日本経済は、年度を通して景気の回復を享受しました。景気を牽引したのが、「アベノミクスの3本の矢」と呼ばれる、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、による政策効果です。特に、新体制の下での日本銀行が4月に導入した「量的・質的金融緩和」によって円安と株高が進行した結果、民間消費が上向く一方で、輸出企業の収益は大きく改善しました。また、12年度補正予算による景気刺激策も公共投資の大幅な増加につながり、経済成長を支えました。他方、2014年4月から実施された消費税率の引き上げに先立って駆け込み需要が発生した結果、2014年1-3月期には民間消費が加速しました。こうした結果、2014年3月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、2.3%を記録しました。
企業業績は、「アベノミクス」による円高修正、海外景気の回復、消費増税を控えた駆け込み需要を受け、2013年度に全ての業種で経常利益は増益もしくは黒字転換となった模様です。増益寄与が大きかったのは自動車や電機・精密など他の業種と比較して為替感応度が大きい業種と、リフレ的環境の恩恵が大きい金融でした。5月12日集計時点の2014年3月期の主要企業(Russell/Nomura Large Cap)の推定経常利益は前期比35%の増益となり、2013年3月期の同13%増益から増益率が高まりました。
株式市場は、上述の「量的・質的金融緩和」を受けて株価は大幅上昇した後、2013年6月に発表された成長戦略などを機に株価は調整したものの、円高修正トレンドが継続したことから12月まで上昇傾向が継続しました。しかし、2014年に入ると消費増税による国内景気の減速懸念、日銀による追加金融緩和期待の後退、大寒波による米景気の減速懸念、ウクライナでの地政学リスクの高まりなどを受けて、株式市場は軟調な展開となりました。代表的な株価指数である東証株価指数(以下「TOPIX」)は、2013年3月末の1,034.71ポイントから、2014年3月末には1,202.89ポイントと16.3%上昇しました。一方、日経平均株価は2013年3月末の12,397.91円から2014年3月末には14,827.83円と19.6%上昇しました。
2014/06/26 17:15