有価証券報告書-第22期(2024/04/01-2025/03/31)
(3)戦略
① 気候変動への対応
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、自社で排出するGHGの2030年ネットゼロ、ならびに投融資ポートフォリオGHG排出量の2050年ネットゼロ実現を目指しております。秩序ある公正な移行に向けては、トランジションファイナンスを提供していくこと、また、次世代技術の確立に向けたイノベーションを支援していくことが重要と認識しております。
イ.気候変動に伴うリスクに対する認識
気候変動に伴うリスク(物理的リスク及び移行リスク)は広範な波及経路が想定され、かつ様々な時間軸で顕在化する可能性があります。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、気候変動問題の顕在化に伴う外部環境や業務環境の変化をあらかじめ想定し、様々な波及経路に基づいてリスク事象を洗い出すことで、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループへの財務的影響を特定しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが想定するリスク事象の概要、及び各リスクカテゴリーへの波及事例は以下のとおりであります。
<三井住友フィナンシャルグループが想定するリスク事象の概要>(物理的リスク)
〇 急性的な気象現象と慢性的な気候変化
地球温暖化の進行は、台風・洪水等の急性的な自然災害の増加や、平均気温上昇に伴う降水量増加等の慢性的な気候変化をもたらす可能性があります。これらの事象に起因し、本支店被災により事業が継続できないリスク、対策・復旧によるコスト増加、自然災害によるお客さまの業績悪化や担保毀損に伴う、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用の増加・預金の減少等のリスクが想定されます。
(移行リスク)
〇 政策及び法規制の強化や技術・市場の変化
脱炭素社会への移行は、炭素排出目標の厳格化や炭素税の引き上げをはじめとする各国の規制強化を伴う可能性があるほか、新たな技術・エネルギー源の導入や消費者嗜好の変化により産業構造の変化を促進する可能性があります。炭素排出量抑制コストの増加や製品・サービスの需給環境の変化に伴い、一部のお客さまについては収益減少や既存資産等の減損により業績が悪化し、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用が増加する等のリスクがあります。
〇 企業の取組に対するレピュテーション
企業は脱炭素社会に適合したビジネスモデル変革や炭素排出量抑制等の取組を求められております。ステークホルダーからの開示要請も高まっており、気候変動問題への取組が企業評価基準の一つになりつつあります。これらの取組不足や情報開示要請への対応の遅れは、お客さまや株主をはじめとするステークホルダーからの高い期待に応えられず、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループの企業価値の毀損や信頼低下に繋がる可能性があり、資金調達環境が悪化する等のリスクを引き起こすことが想定されます。
<気候変動に関するカテゴリー別リスク事象例>
ロ.気候変動に伴う機会に対する認識
脱炭素社会の実現に向けては、大幅なGHG排出量削減のためのビジネスモデルの転換、そのための技術革新や大規模な設備投資が必須となります。IEA(International Energy Agency)はNZE(Net Zero Emissions)シナリオにおいて、クリーンエネルギー分野に対し2035年には年3兆ドルの追加投資が必要と試算しています。また、経済産業省の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において「グリーンとデジタルは、車の両輪である」と示されたように、脱炭素社会の実現に向けてはデジタルトランスフォーメーションが欠かせないほか、社会からの脱炭素に向けた要請が強まり、カーボンクレジット市場の拡大も見込まれます。
こうした中、事業会社においては、資金需要の拡大や事業再編、新たな金融商品・サービス、脱炭素関連設備リース、経営課題に対するコンサルティング(気候関連情報開示の高度化対応や、気候変動戦略・ビジョンの策定、事業開発、リスクマネジメントの高度化への対応)、脱炭素技術保有企業やそれらを必要とするお客さまのマッチング、デジタルソリューション、カーボンクレジット調達等のニーズが生じると認識しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいても様々な金融サービスの提供機会が増大し、グループ内の事業領域におけるノウハウを有機的に結び付けた多面的なソリューションが重要になると考えております。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、お客さまが抱えるこのような複合的なニーズに対し、グループ内にとどまらず外部パートナーとの連携も活用することで、金融・非金融両面から支援に努めてまいります。
ハ.実体経済の脱炭素化に向けた取組
「ロ.気候変動に伴う機会に対する認識」に記載のとおり、脱炭素社会の実現に向けては、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにとってさまざまなビジネス機会が想定されます。
こうした中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、従来強みとしてきたプロジェクトファイナンスを通じた新エネルギー・新技術への支援、事業の脱炭素化に向けたトランジション支援、ステークホルダーとの協働等、金融・非金融を含めた高度なサービス開発・提供に注力しております。これらのソリューションをグループ各社が連携しながら提供することで、お客さまの環境に対する取組を総合的に支援し、経済的価値・社会的価値の両面を伴った環境ビジネスを展開してまいります。

a)新エネルギー・新技術へのリスクテイク
脱炭素社会の実現には、新エネルギーや新技術の開発や社会実装が不可欠ですが、資金供給不足もあり、遅れが生じている状況です。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、脱炭素化に向けて特に重要だと認識する新技術・新エネルギーを注力領域として選定し、スケールアップのフェーズにおいてリスクマネーを積極的に供給することで、新エネルギーや新技術の社会実装を加速させることを目指してまいります。

b)トランジションファイナンス
脱炭素社会を早期に実現するには、脱炭素化への技術的・経済的な代替手段が限られ、一足飛びに移行することが困難な高排出セクターの移行を支援することが重要です。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは他の多くの金融機関に先駆けて、グループのトランジションの定義を定めた「Transition Finance Playbook」を策定し、トランジションファイナンスを推進しております。これは国際的な原則に加えて、各国・地域の方針や規制等に基づき、地域毎に基準を設定したものであります。
当Playbookを活用して、これまでに130社のお客さまとエンゲージメントを実施し、46件のトランジションファイナンス案件の承認に至りました。
また2024年には、トランジションファイナンスを推進する上で見えてきた実務的な課題や解決への提言を示した「Transition Finance Scorebook」を公表いたしました。
この中では、パリ協定と整合した脱炭素計画の策定が困難な企業への支援強化の必要性や、トランジションにおいてガス火力発電が一定の役割を果たすこと等について述べております。これを活用してこれまでにお客さまや政府との対話を60件実施いたしました。今後もこうした対話を継続しつつグローバルなトランジション推進に関する議論をリードし、その発展・深化に貢献してまいります。

c)ステークホルダーとの協働と多様なソリューション
〇 他社との協働を通じた多様なソリューションの提供
当行では、脱炭素技術を持つお客さまと脱炭素化ニーズのあるお客さまをつなぐ事業共創を推進しています。また、パートナー企業と連携し、GHG排出量やサプライチェーンにおけるサステナビリティ課題の可視化を起点に、お客さまのサステナビリティ関連課題の解決を支援するソリューション提供に努めております。
〇 政策提言
社会全体で現実的かつ着実にトランジションを推進すべく、産業界や政府当局との対話・提言にも積極的に取り組んでおります。日本では、脱炭素化に向けたファイナンス支援に当たる課題やブレンデッドファイナンス等官民のリスクシェアの必要性について、政府との対話を継続しております。アジアの脱炭素化に向けては、地域やお客さまの課題を踏まえた支援制度・資金供給の在り方について提言を実施しております。
(参考)三井住友フィナンシャルグループにおけるネットゼロ実現に向けた移行計画・取組


② 自然資本の保全・回復
自然資本とは、植物や動物、大気や水や土壌などの天然資源を意味しております。地球環境の保全に向けて、自然資本の損失を食い止め回復させる「ネイチャーポジティブ」がますます重要視される中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは自然資本分野における金融業界のパイオニアとしてお客さまの取組支援と自社の取組強化に注力しております。
「ネイチャーポジティブ」の実現に向けては、お客さまにおいてビジネスモデル変革、新たな技術の導入、環境負荷の低い設備投資等の多様なニーズが予想されます。それに対し、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいては金融商品・サービス、コンサルティング等の提供を通じたビジネス機会の増加が見込まれます。
一方で、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのお客さまの事業活動の多くは自然資本によって下支えされていることから、自然資本の喪失は金融グループとしての幅広い事業活動に潜在的なリスクをもたらす可能性があります。
このような認識のもと、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループではお客さまの企業活動と自然資本との関係を依存・影響の観点から分析し、それを踏まえて自社の事業における機会とリスクを認識し、各種対応策に取り組んでおります。
<企業における自然資本の保全・回復に向けた対応の概念図>
③ 人的資本経営の実践
イ.SMBCグループ人財ポリシーの浸透と実現
経営やビジネスの変化、従業員の価値観の多様化など、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループを取り巻く環境が目まぐるしく変化している中でも、「人」の大切さに変わりはありません。そのため当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは2023年度に「SMBCグループ人財ポリシー」を定め、その中で「従業員に求めるもの」と「従業員に提供する価値」を明文化いたしました。
従業員には、「プロフェッショナルとして責任を果たすこと」「お互いを認め合いチームで最高の成果を追求すること」「困難に立ち向かい挑戦し続けること」を求める一方、従業員のプロフェッショナルとしての活躍を後押しするため、「自分らしさを表現できる環境」「事業基盤を活かしたお客さま・社会へ貢献できる機会」「キャリア形成と成長のサポート」を提供してまいります。この先も成長を続け経済的価値・社会的価値を創出し続けるため、この人財ポリシーを通じて、企業と従業員の間でより一層の「選び、選ばれる関係」を築いてまいります。
「人財ポリシー」の実現度を定量的に評価する独自指標として、「人財ポリシースコア」を新たに導入しました。この指標は、グループの人的資本経営モデルを支える基盤である、人財ポリシーの左側(従業員に求めるもの)と右側(従業員に提供する価値)との良循環を可視化するものであります。今後も引き続きスコアのモニタリングを継続し、そこから得られるインサイトを施策に反映させることで、人的資本経営を深化させ、SMBCグループの持続的な成長を実現してまいります。

<2024年度の人財ポリシースコア>
ロ.各人材戦略の目指す姿・展望と現在の進捗
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、人財ポリシーに基づき、経済的価値・社会的価値の創出に向けて3つの人材戦略「戦略を支える人材ポートフォリオの構築」「従業員の成長とウェルビーイング支援」「チームのパフォーマンス最大化」を展開し、人材力の最大化を目指しております。
a) 戦略を支える人材ポートフォリオの構築
〇 注力分野の人材拡充
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、プロフェッショナル人材の確保と機動的な人材配置を目指し、人材ポートフォリオの構築を推進しております。「Olive」の推進を担うDX人材、グローバル人材、法務・コンプライアンス等の経営基盤を担う人材の3つの注力分野を定め、人材の重点投入を進めております。また当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ各社では、専門性向上を企図した専門人材認定制度を整備するとともに、特定領域でのプロフェッショナルを獲得・育成するためのコース別新卒採用を強化しております。
〇 グループ・グローバルを舞台とした活躍推進
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、グループ・グローバルで多様な人材が活躍できる仕組・環境の整備を進めております。国内外双方向の短期派遣や業務出向も強化しており、戦略上の注力国であるインドへの若手従業員派遣プログラムを新設する等、将来のグローバル人材の育成に注力しております。
〇 グローバルHRプラットフォームの構築
海外事業の重要性が高まる中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループはグローバルで人事機能の一体化を推進し、「One Global HR」としてグローバル人材戦略を実行してまいります。戦略実現に向けて、人事組織・システム等のHRプラットフォームのグローバル統一化に加え、グローバルの人事体制を見直し、各地人事責任者のレポートラインを本社人事部にも接続するとともに、Global CoE(Center of Excellence)を機能別に置く等の施策を実施しており、グローバルでの運営体制強化を進めております。
b) 従業員の成長とウェルビーイング支援
〇 自らのキャリアと向き合い、挑戦する機会
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、グループ横断の公募制度や、各部署の魅力を従業員に伝える「ジョブフォーラム」の開催など、従業員一人ひとりが自分らしく活躍し挑戦できる環境を整備しております。社内ベンチャーの取組も推進しており、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ内で新規事業を立ち上げた「社長」が生まれております。
〇 社外派遣や副業による成長促進
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ各社では、従業員の多様なスキル・経験の習得を促すため、社外派遣エントリー制度、社内・社外副業の機会を提供しております。
〇 従業員の成長を支える心身の健康確保
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、一人ひとりが健康で活き活きと働くことができる環境の整備にグループ一体となって取り組んでおり、健康意識・リテラシー向上のためのセミナー・イベントの開催や、各種費用補助、柔軟な勤務制度の整備等を行っております。こうした取組が評価され、当行は「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に認定されました。
c) チームのパフォーマンス最大化
〇 DE&Iの推進
DE&Iは当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおける重要な成長戦略と位置付け、経営層の強いコミットメントのもとに取り組んでおります。意思決定層の多様性確保に向けて、様々な取組を推進するほか、性別に関係なく育児休業を取得しやすい組織づくりや、介護との両立に向けた制度の整備及びリテラシーの向上など、従業員が仕事とプライベートを両立しながら活躍できる環境の整備に注力しております。
〇 組織をリードするマネジメント育成
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、管理職手前から役員に至るまでマネジメント教育に注力しております。また、マネジメントレビューにも力をいれており、部下・同僚・上司からのフィードバックをうけてマネジメント力を向上させる機会を提供しております。
〇 エンゲージメント向上にむけた取組
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、組織や従業員のエンゲージメントの状態を定点観測でき、本部やマネジメントによる改善行動をサポートするツールとして、エンゲージメントサーベイを活用しております。また、エンゲージメント活動の好事例を横展開し、各拠点のエンゲージメント向上を牽引する「アンバサダー」の任命も行っております。
④ 人権の尊重
イ.人権尊重の考え方
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、人権尊重責任は企業が果たすべき責務と認識しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、「ビジネスと人権に関する指導原則」や「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などに沿い、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが人権の権利主体に対し与えうる負の影響と、多岐にわたるステークホルダーから当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ自身が被る影響の双方向の人権に関するリスクを踏まえたアプローチにより、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
<人権尊重の考え方>
ロ.重要な人権リスクの特定・評価
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、事業活動を通じて関与し得る人権への負の影響について、お客さまとの取引、サプライヤー取引、従業員の3つの観点で分析し、想定されるリスクについて深刻度・発生可能性の観点から重要度の高いものを特定しております。
2022年度に特定した重要な人権リスクについては、今後も定期的な見直しを行いながら、これらの人権への負の影響の防止・軽減に重点的に取り組んでまいります。
<重要な人権リスク事例>
(4)リスク管理
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、環境社会リスクを、気候関連、自然関連、人権等の、環境・社会要因がリスクドライバーとなり、様々な経路を通じて各リスクカテゴリーに波及することにより、最終的に当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループが損失を被るリスクと定義しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは様々なリスク管理の枠組みの中で環境社会リスクを認識し、評価・管理する体制の高度化に努めております。
① トップリスク/リスクアペタイト・フレームワーク
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、収益拡大のために取る、あるいは許容するリスクの種類と量(リスクアペタイト)を明確にし、グループ全体のリスクをコントロールする枠組みとして、「リスクアペタイト・フレームワーク」を導入しております。
当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループのリスクアペタイト・フレームワークは、業務戦略とともに経営管理の両輪と位置付けられており、経営陣がグループを取り巻く環境やリスク認識を共有した上で、適切なリスクテイクを行う経営管理の枠組みであります。グル-プ全体のリスクアペタイトを踏まえ、事業部門別等、業務戦略に応じて必要な単位でのリスクアペタイトを設定しております。具体的なプロセスとしては、業務戦略・業務運営方針の策定にあたり、経営上特に重大なリスクを「トップリスク」として選定したうえで、リスクシナリオに基づくストレステストによるリスク分析を実施することで、リスクが顕在化した場合の影響も踏まえながら、リスクアペタイトを決定しております。気候関連リスクにおいては、物理的リスクや移行リスクに関して、ストレステストの手法を活用したシナリオ分析を実施し、与信関係費用を推計することで当行への財務的影響をあらかじめ把握しております。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、環境社会リスクの観点において風水害等の災害増加や、環境課題や人権をめぐる政策・規制・社会規範の分断などをトップリスクとして位置付けております。特に、気候変動に係るリスクについては、業務計画を達成するためのリスクテイクやリスク管理に係る姿勢を示したリスクアペタイト・ステートメントにおいて、ネットゼロ目標の達成に向け、エンゲージメント促進やポートフォリオコントロール等を通じ気候関連リスクの増加を抑制していく旨を記載しております。

② セクター・事業に対する方針
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、以下に示した環境・社会に影響を与える可能性が高いセクター・事業に対する方針をそれぞれ明確化しております。この方針は、当行、株式会社SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース株式会社、SMBC日興証券株式会社において、それぞれのビジネスに沿う形で導入し、更なるリスク管理体制の強化を図っております。

③ 環境社会デューデリジェンス
当行では、コーポレートファイナンスおよびプロジェクト向けファイナンス双方において、環境社会リスク評価を行う環境社会デューデリジェンスを導入しております。評価結果は、与信判断の高度化やお客さまとのエンゲージメントに活用しております。

*従来の審査に加え、環境社会リスクが信用リスクやレピュテーショナルリスクに波及することによる影響も把握・評価した上で総合的に判断
(5)指標及び目標
① 気候変動に関する指標と目標
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、気候変動に係るリスク並びに機会を測定・管理するため、またパリ協定への整合/脱炭素に向けた道筋を示すため、GHG排出量やエクスポージャーなどに関する様々な指標を用いております。
イ.三井住友フィナンシャルグループにおけるGHG排出量
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、自社GHG排出量をネットゼロとする目標を掲げております。まずは2023年度に定めた中間目標である2025年度自社GHG排出量40%削減及び2026年度自社GHG排出量55%削減を達成するため、日本国内の自社物件やデータセンター等における電力の再生可能エネルギーへの転換や営業車の環境配慮車化に取り組む等、GHG排出量の削減を進めております。

ロ.ポートフォリオGHG排出量
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、投融資ポートフォリオ全体でのGHG排出量(Scope3)について、2050年までのネットゼロ実現を目指しております。その約70%を占める電力、石油・ガス、石炭、自動車、鉄鋼、不動産の6つのセクターにおいて中期削減目標を設定しております。

*国内商業用不動産のノンリコースローン・REITが対象、REITの場合はScope3カテゴリー13を含む
ハ.サステナブルファイナンス取組額
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、環境配慮事業、社会関連事業、脱炭素社会への移行に関するファイナンスに積極的に取り組んでおります。2020年度から2029年度までの10年間での「グリーンファイナンス及びサステナビリティに資するファイナンス実行50兆円」という目標を設定し、お客さまとともに気候変動問題をはじめとする社会課題解決に取り組んでまいります。

② 人的資本に関する指標と目標
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、「(3) 戦略 ③ 人的資本経営の実践」に記載している人的資本に関する取組について、目標達成に向けた進捗を管理するため、様々な指標を用いております。
イ.注力分野への人材拡充に関する指標
「Olive」の推進を担うDX人材や、法務・コンプライアンス等の経営基盤を担う人材、グローバル人材の3つの注力分野を定め、3か年投入計画を掲げております。

ロ.エンゲージメントに関する指標
多様な価値観を持つ従業員が、チームワークにより成果を生み出す風土の実現を目指しており、その状況を測るためにエンゲージメントサーベイを実施しております。スコア70以上を維持することをKPIとして掲げ、各種取組を推進しております。

① 気候変動への対応
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、自社で排出するGHGの2030年ネットゼロ、ならびに投融資ポートフォリオGHG排出量の2050年ネットゼロ実現を目指しております。秩序ある公正な移行に向けては、トランジションファイナンスを提供していくこと、また、次世代技術の確立に向けたイノベーションを支援していくことが重要と認識しております。
イ.気候変動に伴うリスクに対する認識
気候変動に伴うリスク(物理的リスク及び移行リスク)は広範な波及経路が想定され、かつ様々な時間軸で顕在化する可能性があります。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、気候変動問題の顕在化に伴う外部環境や業務環境の変化をあらかじめ想定し、様々な波及経路に基づいてリスク事象を洗い出すことで、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループへの財務的影響を特定しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが想定するリスク事象の概要、及び各リスクカテゴリーへの波及事例は以下のとおりであります。
<三井住友フィナンシャルグループが想定するリスク事象の概要>(物理的リスク)
〇 急性的な気象現象と慢性的な気候変化
地球温暖化の進行は、台風・洪水等の急性的な自然災害の増加や、平均気温上昇に伴う降水量増加等の慢性的な気候変化をもたらす可能性があります。これらの事象に起因し、本支店被災により事業が継続できないリスク、対策・復旧によるコスト増加、自然災害によるお客さまの業績悪化や担保毀損に伴う、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用の増加・預金の減少等のリスクが想定されます。
(移行リスク)
〇 政策及び法規制の強化や技術・市場の変化
脱炭素社会への移行は、炭素排出目標の厳格化や炭素税の引き上げをはじめとする各国の規制強化を伴う可能性があるほか、新たな技術・エネルギー源の導入や消費者嗜好の変化により産業構造の変化を促進する可能性があります。炭素排出量抑制コストの増加や製品・サービスの需給環境の変化に伴い、一部のお客さまについては収益減少や既存資産等の減損により業績が悪化し、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループの与信関係費用が増加する等のリスクがあります。
〇 企業の取組に対するレピュテーション
企業は脱炭素社会に適合したビジネスモデル変革や炭素排出量抑制等の取組を求められております。ステークホルダーからの開示要請も高まっており、気候変動問題への取組が企業評価基準の一つになりつつあります。これらの取組不足や情報開示要請への対応の遅れは、お客さまや株主をはじめとするステークホルダーからの高い期待に応えられず、当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループの企業価値の毀損や信頼低下に繋がる可能性があり、資金調達環境が悪化する等のリスクを引き起こすことが想定されます。
<気候変動に関するカテゴリー別リスク事象例>

ロ.気候変動に伴う機会に対する認識
脱炭素社会の実現に向けては、大幅なGHG排出量削減のためのビジネスモデルの転換、そのための技術革新や大規模な設備投資が必須となります。IEA(International Energy Agency)はNZE(Net Zero Emissions)シナリオにおいて、クリーンエネルギー分野に対し2035年には年3兆ドルの追加投資が必要と試算しています。また、経済産業省の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において「グリーンとデジタルは、車の両輪である」と示されたように、脱炭素社会の実現に向けてはデジタルトランスフォーメーションが欠かせないほか、社会からの脱炭素に向けた要請が強まり、カーボンクレジット市場の拡大も見込まれます。
こうした中、事業会社においては、資金需要の拡大や事業再編、新たな金融商品・サービス、脱炭素関連設備リース、経営課題に対するコンサルティング(気候関連情報開示の高度化対応や、気候変動戦略・ビジョンの策定、事業開発、リスクマネジメントの高度化への対応)、脱炭素技術保有企業やそれらを必要とするお客さまのマッチング、デジタルソリューション、カーボンクレジット調達等のニーズが生じると認識しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいても様々な金融サービスの提供機会が増大し、グループ内の事業領域におけるノウハウを有機的に結び付けた多面的なソリューションが重要になると考えております。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、お客さまが抱えるこのような複合的なニーズに対し、グループ内にとどまらず外部パートナーとの連携も活用することで、金融・非金融両面から支援に努めてまいります。
ハ.実体経済の脱炭素化に向けた取組
「ロ.気候変動に伴う機会に対する認識」に記載のとおり、脱炭素社会の実現に向けては、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにとってさまざまなビジネス機会が想定されます。
こうした中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、従来強みとしてきたプロジェクトファイナンスを通じた新エネルギー・新技術への支援、事業の脱炭素化に向けたトランジション支援、ステークホルダーとの協働等、金融・非金融を含めた高度なサービス開発・提供に注力しております。これらのソリューションをグループ各社が連携しながら提供することで、お客さまの環境に対する取組を総合的に支援し、経済的価値・社会的価値の両面を伴った環境ビジネスを展開してまいります。

a)新エネルギー・新技術へのリスクテイク
脱炭素社会の実現には、新エネルギーや新技術の開発や社会実装が不可欠ですが、資金供給不足もあり、遅れが生じている状況です。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、脱炭素化に向けて特に重要だと認識する新技術・新エネルギーを注力領域として選定し、スケールアップのフェーズにおいてリスクマネーを積極的に供給することで、新エネルギーや新技術の社会実装を加速させることを目指してまいります。

b)トランジションファイナンス
脱炭素社会を早期に実現するには、脱炭素化への技術的・経済的な代替手段が限られ、一足飛びに移行することが困難な高排出セクターの移行を支援することが重要です。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは他の多くの金融機関に先駆けて、グループのトランジションの定義を定めた「Transition Finance Playbook」を策定し、トランジションファイナンスを推進しております。これは国際的な原則に加えて、各国・地域の方針や規制等に基づき、地域毎に基準を設定したものであります。
当Playbookを活用して、これまでに130社のお客さまとエンゲージメントを実施し、46件のトランジションファイナンス案件の承認に至りました。
また2024年には、トランジションファイナンスを推進する上で見えてきた実務的な課題や解決への提言を示した「Transition Finance Scorebook」を公表いたしました。
この中では、パリ協定と整合した脱炭素計画の策定が困難な企業への支援強化の必要性や、トランジションにおいてガス火力発電が一定の役割を果たすこと等について述べております。これを活用してこれまでにお客さまや政府との対話を60件実施いたしました。今後もこうした対話を継続しつつグローバルなトランジション推進に関する議論をリードし、その発展・深化に貢献してまいります。

c)ステークホルダーとの協働と多様なソリューション
〇 他社との協働を通じた多様なソリューションの提供
当行では、脱炭素技術を持つお客さまと脱炭素化ニーズのあるお客さまをつなぐ事業共創を推進しています。また、パートナー企業と連携し、GHG排出量やサプライチェーンにおけるサステナビリティ課題の可視化を起点に、お客さまのサステナビリティ関連課題の解決を支援するソリューション提供に努めております。
〇 政策提言
社会全体で現実的かつ着実にトランジションを推進すべく、産業界や政府当局との対話・提言にも積極的に取り組んでおります。日本では、脱炭素化に向けたファイナンス支援に当たる課題やブレンデッドファイナンス等官民のリスクシェアの必要性について、政府との対話を継続しております。アジアの脱炭素化に向けては、地域やお客さまの課題を踏まえた支援制度・資金供給の在り方について提言を実施しております。
(参考)三井住友フィナンシャルグループにおけるネットゼロ実現に向けた移行計画・取組


② 自然資本の保全・回復
自然資本とは、植物や動物、大気や水や土壌などの天然資源を意味しております。地球環境の保全に向けて、自然資本の損失を食い止め回復させる「ネイチャーポジティブ」がますます重要視される中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは自然資本分野における金融業界のパイオニアとしてお客さまの取組支援と自社の取組強化に注力しております。
「ネイチャーポジティブ」の実現に向けては、お客さまにおいてビジネスモデル変革、新たな技術の導入、環境負荷の低い設備投資等の多様なニーズが予想されます。それに対し、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおいては金融商品・サービス、コンサルティング等の提供を通じたビジネス機会の増加が見込まれます。
一方で、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループのお客さまの事業活動の多くは自然資本によって下支えされていることから、自然資本の喪失は金融グループとしての幅広い事業活動に潜在的なリスクをもたらす可能性があります。
このような認識のもと、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループではお客さまの企業活動と自然資本との関係を依存・影響の観点から分析し、それを踏まえて自社の事業における機会とリスクを認識し、各種対応策に取り組んでおります。
<企業における自然資本の保全・回復に向けた対応の概念図>

③ 人的資本経営の実践
イ.SMBCグループ人財ポリシーの浸透と実現
経営やビジネスの変化、従業員の価値観の多様化など、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループを取り巻く環境が目まぐるしく変化している中でも、「人」の大切さに変わりはありません。そのため当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは2023年度に「SMBCグループ人財ポリシー」を定め、その中で「従業員に求めるもの」と「従業員に提供する価値」を明文化いたしました。
従業員には、「プロフェッショナルとして責任を果たすこと」「お互いを認め合いチームで最高の成果を追求すること」「困難に立ち向かい挑戦し続けること」を求める一方、従業員のプロフェッショナルとしての活躍を後押しするため、「自分らしさを表現できる環境」「事業基盤を活かしたお客さま・社会へ貢献できる機会」「キャリア形成と成長のサポート」を提供してまいります。この先も成長を続け経済的価値・社会的価値を創出し続けるため、この人財ポリシーを通じて、企業と従業員の間でより一層の「選び、選ばれる関係」を築いてまいります。
「人財ポリシー」の実現度を定量的に評価する独自指標として、「人財ポリシースコア」を新たに導入しました。この指標は、グループの人的資本経営モデルを支える基盤である、人財ポリシーの左側(従業員に求めるもの)と右側(従業員に提供する価値)との良循環を可視化するものであります。今後も引き続きスコアのモニタリングを継続し、そこから得られるインサイトを施策に反映させることで、人的資本経営を深化させ、SMBCグループの持続的な成長を実現してまいります。

<2024年度の人財ポリシースコア>

ロ.各人材戦略の目指す姿・展望と現在の進捗
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、人財ポリシーに基づき、経済的価値・社会的価値の創出に向けて3つの人材戦略「戦略を支える人材ポートフォリオの構築」「従業員の成長とウェルビーイング支援」「チームのパフォーマンス最大化」を展開し、人材力の最大化を目指しております。
a) 戦略を支える人材ポートフォリオの構築
〇 注力分野の人材拡充
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、プロフェッショナル人材の確保と機動的な人材配置を目指し、人材ポートフォリオの構築を推進しております。「Olive」の推進を担うDX人材、グローバル人材、法務・コンプライアンス等の経営基盤を担う人材の3つの注力分野を定め、人材の重点投入を進めております。また当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ各社では、専門性向上を企図した専門人材認定制度を整備するとともに、特定領域でのプロフェッショナルを獲得・育成するためのコース別新卒採用を強化しております。
〇 グループ・グローバルを舞台とした活躍推進
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、グループ・グローバルで多様な人材が活躍できる仕組・環境の整備を進めております。国内外双方向の短期派遣や業務出向も強化しており、戦略上の注力国であるインドへの若手従業員派遣プログラムを新設する等、将来のグローバル人材の育成に注力しております。
〇 グローバルHRプラットフォームの構築
海外事業の重要性が高まる中、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループはグローバルで人事機能の一体化を推進し、「One Global HR」としてグローバル人材戦略を実行してまいります。戦略実現に向けて、人事組織・システム等のHRプラットフォームのグローバル統一化に加え、グローバルの人事体制を見直し、各地人事責任者のレポートラインを本社人事部にも接続するとともに、Global CoE(Center of Excellence)を機能別に置く等の施策を実施しており、グローバルでの運営体制強化を進めております。
b) 従業員の成長とウェルビーイング支援
〇 自らのキャリアと向き合い、挑戦する機会
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、グループ横断の公募制度や、各部署の魅力を従業員に伝える「ジョブフォーラム」の開催など、従業員一人ひとりが自分らしく活躍し挑戦できる環境を整備しております。社内ベンチャーの取組も推進しており、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ内で新規事業を立ち上げた「社長」が生まれております。
〇 社外派遣や副業による成長促進
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ各社では、従業員の多様なスキル・経験の習得を促すため、社外派遣エントリー制度、社内・社外副業の機会を提供しております。
〇 従業員の成長を支える心身の健康確保
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、一人ひとりが健康で活き活きと働くことができる環境の整備にグループ一体となって取り組んでおり、健康意識・リテラシー向上のためのセミナー・イベントの開催や、各種費用補助、柔軟な勤務制度の整備等を行っております。こうした取組が評価され、当行は「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に認定されました。
c) チームのパフォーマンス最大化
〇 DE&Iの推進
DE&Iは当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループにおける重要な成長戦略と位置付け、経営層の強いコミットメントのもとに取り組んでおります。意思決定層の多様性確保に向けて、様々な取組を推進するほか、性別に関係なく育児休業を取得しやすい組織づくりや、介護との両立に向けた制度の整備及びリテラシーの向上など、従業員が仕事とプライベートを両立しながら活躍できる環境の整備に注力しております。
〇 組織をリードするマネジメント育成
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、管理職手前から役員に至るまでマネジメント教育に注力しております。また、マネジメントレビューにも力をいれており、部下・同僚・上司からのフィードバックをうけてマネジメント力を向上させる機会を提供しております。
〇 エンゲージメント向上にむけた取組
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、組織や従業員のエンゲージメントの状態を定点観測でき、本部やマネジメントによる改善行動をサポートするツールとして、エンゲージメントサーベイを活用しております。また、エンゲージメント活動の好事例を横展開し、各拠点のエンゲージメント向上を牽引する「アンバサダー」の任命も行っております。
④ 人権の尊重
イ.人権尊重の考え方
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、人権尊重責任は企業が果たすべき責務と認識しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、「ビジネスと人権に関する指導原則」や「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などに沿い、当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループが人権の権利主体に対し与えうる負の影響と、多岐にわたるステークホルダーから当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ自身が被る影響の双方向の人権に関するリスクを踏まえたアプローチにより、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
<人権尊重の考え方>

ロ.重要な人権リスクの特定・評価
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、事業活動を通じて関与し得る人権への負の影響について、お客さまとの取引、サプライヤー取引、従業員の3つの観点で分析し、想定されるリスクについて深刻度・発生可能性の観点から重要度の高いものを特定しております。
2022年度に特定した重要な人権リスクについては、今後も定期的な見直しを行いながら、これらの人権への負の影響の防止・軽減に重点的に取り組んでまいります。
<重要な人権リスク事例>

(4)リスク管理
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、環境社会リスクを、気候関連、自然関連、人権等の、環境・社会要因がリスクドライバーとなり、様々な経路を通じて各リスクカテゴリーに波及することにより、最終的に当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループが損失を被るリスクと定義しております。当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは様々なリスク管理の枠組みの中で環境社会リスクを認識し、評価・管理する体制の高度化に努めております。
① トップリスク/リスクアペタイト・フレームワーク
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、収益拡大のために取る、あるいは許容するリスクの種類と量(リスクアペタイト)を明確にし、グループ全体のリスクをコントロールする枠組みとして、「リスクアペタイト・フレームワーク」を導入しております。
当行をはじめとした三井住友フィナンシャルグループのリスクアペタイト・フレームワークは、業務戦略とともに経営管理の両輪と位置付けられており、経営陣がグループを取り巻く環境やリスク認識を共有した上で、適切なリスクテイクを行う経営管理の枠組みであります。グル-プ全体のリスクアペタイトを踏まえ、事業部門別等、業務戦略に応じて必要な単位でのリスクアペタイトを設定しております。具体的なプロセスとしては、業務戦略・業務運営方針の策定にあたり、経営上特に重大なリスクを「トップリスク」として選定したうえで、リスクシナリオに基づくストレステストによるリスク分析を実施することで、リスクが顕在化した場合の影響も踏まえながら、リスクアペタイトを決定しております。気候関連リスクにおいては、物理的リスクや移行リスクに関して、ストレステストの手法を活用したシナリオ分析を実施し、与信関係費用を推計することで当行への財務的影響をあらかじめ把握しております。
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、環境社会リスクの観点において風水害等の災害増加や、環境課題や人権をめぐる政策・規制・社会規範の分断などをトップリスクとして位置付けております。特に、気候変動に係るリスクについては、業務計画を達成するためのリスクテイクやリスク管理に係る姿勢を示したリスクアペタイト・ステートメントにおいて、ネットゼロ目標の達成に向け、エンゲージメント促進やポートフォリオコントロール等を通じ気候関連リスクの増加を抑制していく旨を記載しております。

② セクター・事業に対する方針
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、以下に示した環境・社会に影響を与える可能性が高いセクター・事業に対する方針をそれぞれ明確化しております。この方針は、当行、株式会社SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース株式会社、SMBC日興証券株式会社において、それぞれのビジネスに沿う形で導入し、更なるリスク管理体制の強化を図っております。

③ 環境社会デューデリジェンス
当行では、コーポレートファイナンスおよびプロジェクト向けファイナンス双方において、環境社会リスク評価を行う環境社会デューデリジェンスを導入しております。評価結果は、与信判断の高度化やお客さまとのエンゲージメントに活用しております。

*従来の審査に加え、環境社会リスクが信用リスクやレピュテーショナルリスクに波及することによる影響も把握・評価した上で総合的に判断
(5)指標及び目標
① 気候変動に関する指標と目標
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、気候変動に係るリスク並びに機会を測定・管理するため、またパリ協定への整合/脱炭素に向けた道筋を示すため、GHG排出量やエクスポージャーなどに関する様々な指標を用いております。
イ.三井住友フィナンシャルグループにおけるGHG排出量
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、自社GHG排出量をネットゼロとする目標を掲げております。まずは2023年度に定めた中間目標である2025年度自社GHG排出量40%削減及び2026年度自社GHG排出量55%削減を達成するため、日本国内の自社物件やデータセンター等における電力の再生可能エネルギーへの転換や営業車の環境配慮車化に取り組む等、GHG排出量の削減を進めております。

ロ.ポートフォリオGHG排出量
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループでは、投融資ポートフォリオ全体でのGHG排出量(Scope3)について、2050年までのネットゼロ実現を目指しております。その約70%を占める電力、石油・ガス、石炭、自動車、鉄鋼、不動産の6つのセクターにおいて中期削減目標を設定しております。

*国内商業用不動産のノンリコースローン・REITが対象、REITの場合はScope3カテゴリー13を含む
ハ.サステナブルファイナンス取組額
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、環境配慮事業、社会関連事業、脱炭素社会への移行に関するファイナンスに積極的に取り組んでおります。2020年度から2029年度までの10年間での「グリーンファイナンス及びサステナビリティに資するファイナンス実行50兆円」という目標を設定し、お客さまとともに気候変動問題をはじめとする社会課題解決に取り組んでまいります。

② 人的資本に関する指標と目標
当行をはじめ、三井住友フィナンシャルグループは、「(3) 戦略 ③ 人的資本経営の実践」に記載している人的資本に関する取組について、目標達成に向けた進捗を管理するため、様々な指標を用いております。
イ.注力分野への人材拡充に関する指標
「Olive」の推進を担うDX人材や、法務・コンプライアンス等の経営基盤を担う人材、グローバル人材の3つの注力分野を定め、3か年投入計画を掲げております。

ロ.エンゲージメントに関する指標
多様な価値観を持つ従業員が、チームワークにより成果を生み出す風土の実現を目指しており、その状況を測るためにエンゲージメントサーベイを実施しております。スコア70以上を維持することをKPIとして掲げ、各種取組を推進しております。
