有価証券報告書-第77期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
有報資料
本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。また、当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積もりを行っており、これらの見積もりは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積もりと異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。
① 金融商品の評価
当社グループでは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として損益計算書に計上しております。評価に用いる時価は、市場で取引が行われている有価証券やデリバティブ取引については当連結会計年度末時点の市場価格を、市場価格のない有価証券やデリバティブ取引については理論価格を、それぞれ使用しております。理論価格を算出する際には、対象となる商品や取引について最も適切と考えられるモデルを採用しております。
② 有価証券の減損
当社グループでは、投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。このうち時価のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、時価の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがないと判断したものについては、減損処理を行っております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、実質価額が著しく低下し、かつ、回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理を行っております。
③ 固定資産の減損
当社グループでは、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、継続使用資産のうち、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。
④ 繰延税金資産の状況
(ⅰ)繰延税金資産の算入根拠
当社グループでは、税務上の繰越欠損金や企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。
(ⅱ)過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)
(単位:百万円)
(注) 提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの所得を記載しております。また、記載した課税所得は法人税確定申告書上の繰越欠損金控除前の数値であり、その後の変動は反映されておりません。
なお、当連結会計年度末に係る連結貸借対照表上の繰延税金資産10,357百万円のうち、提出会社を親会社とする連結納税会社の計上額合計は5,302百万円であります。
(ⅲ)見積りの前提とした税引前当期純利益の見込額
提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの課税所得見積期間を3年とし、同期間の税引前当期純利益を136,915百万円と見積もっております。
(ⅳ)繰延税金資産・負債の主な発生原因
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 税効果会計関係 1」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の営業収益は前年度比22.3%増の6,428億円、純営業収益は同29.9%増の5,419億円となりました。
受入手数料は3,019億円と、同31.6%の増収となりました。委託手数料は株式市場の活況により日本株の売買代金が増加したことから株式委託手数料が増加し、同83.4%増の896億円となりました。また、リテール部門において株式投信販売額が増加したことから、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は同20.1%増の559億円となりました。
トレーディング損益は、債券販売が堅調であったこと等から、同26.7%増の1,564億円となりました。営業投資有価証券関連損益は、既存投資案件の回収を進めた結果、同5.6%増の174億円となりました。
販売費・一般管理費は同7.2%増の3,573億円になりました。これは、従前より実施してきたコスト削減の効果により、不動産関係費が同5.0%減の362億円、減価償却費が同13.7%減の265億円となったものの、増収・増益に伴い人件費が同12.8%増の1,770億円、取引関係費が同11.8%増の743億円となったことによるものです。以上より、経常利益は同107.0%増の1,970億円となりました。
また、特別利益として投資有価証券売却益96億円、減損損失等の特別損失111億円、法人税等及び少数株主利益を計上した結果、当期純利益は同132.4%増の1,694億円となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
<資産の部>当連結会計年度末の総資産は前年度末比4,317億円増の19兆4,808億円となりました。内訳は流動資産が同4,079億円増の18兆7,371億円であり、このうちトレーディング商品が同1兆7,381億円減の7兆1,109億円、有価証券担保貸付金が同1兆466億円増の5兆8,884億円、有価証券が同4,702億円増の2兆5,833億円となっております。固定資産は同238億円増の7,437億円となっております。
<負債の部・純資産の部>当連結会計年度末の負債合計は前年度末比2,608億円増の18兆2,274億円となりました。内訳は流動負債が同993億円増の16兆1,547億円であり、このうちトレーディング商品が同3,307億円増の5兆2,964億円、有価証券担保借入金が同8,126億円減の6兆3,302億円、銀行業における預金が同4,059億円増の2兆1,977億円、短期借入金が同423億円減の9,039億円となっております。固定負債は同1,606億円増の2兆691億円であり、このうち社債が同508億円増の1兆2,490億円、長期借入金が同1,061億円増の7,489億円となっております。
当連結会計年度末の純資産合計は同1,708億円増の1兆2,534億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計はほぼ変わらずの4,781億円となりました。利益剰余金は当期純利益を計上したことから、同1,197億円増の5,284億円となっております。自己株式の控除額は、自己株式の売却により前年度末に比べ13億円減少し、178億円となっております。その他有価証券評価差額金は保有有価証券の時価の上昇により同111億円増の878億円、為替換算調整勘定は円安の進行により306億円増の149億円、少数株主持分は同31億円増の1,675億円となっております。
(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
平成25年度のマクロ経済環境
<海外の状況>世界経済は、新興国で減速がみられたものの、先進国を中心に緩やかな拡大傾向が続きました。先進国経済は、底堅い個人消費が牽引役となり米国で持続的な景気拡大が続いたこと、景気後退が続いてきた欧州でも年央以降景気回復の動きがみられたことから、総じて拡大傾向となりました。実体経済の底堅さを反映して、米国の株価は史上最高値を更新するなど、先進国の株価は軒並み上昇傾向となりました。一方、新興国経済は、米国での金融緩和縮小の議論が高まったことをきっかけに、リスク回避傾向の高まりによって資金流出が進んだことから、平成25年半ば以降、多くの国で景気の減速がみられました。
米国経済は緩やかな拡大傾向が続きました。家計部門が堅調に推移していることが経済を牽引しています。個人消費が堅調に推移している背景には、株価上昇による資産効果や、雇用環境の改善が続いていることがあります。また、住宅需要の増加を受けて、住宅市場は改善傾向にあり、家計のバランスシート調整が進展しました。平成25年10月には新年度暫定予算が財政年度末までに成立せず政府機関の一部が閉鎖されるなど、財政問題が景気の下押し圧力となり、その後の平成26年1-3月期には記録的な寒波や干ばつなど、悪天候が景気の下押し要因となりましたが、底堅い個人消費に支えられGDPはプラス成長が続きました。金融面では引き続き緩和的な状況が続きました。しかし、雇用環境を中心とした国内景気の回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3(量的緩和第3弾)の縮小開始を決定し、平成26年1月以降、FRBによる資産買い入れ規模は段階的に縮小されました。
欧州経済は、平成25年前半は財政・金融問題を背景に景気悪化が続いていましたが、年央以降、持ち直しの動きがみられました。平成25年4-6月期に7四半期ぶりのプラスに転じたユーロ圏のGDPは、10-12月期まで3四半期連続のプラス成長となりました。欧州経済が持ち直した最大の要因は、平成23年頃から継続的に財政健全化に取り組んできたことにより、財政要因による景気の下押し傾向が弱まったことです。また、財政問題が徐々に鎮静化するなか、失業率の悪化に歯止めがかかったことで、消費者マインドは改善し、個人消費も持ち直し傾向となりました。企業部門の景況感についても平成24年末を底に回復傾向が続いています。ただし、周縁国では失業率が依然高水準で推移するなど、ユーロ圏内でも国ごとに景気の改善度合いに格差が生じており、欧州経済には依然として不安定要因が存在しています。金融面では、ECB(欧州中央銀行)は緩和的な金融政策を継続し、平成25年5月に10ヶ月ぶりの利下げを行い、同年7月には「フォワード・ガイダンス」を採用して、長期間低金利を維持することを明示しました。また、景気回復が非常に緩やかなものに留まり、インフレ率も低位で推移していたことから、同年11月にも再度利下げを行いました。しかし、利下げ後も、ユーロ高による輸入物価下落の影響もありインフレ率は低下傾向が続きました。
新興国では、総じてみれば景気拡大が続いているものの、平成25年半ば頃から多くの国で減速がみられました。新興国の景気減速の原因には、平成24年5月以降、米国での金融緩和縮小が議論され始めたことをきっかけに新興国からの資金流出が進んだことが挙げられます。資金流出によって主要な新興国の為替レートは減価し、株価も多くの国で下落しました。また、こうした為替の減価と、それに伴うインフレ率の上昇に対応するために、ブラジル、インドネシア、インドなどでは金融引き締めを余儀なくされたことも、景気減速の要因となりました。しかし、こうした新興国による利上げは、先進国経済の拡大による新興国景気の下支え効果と相まって、年度末にかけて新興国からの資金流出に歯止めをかけることとなりました。一方、中国に目を向けると、平成25年7-9月期に前年同期比+7.8%だったGDP成長率は、同年10-12月期には前年同期比+7.7%、平成26年1-3月期には前年同期比+7.4%と減速傾向が続いています。中国では不動産バブルに対する懸念が高まっていることもあり、過度に投資に依存した成長から、個人消費を中心とした持続的成長へと舵を切りつつあり、相対的な高成長は続いているものの、趨勢的に成長率の鈍化がみられています。
<日本の状況>日本経済は、内需主導による回復傾向が続きました。景気回復の最大の牽引役となったのは、個人消費の増加です。家計の所得環境の改善が遅れる中、平成24年末からの株高による資産効果とマインドの改善が、個人消費を押し上げました。平成25年7-9月期に入ると、マインドの改善が一服したことなどから、個人消費は弱含みの傾向をみせましたが、10-12月期以降は、平成26年4月の消費増税前に向けた駆け込み需要が顕在化したことにより、個人消費は増勢を強めることとなりました。住宅投資も、緩やかな増加傾向が続いています。低金利継続による好環境が続いていることに加えて、増税前の駆け込み需要が住宅投資を押し上げました。こうした堅調な内需に牽引され、企業の生産活動は改善が続きました。一方、輸出数量については、概ね横ばい圏での推移となりましたが、円安の進行による輸出価格の上昇により、輸出関連製造業を中心に企業収益は大幅に改善しました。企業収益の改善と生産活動の活発化に伴う設備過剰感の解消によって、設備投資でも持ち直しの動きが見られました。さらに、公共投資が高水準で推移したことも、景気を下支えしました。これは、安倍政権発足後、平成25年1月に「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が策定され、同年2月に平成24年度補正予算が成立したためです。補正予算が執行され始めたことにより、公共投資は平成25年4-6月期以降、加速することとなりました。年度後半にかけては公共投資の減速が見られましたが、高水準での推移が続いています。
金融面では、平成25年4月に日本銀行が黒田新総裁の下での金融政策決定会合において「量的・質的金融緩和」導入を決定しました。日本銀行は2年間でマネタリーベースを2倍にすることを目標とし、大規模な金融緩和を続けています。
日本銀行による金融緩和の継続を背景に、為替市場は円安基調で推移し、平成25年5月半ばには4年1ヶ月ぶりに1ドル100円を上回りました。その後はリスク回避的に円高方向に押し戻される局面もあり、横ばい圏での推移が続きましたが、11月頃からは金融緩和縮小観測の高まりによる米国市場金利の上昇によって、円安方向で推移しました。しかし、平成26年に入ると、中国経済の減速懸念の高まりやウクライナ情勢の悪化等によるリスク回避から、円安傾向に歯止めがかかりました。株価についても乱高下はあったものの、円安基調を背景とした企業収益の改善を主因に、上昇傾向で推移しました。ただし、新興国リスクの台頭による世界的な株安から、株価は年末をピークにして平成26年1-3月期は下落傾向となりました。10年債金利は、日本銀行が買取りの対象となる国債の年限を長期化したことを受け、平成25年4月初めに一旦0.315%の過去最低水準まで低下しました。5月に入ると米国の金融緩和縮小観測が高まる中、0.9%台まで急激に上昇しましたが、その後は、ならしてみれば国債利回りの低下傾向が続きました。11月から年末にかけては、米国市場金利の上昇に影響されて、日本の国債利回りも上昇する局面もありましたが、日本銀行による大規模な金融緩和を背景に、国債利回りは低位で推移しました。
平成26年3月末の日経平均株価は14,827円83銭(平成25年3月末比2,429円92銭高)、10年国債利回りは0.640%(同0.08ポイントの上昇)、為替は1ドル102円98銭(同8円94銭の円安)となりました。
(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資金流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、事業の継続に支障を来すことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
また、当社は、バーゼル委員会が提示した流動性カバレッジ比率を参考にした手法で、流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、複数のストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを毎日確認しております。これにより、当社グループでは、今後1年間無担保資金調達が行えない場合でも、業務の継続が可能となるよう体制を構築しております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの短期無担保調達資金及び流動性ポートフォリオの状況は次のとおりです。
(単位:億円)
(注) 上記には銀行業にかかる資産及び負債は含めておりません。
当連結会計年度末における当社グループの流動性ポートフォリオの合計額は1兆6,137億円であります。また、補完的流動性ポートフォリオを含めた合計額は2兆5,930億円であり、この金額は同年度末の短期無担保調達資金の合計額の224.7%に相当します。
<グループ全体の資金管理>当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。
<資金流動性コンティンジェンシー・プラン>当社グループは、資金流動性リスクへの対応の一環として、資金流動性コンティンジェンシー・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。
当社グループの資金流動性コンティンジェンシー・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
また、金融市場の変動の影響が大きくその資金流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別の資金流動性コンティンジェンシー・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。
なお、当社は、子会社の資金流動性コンティンジェンシー・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。
② 株主資本
当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。
平成26年3月31日現在の株主資本は、前年度末比1,212億円増加し、9,887億円となりました。また、資本金及び資本剰余金の合計は4,781億円となっております。利益剰余金は当期純利益1,694億円や配当金支払い496億円等を計上した結果、前年度末比1,197億円増の5,284億円となりました。自己株式の控除額は、前年度末に比べ13億円減少し、178億円となっております。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。また、当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積もりを行っており、これらの見積もりは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積もりと異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。
① 金融商品の評価
当社グループでは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として損益計算書に計上しております。評価に用いる時価は、市場で取引が行われている有価証券やデリバティブ取引については当連結会計年度末時点の市場価格を、市場価格のない有価証券やデリバティブ取引については理論価格を、それぞれ使用しております。理論価格を算出する際には、対象となる商品や取引について最も適切と考えられるモデルを採用しております。
② 有価証券の減損
当社グループでは、投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。このうち時価のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、時価の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがないと判断したものについては、減損処理を行っております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、実質価額が著しく低下し、かつ、回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理を行っております。
③ 固定資産の減損
当社グループでは、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、継続使用資産のうち、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。
④ 繰延税金資産の状況
(ⅰ)繰延税金資産の算入根拠
当社グループでは、税務上の繰越欠損金や企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。
(ⅱ)過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)
(単位:百万円)
| 回次 | 第72期 | 第73期 | 第74期 | 第75期 | 第76期 |
| 決算年月 | 平成21年3月 | 平成22年3月 | 平成23年3月 | 平成24年3月 | 平成25年3月 |
| 連結納税グループの課税所得 | 1,062 | 49,597 | △36,255 | 35,498 | △12,727 |
(注) 提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの所得を記載しております。また、記載した課税所得は法人税確定申告書上の繰越欠損金控除前の数値であり、その後の変動は反映されておりません。
なお、当連結会計年度末に係る連結貸借対照表上の繰延税金資産10,357百万円のうち、提出会社を親会社とする連結納税会社の計上額合計は5,302百万円であります。
(ⅲ)見積りの前提とした税引前当期純利益の見込額
提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの課税所得見積期間を3年とし、同期間の税引前当期純利益を136,915百万円と見積もっております。
(ⅳ)繰延税金資産・負債の主な発生原因
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 税効果会計関係 1」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の営業収益は前年度比22.3%増の6,428億円、純営業収益は同29.9%増の5,419億円となりました。
受入手数料は3,019億円と、同31.6%の増収となりました。委託手数料は株式市場の活況により日本株の売買代金が増加したことから株式委託手数料が増加し、同83.4%増の896億円となりました。また、リテール部門において株式投信販売額が増加したことから、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は同20.1%増の559億円となりました。
トレーディング損益は、債券販売が堅調であったこと等から、同26.7%増の1,564億円となりました。営業投資有価証券関連損益は、既存投資案件の回収を進めた結果、同5.6%増の174億円となりました。
販売費・一般管理費は同7.2%増の3,573億円になりました。これは、従前より実施してきたコスト削減の効果により、不動産関係費が同5.0%減の362億円、減価償却費が同13.7%減の265億円となったものの、増収・増益に伴い人件費が同12.8%増の1,770億円、取引関係費が同11.8%増の743億円となったことによるものです。以上より、経常利益は同107.0%増の1,970億円となりました。
また、特別利益として投資有価証券売却益96億円、減損損失等の特別損失111億円、法人税等及び少数株主利益を計上した結果、当期純利益は同132.4%増の1,694億円となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
<資産の部>当連結会計年度末の総資産は前年度末比4,317億円増の19兆4,808億円となりました。内訳は流動資産が同4,079億円増の18兆7,371億円であり、このうちトレーディング商品が同1兆7,381億円減の7兆1,109億円、有価証券担保貸付金が同1兆466億円増の5兆8,884億円、有価証券が同4,702億円増の2兆5,833億円となっております。固定資産は同238億円増の7,437億円となっております。
<負債の部・純資産の部>当連結会計年度末の負債合計は前年度末比2,608億円増の18兆2,274億円となりました。内訳は流動負債が同993億円増の16兆1,547億円であり、このうちトレーディング商品が同3,307億円増の5兆2,964億円、有価証券担保借入金が同8,126億円減の6兆3,302億円、銀行業における預金が同4,059億円増の2兆1,977億円、短期借入金が同423億円減の9,039億円となっております。固定負債は同1,606億円増の2兆691億円であり、このうち社債が同508億円増の1兆2,490億円、長期借入金が同1,061億円増の7,489億円となっております。
当連結会計年度末の純資産合計は同1,708億円増の1兆2,534億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計はほぼ変わらずの4,781億円となりました。利益剰余金は当期純利益を計上したことから、同1,197億円増の5,284億円となっております。自己株式の控除額は、自己株式の売却により前年度末に比べ13億円減少し、178億円となっております。その他有価証券評価差額金は保有有価証券の時価の上昇により同111億円増の878億円、為替換算調整勘定は円安の進行により306億円増の149億円、少数株主持分は同31億円増の1,675億円となっております。
(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
平成25年度のマクロ経済環境
<海外の状況>世界経済は、新興国で減速がみられたものの、先進国を中心に緩やかな拡大傾向が続きました。先進国経済は、底堅い個人消費が牽引役となり米国で持続的な景気拡大が続いたこと、景気後退が続いてきた欧州でも年央以降景気回復の動きがみられたことから、総じて拡大傾向となりました。実体経済の底堅さを反映して、米国の株価は史上最高値を更新するなど、先進国の株価は軒並み上昇傾向となりました。一方、新興国経済は、米国での金融緩和縮小の議論が高まったことをきっかけに、リスク回避傾向の高まりによって資金流出が進んだことから、平成25年半ば以降、多くの国で景気の減速がみられました。
米国経済は緩やかな拡大傾向が続きました。家計部門が堅調に推移していることが経済を牽引しています。個人消費が堅調に推移している背景には、株価上昇による資産効果や、雇用環境の改善が続いていることがあります。また、住宅需要の増加を受けて、住宅市場は改善傾向にあり、家計のバランスシート調整が進展しました。平成25年10月には新年度暫定予算が財政年度末までに成立せず政府機関の一部が閉鎖されるなど、財政問題が景気の下押し圧力となり、その後の平成26年1-3月期には記録的な寒波や干ばつなど、悪天候が景気の下押し要因となりましたが、底堅い個人消費に支えられGDPはプラス成長が続きました。金融面では引き続き緩和的な状況が続きました。しかし、雇用環境を中心とした国内景気の回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3(量的緩和第3弾)の縮小開始を決定し、平成26年1月以降、FRBによる資産買い入れ規模は段階的に縮小されました。
欧州経済は、平成25年前半は財政・金融問題を背景に景気悪化が続いていましたが、年央以降、持ち直しの動きがみられました。平成25年4-6月期に7四半期ぶりのプラスに転じたユーロ圏のGDPは、10-12月期まで3四半期連続のプラス成長となりました。欧州経済が持ち直した最大の要因は、平成23年頃から継続的に財政健全化に取り組んできたことにより、財政要因による景気の下押し傾向が弱まったことです。また、財政問題が徐々に鎮静化するなか、失業率の悪化に歯止めがかかったことで、消費者マインドは改善し、個人消費も持ち直し傾向となりました。企業部門の景況感についても平成24年末を底に回復傾向が続いています。ただし、周縁国では失業率が依然高水準で推移するなど、ユーロ圏内でも国ごとに景気の改善度合いに格差が生じており、欧州経済には依然として不安定要因が存在しています。金融面では、ECB(欧州中央銀行)は緩和的な金融政策を継続し、平成25年5月に10ヶ月ぶりの利下げを行い、同年7月には「フォワード・ガイダンス」を採用して、長期間低金利を維持することを明示しました。また、景気回復が非常に緩やかなものに留まり、インフレ率も低位で推移していたことから、同年11月にも再度利下げを行いました。しかし、利下げ後も、ユーロ高による輸入物価下落の影響もありインフレ率は低下傾向が続きました。
新興国では、総じてみれば景気拡大が続いているものの、平成25年半ば頃から多くの国で減速がみられました。新興国の景気減速の原因には、平成24年5月以降、米国での金融緩和縮小が議論され始めたことをきっかけに新興国からの資金流出が進んだことが挙げられます。資金流出によって主要な新興国の為替レートは減価し、株価も多くの国で下落しました。また、こうした為替の減価と、それに伴うインフレ率の上昇に対応するために、ブラジル、インドネシア、インドなどでは金融引き締めを余儀なくされたことも、景気減速の要因となりました。しかし、こうした新興国による利上げは、先進国経済の拡大による新興国景気の下支え効果と相まって、年度末にかけて新興国からの資金流出に歯止めをかけることとなりました。一方、中国に目を向けると、平成25年7-9月期に前年同期比+7.8%だったGDP成長率は、同年10-12月期には前年同期比+7.7%、平成26年1-3月期には前年同期比+7.4%と減速傾向が続いています。中国では不動産バブルに対する懸念が高まっていることもあり、過度に投資に依存した成長から、個人消費を中心とした持続的成長へと舵を切りつつあり、相対的な高成長は続いているものの、趨勢的に成長率の鈍化がみられています。
<日本の状況>日本経済は、内需主導による回復傾向が続きました。景気回復の最大の牽引役となったのは、個人消費の増加です。家計の所得環境の改善が遅れる中、平成24年末からの株高による資産効果とマインドの改善が、個人消費を押し上げました。平成25年7-9月期に入ると、マインドの改善が一服したことなどから、個人消費は弱含みの傾向をみせましたが、10-12月期以降は、平成26年4月の消費増税前に向けた駆け込み需要が顕在化したことにより、個人消費は増勢を強めることとなりました。住宅投資も、緩やかな増加傾向が続いています。低金利継続による好環境が続いていることに加えて、増税前の駆け込み需要が住宅投資を押し上げました。こうした堅調な内需に牽引され、企業の生産活動は改善が続きました。一方、輸出数量については、概ね横ばい圏での推移となりましたが、円安の進行による輸出価格の上昇により、輸出関連製造業を中心に企業収益は大幅に改善しました。企業収益の改善と生産活動の活発化に伴う設備過剰感の解消によって、設備投資でも持ち直しの動きが見られました。さらに、公共投資が高水準で推移したことも、景気を下支えしました。これは、安倍政権発足後、平成25年1月に「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が策定され、同年2月に平成24年度補正予算が成立したためです。補正予算が執行され始めたことにより、公共投資は平成25年4-6月期以降、加速することとなりました。年度後半にかけては公共投資の減速が見られましたが、高水準での推移が続いています。
金融面では、平成25年4月に日本銀行が黒田新総裁の下での金融政策決定会合において「量的・質的金融緩和」導入を決定しました。日本銀行は2年間でマネタリーベースを2倍にすることを目標とし、大規模な金融緩和を続けています。
日本銀行による金融緩和の継続を背景に、為替市場は円安基調で推移し、平成25年5月半ばには4年1ヶ月ぶりに1ドル100円を上回りました。その後はリスク回避的に円高方向に押し戻される局面もあり、横ばい圏での推移が続きましたが、11月頃からは金融緩和縮小観測の高まりによる米国市場金利の上昇によって、円安方向で推移しました。しかし、平成26年に入ると、中国経済の減速懸念の高まりやウクライナ情勢の悪化等によるリスク回避から、円安傾向に歯止めがかかりました。株価についても乱高下はあったものの、円安基調を背景とした企業収益の改善を主因に、上昇傾向で推移しました。ただし、新興国リスクの台頭による世界的な株安から、株価は年末をピークにして平成26年1-3月期は下落傾向となりました。10年債金利は、日本銀行が買取りの対象となる国債の年限を長期化したことを受け、平成25年4月初めに一旦0.315%の過去最低水準まで低下しました。5月に入ると米国の金融緩和縮小観測が高まる中、0.9%台まで急激に上昇しましたが、その後は、ならしてみれば国債利回りの低下傾向が続きました。11月から年末にかけては、米国市場金利の上昇に影響されて、日本の国債利回りも上昇する局面もありましたが、日本銀行による大規模な金融緩和を背景に、国債利回りは低位で推移しました。
平成26年3月末の日経平均株価は14,827円83銭(平成25年3月末比2,429円92銭高)、10年国債利回りは0.640%(同0.08ポイントの上昇)、為替は1ドル102円98銭(同8円94銭の円安)となりました。
(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資金流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、事業の継続に支障を来すことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
また、当社は、バーゼル委員会が提示した流動性カバレッジ比率を参考にした手法で、流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、複数のストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを毎日確認しております。これにより、当社グループでは、今後1年間無担保資金調達が行えない場合でも、業務の継続が可能となるよう体制を構築しております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの短期無担保調達資金及び流動性ポートフォリオの状況は次のとおりです。
(単位:億円)
| 銀行等からの短期借入金 | 2,344 | ||
| その他の短期借入金 | 4,287 | ||
| コマーシャル・ペーパー | 2,664 | ||
| 1年内償還予定の社債 | 2,243 | ||
| 短期無担保調達資金合計 | 11,540 | ||
| 現金・預金 | 13,876 | ||
| 国債・政府保証債等 | 2,260 | ||
| 流動性ポートフォリオ | 16,137 | ||
| その他の債券 | 4,191 | ||
| 上場株式等 | 5,502 | ||
| その他 | 100 | ||
| 補完的流動性ポートフォリオ | 9,793 | ||
| 流動性ポートフォリオ等合計 | 25,930 | ||
(注) 上記には銀行業にかかる資産及び負債は含めておりません。
当連結会計年度末における当社グループの流動性ポートフォリオの合計額は1兆6,137億円であります。また、補完的流動性ポートフォリオを含めた合計額は2兆5,930億円であり、この金額は同年度末の短期無担保調達資金の合計額の224.7%に相当します。
<グループ全体の資金管理>当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。
<資金流動性コンティンジェンシー・プラン>当社グループは、資金流動性リスクへの対応の一環として、資金流動性コンティンジェンシー・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。
当社グループの資金流動性コンティンジェンシー・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
また、金融市場の変動の影響が大きくその資金流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別の資金流動性コンティンジェンシー・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。
なお、当社は、子会社の資金流動性コンティンジェンシー・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。
② 株主資本
当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。
平成26年3月31日現在の株主資本は、前年度末比1,212億円増加し、9,887億円となりました。また、資本金及び資本剰余金の合計は4,781億円となっております。利益剰余金は当期純利益1,694億円や配当金支払い496億円等を計上した結果、前年度末比1,197億円増の5,284億円となりました。自己株式の控除額は、前年度末に比べ13億円減少し、178億円となっております。