有価証券報告書-第117期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/28 13:36
【資料】
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【項目】
156項目
(2)戦略
①気候変動関連のリスク・機会の特定
気候変動に伴うリスク(移行リスク・物理的リスク)と機会については、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、定性的な分析を行っております。
概要時間軸
移行リスク・GHG排出に関する規制の強化や炭素税導入によりお客さまの業績が悪化し、当行の与信関係費用が増加するリスク
・脱炭素社会の移行に伴う技術の進歩等によりお客さまの事業が座礁資産化するリスク
中期~長期
・地球温暖化対策の取り組み不足や情報開示不足等が当行のレピュテーション悪化につながり、資金調達環境が悪化する等のリスク短期~長期
物理的リスク・台風・洪水等の急性的な自然災害の激甚化や、降水量増加等の慢性的な気候変化により、お客さまの業績悪化や担保物件棄損が発生し、当行の与信関係費用が増加するリスク
・事業が継続できないリスクや、事業継続にかかる対策・復旧によるコスト増加のリスク
短期~長期
機会・気候変動関連ビジネス(コンサルティング、商品・サービスの提供)需要の増加
・再生可能エネルギー関連融資をはじめとするサステナブルファイナンス等の取引拡大
・異常気象災害へ備えるインフラ投資、被害を低減させるための設備投資等への資金支援が増加
短期~長期

②炭素関連資産の状況
TCFD提言で気候関連の財務影響を受けやすいとされる「エネルギー(注)」「不動産・建設」「自動車・運輸」「素材」「農業・食料」「紙パルプ・林業製品」セクターを炭素関連資産としており、当行の与信残高に占める炭素関連資産の割合は、23.5%となっております。
(注)水道事業、再生可能エネルギー発電事業者は除いております。
③重要セクターの選定と定性評価
炭素関連資産のうち、気候変動の影響を受けやすいとされる業種の潜在的な影響度と、当行のポートフォリオに占める割合を踏まえた「重要セクター」を選定し、当該セクターに対する定性シナリオ分析を実施しております。
<重要セクターの選定>
炭素関連資産気候変動影響ポートフォリオの大きさ結果
エネルギー重要セクターに選定
不動産・建設重要セクターに選定
自動車・運輸非選定
素材非選定(注)
農業・食材非選定
紙パルプ・林業製品非選定

(注)素材に分類される業種が多く個々のリスク特性が異なるため選定しておりません。
<重要セクターの定性評価>
エネルギー・炭素税導入
・GHG排出規制の強化
・再生可能エネルギーの普及が加速
・化石燃料由来の電気需要低下
・化石燃料由来の原料価格低下
・異常気象激甚化による河川洪水の被害増加
不動産・建設・炭素税導入
・環境性能が高い建物への需要変化
・競争力強化のための建設費増加
・異常気象激甚化による河川洪水の被害増加

④シナリオ分析
重要セクターの定性評価の結果を踏まえ、移行リスク及び物理的リスクについて、複数の温度帯シナリオを用いて当行の与信費用の増加額を推定いたしました。
シナリオ想定される主な動きリスクへの影響
1.5℃シナリオ抜本的な気候変動対応・対策を行うことにより2100年の地球の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃未満の上昇に抑えるシナリオ移行リスクの増加が見込まれる
4℃シナリオ従来通り化石燃料等への依存による二酸化炭素排出量を継続した場合、2100年の地球の平均気温が産業革命前と比べて2.7℃~5.4℃上昇するシナリオ物理的リスクの増加が見込まれる

<移行リスク>移行リスクは、重要セクターのうち炭素税導入や将来需要の変化のほか、電源構成の変化等を考慮して、当行の信用リスクへの影響が高いと考えられる、「エネルギーセクター」を分析対象といたしました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)におけるNZEシナリオ(1.5℃シナリオ)などを参考に推計いたしました。
分析対象エネルギー
シナリオ前提炭素税の導入に伴う与信先企業の追加費用発生、消費者の需要変化、および与信先企業の今後の脱炭素対応を踏まえ、当行の信用リスクへの影響を推定
使用シナリオIEA Net-Zero Emissions by 2050シナリオ(1.5℃シナリオ)
分析期間2050年まで
リスク指標増加が想定される与信関連費用
分析結果2050年までの与信費用増加額は、累積で12億円程度
(炭素税導入の影響のみを考慮した保守的な推定結果19億円)

<物理的リスク>物理的リスクは、与信先の業種ごとの特性だけでなく、企業や当社担保物件の所在地にも左右されると考えられることから、分析対象は地域を特定したうえで法人全体と個人(住宅ローンとアパートローン)といたしました。分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)及びRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、ハザードマップを利用して推計いたしました。
分析対象洪水:江戸川流域の県内6市(注1)における法人全体と個人(住宅ローン、アパートローン)
高潮:東京湾岸の県内10市(注2)における法人全体と個人(住宅ローン、アパートローン)
シナリオ前提急性リスク顕在化による水災の発生頻度と被害増加をハザードマップから想定し、当行担保物件と与信先企業の業績への影響を踏まえた信用リスクへの影響を推定
使用シナリオIPCC RCP2.6(2℃シナリオ)及びIPCC RCP8.5(4℃シナリオ)
分析期間2050年まで
リスク指標増加が想定される与信関連費用
分析結果2050年までの与信費用増加額は、2℃シナリオで最大13億円程度、4℃シナリオで最大17億円程度

(注)1.浦安市、市川市、船橋市、松戸市、流山市、野田市
2.浦安市、市川市、船橋市、習志野市、千葉市、市原市、袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市

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