関連を中心に世界で年100兆円以上にもおよぶ追加投資が発生するとの可能性が示唆されております。
また日本においても、国が掲げる2030年目標の達成に向け、例えば電力セクターでは再生可能エネルギー発電関連で約30兆円、運輸セクターではゼロエミッション車関連で1兆円超の投資が必要になることが見込まれます。こうした中、金融機関においては、資金需要の拡大や事業再編、新たな金融商品・サービス、脱炭素関連設備リース等のニーズが生じるほか、気候関連情報開示の高度化対応や、気候変動戦略・ビジョンの策定、事業開発、リスクマネジメントの高度化への対応など、経営課題に対するコンサルティングニーズが生じると認識しております。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいても様々な金融サービスの提供機会が増大し、グループ内の事業領域におけるノウハウを有機的に結び付けた多面的なソリューションが重要になると考えております。
<三井住友フィナンシャルグループの事業領域とネットゼロへの移行に伴う成長機会>

ロ.ネットゼロ実現に向けた移行計画
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、2021年に「気候変動対策ロードマップ」及び「気候変動対策アクションプラン」を定め、気候変動に対する強靭性の確保・成長機会の獲得に向けた取組を加速させております。「気候変動対策ロードマップ」では、特に前中期経営計画期間中に取り組んだ施策を「アクションプラン STEP1」と位置付けており、本施策は、ネットゼロを進めるための軸となる戦略的取組です。
今般、「気候変動対策ロードマップ」を「移行計画」としてアップデートし、ネットゼロ実現に向けた三井住友フィナンシャルグループの一連の目標と行動を体系化いたしました。なお、2023年度から開始する「アクションプラン STEP2」における施策は、移行計画に包含されております。移行計画の遂行により、移行リスクの低減と脱炭素化に伴う成長機会の拡大に努め、ネットゼロ実現を目指してまいります。
<ネットゼロ実現に向けた移行計画>

ハ.気候変動に関するシナリオ分析
三井住友フィナンシャルグループの中核企業である当行において、物理的リスク・移行リスクに関するシナリオ分析を実施しており、想定されるリスク量を試算しております。なお、このシナリオ分析では、各企業において今後想定される事業モデルの転換や、技術革新といった要素は必ずしも勘案されておらず、試算結果は一定の仮定に基づくものであります。
2021年度のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)レポート公表以降、物理的リスクのうち国内の分析においては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次報告書で用いられているSSPシナリオによる分析を実施したほか、各地域別の想定リスク量を明確化いたしました。移行リスクにおいては、脱炭素化に向けた世界観で示されるような、気候変動関連の政策や、脱炭素化に向けた規制の厳格化の動向などに基づき、従来のエネルギー・電力に加えて自動車(OEM)・鉄鋼を分析対象に追加し、4セクターへと拡大いたしました。なお、分析手法の詳細や分析結果の実績値については、「SMBCグループ TCFDレポート 2022」をご参照ください。
ニ.脱炭素社会の実現に向けたビジネス推進戦略
前記「イ.気候変動に伴うリスク・機会の認識 c) 気候変動に伴う機会に対する認識」に記載のとおり、脱炭素社会の実現に向けては、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにとってさまざまなビジネス機会が想定されます。
こうした中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、再生可能エネルギー向けのプロジェクトファイナンスをはじめ、グリーンボンドの引受、太陽光発電設備の信託やリース、TCFD対応コンサルティング等、グループを挙げて環境ビジネスに取り組んでまいります。また、グループ全体のサステナビリティに関するノウハウ、情報を集約し、他業種とも協業しながら、非金融を含めた高度なサービス開発・提供にも注力してまいります。
これらのソリューションを当行含むグループ各社が連携しながら提供することで、お客さまの環境に対する取組を総合的に支援し、経済的価値・社会的価値の両面を伴った環境ビジネスを展開してまいります。
a) サステナブルファイナンスの拡充
脱炭素社会の実現に向けては、大幅なGHG排出量削減を前提としたイノベーションや大規模な設備投資が必須となり、エネルギー関連を中心に多くの追加投資が見込まれ、資金需要の拡大や新たな金融商品・サービスの発生など、金融機関にとっての成長機会となり得ます。
こうした中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、2020年度から2029年度のサステナブルファイナンス実行額50兆円(うちグリーンファイナンス20兆円)を目標として設定しております。マーケットにおける高いプレゼンスなどを背景として、グリーンファイナンスを中心として順調に実績を積み重ねております。
当事業年度までの実績値は、後記「(5)指標及び目標 ① 気候変動に関する指標と目標 ニ.サステナブルファイナンス取組額」に記載しております。
b) デジタル技術を駆使した脱炭素化支援ツールの提供
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、デジタル技術を活用した非金融ソリューションをお客さまに提供することで、金融面以外の切り口からも脱炭素社会への移行を支援しております。
例えば当行は、サプライチェーン全体のCO2排出量の算定から削減施策の立案・実行まで一連の業務をクラウド上で管理できるサービスである“Sustana”を提供し、お客さまの活動に関するデータから排出量を推計し、削減施策の実行に向けた支援を行っております。

② 自然資本の保全・回復
自然資本とは、植物や動物、大気や水や土壌などの天然資源を意味しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのお客さまの事業活動の多くは自然資本によって下支えされており、自然資本の喪失は、金融グループとしての幅広い事業活動に潜在的なリスクとなる可能性があります。一方で、自然資本の適切な保全・回復は、社会の基盤を強固にすることで、人間の生活を豊かにし、健康を促進することにつながります。
このような認識のもと、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループではお客さまの企業活動と自然資本との関係を依存・影響の観点から分析し、それを踏まえて自社の事業におけるリスクと機会を認識しております。
また、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)における優先セクターの自然資本への依存度・影響度のヒートマップを作成し、とくに重視すべき自然資本・生態系サービスの特定に努めております。
<自然資本との「依存」と「影響」>

イ.自然資本に関するリスクの認識
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、企業活動と自然資本の接点を依存・影響の両面で整理したうえで、一般的にお客さまに想定されるリスクと機会を整理しております。
a) 依存の観点からのリスク
気候変動や、企業活動・社会活動における自然資本の利用方法の変化・過度な利用を通して、特定の自然資本が毀損する可能性があります。
(物理的リスク)
水や植物といった自然資本が枯渇し価値が劣化すると、それらが生み出す生態系サービスに依存して事業展開を行っているお客さまは、原材料調達コストの増加や自然災害の激甚化・頻発化などを通して、業績が悪化する可能性があります。
(移行リスク)
自然資本の劣化は、お客さまの生産プロセスの変化を促します。こうした環境変化は、お客さまに対し、新たな技術導入に伴う追加的なコストのほか、事業の中断をもたらす可能性があります。
b) 影響の観点からのリスク
自然資本に負の影響を与える企業にとって、法規制や政策面が不利になるような形で変更される可能性があります。また、サステナビリティ開示に係る国際的なガイドラインの策定が進む中、ステークホルダーからの自然関連情報の開示要請が今後より高まる可能性があります。
(物理的リスク)
お客さまの事業が自然資本に負の影響を与える結果として自然資本が毀損する場合、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのレピュテーション悪化につながる可能性があります。
(移行リスク)
自然資本保全を目的とする各国の規制強化や政策変更などに伴い、環境負荷軽減のための費用負担が企業に求められる場合、一部のお客さまにおいては対応コストが増加する可能性があります。また、自然資本保全に向けた取組や配慮が不十分である場合や対応が不十分とステークホルダーから見做される場合、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのレピュテーション悪化につながる可能性があります。
<自然資本に関する主なカテゴリー別リスク事象例>

ロ.自然関連の機会に対する認識
2022年に開催された生物多様性条約第15 回締約国会議(COP15)第二回会合では、「2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させ、回復軌道に乗せること(ネイチャーポジティブの達成)、2050年に自然と共生する世界を実現する」という世界目標が定められました。本目標の達成に向けては、金融機関には、アライアンスやリスク高度化対応へのサポートなど、お客さまの様々なニーズに対するサービス提供の機会が発生いたします。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、世界経済フォーラムが2020年に発表した報告書において言及されている「食料・土地・海の利用」「インフラ・建築環境」「エネルギー・採掘活動」の3分野で特に大きなビジネス機会が生じうると考え、様々な取り組みを進めてまいります。
<ネイチャーポジティブビジネス推進に関する三井住友フィナンシャルグループの取組事例>

③ 人的資本経営の実践
イ.「SMBCグループ人財ポリシー」の制定と浸透
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、経営やビジネスの環境変化に加え、ビジネスの担い手の世代交代や女性活躍推進、キャリア採用の拡大等により従業員の価値観は多様化してきました。これに伴い企業と従業員の関係も「互いに依存する関係」から「選び、選ばれる関係」へと変化しております。
長きにわたり「人の三井」「事業は人なり」と形容され「人」を重視してきた三井と住友の事業精神と文化を受け継ぎ、多様な従業員が集い、育ち、活躍する場であり続けるため、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが「従業員に求めるもの」と「従業員に提供する価値」を「SMBCグループ人財ポリシー」として明文化しました。
従業員には、社会に大きな責任を持つグローバル金融グループの一員としての自覚と、自分と異なる価値観を積極的に受け容れるDE&Iの精神を前提に、「プロフェッショナルとして責任を果たすこと」「お互いを認め合いチームで最高の成果を追求すること」「困難に立ち向かい挑戦し続けること」を求めております。
一方、その実現に向けて取り組む従業員に対しては、「自分らしさを表現できる環境」「事業基盤を活かしたお客さま・社会へ貢献できる機会」「キャリア形成と成長のサポート」を提供し、自らの夢の実現を後押してまいります。
このポリシーを浸透させ実行に移すためにも、人事評価の基準・項目を「SMBCグループ人財ポリシー」に沿った内容にアップデートするとともに、昇進・昇格については、年次・年齢よりも実力を一層重視してまいります。
ロ.SMBCグループ版人的資本経営モデル
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、「SMBCグループ人財ポリシー」に基づき、グループ・グローバルでの人的資本経営による人材力の最大化に向けて、「戦略に応じた人材ポートフォリオの構築」と、全従業員を対象とした「従業員の成長とウェルビーイング支援」「チームのパフォーマンス最大化」に資する施策を推進してまいります。

a) 戦略を支える人材ポートフォリオの構築
〇 経営戦略を支える人材ポートフォリオ
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、経営戦略の実現に必要となる人材確保・戦略領域への人材シフトを実現するための枠組として人材ポートフォリオ管理を高度化いたします。
具体的には、ビジネスをよく知る事業部門と人材をよく知る人事部が連携し、必要となる経験・スキル等の人材要件を重点戦略領域ごとに明確化いたします。目指すべき人材ポートフォリオと所属する従業員の状況とのギャップを事業部門毎に特定し、キャリア採用・新卒コース別採用を行います。また、経験・スキルを基に全従業員を人材タイプ毎に把握し、育成や機動的な人材の最適配置に取り組んでまいります。
〇 注力分野への先行投入
経営戦略の一つである「経営基盤の格段の強化」を確実なものとするために、特に「法務・コンプライアンス」「リスク管理」「IT」等の分野における人材の確保を進めてまいります。
また、「国内ビジネスモデル改革」を推進するための「DX」「アナリティクス」に精通した人材や海外事業展開を支える「グローバル」等のスキル・ノウハウを持ち合わせた人材確保に向け、国内では、具体的な人材要件をビジネスごとに特定し、キャリア採用や社内シフトにより3年間で計1,400人の投入を計画しております。
b) 従業員の成長とウェルビーイング支援
〇 グループの発展を支える人材の確保
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、全従業員に対して、それぞれの持ち場で責任感を持ち、付加価値の高いサービスを提供できる「プロフェッショナル」であることを求めております。
2022年度の新卒採用において、2,000名を超える従業員が採用広報イベントに参加し、学生に対して業務や企業文化の理解を促しております。キャリア採用についても、グループ各社で増加を計画しており、リファラル採用・カムバック採用・ダイレクトリクルーティング等の採用手法の拡充を進めております。
OJT、研修、自己啓発を通じた人材育成の体制整備に加え、従業員一人ひとりが自身のキャリア希望や目標を設定し、上司との面談におけるフィードバックや1on1の機会を通じて、自律的なキャリア形成に取り組んでおります。
〇 働き方改革
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、従業員一人ひとりのライフスタイルや価値観が多様化する中、時間や場所にとらわれず柔軟に働くことができる環境を整備しております。従業員が自身のライフスタイルに合った働き方を選択できるようにすることで、勤務以外の活動も含めた従業員の自己実現をサポートいたします。
また、仕事と育児を両立しながら活躍できる職場環境の整備に向け、男性従業員に対して30日以上の育児休業の取得を推奨しております。

〇 従業員のウェルビーイング
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、「健康経営宣言」を制定し、最高健康責任者(Chief Health Officer)の下、企業・健康保険組合・健康サポートセンターの三位一体で、従業員が健康で活き活きと働くことができる環境を整備しております。
また、従業員が業務に専念できる環境整備の一環として、従業員の資産形成に対する取組(Financial Wellness)も行っております。国内においては、財形制度や持株会制度に加え、寮・社宅制度、団体保険制度、退職金制度、確定給付年金制度(DB)、確定拠出年金制度(企業型DC)を整備しております。また、宿泊施設、飲食店、スポーツ施設、資格取得、育児等、幅広いサービスを優待価格で利用可能な外部サービス等も導入しております。
c) チームのパフォーマンス最大化
〇 人材管理の強化
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、経営上重要なポジションについて後継者候補を特定し、計画的に育成しております。たとえばグループの経営を担うポストに対しては、即時に継承可能な候補者の特定に加え、準備状況に応じて不足する経験を補う育成プランを作成しております。また、異なる事業や組織、風土に対する理解を深めることを目的に、候補者がグループ各社間で異動する「経営人材交流プログラム」も毎年20名規模で実施しております。
〇 DE&I推進
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにとって、DE&I推進は、お客さまにより大きな価値を提供し、ステークホルダーとともに持続的に成長するための成長戦略そのものです。
2023年度は、「ダイバーシティ&インクルージョンステートメント」を変更し、従業員の状況に応じた公正な機会提供を重んじる「エクイティ(公正)」という概念を取り入れ、「多様な視点を持つ革新的な組織」を目指す点を明確化しております。
〇 従業員エンゲージメント
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、従業員のエンゲージメントを可視化するツールとしてエンゲージメントサーベイを活用し、各組織において組織改善が行われているほか、毎月の1on1ミーティング等によって上司と部下の信頼関係の構築、双方の成長が促されております。
④ 人権の尊重
イ.人権尊重の考え方
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、人権尊重責任は企業が果たすべき責務と認識しております。「『ビジネスと人権』に関する行動計画」や「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などの指導原則に沿って、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループが人権の権利主体に対し与えうる負の影響と、多岐にわたるステークホルダーから、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループ自身が被る影響の双方向の人権に関するリスクを踏まえたアプローチにより、社会に対する「正の影響(ポジティブインパクト)」を極大化し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
<人権尊重の考え方>

ロ.重要な人権リスクの特定・評価
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、事業活動を通じて関与し得る人権への負の影響について、お客さまとの取引、サプライヤー取引、従業員の3つの観点で分析し、想定されるリスクについて深刻度・発生可能性の観点から重要度の高いものを特定しております。
2022年度に特定した重要な人権リスクについては、今後も定期的な見直しを行いながら、これらの人権への負の影響の防止・軽減に重点的に取り組んでまいります。
<重要な人権リスク事例>
